「豪炎寺に関する情報、全然無いな」
「立向居、見間違いじゃねえのか?」
「いえ、アレは豪炎寺さんのファイアトルネードでした!」
豪炎寺探しをして三日目、豪炎寺の姿は見当たらなかった。
そりゃそうだと思う。豪炎寺は時が来れば姿を現すつもりだからな。
三日目で情報が全くと言って見当たらないので染岡や一之瀬が立向居の見間違いじゃないのかと疑いを持つ。
それに関して立向居はファイアトルネードを使っていた豪炎寺が居たと引かない。
「よぉ!お前等が雷門中だな!」
「…………」
豪炎寺探しが停滞していれば土方が現れた。
俺に対していきなり声をかけて来てないので土方はここは俺が他人のフリと言うか初対面で居てくれと思っているんだろ。
いったいなにをしに来たんだろ?
「俺は土方、誰か勝負してくれよ」
「んだよ、こっちは人探しで忙しいんだぞ……」
「そう言うな。あの雷門中サッカー部と戦えるのは光栄なんだぜ?」
「ったく、仕方ねえな」
土方が持っていたサッカーボールを染岡が受け取れば染岡は土方の勝負を受ける。
サッカーボールを軽くリフティングをした後に染岡は土方と向き合う……右に左にと揺さぶりをかける。
「っ!」
「スーパー四股踏み!!」
染岡がコイツは只者じゃない!と感じていれば土方が動いた。
十八番のスーパー四股踏みを使い染岡をふっ飛ばせばボールを奪うことに成功し土方はニヤリと笑みを浮かべた。
「どうだ、やるだろう?」
「……貴方は自分を売り込みに来たの?」
「あ〜……弟達のことが無けりゃそうしてたんだがな」
俺は強いぞと笑みを浮かべれば瞳子監督が雷門中に自分を売り込みに来たのかを聞いた。
土方はその事について聞かれるとは思っていなかったのか弟達のことが無かったら自分を売り込みに来た事を素直に認めた。
「自分を売り込みに来たんじゃねえならなにしに来たんだよ?」
「ここに居るって事は下手したらエイリア学園が襲ってくる可能性があるだろ?……そうなった時に使えるサッカー場を教えてやろうと思ってな」
「あれだけやれるのにそれだけなの?」
自分を売り込みに来たと思ったが違うのでなにをしに来たのかを染岡は聞いた。
土方はエイリア学園が襲ってくる事について言ってきた……野球場はあるがちゃんとサッカーが出来る場所は無いのでそれを教えてくれるのはありがたい。だが、どうしても夏未が自分を売り込まない理由が分からないと納得がいかなかった。
「俺については後で分かるさ……それよりも、サッカー場に案内してやる。この辺野球ばっかでちゃんとサッカー出来る場所無いだろ?」
「まぁ、教えてくれるのはありがたいけど……」
土方がちゃんとサッカーをすることが出来る場所があるから来てくれと言われる。
サッカーをする事が出来る環境があるのはいいことだが何処に行くのかと思えば……大海原中に辿り着いた。
「ハイサーイ!雷門中の皆様、ようこそ!」
「…………ここ、学校か?」
「おう!沖縄で一番強いサッカー部がある大海原中のサッカー場だ!ここは芝がちゃんとした人工芝だから安心してサッカーが出来るぜ!」
辿り着いた大海原中だが……うん。海の上にある。
目の前が海な学校があるとは聞いたが南国とかにある海の上に柱を立てて建築物を作っているアレな感じのところに校舎とかがある。学校としてそれはどうなのか?沖縄って言ったら毎年台風が激突してるイメージがあるぞ。学校水没しねえか?
