教祖様になっちまったぜ   作:アルピ交通事務局

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雷と神鳴

 

「さて……貴方達、私がなにを言いたいのか分かるかしら?」

 

 世宇子中との決戦だ!……の前に期末テストがあった。

 冷静になって考えてみれば全国大会とかは夏休み中にやるもんじゃねえのか?と疑問を抱くのだが、そこは超次元サッカー、ツッコミは入れてはいけない。

 

「…………」

 

「葬儀な空気だな」

 

「いや、葬儀の方がまだ明るい」

 

「な、夏未さん落ち着いて」

 

「落ち着いてるわよ……落ち着きながら怒っているわ」

 

 結論から言おう……何名か赤点を叩き出した。

 鬼道が来たことによって学年2位になった夏未、学年2位な事にやや苛立っているのだが逆に冷静になっている。

 木野が落ち着くように言っているが夏未は落ち着いている。しかしキレている。そして赤点連中は顔を真っ青にしている。

 

「染岡くん、壁山くん、栗松くん……何故赤点を取ったのかしら?」

 

「そ、それはでヤンスね」

 

「円堂くんはしっかりと休みの日は作ってあるわよ?まさか……ゲームに現を抜かして勉強をしてなかったって言いわけじゃないわよね?」

 

「いや、それは栗松だけだ!俺はだな」

 

「染岡、この状況でなに言っても怒られるだけだ……あ〜あ〜……補習か」

 

「そ、そんなぁ……大好きなサッカーだったら1日中でも良いっすけど勉強を1日漬けは嫌っス!」

 

「コレに関しては皆が悪いよ……染岡くん、休みの日に河川敷で目撃情報があるわ」

 

「っげ!?だ、誰がリークしたんだ!?」

 

「鬼瓦さんだよ」

 

「お前さぁ……休みの意味を辞書で学べよ……」

 

 赤点を叩き出したことに関して冬花も一応は怒っている。

 休みの日は勉強する日はしっかりと勉強しているので冬花の成績もなんだかんだで良い、上から数えて直ぐの方のかなりいい成績だ。

 

「去年はしっかりとセーフどころか良かったのに、なんで急にダメになったんだよ……」

 

「仕方ないんじゃないのか?去年と比べてサッカー部の活動が一気に盛んになったんだから」

 

「でも半田、お前なんだかんだで平均ぐらいだろ?」

 

「普通って言いたいのか!?」

 

「と言うかキャプテン、キャプテンはてっきり向こう側の住人だと思ってたんですけど」

 

「五郎、マジで俺をなんだと思ってんだ?……いや、俺も点数は下がったぞ。休みの日に休めって言ってるのに休まなかった風丸より点数低いの地味に気にしてるぞ」

 

「円堂、なんでそんな事を知っているんだ!?」

 

「鬼瓦さんから聞いた……休めって言ってるのにお前と来たら……」

 

「て、点はしっかり取ってるから問題無いだろう!」

 

 そういう問題じゃねえよ。休みの日にはしっかりと休む、毎日のサッカー漬けが悪とは言わないけども休むことも特訓だ。

 ともかく赤点は回避しているし中の上と半田より点数はいい……休みの日に休んでない風丸より点数が取れてないのはシンプルにムカつく。いや、俺も休みの日に大して勉強してなかったけども……少し勉強してたら風丸を追い越せたから逆に悔しい。

 

「まったく……低レベルな争いだな」

 

「ハハハハ……まぁ、両立って難しいですからね」

 

「文武両道が出来てこそだろ……じゃないと親が心配するし」

 

 赤点云々で怒られている面々を見て鬼道は呆れていた。

 土門は一応は言ってることは理解しているし一之瀬はその辺をしっかりとと言っている。

 期末テストの順位で1位は鬼道、2位は夏未、5位土門、8位が冬花、11位が一之瀬で後は順位は知らないが木野、目金、マックス、風丸、俺、半田、影野、豪炎寺、染岡の順位である……目金が地味に高い。そしてその中で赤点なのは染岡だけである。

 

「帝国学園出身の鬼道と土門はともかく一之瀬も成績良いんだな」

 

「リハビリ中は体をまともに動かせないから自然と勉強しかやることが無かったんだ」

 

「と言うかそうじゃないと編入試験に入れないでしょう……はぁ……とにかく赤点3人は海か山のどっちかの合宿に参加出来なくて代わりに補習よ!」

 

「「「え〜!」」」

 

「まぁ、諦めろ……しかし豪炎寺の点が低いのは意外だな……数学が足引っ張りまくってるな……」

 

「…………問題用紙が裏まであるのを気付かなかったんだ」

 

 え、なに?なんなの?その初歩的なミスは?

