教祖様になっちまったぜ   作:アルピ交通事務局

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もう1つのノート

 

「キャプテンさんよ!俺と勝負してもらおうじゃねえか!」

 

「いや、俺はリハビリ中だからな……そんなんで勝っても嬉しくねえわ」

 

 ヤバい、としか言えないな。

 吹雪が化身を持っているのは知っているのでなんとかして発動する事が出来るようにならないかと魔神を出す為のコツである最強さん召喚を教えた。4つの魔神を組み合わせることで発動する無属性のシュート、パラケルスシーズンのパワーを受け取った事で今まで不完全だった豪雪のサイアが完全に使いこなせるようになった。

 

 その結果、吹雪士郎の人格でなく吹雪アツヤの人格が常時出ている状態になった。

 アツヤが出ているのが悪いとは言わないが、吹雪士郎の中に宿っている吹雪士郎がなにを思っているのか、FWとして必要とされてFWとして成果を残すことが出来た。出来てしまった。

 DFとしての吹雪士郎は全くと言って求められずFWとしての吹雪士郎が求められる。だから……吹雪士郎は引きこもって吹雪アツヤに体を貸している。

 

 アツヤ状態の吹雪は俺に勝負を挑んでくる。

 俺のことを最強のGKだと認めていてそれを破ることで更なる高みに目指すと言っているが、現在俺はリハビリ中だ。

 

「んだよ、逃げんのかよ?」

 

「逃げねえよ……あ、電話だ。もしもし?」

 

『あ、守?なんか福岡の陽花戸中の校長先生が貴方に渡したいものがあるって……なんでも、お祖父ちゃんのノートがどうのうこうのって』

 

「祖父ちゃんのノート?……うん……わかった」

 

 祖父ちゃんのノートが福岡の陽花戸中の校長先生が持っていると母ちゃんから連絡があった。

 既にスゴ技特訓ノートやマジン・ザ・ハンドなんかが書かれている秘伝書は持っている。これは裏ノートだろう。

 

「祖父ちゃんのノートが福岡の陽花戸中にあるらしいんです……プロミネンス達の動向も分かりませんし、祖父ちゃんのノートならサッカーの事が書かれてる筈だから向かいませんか?」

 

「お祖父さん、と言う事は円堂大介さんの事ね……その人が残したノートなら……」

 

 とりあえず福岡の陽花戸中に行きたいと申し出る。

 サッカーに関する事が記載されているノートがあるというのならば欲しいと思う……イプシロン改を倒してもまだプロミネンス達が残っている。

 

 エイリア学園の謎のハッキング技術で映し出されたイプシロン改の戦いを見ていたが、カウンターシュートはバーンのアトミックフレアを上回っていた。連係アリであの威力を平然と出してきて源田のゴッドハンドトリプルを破ったから笑えないわ。

 

 染岡、吹雪、鬼道、一之瀬、塔子、風丸、土門、壁山、冬花、夏未、木野、音無、そして俺が今回陽花戸中に向かうことに。

 エイリア学園と全く関係無いことだから問題は無い……が、サッカーに関する事が書かれているならば見るしかない。

 

「円堂くんのお祖父さんっていったい幾つノートを残してるのよ」

 

「さぁ?」

 

 家の倉庫にあったスゴ技特訓ノート、理事長が保管していたイナズマイレブンの秘伝書、今回の裏ノート、更にはサッカー選手が持っておいた方がいい心構え的なのが書かれている最後のノート、実現不可能なぼくのかんがえたさいきょうチームに必要なメンバーが書かれている遺言ノート……この様子だとまだノートを隠していそうだから怖い。と言うか俺もノートを残してるんだよな。

 

「祖父ちゃん、会ったことが無いからよく分からないからな……ただ、居てくれたらどれだけ心強いか」

 

「スゴい指導者で、居なくなったせいで日本のサッカーが何十年も遅れているなんて言われるぐらいだからね……」

 

 祖父ちゃんがここに居てくれてサッカーを教えてくれたのならばそれはこの上なく嬉しいことだ。

 冬花が指導者として超一流であり、居なくなったから日本のサッカーが遅れている原因となったと言う。一見暴論に見えるが、1から丹精込めて育て上げたリトルギガントが世界最強クラスの選手ばかりだから間違いとは否定できない。

 

 実際、200年後の未来人相手に過去の歴史の偉人や生物の力を用いて勝ってるから……ホントに指導者としてどうなってるんだ。

 

