教祖様になっちまったぜ   作:アルピ交通事務局

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もう1つのチーム

 

「ジェミニストームが敗れたか」

 

 エイリア学園の星の使徒研究所に3つの光が灯る。

 エイリア学園が誇る最強のランク、マスターランクのチーム、ガイアのキャプテン、グラン。同じくマスターランクのチーム、ダイヤモンドダストのキャプテン、ガゼル。同じくマスターランクのチーム、プロミネンスのキャプテンのバーンが顔を合わせる。

 今回の議題は、エイリア学園のセカンドランクのチーム、ジェミニストームが敗れ去った事だ。

 

「ハッ!なにを言い出すかと思えば、エイリア石を頼ってもセカンドランクの奴等が負けただけだろ?」

 

「我等が何故マスターランクなのか、その理由を分からないわけではないだろう?」

 

 エイリア学園の異常なまでの強さには一応は仕組みがある。

 しかしここに居る3名のチーム、ガイアとダイヤモンドダストとプロミネンスはその仕組みから外れている。

 ジェミニストームが負けたと言う事についてバーンやガゼルはたかがジェミニストーム如きと見下している。

 

「確かにそうだね……でも、彼等には強くなってもらわないといけない。俺達の為に」

 

「俺達じゃねえだろ?ガイアの為だろ?」

 

「言っておくが、ジェネシスの座は譲らない」

 

 エイリア学園の目的の為にまだまだ雷門中には強くなってもらわないといけない。

 ジェミニストーム、そして雷門中にとって新たなる敵であるイプシロンは言わば捨て石、全てはジェネシスと言うチームに日本の力を集結させても勝つことが不可能だと知らしめる為だ。

 ガイア、プロミネンス、ダイヤモンドダスト、この3つのチームの内からエイリア学園最強のチームであるジェネシスが決まる……ので、メンバー内がかなりギスギスしている。もとは1つの施設の人間なのにチームが違うからと派閥争いが酷い。

 

「つか、イプシロン如きを使う必要あんのか?雷門なんてプロミネンスだけでどうにかなんだよ」

 

「全てはエイリア皇帝の計画通りだ……バーン、そしてグラン。マスターランクはマスターランクとして競い合いジェネシスを決める……捨て石にもそれ相応の価値はある」

 

 色々とチマチマとした作戦をしているので性に合わないバーン。

 ガゼルは全ては上に命じられた通りの事であり、自分達がすべきことはエイリア学園最強のチーム、ジェネシスを決めること。デザーム達イプシロンには捨て石としての仕事はあるのだと言えばその場から消え去った。

 

「……彼が居ればもう少し面白い試合になったんだろうけどね」

 

 ジェミニストームがここまで暴れられたのも全てはGKに円堂が居なかったから。

 1年前に出会った円堂は既にマスターランクの自分と同等の選手だったとグランは感じており、世宇子戦のあまりの激闘(と言うことになってる)で両腕が使い物にならなくなった円堂と戦えない事を悔しいと思っている。

 

「円堂守か……確かバックアップチームに居るんだったな……」

 

 

 ※

 

「……本来であればこの背番号を背負う権利は俺には無いのだがな」

 

 木野と目金が雷門から一時的に離脱すると宣言した。

 目金は既にエイリア学園の襲撃を受けた中学を弟と一緒に巡る事にし、木野に関しては趙金雲がなんかいい方法があるとかなんとかで……とりあえずGKが抜けたので源田が木野に変わってGKになった。

 帝国学園の正GKとして1番を背負う覚悟は出来ているが、雷門の一員として正GKとして1番を背負う権利は無いのだと少しだけ躊躇いを感じている。

 

「なに、お前ならば俺は安心してゴールを預けれる」

 

「鬼道、それはお前と嘗て帝国の一員だった土門だけだ……他は心の何処かで円堂を期待している」

 

 雷門の背番号1番は重いものだと自覚している。

 鬼道は源田の力を知っているので安心してゴールを任すことが出来るが、源田はGKとしての本能かどうかは知らないが……察していた。このチームは俺がGK、そしてキャプテンを務めることではじめて成立するチームだと。

 

「オーッホッホ!エイリア学園の新たなる標的が分かったそうですよ!京都の漫遊寺中学とのこと」

 