 数学以外はちゃんと点を取れて平均点以上だが数学だけが点数が妙に悪いと聞いてみれば豪炎寺は問題用紙が裏まであるのに気付かなかったという凡ミスとかいうレベルじゃないぐらいのミスがある。

 

「染岡くん!栗松くん!壁山くん!貴方達は今日は特訓じゃなくて勉強よ!!」

 

「大変ですね……」

 

 尚、1年生のテストの点は音無、五郎、少林、壁山、栗松だったりしてて音無は学年4位、五郎は全教科平均点以上だったりする。

 勉強を言い渡されたので落ち込む3人を見て五郎は同情するがこうなりたくなければ最低限の勉強はしろ……少なくとも雷門中は受験しなくちゃ入れない中学校だから。

 

「ま、ある程度は文武両道にだ……円堂以外は柔軟してから走ってこい」

 

「え?」

 

 夏未の説教が終わり、補習組は菅田先生に引っ張られていった。

 一連のやり取りを見ていた響木監督が文武両道にやれよとだけ忠告して練習するように言うのだが何故か俺だけが残るようにと言われた。

 

「えっと……なんかやらかしましたか?」

 

「鬼瓦の親父がお前に会いたいと言うんだ……なにやら深刻そうな顔でな」

 

「すまんな、円堂。決勝戦は間近だと言うのに」

 

 何故残れと言われたのか心当たりが無いのでなんだろうと聞けば鬼瓦刑事が出てきた……久遠さんを連れて。

 

「久遠先生、久遠先生じゃないですか!」

 

「円堂……私の事を覚えていたのだな……」

 

「ええ、まぁ…………急に居なくなったからどうしたのか気になってたんですよ?」

 

「色々とあってな、今は星章学園と言う学校で数学教師をしている…………」

 

 久遠先生に久しぶりに会った。

 なんであの時に居なくなったか云々を聞けばはぐらかされた……理由は知っているが深くは聞かない。

 それよりもいったいなにをしに来たんだろう?そう思っていると鬼瓦さんがかなり古いサッカー雑誌を取り出した。

 

「コレは?」

 

「俺が最後に書いた記事だ」

 

「……鬼瓦さん、警察やる前はサッカー雑誌の記者でしたっけ?……無敗伝説遂に破れる……コレって」

 

「ああ、響木達イナズマイレブンの記事だ」

 

 イナズマイレブンの無敗伝説が遂に破れた!とデカデカと雑誌の表面を飾っている。

 なんでこんな物を持ち出したのか?確かにイナズマイレブンは敗れたがこうして帰ってきた。菅田先生も響木監督も会田さんも備流田さんもなんだかんだで帰ってきている。

 

「響木達イナズマイレブンは大介さん不在のまま決勝戦に向かった……そこで運悪く事故に遭い、それでもと這いつくばりながらも決勝戦の会場に向かった……その時の対戦相手は帝国学園……勘の良いお前なら分かるだろう?」

 

「……影山ですか?」

 

「ああ……交通事故やお前のお祖父さん、円堂大介の死には影山が関わっている……」

 

「そう、ですか……」

 

「反応が薄いな」

 

「俺にとって偉大な祖父ちゃんだけど、生まれてから一度も会ったことが無いからピンと来ないんです……でも、サッカーを悪事に使ってる。それだけは許せない」

 

 ホントは生きているのを知っているから死んでいると言われてもピンと来ないんだ。

 言ってることはホントだぞ?生まれてから一度も会ったことが無いし母ちゃんが祖父ちゃんの話題を出さないからピンと来ない。祖父ちゃんの事を知っている人達は口を開けばスゴい人だったと言っているから偉大な祖父ちゃんなのは理解しているんだ。

 

「だから、俺は祖父ちゃんが成し遂げられなかった日本一を掴む……」

 

「その事なんだが……影山の悪事の証拠を掴んだ……」

 

「影山の悪事ですか?」

 

「ああ……だが、この程度の悪事の証拠ならばまた釈放される可能性が高い。決定打になる悪事の証拠を見つけなければならない……久遠と協力して調べているのだがその内の1つにプロジェクトZなるものがあった。詳しい詳細を知る前にデータが消失しちまったが世宇子中と関連しているのだけは確かで今調査中だ」

 

「鬼瓦さん、俺は」

 

