「……」
イナズマキャラバンは高速道路を走っている。
何時も乗っている車とは違うけれどもフットボールフロンティアスタジアムに行くので何回か乗っているから馴れている。
私は……キャプテンマークを見つめた。何時も円堂くんがつけているキャプテンマーク……コレはとても重い物だと認識する。
「総理、大丈夫なんスかね」
「そもそもエイリア学園がなにがしたいのか分かりませんから……財前総理を人質になにかしてくるとかそういうのがあるかと思いましたが特に無いですし」
でも、その重さには敗けない。私は私、円堂くんは円堂くんだと割り切っている。
壁山くんが財前総理がエイリア学園に拐われたニュースを見て大丈夫かどうかを心配する。
音無さんがエイリア学園の目的が分からない、サッカーで侵略をしてくるのは理解出来るけど……日本一になった雷門中を圧倒する事が出来る強さを秘めているのだから、日本代表を連れて来て力の差を思い知らせる方が……って、なに侵略者側の考えになってるのかしら。
「そういう難しいのは貴方達は考えなくていいわ。貴方達はエイリア学園と戦って勝てばいいだけよ」
「……自分がプレイしないからって好き勝手言いやがって」
響木監督の代わりに新しく監督になった瞳子監督に対して染岡くんは悪い印象を持っている。
お父様や響木監督の推薦があったけれどもこの人に関してはなにも知らない、監督としてどれだけの能力があるのか分からない。
いきなり現れて我が物顔が気に食わないのは分かっているけれども、染岡くん以外は口にしない。
「私達はエイリア学園を倒す……その為にイナズマキャラバンに乗ったのよ。だからそういう難しい事は大人に任せましょう」
宇宙人を地球の法律で裁いていいか分からないし、私達はサッカーをする。それ以外に出来ることは無い。
それでしかエイリア学園と戦うことが出来ないのだと受け入れて……1日を掛けて奈良に辿り着いた。奈良県と言えば鹿と大仏ぐらいのイメージなのだけれど
「エイリア学園がこの公園に現れたのね……なにか物的証拠があるかもしれないから探すわよ」
エイリア学園が現れた奈良の記念公園に辿り着く。
エイリア学園が現れた……と言えば学校が破壊されているイメージが強いのだけれど記念公園は特に破壊されていなかった。
総理大臣である財前総理が拐われただけで……なにかが破壊されたという痕跡は特に無いわね……
「皆さん!エイリア学園のサッカーボールが見つかりましたよ!!」
「目金くん、よくやったわ…………池の中にあったのね、そんなずぶ濡れになるまで必死に探してくれるだなんて」
「いえいえ、それほどでも」
「ホントは鹿に鹿せんべい食べられて驚いてる俺に突き飛ばされたんすけどね」
色々と調べに調べた結果、公園内の池にエイリア学園が使っているサッカーボールがあった。
目金くんがずぶ濡れになりながらも手に入れたサッカーボールって思ってたけども壁山くんと目金くんが偶然に事故って……。
色々と言いたいことはあるけれどもエイリア学園のサッカーボールを手に入れることが出来た。
「確かサッカーボールでワープしてるんだよね」
冬花さんがエイリア学園との戦いを思い出す。
サッカーボールを用いてワープをしていた……コレがエイリア学園のサッカーボールならばその機能が搭載されている筈。
何処かにスイッチとかは無いのかを先ずは確認しようとエイリア学園のサッカーボールを持ち上げるって
「重っ!?」
「なんだコレは……物凄く重い……」
エイリア学園のサッカーボールを持ち上げるけども想像の何十倍も重かった。
私の腕力に問題があるのかと鬼道くんに渡してみるけど鬼道くんの腕力でも重かった。
「ふむ……そういうことですか」
それを見ていた目金くんが眼鏡をキラリと輝かせる。
「なにがそういう事なの?」
「エイリア学園があそこまで強い理由ですよ、ズバリ!エイリア学園の故郷であるエイリア星は重力が地球よりも重いんです!地球の方が遥かに重力が軽く、異次元の運動能力を発揮させたのはその為です!」
「……だったらなんでサッカーボールが重いの?」
エイリア学園の圧倒的な運動能力について語るけど冬花さんがボールまで重い理由を聞けば目金くんが固まった
「え?」