「ま、漫遊寺!?」

 

「知ってるのか、少林?」

 

「武術を営む人にとって知らない方がおかしい中学です!」

 

 GKが木野から源田に代われば金雲さんがエイリア学園の次の標的を教えてくれる。

 次の標的は漫遊寺中、原作通りだなと思っていれば少林が反応した。そういえばゲームでも少林反応してたなと思い出す。

 

「漫遊寺中なら俺も聞いたことがある」

 

「やっぱりサッカー強い学校なの?」

 

「いや、外部との交流を絶っている学校だ。心身共に鍛える名目でスポーツをしていて、フットボールフロンティアの様な中学生のスポーツの大会に一切参加していない。だが、実力だけで言えば全ての部活が全国優勝してもなんらおかしくないと言われている」

 

 漫遊寺中の名を聞いたことがあると鬼道が反応を示せば夏未がサッカー強いの?と聞いた。

 漫遊寺中は強いけども己を鍛えるもので対外試合を行わない。しかし全国優勝してもなんらおかしくないと、鬼道は帝国が表の頂点ならば漫遊寺が裏の頂点と称する。

 

「外部との交流を絶っている漫遊寺中に目をつけるとは、エイリア学園中々にサッカーに詳しいですね。ああ、瞳子さん。これ、漫遊寺の監督に渡してください。あの人、頭が緩いのか硬いのかよく分からないんで」

 

「知り合いなのですか?」

 

「昔、色々とありましてね……さぁ、皆さん!今日も特訓ですよ!」

 

「っておい!ちょっと待て!!」

 

 金雲さんが漫遊寺の監督宛の手紙を渡せば雷門中を見届ける……と言う展開になるのだが待ったが入った。

 待ったを入れたのは不動であり、なんで待ったと言ったのはなんとなくで分かる。

 

「何時まで俺達はバックアップチームなんだ!源田の奴が入って使えねえメガネが抜けた!ベンチの枠は余ってんだから雷門に入れろ!」

 

「はぁ……甘い!甘いですぞ!イチゴ牛乳に練乳をかけるほどに甘いですぞ!不動くん!」

 

「甘いだと?」

 

「私達合計で何人か言ってみてください」

 

「雷門中の12人、その内2人が抜けて10人になって源田の奴が入った。あんたがエイリア学園との戦いを許可したのは9人で源田が抜けたから実質8人。そこの使い物にならねえキャプテンや世宇子戦で動けなくなった雷門中の生徒でバックアップチーム候補になれる奴は居るには居るが現段階では実質19人だ」

 

 バックアップチームのままなのが不動は不満だった。

 だから、不動は雷門側としてエイリア学園と戦わせろと至極真っ当な要求をしてくるのだが金雲さんが人数確認を取ってくる。

 動けない俺やエイリア学園との戦いについてこれる様になる為の特訓をしているバックアップチーム候補を除けば19人、それなのに今回漫遊寺中に向かう為にバックアップチームから引っ張ってこられたのは源田1人で他の誰もバックアップチームに選ばれていない。

 この事に関して不満を抱いているのだが……金雲さんはしっかりと考えた上で11人だけで挑ませている。

 

「正解です、不動くん……では聞きますがエイリア学園には幾つチームがありますか?」

 

「………っ!……ち、わかったよ……バックアップチームのままで居てやる」

 

「えっと、どういう意味?」

 

「エイリア学園との試合は基本的には公式戦のルールに則ってやっている。3回試合したけどジェミニストームはベンチには5人しか居なかった」

 

「ルール的にベンチには5人までですよ?」

 

「音無さん、もしエイリア学園のイプシロンと同じレベルのチームがもう1つあったら?」

 

「……あ!」

 

 金雲さんが言いたいことを不動は即座に理解した。

 夏未が意味が分からないので冬花がジェミニストームが公式戦のルールに則って試合を挑んできている事を言う。それは今まで向こう側がしっかりとルールを守っていたから別になんにもおかしくないと音無は疑問を抱かないが、冬花にイプシロンと同じレベルのチームがもう1つあったら?と言う質問で全て理解した。

 