「でも、よかったッス」

 

「なにがだ?」

 

「エイリア学園ばかりで気が休まる場面が無いから……長旅もあるッスけど精神的に参っててご飯がもう3杯しか喉を通らなくて」

 

 それ充分に飯を食ってんだろう。

 壁山は今回はエイリア学園とかそういうのを深く気にしなくてもいいのだと落ち着きながら大阪土産のぼんち揚げお好み焼きソース味を食べている。

 

「そうだな……でも、祖父ちゃんのノートだからスゴい必殺技とかが載ってる可能性が高いんだ……ハードな特訓は覚悟しとけよ?」

 

「うっ……やっぱそう来るッスよね」

 

「そんなに甘くねえんだよ」

 

 祖父ちゃんのノートにはムゲン・ザ・ハンド、正義の鉄拳、ジ・アースが載っている。

 正義の鉄拳は既に覚えているしムゲン・ザ・ハンドは覚える必要は無い。使えそうなのはジ・アースだが、それ以外にもなにかしらの必殺技は載っているだろう。

 

「……」

 

「どうしたの?」

 

「いや……祖父ちゃんのノートって事は必殺技がある。それを会得したとして……結局は祖父ちゃんの背中を追ってるだけだなって」

 

 ムゲン・ザ・ハンド、正義の鉄拳、ジ・アース以外にも技は載っている筈だ。

 だけど、それを会得してもそれを開発したのは祖父ちゃんだ。だから、祖父ちゃんじゃない自分だけの技を覚えないといけない。

 

「円堂が爺さんの真似をしてるって言うけどダイヤモンドハンドとかは違うだろう?」

 

「いや、アレはスペインのとあるサッカー選手の技を真似して覚えた」

 

 この世界線で関わる可能性があるかどうかは分からないがクラリオは存在している。

 ダイヤモンドレイを覚えていて、先にダイヤモンドパワーを手に入れたのはクラリオだ……まぁ、俺のダイヤモンドパワーの方が上だけども。結局は円堂守の真似をしているだけだ。

 

「皆も色々と壁にぶち当たってる……俺も俺で壁にぶち当たってるんだ」

 

「円堂がGKとして使えなくても完璧な俺がどうにかするから問題ねえよ!」

 

「……まぁ、そうだな」

 

 GKとして充分に強いがまだ足りない。

 円堂守を越える事ではじめて俺はGKとして意味を成す。その為の答えは一応は見つけているが、それは何時でも実行する事が出来るわけじゃない。キャプテンとしてチームの思いを背負って戦うことで俺は円堂守を越える事が出来る……それは果たして円堂守を越える事が出来たと言えるのか?……単独で円堂守越えをしなきゃダメなんじゃないのか?……いや、それだと余計に円堂守から離れてしまう。

 

「すまんね。本音を言えば届けたかったんだが、こんな状況じゃ届けるに届けられなくて……君が円堂守……かぁーっ……若い頃の大介そっくりたい」

 

 そんなこんなで福岡の陽花戸中に辿り着いた。

 陽花戸中の校長と顔を合わせれば校長は俺が祖父ちゃんにそっくりだとハッキリと言い切った。

 

「祖父ちゃんって、どんな人だったんですか?……母ちゃんは祖父ちゃんがサッカーで酷い目に遭ったのを知っているから、現役時代とかその頃の祖父ちゃんを知らないんですよ」

 

「よかよか。教えちゃる……大介はな、学校一、博多一、福岡一、いや、日本一のサッカーバカじゃった。ワシもサッカーバカなのは自覚しておるが大介は負けじと対抗してきての。御神木レベルの巨木をシュートで折る勝負もしたよい」

 

 それって普通に迷惑行為じゃないのか?