「分かっている……世宇子中を真っ向から倒したいのだろう?その辺の野暮な真似はしないさ……ただな……」

 

「そこからは私が」

 

 なにかを言いたそうな顔をしているが言うに言えない鬼瓦さん。

 鬼瓦さんが言うのを躊躇っていると久遠先生が自分から言うのだと前に出る。

 

「円堂、小野冬花を覚えているか?」

 

「覚えてるもなにも、今雷門中サッカー部を支えてくれてる冬花じゃないですか」

 

「!…………お前は気付いていたのだな……冬花の両親は冬花の目の前で事故に遭い冬花は記憶の一部を失ってしまっている……記憶を失った冬花だが断片的にお前の事だけは覚えていた。本当ならばお前から遠ざけようと思っていたがお前の事を覚えていた。そしてサッカーと関わってしまった」

 

 あ、ちょいと選択肢を間違えたっぽい。久遠冬花を最初から小野冬花だと認識していることを言えば久遠先生は驚いていた。

 最初から冬花は冬花であることに気付いていた……久遠先生は俺から冬花を遠ざけようと考えていたみたいだが冬花は俺の事だけは断片的だが覚えていた。だから関わらせようとした。その結果サッカーと関わってしまった。

 

「サッカーと関わっちゃダメなんですか?……俺と冬花はサッカーで繋がりが出来たんですけど」

 

「……そのサッカーが多くの悲劇を生み出している……円堂大介の死、冬花の実の両親の小野夫妻の死、そして私からサッカーの監督の資格の剥奪、豪炎寺修也の妹、豪炎寺夕香の事故……全ては影山が裏で行っていた悪事だ」

 

「………………………」

 

「正直なところ私は冬花にサッカーと関わり合いを持たせたくなかった。しかし冬花が円堂、お前と関わる事でみるみる内に元気になっていった。小野夫妻と縁があって養子にした娘だが冬花は私の立派な娘だ…………サッカーを指導する資格を奪われた私が今のお前に頼みたい。影山を倒してくれ。冬花を守ってくれ」

 

「…………冬花を守れるかどうかは怪しいよ………久遠先生、俺が出来るのはサッカーだ!それ以外に今のところは自慢することが出来るものは無い!……俺は祖父ちゃんや響木監督達が無理だった日本一の称号を手に入れる……」

 

 実の娘の様に愛した娘を守ってほしい。自分が好きなサッカーを穢す影山を倒してほしい。

 出来ることならば自分がサッカー監督として帝国学園や世宇子中を打倒する事が出来るチームを育成したいだろうがそれが出来ない。

 色々と頼まれたが結局のところ俺が出来るのはサッカーだけだ。魔法も使えないし内政チートなんかも出来ない、サッカーしか俺にはない。

 

「守くん、大変!!」

 

「どうした?」

 

「ついてきて!」

 

 世宇子中に勝利する、ただそれだけを3人に約束する。

 その為にはあの技を完成させなければならないのだと思っていると慌てた様子で冬花が現れた。

 久遠先生が居ることに全く気付かずに俺の手を引っ張っていきグラウンドに向かえば……アフロディとポセイドンが居た。

 

「やぁ、ようやく来てくれたね……暇潰しにはちょうどよかったよ」

 

「円堂、すまない」

 

「キャプテン、ごめん」

 

「半田、マックス、大丈夫か!?」

 

 アフロディの直ぐ側で倒れている半田とマックス。

 ボロボロになっているがここは超次元サッカーな世界、何があったかの大凡の見当はつく。

 

「君が円堂守か……ふっ、決勝戦の相手は注意しろと総帥が言っていた。試しに相手にしてみたら暇潰しにしかならなかったよ」

 

「…………俺達に宣戦布告に来たってか?」

 

「宣戦布告?違うよ、これは神の慈悲だ……ポセイドン」

 

「コレを見な」

 

 圧倒的なまでに余裕を見せつけているアフロディ。

 ポセイドンがアレを見せろと言えば色々な出版社が出しているスポーツ雑誌やスポーツ新聞の切り抜きを見せる。

 それはどれもこれも世宇子中が20点以上の点を奪った神に等しき力を持っているだなんだと熱く語られている。雷門中の評価と世宇子中の評価だと、下馬評だと世宇子中が勝つのが確実とまで言われている。

 

「吉良財閥やオリオン財団が調べた結果、お前達雷門中に勝つと賭けてホントに勝てば100円が10万円になって返ってくる、それほどまでの倍率がある!それほどまでに世宇子中と雷門中の間には力の差がある!」

 

「それがどうしたって言うんだ!俺達が下馬評で弱小?今までの道のりはそうだったんだ!今更最強の学校より弱いだなんだ言われてもちっとも怖くなんかねえよ!!」

 

「ああ、だろうね……だからこそポセイドンと共に僕はここに来たのさ」

 

 アフロディはそう言うとサッカーボールを俺にパスをする。

 それがなにを意味しているのか分からないほどに俺はバカじゃない、が……ここで挑んでいいのか?

