「冬海先生はクビにしたわ」
「クビでいいのか?」
顧問以前に学校の先生としてクビにしたと言う夏未。
普通に殺人未遂なので逮捕されてもおかしくないのにクビの一言で済ませるとは流石は超次元だ。
とにかくクビにしたと言うので冬海から逃れる事が出来るのだと喜ぶのだがはいそうですかで終わらない。
「監督が居なきゃ大会に出れないって……そりゃ無いでしょ……」
今までやってきたのにと落ち込むマックス。
「だったら新しい監督を見つけるしかねえだろう……雷門夏未の一言があればこの学校の誰かが監督になってくれるだろ?」
「……そうしたいのは山々だけど、それは出来ないのよ」
「なんでだよ?」
「それについては私から説明しよう!」
染岡が夏未の権力を行使して適当な顧問を立ち上げればいいのだと言うのだが、それが出来ないと言い張る。
今までだって冬海が不愉快で監督らしいことをしてくれなかったので他の運動部の教師が顧問を務めればいい、形だけで良いから監督になってくれればそれでいいと思っているのだがそれは無理だといい染岡が何故無理なのかを聞けば理事長が現れた。
「理事長……なんでダメなんですか?」
「……土門くん、君は帝国学園から送られてきたスパイだった。コレは間違いないね?」
「はい…………」
「コレは私が独自に調べているのだが、帝国学園の総帥である影山が似たような事を何度も何度もしているのだよ。帝国学園の無敗伝説の裏には土門くんの様なスパイが裏で活動していたんだ」
「そんな事が……それと監督とどう繋がるんですか?」
「帝国学園は裏で色々と妨害工作等をしている……確かな証拠はまだ得られていないが冬海の一件で確信した。帝国学園に挑むには生半可な気持ちの形だけの顧問ではいけないと」
「で、でもどうするんですか!?帝国学園に恐れずに戦ってくれる監督を見つけないと試合そのものが出来ないんですよ!」
影山が裏で色々と不正を行っていると調べてるっぽい理事長。
形だけの監督や顧問では帝国学園の妨害工作からは逃れる事は出来ない、生半可な気持ちで雷門イレブンの監督は出来ないという。
だがそれだと帝国学園との試合そのものが成立しない、音無がそう言えば理事長は1枚のメモ用紙を渡してきた。
「円堂くん、君はここに向かいたまえ……ここには嘗てのイナズマイレブンのキャプテンが居る」
「イナズマイレブンのキャプテンか…………」
「奴が首を縦に振るかどうかは分からない。だが帝国学園と戦えるのは奴しか居ないんだ!」
「……皆、河川敷で練習しといてくれ……俺はここに行ってみるよ」
何時も通りの練習をしてくれとチームメイトに頼んでおく。
理事長が渡してくれたメモ用紙を片手に向かったのは……雷々軒だった……いや、住所からして知ってたんだがな。
念の為に財布を持ってきといて正解だったなと雷々軒のドアを開いた。
「いらっしゃい」
「此処にイナズマイレブンのキャプテンが居るって理事長から聞いたんだけど知らない?」
「イナズマイレブンのキャプテンだ?そんなもんはこの店に居ない……客じゃないなら帰りな」
「チャーシュー麺を1つ」
雷々軒の店主にイナズマイレブンのキャプテンが居るか聞いたがそんな物は居ないと言い張る。
客じゃないなら帰れと言いはるので俺はチャーシュー麺を注文し、チャーシュー麺を食う……相変わらず美味いラーメンだ。
「おじさん、イナズマイレブンに関して詳しかったよね……秘伝書の存在についても詳しかったし……」
「…………麺が伸びちまう……ちゃんと麺を食いな」
「……」
一先ずはチャーシュー麺を平らげる。ごちそうさまと食べ終われば代金を支払い、河川敷にまで向かった。
言っていた通り河川敷で皆、練習をしてくれているので安心するが豪炎寺が俺に気付いて近付いてきた。
「どうだった?」
「イナズマイレブンのキャプテンなんて居ないって言われた……イナズマイレブンのキャプテンは確かに居た。けど……」
「けど?」
「サッカーに対する思いを切ったり切れなかったりしている絶妙なまでに不安定な状態だったよ……頼み込むのは一筋縄じゃいかないけど、やるしかねえ」
豪炎寺にイナズマイレブンのキャプテンが居たかどうかを聞かれたので居たと答える。
雷々軒の親父さんは雷々軒で飯を食っていると定期的にアドバイスをくれる。イナズマイレブンの秘伝書があると教えてくれた……サッカーに対して未練が無いっていうのは嘘みたいだ。
「やれやれ……響木の奴は……」
「会田さん……やっぱり雷々軒の親父さんはイナズマイレブンのキャプテンだった人なんですか?」
河川敷なので会田さんが居た。
話を聞いていたみたいなので響木の奴は嘘までついてと呆れているのだが、俺は雷々軒の親父さんがイナズマイレブンのキャプテンだったかどうかを聞いた。
「ああ、奴こそがイナズマイレブンのキャプテン、響木正剛だ……円堂大介直伝のゴッドハンドを会得し幾つものゴールを守りきった伝説の中の伝説…………今じゃしがないラーメン屋の親父になっているがな」