「いや〜驚きました!まさか雷門中の監督が来ているだなんて」
「……雷門の監督は瞳子監督だけど……うん?」
「……私達にサッカーの場所を提供していただきありがとうございます」
「おっと!タダでは貸しませんぞ!」
「え?」
大海原中の監督が下心満載で瞳子監督に近付いている。
瞳子監督はガン無視しながらも一応の礼を言うがタダでは貸さないと言えば驚いた。どういう事だ?と思っているとサッカーボールが飛んできたので立向居が掴んだ。
「よう!待ってたぜ!」
「綱海さん!?なんでここに!?」
「なんでもなにもここが俺が通ってる学校だからだよ!」
シュートを撃ったのは綱海だった。
立向居がどうして綱海がここに居るのかを聞けば自分が通っている学校だと正直に答えた。
「全国に輝いた雷門の実力、それを見せてもらいたい!」
「大丈夫なんスか?俺達こう見えてもかなり強いッスよ?大海原中って全国大会に出てなかったじゃないッスか」
「フットボールなんちゃらだろ?……それがよ、うちの監督が祭りに参加してて九州地区の決勝戦に出場出来なかったんだ。監督さえ来てれば九州代表として参加出来てたのに」
「って、おい!綱海!その時お前居なかっただろ!なんだったら一昨日入部したばかりだろ!」
「……え、綱海さん、サッカー部に入部したんですか!?」
「おう!サッカーも中々に悪くはねえなって思って入部したぜ!」
スゴいアレな話だがコイツ3年で秋季フットボールフロンティアしか出番が無いんだよな。
こんなところで道草を食ってる暇があるならば受験勉強をしておけよと言いたい……でも、アレなんだよな。土方とか絶妙におっさん顔だけども2年生なんだよな。イナズマジャパンで3年生が綱海だけで……3年生の人間不作過ぎるんだよな。
「なるほど、つまりは練習試合ですね……いいでしょう」
「んじゃ、俺達は見とくから。お前等、雷門と大海原の試合だぞ!」
フィールドを使いたければ練習試合をしろということだと飲み込めば試合を瞳子監督は引き受けた。
土方はここまで連れてきたからと大海原の観戦席に座った……完全にサッカーをする為の設備だな……。
雷門中
FW 夏未 吹雪 染岡
MF 鬼道 一之瀬 塔子
DF 冬花 壁山 土門 円堂
GK 立向居
ベンチ 風丸 音無 木野
大海原
FW 東江 池宮城
MF 渡具知 古謝 知念 音村
DF 綱海 平良 宜保 赤嶺
GK 首里
「さぁ、やって参りました!常夏の地沖縄県!」
「うぉ!?なんだありゃ!?」
「実況の角馬だ」
「実況だって?最高じゃねえか!」
ただの練習試合、勝ったり負けたりは特に気にしなくてもいい試合だ。
そんな中で角馬が現れた……遂に実況魂は海を越えた……まぁ、FFIになれば親父さんになるし、本選になれば親父さんある意味クビだから仕方がねえんだけども。
「土方の奴は参戦しねえのか?」
「あの状態じゃ無理だろ」
今から試合が始まるからワクワクしている土方の弟や妹達。
兄として面倒を見なければならないと土方は頑張っている。染岡的には土方に参戦して貰って勝負を挑んで欲しいんだろうがアレをどうにかしろと言われてどうにかする事は出来ない。
「おっと!雷門中、まさかまさかの立向居をGKに!円堂はGKでなくDFにコンバート!」
「角馬、俺はDFじゃない……リベロだ!」
立向居をGKとして実際に運用した初の試合、コレが大海原中なのはありがたい。
角馬がGKが立向居なのに驚いているので俺はリベロとして参戦をしていると答えれば成る程と頷きボールとコートのどっちを手にするかを決め、雷門中からのキックオフで始まる。
「吹雪、アツヤになるのは禁止だからな」
「うん……」
一応は言っておかないと表に出てきそうなので吹雪にアツヤになることを禁止だと先に釘刺しておく。
吹雪は士郎としての自分もアツヤとしての自分も求められていない。それなのにフィールドに居る意味はあるのだろうかと思っており、ベンチに居る音無や風丸を見つめる。
「マッスルドリブル!」
「「ノーエスケイプ!!」」
久しぶりに染岡自慢の筋肉が暴れる。
小細工抜きの純粋なパワーを用いてのドリブルで大海原のディフェンスを力技で突破する。
「いくぜ!ワイバーンクラッシュV3!」
「ちゃぶ台返し!」