「あ、確かに……通常よりも重力が重かったとしてもこんなに重いサッカーボールは出来ないですよね?」
「えっと、それは」
「目金くん、考察するのは良いけど変な先入観を持たせないで!」
「す、すみません!」
音無さんも確かに!となるけれども、それが原因でややこしくなる。
目金くん、頭はいいんだけどこういう考察を変に見せつけるのはいけない。変な先入観を持っちゃうから。
「あーーっ!!見つけたぞ!!」
「貴女は?」
「貴女はじゃないだろう!!よくもパパを誘拐してくれたな、この宇宙人が!!」
とりあえず何処かになにか特殊な機能が搭載されていないか調べていると1人のスーツ姿の女の子が現れた。
こんなところでなにをしているのかと言うか誰なのか分からないので聞いてみれば人を宇宙人扱いした。
「宇宙人って、違うわよ!私達は雷門中で」
「違うって言うならこの黒いサッカーボールはなんなんだ!それがなによりの証拠だろう!」
「コレは拾ったのよ!」
「そんな見え透いた嘘を!サッカーで色々と物事を決めてるんだったら私達とサッカーをしろ!サッカーで勝ったらパパを返してもらうよ!!」
「だから…………ああ、もう……分かったわ!そこまで言うならサッカーで勝負するわ!私達は宇宙人じゃないから貴女のパパについては知らないから……」
女の子に絡まれて宇宙人扱いされた。
宇宙人じゃないって言ってるのにサッカーボールが原因で宇宙人扱いされて……なんというか踏んだり蹴ったりだわ。
でも、宇宙人じゃないって証明するにはサッカーで教えるしかない。エイリア学園のサッカーボールを手に入れることが出来たこととサッカーの試合をすることが決まったことを瞳子監督に報告をするけれども瞳子監督は動じない。
「エイリア学園に対抗するためには力をつけないといけないわ……SPフィクサーズと戦って実戦経験を得るわよ」
特になにか異常な反応を示さず、私達を宇宙人扱いしたチーム、SPフィクサーズと試合をすることに。
大のサッカー好きの財前総理の警護をしつつその傍らでサッカーをしているSPフィクサーズ……負けたら全てが終わる試合じゃないけれども瞳子監督はエイリア学園を倒すためには強くならないといけない、SPフィクサーズとの試合を実戦経験にしようとする。
雷門中
FW 夏未 豪炎寺 染岡
MF 一之瀬 鬼道 音無
DF 壁山 冬花 土門 目金
GK 木野
SPフィクサーズ
FW 木曽 加賀美
MF 塔子 館野 極火 先手
DF 角巣 桜 五洋 疾風
GK 鉄壁
「あの子が……キャプテンなの?」
「それを言い出すなら、あんたがキャプテンなの?」
大人なSP達の中に紛れ込んでいる私達と同い年の女の子。
塔子さんがキャプテンを務めている、もっと他に居るんじゃないのかと思ったりしたけれども逆に私がキャプテンなのかを聞かれる。
「ええ……円堂くんが居ない間は私がキャプテンよ」
「……絶対に倒す!パパの居場所を吐かせてやるんだから!」
……なんか一瞬だけ間があったわね。ともかく円堂くんが付けていたキャプテンマークを装着してフィールドに立つ。
試合が始まると思っていると高速でなにかが走ってくる音が聞こえたのでなにかと思えば角馬くんが現れた。
「な、なんと!雷門イレブン、メンバーを大きく変えての野良試合!果たして大人相手に何処まで戦えるのか!」
「やるぞ」
染岡くんはそう言うとボールを蹴った。試合開始のキックオフ。
相手は大人だから油断することは出来ない……でも、マネージャー以外は日本一を取った面々だからそう安々と負けることは無い。
思い返せばエイリア学園との試合ではマークする選手、豪炎寺くん、鬼道くん、染岡くんをマークして後は杜撰な試合だったわね。
豪炎寺くんに渡ったボールを持って前線に出る……世宇子中の時と違ってナメた真似はしてこないけれども大人だけあってか強い。けど、負けていい理由は何処にもない。
「夏未!」
「冬花さん、いけるわよね!」
「うん!」
ボールが淡々とパスをされていく、大人相手に戦えていると感じながらも上がってきた冬花さんと顔を合わせる。
豪炎寺くんから受け取ったボールを空中に浮かせて私達は思いっきり振り被りツインシュート
「「イナズマ1号!!」」