「…………会田さんも色々と詳しいですね……」
「ハッハッハ……まぁ、色々とな…………響木の奴もそうだが皆、サッカーから離れる事が出来ん……1度諦めてしまったが、こうして稲妻KFCの監督をしている自分の様にな」
自分も嘗てのイナズマイレブンだったとは言わない会田さん。
しかしポロッとサッカーから離れる事が出来ないのだと言うのでこの人は隠すつもりがあるのかと思いながらも再び雷々軒に向かった。
「なんだ、財布でも忘れたのか?」
「違うよ……会田さんから聞いたんだ。イナズマイレブンのキャプテンがおじさんなのを」
「会田の奴、余計な事を口走って……」
「イナズマイレブンだった人達はサッカーを諦めたって聞いたよ……でも、それは本心じゃないってのも聞いた!皆、サッカーが大好きだって思いがある!心の何処かでまだサッカーをしたいって思いがある!だったらさ、サッカーやろうぜ!!」
「失せろ……俺はただのラーメン屋の親父だ。イナズマイレブンに関わればロクな事にならないんだ」
「じゃあ、なんで俺達に秘伝書の存在を教えてくれたんですか?」
「…………」
「響木、お前もまだ未練を断ち切れないってことだよ」
「あ、菅田先生!」
「菅田、お前……」
秘伝書の事を問い詰めれば無言になる親父さん。
心の何処かで未練を断ち切る事が出来ないのだという証拠だがまだなにか決定的ななにかが足りない。そう思っていると生活指導の菅田先生が現れた。どうしてここにと親父さんは驚いている。
「響木、会田の奴はジュニアサッカーチームを作った……他の奴等もそうだ。場寅は雷門夏未達にサッカーを教えている。皆、口ではなんだかんだ言いながらもサッカーに対する思いから逃げることが出来てないんだ」
「菅田先生、なんで急に」
「俺が呼んだのさ」
「鬼瓦の親父……余計な真似を」
「余計な真似だなんだと思ってるならよ、1回だけチャンスをやってくれよ」
鬼瓦刑事が現れた。
今まで雷々軒で何度か飯を食っているのを見ていた覚えはあるが、こうしてじっくりと話すのははじめてだ。
雷々軒の親父、いや、響木さんは余計な真似をしていると言うのだが鬼瓦さんが1回だけチャンスを与えてくれと言い俺の肩に手を置いた。
「コイツはお前と円堂大介にしか出来なかったあのゴッドハンドの正統後継者だ……エンドを守る男、まさに昔のお前そのものだ」
「俺にどうしろって言うんだ?」
「1vs1の勝負だ……コイツならばお前のシュートを幾らでも止める」
「……くだらんな……だが、それで終わりにしてくれるならばとっとと終わらせるぞ」
「ああ!俺も負けたらなにも言わない!他の人を監督に誘う!」
口ではくだらないだなんだの言いながらも響木さんは承諾してくれた。
河川敷に再び戻り響木さんを連れてきたので監督のスカウトに成功したのかと豪炎寺達は喜ぶのだがまだ監督になっていない。
ポンポンと器用にリフティングをする響木さん。ホントに50過ぎのジジイ手前なのかと軽快な動きを見せている。
「いくぞ……ふん!」
「うぉっ!?」
「な、なんてシュートだ……」
「現役から離れて40年も経ってるってのに守くんを」
響木さんがシュートを蹴ったのでそれを受け止める……が、後退る。
ギリギリゴールラインを越えなかったのが幸運だが五郎と冬花が威力が凄まじいにも程があるのだと驚愕する。
コレが40年もサッカーから離れてた男のシュートだと……弱体化していると考えれば全盛期バリバリのヤングイナズマはどんだけ強いんだ。
「ほぉ、止めたか……言うだけの事はあるようだが、今ので体が暖まった……次は本気で行かせてもらう」
「い、今ので本気じゃなかったのですか!?」
「伊達にイナズマイレブンのキャプテンじゃなかったってわけね……円堂くん、貴方が見せるのよ……新しいイナズマ伝説を」
今のがウォーミングアップだと言えばメガネが驚く。
伊達にイナズマイレブンを率いていたキャプテンじゃなかったのかと夏未は納得し……新しいイナズマ伝説を見せるという。
響木さんは軽くリフティングをした後に思いっきりボールを蹴る、それを見てサッカー選手としての直感が言う。コレはさっきのと段違いだと。普通にキャッチするのは不可能だと感じ取ったので直ぐにこの技を使う。
「絶ゴッドハンド!!」
「おぉ!!出たな!ゴッドハンド!」
ここでパワーアップさせなきゃ意味がない。チームの皆の思いを今、背負っているんだ。
ゴッドハンドを一気に絶ゴッドハンドにまで進化させて響木さんのシュートを綺麗に受け止める。
鬼瓦さんがコレだよとゴッドハンドを見て笑っている……響木さんに受け止めたボールを返せば響木さんは無言になっている。
「どうしたんだ、まだ1回残っている……勝てないって諦めて逃げるんじゃないよな?」
「確かに今のは紛れもないゴッドハンドだ……大介さんや俺が蘇ったと言った……だが、それだけか?」
「なに?」
「新しいイナズマ伝説を刻みつけるって言ったんだろ?だったら新しいイナズマ伝説を見せてみろ」