 祖父ちゃんにそっくりな俺を見て若かりし頃の祖父ちゃんとの思い出に浸る……やっぱりサッカーバカか……俺はどうなんだろうな?サッカーが楽しいとは思えているが、天衣無縫の極みに至る条件は満たしていないんだよな。

 

「しかし、何故円堂くんのお祖父様がノートをここに?」

 

「それは幾つか理由があるたい……1つはもうすぐ自分の命が終わると思っていたから。2つ目は響木達が覚えられないと思ったから。大介が監督として活躍していた時、イナズマイレブンと言われたチームは無敵だった。じゃが、世界基準ではまだまだ……大介は作ったのはいいが使いこなせない技を幾つか抱えておったからな。でも、あのイナズマイレブンの再来が現れてキャプテンが大介の孫となれば話は別!この裏ノートを託す時が来た……その前に1つ、頼みがある。よかか?」

 

 同席している夏未が何故に陽花戸中に裏ノートがあるのかを聞いたら幾つか理由があることを教えられる。

 そして裏ノートを託す時がやってきたと言うが……陽花戸中の校長はモジモジとしている。

 

「なんですか?」

 

「あのイナズマイレブンの再来!と言われれば、やっぱりアレを見んことには満足出来んね……円堂大介の十八番で君が一番最初に会得したアレを生で見せてほしいたい」

 

「ああ、それでしたらいいですよ……グラウンドを借りますけどいいですか?」

 

「よかよか……実はスゴいサプライズもあるたい」

 

 祖父ちゃんの事を知っていて、俺が祖父ちゃんの孫だからアレを見たいと言い出す。

 やっぱりアレは特別なんだなと思いながらもグラウンドを借りていいかどうかの確認をすればOKだと許可が下りた。

 

「え、円堂守だ!」

 

「世宇子中との戦いで大怪我をしたって言われてたけど、もう大丈夫なのか!?」

 

「あらあら、気付けば有名人ね」

 

「冷やかすのはやめてくれよ」

 

 陽花戸中のサッカー部員達が俺の存在に気付いた。

 エイリア学園と戦っているのが雷門中だったが今の今まで表に姿を出さなかった。いや、出せなかったのが正しい。

 思えば鬼道達が日本のあちこちに行ったり来たりを繰り返しているがイナズマキャラバンに乗るのは何気に今回が初である。

 

「守くん、ダメだよ。もっと上を目指すならこれぐらいで照れてちゃ」

 

「……ま、それもそうなんだがな……」

 

 冬花に照れていたらダメと指摘されたので両頬を叩いて気を引き締め直す。

 陽花戸中の校長はアレを見たいとご所望だから久しぶりに雷門中のユニフォームを着る。冬花と夏未も空気を読んで雷門中のユニフォームに着替えてくれている。

 

「いくわよ!」

 

「さぁ、来い!」

 

 夏未はボールを蹴り上げた。

 なにをするのかと言えば同じくイナズマイレブンのあの技、そうイナズマ1号だ。

 

「「イナズマ1号V3!」」

 

「パワーアップしてるな……神ゴッドハンド!」

 

「うぉおお!!出た!」

 

「ゴッドハンドだ!ゴッドハンドだ!」

 

 イナズマ1号に対して使う技は当然ゴッドハンドだ。

 ゴッドハンドを出せば見ている陽花戸中のサッカー部員達は生のゴッドハンドを見て興奮をしている。

 

「……大介……見とるか?お前さんの孫は、ゴッドハンドを極めた。お前さんのあのよかゴッドハンドをも上回っちょるね」

 

 ゴッドハンドを見せたら陽花戸中の校長は涙を流した。

 それはゴッドハンドを見れた喜びもあるがゴッドハンドの正統後継者が現れて羽ばたこうとしている事がこの上なく嬉しいんだろ。

 

「割と本気で撃ったんだけど……あっさりと止めるわね」

 

「いや、まだダメだ。違和感を感じる」

 

 進化したイナズマ1号V3をあっさりと止められてやや不服そうな夏未。

 もう選手として復帰しても問題は無いんじゃないのかと思っているが、俺の体なのでよく分かる。微妙に違和感を感じる……物足りない感じがある。

 

「スゴい……立向居のを見た時にコレがって校長が興奮してたけど、やっぱり本物は別格なんだ」

 

「あ、あの!円堂さん!」

 

「お、どうした?俺のゴッドハンドに挑みたいのか?構わないぞ?」

 

「その子は立向居……君に憧れてMFからGKにコンバートしたたい。守くん、ワガママを言って見せてもらったお礼はしなきゃいかんばい……立向居と勝負してほしい。よかか?」

 

「いいですよ」

 

 陽花戸中の1人の生徒が興奮をしていれば俺にGKの男が声をかけてきた。

 ゴッドハンドに挑みたいならば挑ませてやると言うが校長が男もとい立向居と勝負してほしいと言ってくる。これから起きる面白いことがあるぞと満面の笑みを浮かび上げている。