「セーフティプロテクト!!っぐ、がぁ!?」
冬花さんとのイナズマ1号を炸裂させる。
GKの人が必殺技を使ってシュートを防ごうとするけれどもあっさりとイナズマ1号は貫いた。
ピーと点が決まったホイッスルが鳴った……試合開始5分で1点を奪うことが出来たわね。
「いくよ!」
SPフィクサーズの面々は前進してくる。ボールを奪いにいけば直ぐに気付かれて上手なパスを回される。
連係は向こうの方が上だわと重っていれば塔子さんが秋さんの前にまでやって来た。
「レインボーループ!!」
「マジン・ザ・ハンド……っ!」
「おい、魔神が出てねえぞ!」
塔子さんの必殺シュートが炸裂すれば秋さんがマジン・ザ・ハンドを使おうとする。
けれども魔神らしい物は出ていない。円堂くんや五郎くんが出している魔神が出ない代わりに膨大なまでのオーラを纏っている。そのオーラでレインボーループを受け止めようとするけれどもあっさりとレインボーループはマジン・ザ・ハンドではない必殺技ですらない技を突破した。
「ゴォオオル!」
「木野、なにやってるんだよ!」
「マジン・ザ・ハンドじゃないとアレは止められないから」
「だからって使えない技を使おうとするんじゃねえよ!他になんかあんだろ普通!」
「染岡くん、落ち着いて……マジン・ザ・ハンドは物凄く難しい技だよ。守くんと五郎くんは当たり前に使えているけど……秋さんにマジン・ザ・ハンドは向いてないよ」
マジン・ザ・ハンドじゃないとレインボーループを止めることが出来ない。
そう判断したからマジン・ザ・ハンドを使おうとしたけれども魔神が出てこなかった。冬花さんがマジン・ザ・ハンドは物凄く高度な技で秋さんにマジン・ザ・ハンドは向いていないと言い切る……。
「秋さん……貴女は円堂くんじゃないわ……だから円堂くんとは違うやり方でどうにかしないといけないわ」
円堂くんだったらあそこで綺麗にマジン・ザ・ハンドで受け止めていたけれど、それは円堂くんだから成立すること。
秋さんが円堂くんの代わりをしようとしている。GKとして1番の手本になるのが円堂くんだけど1から10まで円堂くんの真似をしても劣化……円堂くんが戻って来るまでの間、GKを務めるのは難しいけど円堂くんなら使う手じゃなくて秋さんらしい手を出せば良い。
試合は再開される、1−1で…………思った以上に試合が動かない。秋さんの使える手に限界があるから守備を重視した戦術で行くのだけれど、中々に前が進めない。
「ここで前半終了のホイッスルが鳴った!」
「はぁ、はぁ……伊達にSPやってねえな……」
「スタミナとかが、違うッス」
「……染岡くん、壁山くん、貴方達は後半ベンチに座りなさい」
試合が中々に動かない膠着状態の中で前半戦が終わった。
瞳子監督は染岡くんと壁山くんにベンチに座るように言った。
「なにを言ってるんです!こっちは11人なんですよ!」
「私の指示通りにしなさい」
何時ものメンバーが大きく抜けている中で、やっとの11人。
本来だったらFWの目金くんがDFをやらないといけないぐらいにギリギリのところでやっている、それでも試合が膠着状態のまま。
そんな中で染岡くんと壁山くんを抜けるように言った……私は当然抗議するけれど、瞳子監督は審判に2人をベンチに下げると言った。
「夏未さん……染岡さんと壁山くん、動きが悪かった気がします」
「動きが悪かったって……」
「……今、風丸くん以外の病院に居るメンバーは皆、怪我をしてる。世宇子中からの連戦でエイリア学園の襲撃……染岡くんと壁山くん、怪我が治りきってないのに無理して」
音無さんが2人の動きが悪いと、何時もとは違うと言ってくる。
動きが悪いって言われてもイマイチ、ピンと来ていない。塔子さんを除けば全員大人、大人と子どもじゃフィジカルなんかが大きく違う。だからどうしても負けるところは負けちゃうと思っていたけれども冬花さんが怪我について言ってくる……
「皆……無理しているの?」
「……正直なところ100%全快しているとは言い難いな」
世宇子中からの激闘で皆、疲れている。
疲れているから円堂くんが強制的に休みを取らせた……けど、休みの日でもサッカーをしたいと思っていて結果的にそこからエイリア学園が襲撃してきたわ。色々とハードな日程で全試合フルに出ていた鬼道くんに聞いてみれば100%、体力を回復しているとは言えない状態だった。