「仮にイプシロンと同等のチームがエイリア学園にあって同じタイミングで2つのチームに試合を挑まれる、スタメンの11人+ベンチの5人の合計16人×2=最大で32人が必要だ……ジェミニストームに勝てたのは途中加入の塔子や吹雪が居てくれたおかげで選手単体としては全国トップレベルの選手を現地でスカウトしろ、ですよね?」

 

「ええ、その通りです。流石は円堂くん」

 

 俺にはゲームとアニメの2つの知識があるがゲームではゲームを進行する上でプロミネンスとダイヤモンドダストは別に戦わなくても問題は無い。2つのチームはチラッと本編で出てきて隠し要素で戦える的な感じのチームだった。

 だがここはどちらかと言えばアニメ寄りな時空でアニメ版では普通にダイヤモンドダストと戦っていた。その後にプロミネンスと戦わずプロミネンスとダイヤモンドダストの混合チームのカオスと戦った。

 天馬達が時空最強イレブンを探す旅で白竜が仲間になっていたから、これがどういう世界線のイナズマイレブンなのか分からない。分からない以上は答えは1つ、ダイヤモンドダストとプロミネンスの2つと同時に試合に挑まれる可能性がある。

 実際、アニメで魔界軍団Zと天空の使徒と戦う話で別々のチームで戦っていた。マスターランクの選手を相手に2連戦、下手したら3連戦とかいうオチもありえる。今の段階ではイプシロンと何人かは勝負出来るレベルでマスターランクをこれから相手にする場合、どう頑張っても2連戦は無理。その場合は雷門中と言う1つのチームとバックアップチームという1つのチームの2つのチームが必要で、現在は19人。ベンチ枠を含めても2試合出来る2つのチームは無いので何処かでスカウトしてこいということ。

 

「イナズマキャラバンにも乗せれる人数には限界があるからの……」

 

 全員を乗せようにもイナズマキャラバンにも限界があると古株さんは仕方ない事だと受け入れる。

 ベンチに選手が1人も居ない事に関して理解と納得をしてくれたので木野の代わりに源田が入り目金が抜けた11人の雷門中はイナズマキャラバンに乗って漫遊寺中がある京都に向かった。

 源田が抜けた。抜けた源田の代わりに木野がバックアップチームに入るかというわけでもない。

 一応は木野の事について金雲さんに相談したら木野がパワーアップするのにちょうどいい練習相手が居ると選手の情報が書かれているメモを渡されていたからそこに行けばパワーアップする事は出来るだろう。おちゃらけているがエイリア学園の事件にしっかりと協力してくれているし。

 

 ※

 

「……」

 

 ジェミニストームをやっとの思いで倒したと思えば、イプシロンと言う新しい敵が現れた。

 そしてバックアップチームの監督をしている謎の中国人、趙金雲さんがイプシロン以外にもイプシロンと同等のチームがあるという可能性を仄めかした。ジェミニストームがセカンドでイプシロンがファーストという単語がついているチームから考えて、イプシロン以上は無いのだと思えるのだけれど、イプシロンと同等のチームが複数居る可能性は無いとは言えない。

 

「大丈夫かしら……」

 

 今から向かう漫遊寺中にエイリア学園から襲撃予告はあった。

 今度の相手も未知の相手だけれど、私達が出来ることはサッカー。サッカーで勝負することしか出来ない。目金くんと秋さんは修行してパワーアップをすると約束してくれたけれども雷門から離れた。代わりに入ったのは源田くん。

 本来のエースストライカーの代わりの吹雪くん、本来のGKの代わりの源田くん、本来のキャプテンの代わりの私。皆、エイリア学園を倒して地球侵略を阻止したいと思っているけれどもチームとしての足並みがバラバラ。選手1人1人は世宇子戦の時以上のスペックを持っているけれど、チームとしては世宇子戦の時よりも劣っている。

 

「夏未さん、不安なの?」

 

「ええ……少しだけよ」

 

 隣の席に座っている冬花さんに私が不安になっている事に気付かれる。

 

「このチームを引っ張っていけるか?じゃなくて何時この戦いが終わるかが」

 

