「着いたぞ」
「……え?」
「ここは……国会議事堂?」
豪炎寺くんが離脱し、エイリア学園の手掛かりを失った。
これからどうなるのか不安が過っている……円堂くんはホントに危なくなったら鬼道くんに投げろと言っていたけれども、コレは鬼道くんでも難しいこと。エース不在、キャプテン不在、敵の手掛かりが1つもない。
イナズマキャラバンは走っていて運転してくれている古株さんが着いたと言った。なにも手掛かりは無いから稲妻町に帰ってきたかと思ったけど違っていた。国会議事堂に来ていた。
「な、なんで」
「なんでもなにも、財前総理が見つかったんじゃ……娘さんの塔子が顔を合わさなくてどうする?財前総理が解放されたからコレでもうイナズマキャラバンから離脱する、そんな考えを持っとらんじゃろ?」
「財前総理が解放……されたの?」
「はぁ……まぁ、頼みのキャプテンとエースが居なくなってしまったから心のゆとりは無くなって当然か……」
古株さんが私を見てため息を吐いた。
財前総理が解放された、見つかったという情報が流れていた……そんな情報、直ぐにキャッチ出来る状態にしているのに気付かなかった。私だけじゃなくて何人かは気付いていない。
豪炎寺くんの離脱と円堂くんの不在、コレが予想以上に心に来ていて周りを見ることが出来なかった。
「パパ……無事だったんだね……」
「塔子……」
国会議事堂に入ることを許されたのは塔子さんと私。
エイリア学園のせいで色々と忙しい情勢になっているから財前総理は抜け出すのにも一苦労、でも、時間を無理に作って塔子さんと顔を合わせ抱き締める。
「……すみません、財前総理」
「……すみません?」
「エイリア学園に勝つことが出来なかった、彼等はサッカーで物事を決めようとしている。サッカーで勝たないと侵略行為をやめない。奈良のテレビ局で試合を決めることが出来ていれば……」
豪炎寺くんが手を抜いていたのなら私が点を取ればいい、他の面々で点を取ればいい。
SPフィクサーズと戦って分かったことだけど私達マネージャーは全国区の選手と渡り合える、流石に鬼道くん、円堂くん、豪炎寺くんの三巨頭には敵わないけど壁山くん達とは渡り合える。
「謝る事はない……エイリア学園はまだ日本を襲っている、戦う機会はある」
「パパ、私は雷門中について行く!エイリア学園と試合したのと雷門中と試合したから分かった!きっとエイリア学園に勝てるのは雷門中だけだって」
「そうか……総理大臣としてではなく1人の娘を思う父親として娘を頼む」
「……ホントなら、私じゃないんだけどね……」
「……円堂守か……彼が居てくれればエイリア学園から点を……」
総理大臣じゃなくて1人の子供を持つ父親として頼むと頭を下げられた。
背負うことは普通じゃないけれど、本当ならばもっとここに居て相応しい人が、円堂くんが居る。
円堂くんの事は財前総理も知っている……と、いけないわね。直ぐに円堂くんを思い出しちゃうわ。円堂くんも円堂くんでバックアップチームを手伝ってるらしいから私も出来ることをしないといけない。
「それで、このままどうするんスか?」
「北海道に向かうわ」
財前総理への挨拶を終えて戻れば壁山くんが今後について聞いてくる。
瞳子監督が次に向かう場所を言ってきた……北海道?と言われても特にピンと来ないわね。
「北海道には氷のストライカーと言われている吹雪士郎くんが居るわ」
「氷のストライカーって……豪炎寺が拔けた穴をそれで埋めようってか!?」
「ええ、今の雷門にはエースストライカーが不在しているわ……彼を加入させる」
北海道に凄腕のストライカーがいる。
それを言えば染岡くんが怒った。自分で豪炎寺くんを追い出したのに他にもストライカーを求める、その態度に対して……豪炎寺くんが手を抜いていたのを知っているのは選手の中では私だけ、瞳子監督もなにかあるって感じてる。
「認めねえぞ!豪炎寺の代わりなんて何処にもいねえんだ!」
「気に食わないならイナズマキャラバンを降りなさい」
