教祖様になっちまったぜ   作:アルピ交通事務局

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脅威の侵略者!

 

『速報です。関東圏内のサッカー部がある中学校が』

 

『彼等はエイリア学園と名乗っており』

 

『全国区の猛者相手に50点以上を前半で』

 

「…………」

 

 アレスの天秤ルートに入りかけているのはなんか嫌だなと入院生活を送っていると病院内のテレビで報道があった。

 エイリア学園編、脅威の侵略者編が遂に始まってしまった……冷静になって考えてみればエグいよな、日本一を決める大会の次は世界大会というのがセオリーなスポーツバトルものの世界で次回作が侵略行為を行ってくる宇宙人と戦うってなにをどうとち狂ったらそんな作品を描けるんだよとは思う。

 

「クククッ……大変な事になってますね」

 

「五条……」

 

 源田と佐久間のお見舞いに来ていた五条もニュースを目にする。

 サッカー部がある中学校を襲撃してきている、それは結構洒落にならないことだ。急患です!と患者が駆け込まれたと思えばイナズマイレブンOBの人達だった。後、古株さん。

 

「古株さん、大丈夫ですか?」

 

「おお、円堂か……ワシは軽傷で済んどる……いや、なにも出来なかったと言うのが正しいか」

 

 1番ダメージが少なそうな古株さんに声をかけた。

 自分は軽傷だと言っている……備硫田さんとか割と重傷だったりするし、結構大変だったりする。

 

「エイリア学園を名乗る者たちとサッカーを……」

 

「ああ……響木がおらんかったらワシがGKをしたんじゃが手も足も出んかった。ボールに触れることが出来なかった!」

 

 GKがボールに触れることが出来なかったと悔しそうにする古株さん

 古株さんが大怪我をしていないだけで俺としてはありがたいことだと思いながらも事の重大さを考えている

 

「円堂!」

 

「豪炎寺……雷門中が」

 

「ああ、菅田先生から聞いた……今、夏未達から連絡があってな。中学校を襲っているなら傘美野中も、あそこは暴力事件を起こして公式大会に出れないがサッカー部はあった筈だ。理事長がそこに向かえと」

 

「……………すまん……俺……」

 

「分かってる」

 

 右腕がポッキリと折れている、更には左腕にヒビが入っている。

 ホントならば行ってやりたいという思いはあるのだがこんな風に怪我をしてしまっている以上はなにも出来ない。

 豪炎寺が理解していると言ってくれてジャージに着替えて向かうのは傘美野中だった。

 

「大丈夫でしょうか……木戸川清修相手に前半で50点も取るだなんて人間業ではありません」

 

「……そこなんだよな……」

 

 化身を使える染岡、ウルビダを知っている風丸、豪炎寺と鬼道

 今向かっているメンバー的にもジェミニストームが倒せそうな面々な気もするけれども、実際のところ怪しい。

 なにせエイリア学園編が終わった後に世界大会がある……エイリア石で強化されていたレーゼがイナズマジャパンに入っていることからして鍛え上げればマスタークラス入りをすることが出来る実力を持っているとも言える。

 さらなるインフレがあるんじゃねえかとヒヤヒヤしながらもとりあえずは事を見守ることにする……天馬達が来なければどうにかなったんだがな。

 

 

 

 

 

「我々と勝負しろ傘美野中!」

 

「ヒィッ!!」

 

 傘美野中に向かえば傘美野中の生徒が絡まれていた。

 如何にもな格好をしている者達、彼奴等が学校を襲ったエイリア学園の生徒かと直ぐに理解した。

 

「そこまでよ!!」

 

「なんだお前達は?」

 

「お前等が宇宙人だな……」

 

「よくも俺達の学校を潰してくれたな!!」

 

「ら、雷門中の人達!?」

 

「ふん…………なにかと思えば負け犬が現れただけか」

 

 夏未が間に割って入れば雷門中のサッカー部が来てくれたと安堵する傘美野中のサッカー部員。

 宇宙人のリーダー格の様な男が余裕の笑みを見せた……負け犬……

 

「お前達が宇宙人か……」

 

「ああ、そうだ。我等こそ遠き星、エイリア星からやって来たエイリア学園の使徒ジェミニストーム!この星ではサッカーで物事の優劣を決めるのだろう?そしてこの星には郷に行っては郷に従えと言う諺がある。ならばサッカーで力比べていこう」

 

「貴方達の目的はなんなの!」

 

「エイリア星のエイリア皇帝、あのお方の為に動いているだけに過ぎない……どうやら多少なりとも骨がある奴の様だ……いや、この星の言葉を借りれば類は友を呼ぶか?」

 