「……」
響木さんが新しいイナズマ伝説を見せてみろと言った。それはつまりゴッドハンド以外の技を見せろと言っている。
ゴッドハンドの上にあるマジン・ザ・ハンドを会得しているがそれじゃあ響木さんは納得することが出来ない。今の俺が出来る技で最強の技はイジゲン・ザ・ハンドだがそれ以上を見せた方がいい
「円堂!見せてやるんだ!オレ達のイナズマ魂を!」
「キャプテン、やるでヤンスよ!」
「守くん、頑張って!」
豪炎寺が栗松が冬花が応援をする。
他の面々も響木さんにイナズマ伝説を見せつけてやるんだと意気込んでいる。俺に力を託している……コレだ……ゴッドハンドを爆ゴッドハンドを飛ばして一気に絶ゴッドハンドに進化させることが出来た。それは決して俺1人の力じゃない。皆の思いが乗せられている。
俺が理想とする必殺技の最終地点に至るにはこの力を使わなければならない……何時もの俺じゃ不可能だ。だが、今のこの一時だけならばその力を使うことが出来る。
「いくぞ!!」
「ハァアアアアア!!」
響木さんはシュートの体勢に入り、ボールを蹴った。
カーブを入れたりするなんかの無粋な真似はしない。真っ向から俺を撃ち破ろうと考えており俺もそれに答える。
この技は俺が最後に思い描く技の1つ前に会得する技、コレは努力すれば会得する事が出来るようになる技だが今までこの技の練習をしたことが無かった。イジゲン・ザ・ハンドの次はダイヤモンドハンドと決めていてどうにかしてダイヤモンドパワーを会得しようと考えていたから……だから今はまだこの1回しか使うことが出来ない。だが、その1回で充分だ。
「オメガ・ザ・ハンド!!」
イナズマイレブン最強のGK技の1つ、オメガ・ザ・ハンドをここで炸裂させる。
響木さんのボールはあっさりとキャッチする事が出来た……それと同時に全身から込み上げてくる力が無くなった。
時空の共鳴現象とはまた異なる力、イナズマ魂を持っている者だからこそ至れる友情パワーと呼ばれる力を一時的に使っていた。
「コイツはたまげた……マジン・ザ・ハンドが出てくるかと思ったがそれ以上の必殺技が出てくるとはな」
「ふ〜……………今の感覚だ……」
時空の共鳴現象とは異なる形で力が込み上げてきた。
コレこそが俺が求めているものだとギュッと拳を握った……この力はまだまだ発現して物にするのは難しい。多分、世界に挑戦しなきゃならない時、世界の頂点を賭けた試合辺りじゃないと使うことが出来ない……発動条件が色々とややこしいからな。
「おい、孫……お前、名前はなんて言うんだ?」
「守、円堂守だよ」
「そうか……良い名だ……約束通りお前達の監督になってやる!」
響木さん……いや、響木監督は雷門中の監督になってやると言ってくれた。
コレで監督の問題は解決することが出来た。よかったと思うのも束の間、鬼道が橋の上で俺達を見ていることに気付いた。
響木監督が監督就任したのでやったと雷門イレブンが喜んでいる中で俺は鬼道のもとに向かった。
「……どうやら監督の問題はどうにかなったようだな」
「ああ、コレでお前達と真正面から戦うことが出来る……前回は舐めた真似をしてくれたが今回は違うぞ」
「…………」
「………………お前にとってのサッカーってなんだ?」
「……俺にとってのサッカー……俺は、俺はホントに……」
「それを知りたいのなら、真正面から掛かってこい。ラフプレーで豪炎寺を炙り出すとかそういう事をせずに自分の思う自分の好きなサッカーをしてみろ」
「俺の、サッカー…………」
「決勝戦、楽しみにしてるからな」
鬼道はまだ悩んでいるみたいだが、自分のサッカーについて向き合わなきゃ話にならない。
鬼道にとっての自分のサッカーについての答えは出かけている。でも、影山がそれを邪魔している。鬼道にとっては影山が絶対の存在なんだろうが、この世に無敵の存在なんて居ねえんだ。完璧な存在なんて居ねえんだ。
円堂守の時空最強イレブン
11の力
人を愛し、サッカーへの愛に溢れたすべてを受け止めてはじまりを告げるオリジンゴールキーパー
円堂守の理想
イエス・キリスト
プロトコル・オメガの見解
アダム
投稿速度
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出来たら即座に出せ
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10話ぐらい溜め込んで毎日1話ずつ出す
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一気に纏めてから一気に出せ
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週一ぐらい
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自分のペースでいいぞ