「…………そうだね、染岡くん。豪炎寺くんの代わりなんて何処にも居ないよ」
染岡くんの言いたいことは皆、理解している。
けど、今回は話が違う……頭で理解していて心で割り切ることが出来ない子も何人かは居る。
そんな中で冬花さんが豪炎寺くんの代わりなんて何処にも居ないとハッキリと言った……冬花さん、どうしてと思っていると冬花さんは続ける。
「だから染岡くんがその吹雪くんを倒すの……鬼道くんが居ない帝国学園を相手に練習しても大した成果は得られない。きっと個人としては上澄みも上澄みの選手がいる学校はあるからそういう学校に対してサッカー勝負を挑んで……豪炎寺くんが居ない代わりを染岡くんが守るの」
「……そうだ……豪炎寺が居ない間は俺がストライカーだ……吹雪だか粉雪だか知らねえがそいつを倒せばいいんだ!」
「……冬花さん」
「監督があんな感じだし仕方ないよ」
染岡くんを上手く口車に乗せた。
豪炎寺くんが居ない間は自分がストライカーの仕事を果たし、豪炎寺くんが帰ってくるその日まで待つ……だから瞳子監督が新しいエースストライカーを補充すると言い出せばそんなの不要と証明すればいい。ちょっと力付くなところがあるけれども、染岡くんは吹雪士郎くんがいる白恋中に向かうのを反対しなかった。まぁ、瞳子監督があんな感じだから仕方ないわよね。
「大丈夫なの?」
「夏未さんは知らないけど……染岡くんは1年生の頃からあんな感じだよ、守くんにも噛みついたし、豪炎寺くんが入部する時も認めないって言ってる……」
「喧嘩したら友達理論を素でやってるのね……」
なんと言うか血の気が多い染岡くんらしいと言えば染岡くんらしいけど。
……吹雪くんがどれくらいかは分からないけど豪炎寺くんレベルなら染岡くんは認める。豪炎寺くんレベルじゃないなら染岡くんが頑張る。どっちに転んでも雷門中は強化される……。
「はぁ……どうせだったら旅行で来たかったわ」
東北に入り夏なのに段々と雪が見えてきた。
コレはとても綺麗な景色……だけど今は気分が沈んでる……何時もと違う環境に戸惑っている。平然としているのは鬼道くんと冬花さんだけ。綺麗な景色だと言うのに、気分は晴れない。
「白恋中は豪雪地帯にある田舎の学校らしくてな、流石にタイヤを雪用のタイヤに変えんといかん」
「じゃあ、その間は……少しリフレッシュしておきましょう。折角の北海道だから楽しみなさい」
北海道に辿り着き、白恋中の情報を手に入れた……何処にあるのか分かったけど今のイナズマキャラバンのタイヤじゃ走れない。
少しの間、空白の時間が生まれたから……練習!って言いたいところだけど、リフレッシュしないといけない……私もそうだけどピリピリしているわ。
「俺、北海道ラーメン食ってくるッス!」
「おいおい、響木監督のラーメンを裏切るのか?」
「ラーメンは別腹だって」
壁山くん、一之瀬くん、土門くんは名物のラーメンを食べに行った。
「お兄ちゃん、相手になって」
「春奈……」
「多分、このメンバーで1番の足手まといは私なの!少しでも強くならないと」
「ああ、任せろ」
「だったらあたしも協力するよ!」
「すみませんが、僕もお願いします」
鬼道くん、音無さん、塔子さん、目金くんは練習をする。
目金くんが参加したのは少し意外……けど、目金くんも危機感を感じている。音無さん以上に……それだけの相手だから仕方がないけれど。
「……このままじゃダメ……」
「円堂くんの代わりなんて居ないわよ?」
秋さんが手のひらを見つめてボソッと呟いた。
色々と練習したりしているけど、どうも秋さんにはマジン・ザ・ハンドみたいな魔神を出すタイプの必殺技が向いてない。
ゴッドハンドは全国トップレベルの相手には通じない……だからあの時にマジン・ザ・ハンドを使おうとした。
「……そう、だよね……円堂くんに代われるなんて……国会議事堂に行った時に源田くんと変わってマネージャーになっておけば」
「円堂くんの代わりは居ない……貴女には貴女のやり方がある筈よ」
秋さんには円堂くんの代理を求めてない。