 

「じゃ、いくぞ!」

 

「よろしくお願いします!円堂さん!」

 

「とぅ!」

 

 ボールを軽くリフティングした後にノーマルシュートを撃つ。

 それを見た立向居はさっきまで憧れの人に会えた喜びのファンから一転してGKの目に切り替わり……

 

「ゴッドハンド!」

 

 青色のゴッドハンドを出した。

 それを見た瞬間に俺は笑みを浮かべる……立向居がゴッドハンドを会得しているのは知っている。だからこそコイツはスゴいなと笑みが浮かんだ。

 

「どうね、立向居のゴッドハンドは……スゴか?」

 

「俺、円堂さんに憧れて……ゴッドハンドをどうにかして会得したい!ってなってゴッドハンドを会得したんです!」

 

「ゴッドハンドを会得って……そんな簡単じゃないのに……」

 

 栗松とか五郎とか冬花とか源田とか木野とかがなんだかんだでゴッドハンドを会得しているとは言ってはいけない。

 夏未はゴッドハンドを出した立向居に対して簡単じゃないのにと言っている。

 

「夏未、なにバカな事を言ってんだよ……ゴッドハンドは死ぬ気で頑張らなきゃ覚えられない。立向居、グローブを外してみろ」

 

「へ?」

 

「見ただけでゴッドハンドを会得するなんてふざけたことが出来る奴が居たのなら逆に俺は見てみたいぐらいだ」

 

 俺は自分がつけているグローブを外した。

 相手が放つ強烈なシュートをキャッチする為には徹底的にキャッチ力を磨かないといけない。当然、腕の力、握力、手首の靭やかさなんかもだ。

 

「っ!?」

 

「コレが俺だ……お前はどうだ?」

 

 テーピングこそしていないがボロボロになっている俺の手のひら。

 それを見た立向居は驚いていてゴクリとツバを飲み込んだ。ここまでしているんだと驚いていて……立向居は自分のグローブを外した。

 

「コレが俺です!」

 

「……円堂くんほどじゃないとは言え手のひらが……」

 

「守くんが有名になったのはつい最近の事なのに、MFからGKにコンバートしてこんなにもだなんて」

 

 GKとして努力をした証だと手のひらを見せてくる。

 夏未は俺ほどじゃないが手のひらはスゴいことになっていてGKの手だと気付く。冬花はMFからGKにコンバートしてからゴッドハンドを会得しボロボロになった手を見て立向居の練習や才能が凄まじかった事を気付く。

 

「じゃあ、他も見せてやるよ……冬花」

 

「うん」

 

「ゴッドハンドを覚えたからにはコイツも覚えてみろ!」

 

「真フリーズショット!」

 

「真マジン・ザ・ハンド!」

 

「っ……」

 

「前が優秀だから使う機会が早々に無いが、お前は次にコイツを覚える」

 

「あ、あの……試してみてもいいですか?」

 

「ああ」

 

 立向居のゴッドハンドは小学生の頃に会得した俺のゴッドハンドと同格で完成されている。

 だからゴッドハンドを進化させるのもいいがそれ以上の技、ゴッドハンドの次と言えばこれだぞとマジン・ザ・ハンドを見せる。

 マジン・ザ・ハンドを見た立向居はビリリとなにかが走ったようでマジン・ザ・ハンドを試したいと言い出した。

 

「ふぅ……お願いします!」

 

「いくわよ!えい!」

 

「マジン・ザ・ハンド!っ……がぁ!?」

 

「ま、守くん」

 

「まったく……天才ってのは困るな」

 

 夏未がシュート役を務めることで決まり、夏未はノーマルシュートを撃った。

 立向居はさっき見たのを真似るんだとやれば薄いながらも青色の魔神を出してマジン・ザ・ハンドっぽいのを使った。

 ゴッドハンドを会得して色々としていたから遅れたのもあるが、それでも俺はマジン・ザ・ハンドの会得に1年以上も費やした。魔神を出すのですら数ヶ月以上必要だったのに、立向居は見たからを理由に魔神を形成した。

 

 マジン・ザ・ハンドを覚えるまで俺を見守っていた冬花は嘘!?と驚いた。

 成長が速いとか才能があるとかそういう次元を通り越している……流石はGKとしてのポテンシャルならば円堂守よりも上と言われるだけのことはあるな。

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  • 週一ぐらい
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