 試合はもうすぐそこにまで待ち構えている。ここでどれだけの力を見せつけたとしても意味はないんじゃないのかと思う。断ろうかと思っていると鬼道が俺の肩に手を置いた。

 

「円堂、やらせてくれ」

 

「鬼道、でも」

 

「分かっている……ここで失態を犯せば雷門イレブン全体の士気に関わってくるのを……だが、目の前にチャンスがあるんだ!俺はその為に帝国学園から雷門中に移籍した!……頼む……」

 

「円堂、オレからも頼む……」

 

「ふぅ……じゃあ、三位一体でいくぞ」

 

 世宇子中に力をぶつける機会が訪れたのだと鬼道は頼み込む。豪炎寺も力を見せたいのだと頼み込む。

 2人にそこまで言われたのならば断ることは出来ない。三位一体でいくと言えば鬼道と豪炎寺は頷いた。

 ポセイドンがゴール前に立つ、鬼道がボールを持ち……ボールを蹴り上げた。

 

「イナズマ!」

 

「「ブレイクV2!!」」

 

 イナズマブレイクV2、パワーアップしたイナズマブレイクだ。

 これに対してポセイドンがどういう風に出てくるのか

 

「真ギガントウォール!」

 

「っ……………」

 

 最強クラスの必殺技であるイナズマブレイクV2をポセイドンは止めた。

 ボールを持っているポセイドンはニヤリと笑みを浮かび上げておりアフロディに向かってボールをパスする。

 今度はアフロディの番、俺がGKとしてアフロディのシュートを受け止めなければならない。

 

「君に見せてあげるよ……ゴッドノウズ改!!」

 

 予想通りと言うべきかパワーアップしているゴッドノウズ。

 コレは油断が出来ないが気配を感じ取る……ここで俺が破られれば雷門中の士気に大きく関わってしまう。

 だからここは頑張るしかない

 

「神が怖くてイナズマイレブンになれるか…………怒りの鉄槌V3!!」

 

「なっ!?」

 

「キャプテン!」

 

「ゴールはズババンと任せとけよ!」

 

 雷門中の面々は不安があった。

 イナズマブレイクV2を受け止めるポセイドンが居る。そんなポセイドンよりも格上であろうアフロディがシュートを放った。

 それをもしかしたら破られるかもしれない、そんな不安を掻き消すように怒りの鉄槌で受け止める……流石はゴッドハンドと違って初期の頃から最後まで最強クラスの必殺技だ。威力が半端じゃない。

 

「っく……なにかの」

 

「アフロディ、いいじゃないか……少しは面白い試合が出来そうでなによりだ」

 

 ポセイドンのギガントウォールで受け止めて自身のゴッドノウズでゴールを奪う。

 そうすることで雷門中の心を折ろうとしていたのだろうがそれをすることは出来なかった。アフロディはなにかの間違いだと再戦を望もうとするがポセイドンはニヤリと笑みを浮かび上げて帰っていった。

 

「……どうやら一筋縄じゃいかなそうだな……」

 

「すまない、円堂……」

 

「なに……逆境を跳ね返すのがイナズマイレブンの強さだ」

 

 引き分けに終わったことで全体の士気が下がることも上がることもない微妙なラインだった。

 これはあくまでも個人的な意見だが……さっきのアフロディ達は神のアクアの効果が無い状態だろう。

 神のアクアは定期的に接種しておかなければならない、そうしないとパワーを得ることが出来ない……神のアクアを飲んだ状態のアフロディ達はもっと強い……だからこそ勝たなければならないんだ。




円堂守の時空最強イレブン

勇気、知恵、力を携えあらゆる試練に立ち向かい勝利する絶対的なブレイブストライカー

藤原秀郷

風属性 八幡祈願 シュート技

スキル 無尽俵 KP切れが起きれば稀にKPが全回復する

投稿速度

  • 出来たら即座に出せ
  • 10話ぐらい溜め込んで毎日1話ずつ出す
  • 一気に纏めてから一気に出せ
  • 週一ぐらい
  • 自分のペースでいいぞ
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