「…………お前達がサッカーで勝負を仕掛けてきたのならば、俺達はそれに応じる!傘美野中に代わって俺達が相手になってやる!!」

 

 エイリア学園が何者なのか分からないが悪いことをしているのだけは分かる。

 サッカーで勝負して優劣を決めるというのならばサッカーで勝てばいいだけの話だ。

 

「なるほど、力には力でか……ならばエイリア人と地球人の違いを見せてやろう。そこのお前、サッカーボールを持ってこい。試合をしてやる」

 

「……サッカーボールなら貴方達のは?」

 

「貴様達には扱えない代物だ」

 

 ジェミニストームのリーダー格の男が黒色のサッカーボールを持っている。

 そこにあるのにサッカーボールを持ってこいとはどういう意味なのかと思いながらも傘美野中サッカー部のキャプテンがサッカーボールを持ってきてくれた。

 

「それで誰がキャプテンだ?」

 

「……俺だ」

 

 ジェミニストームのリーダー格の男、レーゼがキャプテンが誰なのかを聞いてくる。

 怪我をした円堂の傷が治るまでの間、円堂から俺がキャプテンマークをつけている……俺がキャプテンだと言えばボールもコートもくれてやるとレーゼは言った。

 

「余りにも突然な事で連係もバラバラだ……」

 

 ホントなら軽く運動するぐらいで収まる予定だったが一試合をしなければならなくなった。

 ここには豪炎寺も円堂も居ない。何時もの頼りになるメンバーが居ない。傘美野中の面々から何人かと一瞬だけ考えたが、それをするぐらいならばと夏未達マネージャーの力を借りることにした。

 

 雷門中

 

 FW 夏未 染岡 目金

 

 MF 鬼道 五郎 音無 影野

 

 DF 風丸 壁山 冬花 

 

 GK 木野

 

 

 ジェミニストーム

 

 FW ディアム リーム

 

 MF レーゼ イオ グリンゴ パンドラ

 

 DF カロン ゴラル ガニメデ ギグ

 

 GK ゴルレオ

 

「ななな、なんと!宇宙人が攻めてきた!あまりにも突然な出来事だったが宇宙人はサッカー勝負を申し込んでいる!我等が雷門中、何時もとは変わったメンバー!」

 

「…………」

 

 何時も通り角馬が実況についた。

 変わったメンバー達と言われているが気にしないでおきたいが……何時ものメンバーじゃないのが不安だ。

 キックオフだと言われれば目金が夏未にパスをして……なに?

 

「ど、どういうことでしょうか!?ジェミニストーム、全くと言って動こうとしないぞ!」

 

「随分とナメた真似をしてくれるじゃない!行くわよ!」

 

 ジェミニストームの面々が動こうとしなかった。

 ふざけた真似をしていると夏未が怒りを顕にしながらも前線に駆け上がる。ホントのホントに……そう、例えるならば帝国学園との練習試合と一緒だ。俺達を格下だと思っているので全くと言って見ようとしていない。

 GKのゴルレオの前にあっという間に辿り着くことに成功した。いや、成功したなんて言うのが烏滸がましいぐらいに手を抜かれていた。

 

「夏未さん、1発お願いします!」

 

「ええ………ローズスプラッシュ!!」

 

「ふぁ〜……」

 

「なっ!?」

 

 GKのゴルレオがローズスプラッシュを何事も無かったかの様に止めた。

 夏未のローズスプラッシュは円堂が必殺技を使わないと止めることが出来ない程の威力を秘めているのに、それなのにも関わらず欠伸をしながらキャッチした。

 

「レーゼ、コイツらこの国で1番のチームなのかよ?」

 

「地球にはこんな諺があるらしい、井の中の蛙大海を知らず……地球という星ではこの程度が限度なのだろう」

 

「っく……」

 

「蛙には宇宙など到底理解することが出来ねえな……よっと!」

 

「おっと、ジェミニストームのカウンターか!?」

 

「っ、まずい!」

 

「先ずは1点目からだ」

 

「え……」

 

 レーゼがそう言いボールをシュートすれば木野が反応することが出来なかった。

 早い……俺も速さなら自信があるがそれでも物凄く速かった。いや、なによりもハーフラインより前の自陣の距離からのシュートだと?いったいどんな脚力をしているんだ!?