秋さんらしいGKとして……こういうのはなんだけど円堂くん、GKなのに堂々と前に出るからやらかした時がホントに怖いのよ。
秋さんの個性を活かしたGK……なんて言うけれども、GKに求めるのは後ろを任せても安心出来るセーブ力……円堂くんがGKとしてどれだけスゴいのかを思い知らされるわ。秋さんは迷っているけど答えはしっかりと出る筈……私と冬花さんは北海道の観光をする。
「綺麗だね……」
「ええ、そうね……」
冬花さんと一緒に街のイルミネーションを見る……スゴく、スゴく気まずいわ。
イルミネーションは綺麗なのは分かるけれど、ここにどうして冬花さんなのかしら?って疑問がある……
「守くんにも見せたかったな……」
「そうね、円堂くんと見たかったわね」
「………………夏未さん」
「なにかしら?」
「……そういうこと言うんですね」
「……貴女の前だから言っておかないと」
円堂くんの前だったら絶対に言わないけど、円堂くんと一緒に北海道に旅行に行きたいわ。
サッカーバカだけどちゃんとサッカー以外の事も考えてくれているから、北海道に来てサッカーやろうぜ!なんて言わない。ちゃんと旅行をしてくれる。
「……そっか……守くん、どう思ってるのかな……入学初日に秋さんと仲良くなったり、学校外の女性友達を作ったりしてるんだよ」
「へぇ……そうなの」
「しかも
あら、よかった……コレでも大きい方だからよかったわ。
冬花さんも意外と大きかったりするし……1番まな板なのは秋さんとか……
「円堂くんはモテるのかしら?」
「ううん、風丸くんとかの影に隠れてるよ……守くんっていいよね」
「……ええ……」
分かるわ。
でもなにかしら?急激に温度が冷えている気がするわね……
「あ、アレ+八神玲名の間に入れって……鬼じゃねえか……やってやるよ……こうなったのもこっちのせいだし……はぁ、やるしかないですね」
「……ん?」
「どうしたの?」
「いや、今人の声が聞こえて」
イルミネーションや北海道の雪景色を見回していると冬花さんが人の声に反応する。
観光地で観光名所だから嫌でも人の声はしてる……今も気温が急に寒くなって血の気が引いたとかいう人達が何故か居るけれども、それとは別の声が聞こえたみたいで辺りを見回す。けど、コレだ!って言う人は居ない。気の所為だとは思うのだけれど……気の所為ね。
「それで、その吹雪士郎と言うのはどんなストライカーなんだ?」
古株さんの休憩や雪用のタイヤに入れ替え等が終わり白恋中を目指す。
話題は吹雪士郎、サッカーに関して色々と詳しい鬼道くんが聞いてもピンと来ない選手……マイナーな選手ね。
「熊殺しや雪原のプリンス等の様々な異名を持っていて、必殺技のエターナルブリザードで1つの試合で単独で10点を取ったみたい」
「それはスゴいな……でも、そんなにスゴい選手ならもっと有名になってもおかしくないんじゃないのか?」
音無さんが調べた情報で出てきたのは試合結果や吹雪くんの異名。
1つの試合で10点を取れたのはスゴい、けどそんなスゴい選手ならばもっと有名になってもおかしくないと一之瀬くんは言う。
「……それが、その……」
「どうした?なんか掴んだんだろ?」
「……影山が裏工作をしていて、一部の学校が出場出来ない様にしていたんです……」
音無さんが答えづらそうにしていると土門くんが深く聞いた。
影山が一部の学校を出場出来ない様にした……豪炎寺くんが雷門中に転校したから色々と試した影山ならばそういうことはしてもなにもおかしくない。鬼道くんと土門くんは少し表情が曇り、気不味い空気が流れているとイナズマキャラバンが唐突に揺れた。
「どうしたの?」
「雪の溝にハマった……イナズマキャラバンならば抜け出せるがどうもこういうのが多いみたいだ……」
瞳子監督が古株さんになにがあったかを聞けば、雪の溝にハマったことを教えてくれた。
イナズマキャラバンならば抜け出せるには抜け出せるけれども、この辺がそういうのが多い。