 本当だったらスペインのサッカーチーム、バルセロナ・オーブと交流試合があった。

 お父様からコッソリと流してもらった情報で誰にも言えないけれど、15歳以下の少年サッカーの世界一を決める大会、フットボールフロンティアインターナショナル、通称FFIの開催があった。そしてお父様が手に入れた蜘蛛の糸とも言うべきか細い糸だけれど、ありえないとも言えない円堂くんのお祖父さん、円堂大介が生きているかもしれないという情報があるわ。

 その辺りを色々と調べたいし交流試合を見たかったり色々とあったのに、いきなりエイリア学園がやって来た。何時エイリア学園との戦いが終わるか分からないのは……ホントに苦しいわ。

 

「まさかとは思うけど、神のアクアがあればいいとか思ってないよね?」

 

「流石にそんな事は考えていないわ……私だってサッカーを愛する1人の人よ。そんなドーピングはしないわ」

 

 と言うか、神のアクアってガッツリと法律に触れる成分が入っているから絶対に手に入らないわよ。

 1人のスポーツマンとしてドーピングはダメ……円堂くんですらドーピングと言うジャンルじゃないけどそれに近いミキシマックスに対して結構否定的だったのに。

 

「なに、問題はねえよ!この俺が点を取るからよ!!」

 

「……?……ええ、期待しているわ」

 

 試合になれば性格が大きく変わる吹雪くん。

 試合でもないのに性格が大きく変わっている。これからエイリア学園に挑むのだから興奮して性格が変わっているのかと思ったけど妙な違和感を感じる。試合中で性格が変わるのは稀にあるけれど、試合でもなんでもないって……

 

「うっ!!」

 

「おい、吹雪!大丈夫か!?」

 

「ご、ごめん。ちょっと気分が悪い」

 

「ああ、ちょうどいいタイミングだ。イナズマキャラバンを停める」

 

 急に性格が変動したかと思えば吹雪くんが苦しみだした。

 土門くんが大丈夫かどうかを聞けば吹雪くんは気分が悪いと言った。吐きそうという意味で気分が悪いじゃなくて体調が悪いという意味合いで気分が悪いで古株さんにイナズマキャラバンを停めて貰おうとすれば既にイナズマキャラバンは目的地である漫遊寺中の近くのコインパーキングにまで向かうことが出来ていたのでコインパーキングにイナズマキャラバンを停めた。

 

「ちょっと風に当たってくるよ」

 

「ええ……」

 

 大丈夫かしら?

 

「吹雪さん、大丈夫ッスかね?」

 

「まぁ、北海道から東京に、東京から京都と色々と環境が変わりまくってるからな……環境変化はプロでも辛いよ」

 

 イナズマキャラバンをコインパーキングに停めれば吹雪くんは外の空気を吸いに行った。

 壁山くんが吹雪くんの心配をしている。一之瀬くんがコロコロと環境が変わっているからそれに合わせて吹雪くんが追いつくことが出来ていないから仕方ないと壁山くんに言った。

 普段とは慣れない場所に短時間の間にコロコロと移動してそこで息抜きらしい息抜きも出来なくてサッカー漬け。エイリア学園との戦いの何割かはイナズマキャラバンの移動時間なところもあって精神的にも参るわよね。

 

「次の相手はジェミニストームよりも強い。点を取らないと」

 

「そうだ!俺に任せろ!俺のエターナルブリザードで点を奪う!」

 

「ああ、お前の力が必要だ……でも」

 

「点が欲しいんだろ?雷門のエースストライカー様は不在でわざわざ俺を求めて白恋中に来たんだぞ!」

 

「確かにそうだ。だけど、それは完璧な吹雪士郎のサッカーなの?」

 

「おいおい、兄貴。点を取らなきゃ勝てねえだろ。どんだけ守備が上手くても点を取ってはじめて試合が決まるんだ」

 

「今の雷門はディフェンス陣がしっかりしていてオフェンスが頼りない」

 

「だから俺の力が必要だ!」

 

「うん、お前の力は必要だ…………じゃあ、じゃあ、僕は?僕の力は?僕はいったい何処に必要なんだい?」

 

「ゴチャゴチャ考えるなよ、俺達は1人になってんだから。ボールを回して俺に変わってエターナルブリザードで点を取る。真人の奴が来るまではそのスタイルだっただろ?」

 

「……そう、だね……」

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