 

「……見えなかった……」

 

「っく……まだよ!まだ1点を奪われただけよ!」

 

「現実逃避には早すぎるだろう……だが、直ぐに現実を嫌にしてやる」

 

 ボールをセンターラインに戻しキックオフで試合が再開される。

 さっきのはなにかの偶然だと心の何処かで焦りを感じながらも目金が夏未にパスをしたその瞬間だった、目にも止まらない速さでエイリア学園の選手が走ってきた。夏未からボールを奪った。

 

「なんて速さだ……あの速さに追いつけるのはお前しかいない!風丸!」

 

「ああ!」

 

 宇宙人だと言うだけあって人間離れした速度で動いている。

 影野や五郎がボールを奪いに行く前に突破されたと思えば風圧で吹き飛ばされるので鬼道が俺を呼び出す。

 物凄く速い速度だが俺ならば決して追えない速度じゃない、俺ならば追い付くことが出来る。ボールを持ったレーゼの前に立ち塞がっては右に左に揺さぶりをかける。いける、俺ならばいける。

 

「エアーバレット!!」

 

「っぐ!!」

 

 エアーバレットでボールを奪うことに成功した。

 俺ならばこの速度に追い付くことが出来る、それどころか追い抜くことが出来る。

 鬼道はそれを判断したのか俺にボールを持たせて前進させていく。エイリア学園の生徒達を抜き去る事が出来ている……いける、コレならばいける。

 

「風丸くん!」

 

「っ……試した事は無いがやってみるぞ!」

 

 染岡がマークされていて夏未がフリーだが夏未はさっきシュートを止められた。

 どうするべきか判断に迷っていると目金が前に出てきた。この組み合わせでやったことはないが、技の仕組み自体はシンプルで連携ならばシュート技も使える俺ならば問題なくいける。

 

「「メガネクラッシュ!」」

 

「んなもんがよ……通るわけねえだろう!!」

 

「っ!!」

 

「おっと!風丸と目金によるメガネクラッシュがあっさりとパンチングによって殴り飛ばされた!ボールはグリンゴのもとに向かいグリンゴは胸で受け止めてそのままシューット!!」

 

「ゴッドハンド!!……っ、きゃあ!?」

 

 グリンゴのなんでもないただのシュートを木野がゴッドハンドで受け止めようとしたがあっさりと破られた。

 円堂からお墨付きを貰った筈のゴッドハンドをあっさりと破った。ゴッドハンドを破ることが出来る技はそれなりにある……だが、ゴッドハンドを破るノーマルシュートを見るのはコレが初めてだ。

 

「どうする……どうする……」

 

 考えろ、考えるんだ。

 染岡にボールを持たせないようにしているということは染岡の化身のシュートならば突破する事が出来ると言っているも同然だ。だが、ジェミニストーム達の速度に手も足も出ない……追いつくことが出来るのは俺だけだ

 

「俺がキャプテンなんだ……」

 

 鬼道に託すことが出来た筈のキャプテンマークを円堂は俺に託してくれた。

 ボールをセンターラインに戻していると木野に目が入る……何時もならば安心してゴールを任せている、背中を預ける事が出来ている円堂はそこには居ない。円堂は怪我をしているから動けない、だから俺が頑張らないといけない。俺だけがジェミニストームと戦うことが出来る唯一の選手なんだ。

 

「っく……クソッ……超疾風ダッシュ!!」

 

 先ずは俺が突破口を切り開く。疾風ダッシュでジェミニストームの選手達を抜いてゴールにまで辿り着く。

 だが、ここまでだ。俺しかジェミニストームに追い越すことが出来ない。一か八かのシュートを決めようとするがあっさりとパンチングで弾かれて弾かれた先にジェミニストームの選手が居た。必殺シュートを使うことなくそのままノーマルシュート、ヘディング、オーバーヘッドと決められて前半の間に12点も取られた

 

「クソッ…………俺が、俺がなんとかしないといけないんだ」

 

「風丸くん、焦っちゃダメよ!まだ試合は」

 

「冬花、目の前の問題から逃げるな!俺がどうにかしないといけないんだ!今は円堂が居ない。木野がGKを務めているが、あっさりとゴールが奪われている!俺だけがジェミニストームと戦えるんだ……だから、だから俺がなんとかしないといけないんだ」

 

 何時も背中を預けているアイツは今は居ない。

 だったらあいつの分まで頑張るしかない、俺は点を取ることも出来るDFだ。だったら点を取ることで試合に貢献するしかない。

 この前までの負けたら終わりの試合と同じだ、ここは絶対に負けたら行けない試合だ。負ければ傘美野中が雷門中と同じ目に遭う。そんなのは見過ごせない。

 

「鬼道、なにか作戦だ!俺がゴールまでボールを運ぶ、だから」

 

「…………」

 

「っ……」

 

「あのっ……風丸くん……1つだけ良い作戦が浮かんだんですが」

 