「…………降りろ、なんて言えないわよね……」
円堂くん達が今すぐにでも力になりたいと思っている。
けど、怪我をしているからどうしても動けない。円堂くんなんか利き手が折れてもう片方の手はヒビが入っている。
サッカーを使って地球侵略を企んでいる宇宙人で戦えるのは私達だけ、ダメージが残って回復が出来ていないにしても逃げるなんて皆には出来ない……瞳子監督はそれを見抜いて特に酷い染岡くんと壁山くんをベンチに下げた。
SPフィクサーズはエイリア学園じゃない、だから負けてもなにも支障は無いけれどもSPフィクサーズに勝てないとエイリア学園に勝つなんて夢のまた夢……
「さぁ、後半戦が開始します!雷門イレブン、染岡と壁山がベンチに下がった!たった9人、しかも何時もとは異なる面々!やり慣れない感が否めないです!」
「……夏未と冬花のイナズマ一号でゴールは奪えた。ならば豪炎寺の爆熱ストームでも確実に点は奪える……豪炎寺、最後はお前頼りになるがいけるか?」
「…………ああ」
人数が減ったから作戦変更を余儀なくされる。
向こうのシュートでも点は奪われる、何時もならば円堂くんが居てくれるからそれを前提に試合をしてきたけど今回からは違う。
守備を少し強めに固めないといけない。けど、守備の要の壁山くんが抜けてる……本来は選手だった面々の殆どがDFやMFだから痛い。豪炎寺くんに最後にシュートを決めてもらう方向性で鬼道くんは試合をコントロールする。
何時も以上に劣勢…………
「コレが雷門中の戦う敵」
何時だって雷門中は下、相手の方が格上だったわ。
エイリア学園もその一例に漏れない。SPフィクサーズも万全な状態だったら余裕で倒せたけれども、そう上手くいかない。
格下の立ち位置から下剋上をする……不謹慎だけど、燃えてくるじゃない。
「豪炎寺!」
豪炎寺くんにパスを繋ぐ、豪炎寺くんならばきっと点を取ってくれる。
何時も大事なところでしっかりと決めてくれる豪炎寺くんは土門くんからのパスを受ければ魔神を出した。
「爆熱ストームG3!!」
豪炎寺くんの爆熱ストームが炸裂する。
「流石は炎の天才ストライカー!でも負けないよ!ザ・タワー!!っ、きゃあ!?」
「豪炎寺くんの爆熱ストームはそんな簡単に止まらないよ」
豪炎寺くんの爆熱ストームの前に塔子さんが立ち塞がる。
ザ・タワーと言う必殺技で爆熱ストームを受けようとするけどもあっさりと爆熱ストームはザ・タワーを破壊した。
冬花さんが豪炎寺くんの爆熱ストームがそんなのじゃ止まらない、シュートブロックでパワーダウンをしたかと思ったけれども威力は納まることなく、GKに向かっていきセーフティプロテクトで再び防ごうとするけれどもあっさりと貫き……決定打を与える。
この1点を守り切る、守備を重視にしたプレイで戦い……試合終了のホイッスルが鳴った。
「ここで試合終了!雷門中vsSPフィクサーズ、2−1で激闘を制したのは雷門中だ!」
「流石だね……神のアクアを飲んだ世宇子中に勝っただけの事はあるよ」
「…………って、私達の事を知ってるじゃない!」
何とか試合に勝つことが出来て、試合が終われば負けたと素直に負けを認めるSPフィクサーズ。
キャプテンの塔子さんが流石って言ってくるけど……私達の事を宇宙人扱いした割には私達の事を知っていた……最初からかしら。
投稿速度
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出来たら即座に出せ
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10話ぐらい溜め込んで毎日1話ずつ出す
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一気に纏めてから一気に出せ
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週一ぐらい
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自分のペースでいいぞ