何時もならば吹雪にパスをしたりするのだが、ここでパスを出さない。
豪炎寺が見つからない鬱憤とかも溜まっててサッカーでストレスを一気に発散するつもりだろう。
色々とあるものの着実にパワーアップしているなとワイバーンクラッシュV3が炸裂し染岡が豪快に点を決めた。
「ヒュー!やるな!けど、まだこっちは本気を出してないぜ!音村、どうだ?」
「あのチームは不協和音が鳴り響いている。そこを突けば勝てるね」
いきなりの先制点で面白いと綱海は笑みを浮かべた。
音村にどうだと聞けば音村は数手のやりとりだけでなにをどうすればいいのかを見抜き、勝てる戦術を作った。
具体的に言えば吹雪だ。サッカースキルも運動能力も問題は無いがアツヤの登場を禁止にされた上でFWになっている。DFとしてでもMFとしてでも構わないのだがFWとして出ている。
「そこをチューニングしなければ今よりは強くなれない。12ビートだ!」
そう、それは例えるならば帝国学園と最初に戦った時の目金と同じだ。
動き自体は決して悪いものじゃないが数合わせと言われればその通りで、音村は吹雪が足を引っ張っているのを理解している。
不協和音の正体は吹雪だと吹雪を狙えばボールはあっさりと奪われた。
「イーグルバスター!」
「マジン・ザ・ハンド!!……やった!」
ボールを奪ってイーグルバスターで決めるが立向居のマジン・ザ・ハンドに止められる……
「立向居、マジン・ザ・ハンドじゃなくてムゲン・ザ・ハンドを目指せ!」
「え、でも……」
「こういうのは言いたくはない……でも、言ってやる。ここで限界を超えろ!」
マジン・ザ・ハンドで止めれるがゴッドハンドならば破られていた。
大海原中のノリが色々と独特のせいでおかしくなるが九州代表に選ばれてもなんらおかしくない実力は持っている。それならばゴッドハンドを破ってもなんもおかしくはない。だからこそ立向居にはここで限界を超えてもらわないといけない。
「感じるよ、君達のビートを!けど、大海原のビートはまだまだ刻む!」
「っく、音村は俺達の動きをリズムとして完全に捉えている……円堂!」
「ああ!」
音村が完全に雷門の動きをリズムとして捉えている。
だったら雷門に新しい独自のリズムを取り入れればいいのだと鬼道は笑みを浮かべた。
ポジションとしての登録はDFだが、俺のやっていることはリベロだ。MFにドリブルを任せてFWが前線に上がってくるって言うのならば俺はMFからボールを奪いに行く。
「14ビートだ!」
「甘いな!リズムが出来て突破口があるならば、それの突破口も存在する!」
「うぉおおおお!!」
「な、なに!?何故綱海がここに!?」
「んなもんノリだよ!!ここで俺が行かなきゃ意味がねえ!そう感じたからだ!」
鬼道が俺の登場でリズムが変わったと音村が判断し、パスを繋げると読んだ。
その読みは正しかったのだが、突如として綱海が現れた。DFとして登録していてポジション的にも絶対に来ないだろう場所なのに現れて驚いており、音村からのパスを本来は受けるはずだった知念から綱海に切り替わり、綱海はそのままシュートモーションに入った。
「ツナミブースト!!」
「……いっぱいのゴッドハンドを出す……シタタタタタン……ドババババーン……シタタタタタン……ダメだ!分からない!」
「って、おい!せめて止めろよ!」
ムゲン・ザ・ハンドを出さなきゃこれから先の戦いについてこれない。
立向居はそれはわかっているのでムゲン・ザ・ハンドのコツであるシタタタタタン、ドババババーンを何なのかを連想する。けど、なにも思い浮かばない。その結果、綱海のツナミブーストをあっさりと通してしまい点を奪われる。
「……彼は新必殺技を会得しようとしてるのかい?」
「ああ……ただシタタタタタン、ドババババーンで出すってしか書いてなくてな」
「……立向居くん、それぞれのタを音階で例えるんだ。そしてそれを一度に全てに出すんだ!」
「ちょっと、試合中よ!?それに意味がわからないのだけど!?」
「立向居!考えるんじゃねえ!感じろ!じゃなきゃ気持ちよくサッカー出来ねえだろ!!」
音村が立向居が必殺技を会得しようとしているんじゃないのかと聞いてくるので祖父ちゃんが残した擬音を言った。