 何かしらの作戦を鬼道に考えさせようとするが基本的な能力が違いすぎると鬼道は返事をしない。

 何かあるはずだと思っていると目金が良い作戦を思いついたのだと進言をしてくれる。どんな作戦か聞いてみればあまりにもとんちきな作戦だった……だが、コレしかない。今は点をまともに取ることが出来ない状況だ。1点でも取ることが出来たのならば希望が見える。

 

「12−0……コレは絶望的な点差ですが、彼等ならばきっと乗り越える!私はそう信じている……っと、おや?風丸が上がり目金が下がったぞ」

 

「エアーバレット!!」

 

「っく!」

 

 俺はボールを奪うことが出来る。

 ディアムからボールを奪えば即座に影野にパスを出し……俺は全速力で走り出す。

 

「影の矢!」

 

「おっと!コレは影野のパス技、影の矢……ボールは風丸に向かって飛んでいくが風丸、どうする!」

 

「全員、上がれ!そいつのシュートは簡単に受け止められる!」

 

「ああ……だからこうするんだ!!」

 

「なっ!」

 

 影野の影の矢は止めなければゴールに入る。

 ゴルレオならば簡単に止めれるが目金から教わった作戦、それは俺がボールを空中でキープした状態で体ごとゴールに突撃するというシンプルな作戦だった。

 

「この作戦、いえ、技術の名は通称タテぽんプレイ。とあるサッカーゲームに禁止技として扱われているプレイで、DFラインからゴールに向かって高めのロングシュートをする。1人のFWが直進していきボールを抱えたままゴール内にまで突撃する……ボールと同じ速度で動かなければならないサッカーゲームでしか使えない現実では使うことが不可能だと言われています。ですが今の風丸くんの足ならばそれが可能な筈!」

 

「ご、ゴォオオル!!」

 

「やった……やったぞ!」

 

 ボールを持ってそのまま突撃する、あまりにもシンプルな作戦だったが効果は凄まじい。

 目金が言うにはテレビゲームのサッカーじゃないと使うことが出来ない、ボールと同じかそれ以上の速度で走って突っ込む事が出来ないといけない技だ。ボールは俺が奪える。影野がボールをゴールまで飛ばしてくれる。その間に俺はゴール前まで行く、センターライン前から走り出さないといけないがそれでもこの技は強力だ。2点、3点、4点と点を上げていき遂には点を7点にまで追い上げる。

 

「ぜぇ……はぁ……残り……6点だ……後6回やれば……」

 

「風丸さん……酷い汗……目金さん、コレって」

 

「ええ……タテぽんプレイはテレビゲームのサッカーゲームに出てくるようなキャラでないと使えない戦術です……トンチキな戦術でもなくシンプルに強いのですがシンプルにそれを可能とする運動能力を持っている人間が現実に居ないんです。風丸くんの圧倒的な脚力を持っても6点が」

 

「っ……ボールを奪うのも風丸さん、ゴールに入れるのも風丸さん……僕達は……」

 

「大丈夫だ、大丈夫だ五郎……俺に任せろ……」

 

 あいつなら、円堂ならばそう言ってホントに成し遂げてくれる。

 俺に任せろと言いながらもセットプレイに立とうとすれば……俺は倒れた。常識外れの全速力のダッシュは俺の足に予想以上の負担がかかっていた。

 

「どうやら虫の息の様だな」

 

「まだだ……まだ」

 

「ああ、終わっちゃいない」

 

「ご、豪炎寺さん!」

 

 倒れた俺のもとに駆けつけたのは豪炎寺だった。

 まだ試合は終わっていない、残り6点をこのタテぽんプレイでゲットしてジェミニストームを倒そうと立ち上がろうとするが体が言うことを聞かない。

 

「風丸、後はオレに任せろ……選手交代だ!オレと風丸はチェンジだ!」

 

「いいだろう」

 

「豪炎寺……後は頼んだぞ」

 

 豪炎寺ならばきっとなにかを成し遂げてくれる、この絶望的な状況下を打破してくれる。

 思っていた以上に俺は限界が来ていたようで意識を失い次に目を覚ましたら……傘美野中は崩壊していた

 

「あ………ぁああああああ!!!!!俺が俺が!!」

 

 21−7、俺がタテぽんプレイで手に入れた点以外は点を取ることが出来ず雷門イレブンは敗北した。

 俺が倒れなければ勝つことが出来ていた試合、目を覚まして状況を理解した俺はその時、キャプテンマークの重さに負けた。

 

投稿速度

  • 出来たら即座に出せ
  • 10話ぐらい溜め込んで毎日1話ずつ出す
  • 一気に纏めてから一気に出せ
  • 週一ぐらい
  • 自分のペースでいいぞ
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