「う〜む……おそらくだがイナズマキャラバンに搭載されているカーナビに出ないルートが正しいルートだろう」
「え、そんな事があるの?」
「実はここに一段の段差があったが地図はそういうのを気付かないものなんだ……すまんが、少し周辺を見てくれんか?衛星写真だと雪景色でなにも見えん」
カーナビのナビが間違っていると古株さんは言い、何処かに白恋中に行く正しいルートがあるから無いかを見てきてほしいと頼まれた。こんな事があるなんてと思いながらも白恋中に続く道に立った……右を見ても左を見ても雪景色……
「ぶあっくっしゅん!!」
どうすればいいのか悩んでいると誰かがくしゃみをした。
聞いたことのない声だからもしかしてと思い、向かってみると私達と同じ年頃の1人の男子が居た。
「ちょっといいかしら?」
「……っ…っ……」
「……あの?」
「夏未さん、冬花さん!この人、凍えてますよ!急いでイナズマキャラバンに戻りましょう!」
道を聞きたかったから聞こうと思ったけれど返事をしない。
冬花さんもどうすればいいのかと思っていたけれども音無さんが男子が凍えていると言われて気付き、男子を連れてイナズマキャラバンに。
「大丈夫か?」
「ふー……温まった……ありがとう」
鬼道くんが大丈夫かどうかを確認し、男の子はココアを飲む。
寒さが飛んでいき喋れるようになったから男の子はお礼を言ってくる。
「この辺じゃ見ない顔だね」
「ああ……白恋中に行きたいのだが、道が分からなくて困っていてな」
「こっち側は白恋中の裏門側のルートだから基本的には徒歩じゃないといけないよ……カーナビがあるなら車で行けるルートを教えるよ」
男の子が見ない顔と言えば鬼道くんが白恋中に行きたいと言った。
ここに居たというからなにかを知っていると聞いたみたいで、男の子は白恋中のルートを知っていると言った。
古株さんのもとに向かいカーナビのモニターを見せれば白恋中のルートを教えてくれる。
「なるほどこっちからか」
「白恋中は山奥の田舎の中学だから最新のナビでも間違ったルートを出すんです」
「ありがとう助かったよ……うぉ!?吹雪!?」
カーナビに白恋中のルートを入れれば後は出発……とはいかない。
視界を遮る様な猛烈な吹雪が発生し、この状態での運転は危険だと古株さんは判断した……けれど、男の子がイナズマキャラバンのドアを開いた。
「ちょ、ちょっとなにをしてるの!?」
「山オヤジがちょっと暴れてるみたいでね、このままだったら君達にも被害が来るから」
こんな豪雪地帯の猛吹雪でイナズマキャラバンの外に出るなんて死ぬも同然よ!?
男の子は大丈夫だよと言った後にイナズマキャラバンを出た。少しすればギュイン!と大きな音が聞こえた。その音が聞こえたら猛吹雪が納まっていき、男の子が戻ってきた。
「白恋中には僕も用事があるから、一緒にいいかな?」
「ええ……」
山オヤジがなんなのかは分からないけれども、白恋中に向かった。
男の子が教えてくれたルート通りにイナズマキャラバンを走らせれば迷うことなく白恋中に辿り着き、男の子と別れた。
因みに作者はアルピ交通事務局です
プロミネンスとダイヤモンドダストとカオスのマスターランクの相手をするとか色々とベースの話を開発してたらスゴいことになったが気にしない
投稿速度
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出来たら即座に出せ
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10話ぐらい溜め込んで毎日1話ずつ出す
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一気に纏めてから一気に出せ
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週一ぐらい
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自分のペースでいいぞ