音村はそれについてなにか心当たりがあるのか全てを音階に例えるようにしたらいいとアドバイスを送るが夏未が試合中に味方にアドバイスを送らないのと言っている意味が分からないと慌てるが綱海が考えるんじゃなくて感じろと言う。
そんなこんなで試合が再開する。
「シタタタタタン……タを音階に……ムゲン・ザ・ハンドは何処からでもキャッチ出来る。何処からでも、沢山のゴッドハンド……ドレミファソラシド!違う……ドレミファソラシド……」
綱海達のアドバイスを飲み込みムゲン・ザ・ハンドについて考察する立向居。
音村が雷門中のリズムを読んだと思えば今度こそとリベロとして俺はボールを奪うことに成功した。
「ゴッドキャノンZ!」
今度は負けないとゴッドキャノンを使う。
首里が再びちゃぶ台返しを決めるが今度もまたゴールを奪われていき、2−1……
「っしゃあ!今度はこっちの番だ!ガンガン行くぜぇ!!」
ホントについ数日前までサッカーを知らなかったのか?と言うかサッカー部の人間じゃなかったのか?と疑いたくなるぐらいに馴染んでいる綱海。リベロとして活躍する為に色々と頑張っているのになんか綱海がリベロになってる……大丈夫なのかこれはと思いながらも夏未や鬼道が点を上げていき試合後半戦、アディショナルタイムに入り試合がもうすぐ終わるというこの頃だ。
「ツナミブースト!」
綱海のツナミブーストが再び火を吹いた。
シタタタタタン、ドババババーンの意味を立向居は目を閉じて感じている……
「ド!レ!ミ!ファ!ソ!ラ!シ!ド!……ドシラソファミレド……っ!ムゲン・ザ・ハンド!!」
「やるじゃねえか!だが、次は……って、え?」
「綱海、試合終了だ」
立向居が立向居なりに考えた。ドシラソファミレドとドレミファソラシドの音階を上下左右斜めと捉えて両手で無数のゴッドハンドを作り出すイメージをし……まだ無限には程遠いがムゲン・ザ・ハンドが完成した。
あんなスゴいキーパー技を見せられたら破りたくなると綱海は笑みを浮かべたが試合終了のホイッスルが鳴った。4−1で雷門中の勝利だ。
「いや〜強いな!!ノリにノッてるし……ん?」
「アレはエイリア学園の!」
「っちょ、2個!?」
綱海は良い試合をしたと笑みを浮かべて握手を求めようとするとエイリア学園のボールが降り注ぐ。
何時もならば1個だけだが今回はまさかの2個同時、その可能性を視野に入れていないわけじゃないがやっぱりこのタイミングで来やがったか!
「エイリア学園!」
「久しぶりだな。円堂守!」
「イプシロンを倒したお前達はマスターランクの私達と勝負する権利を手にした!」
「ちょ、ちょっと待て!今一試合終えたところだ!」
バーンとガゼルが勝負を挑みに来たと言い出したが俺が待ったをかけた。
たった今、試合を終えたところだ。イプシロン改よりは弱かったがそれでも大海原は強豪と言える強さを秘めていて疲れている。
「お前、またか!」
「違う!今回は正当な理由だ!一試合を終えたことだし……なによりもお前等2チームだろう!立て続けに試合なんざ確実に負ける!バックアップチームも東京に居るし4日後ぐらいにしてくれ!」
「ふむ…………私は構わん」
「なっ!?ガゼル、どういうことだ!?」
「万全のお前達を倒してこそ意味がある。今ここで倒したとしてもエイリア皇帝に笑われるだけだ。ならば4日後に改めて万全な状態のお前達を倒す……バーン、お前に試合は譲ってやろう」
「ざけんな!テメエが手柄を横取りにするのは丸見えだ!4日後だ!4日後にまた来てやる!その時にテメエらを潰してプロミネンスがエイリア学園最強だと認められてやる!!」
試合を終えたばかりだから無理だと断ればガゼルは素直に引いた。
疲れている俺達を倒したとしても意味は無いので引いてくれてバーンに譲るが、バーンも今の俺達を倒しても正当な評価は貰えないと判断したのか4日後に来ると予告し直してこの場を去った。
どっちにしよう
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アフロディ(イナズマジャパン)
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アフロディ(ファイヤードラゴン)