教祖様になっちまったぜ   作:アルピ交通事務局

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復活の爆熱ストーム!

 

「円堂くん、君ならどう出ます?」

 

「俺、どうあがいてもこの試合には出ませんよ?」

 

「いえいえ、語れるだけで充分です」

 

「まぁ、そうですね……バーンvs豪炎寺で全て決まるんじゃないですかね」

 

 豪炎寺が遂に雷門に復帰した。

 その事について喜びたいという思いはあれども今は大事な一戦なのを全員が理解しているので、叫んだりして喜ばない。

 金雲さんが試合をどういう風に見るのかの意見を求められたので、バーンvs豪炎寺で全てが決まるんじゃないかという結論に至る。

 

 別に思考の責任を放棄しているわけじゃない。

 雷門側にはアフロディや綱海が居る。緊急の合同チームで1人1芸を売りにしたサッカーチームになっているところがあるが2人以上で行うタイプの必殺技が0というわけではなく、それでグレントから点を奪おうと思えば奪える。

 

 バーンがガゼルとミキシマックスしたことについては完全なまでに予想外だ。

 だが、それさえなければアフロディの様な最強格の選手や綱海の様に身体能力だけならばジェネシスと同格の男のおかげでプロミネンスは中々に手強いがちゃんと作戦を練ったりしたら勝てるチームだった。

 

 グレントのバーンアウトは破ることが出来た。

 デザームの様に複数のGK技を持っているかと言う展開は無くてずっとバーンアウト1本で頑張っているが、既にバーンアウトは攻略可能な技になった。対する立向居のムゲン・ザ・ハンドはバーンのアトミックフレアを通さなかった。

 

 ミキシマックスしなければプロミネンスの勝ち筋は潰れていた。

 サッカーはバスケみたいに誰でも点を取りまくれるスポーツじゃない。好みじゃないが試合の序盤の方で獲得した1点をキープしての勝利もサッカーの世界では極々普通にある。

 

「皮肉なものですね。連係や作戦重視のスポーツなのにただ1人の個人技に全てを賭けるのは」

 

 豪炎寺は紛れもなく皆が認めるエースストライカーだ。バーンは紛れもなくプロミネンスのキャプテンでストライカーだ。

 点を取るのが仕事だが、サッカーは11人でするものと俺も金雲さんも認識している。それなのにエース1人が勝つか負けるかだけで全てが決まる。

 

 エースの命運という話になればスポーツの世界におけるエース理論という難しい話をしなくちゃならないのでここは一先ず置いておくとしてエース1人のサッカー選手としてどちらが優れているかの勝負1つで流れが大きく変わると言うのはなんとも言えない皮肉だ。

 

「さぁ、試合再開のホイッスル!」

 

 古株さんのホイッスルと共に試合は再開する。

 雷門ボールからのスタートであり、今欲しいのは悪循環を断ち自分達に良い流れを生み出すもの……それを生み出せるのは豪炎寺だと判断した夏未はコクリと豪炎寺の方を見て頷いた。豪炎寺もわざわざここに帰ってきたので自分がしなければならない仕事を理解しているので夏未からボールを貰えばドリブルでフィールドを走る。

 

「勝負だ!!」

 

 バーンのポジション的にも豪炎寺とは直ぐに顔を合わせる。

 バーンは豪炎寺からボールを奪いに行こうとする。豪炎寺はバーンからボールを奪われない様にする。この際に豪炎寺は周りへのパスを出すのかの確認をしない。豪炎寺の近くにいる夏未辺りは頑張ればパスコースを生み出せるがしない。

 

 チームの連係でなく豪炎寺の個人技でバーンを突破する事で試合の流れを奪う作戦だ。

 雷門側の選手達は全員、全国区の学校でもエースとして扱ってもいいぐらいには強くなっていて当然頭を使ったプレイも出来る。必殺タクティクスの様な物を特定の必殺タクティクスで破るカウンターの様な作戦ではない。

 

 見る人から見れば豪炎寺vsバーンの一騎討ちだろうが、その意味合いがチームで大きく異なる。

 雷門側にとってバーンはこの上なく厄介な相手であり、それを真っ向から倒せる選手が居る。それだけで選手のメンタルは大幅に揺れ動く。特にエイリア学園側には監督が居ない。監督が居ないと言う事は失敗をした時に選手としての立場でなく俯瞰して見ている側の第三者がフォローや切り替えろと割り切れさせるアドバイスが無い。

 

 バーンが負ければこれから点を取っていくぞ!と試合の流れを上手く掴んでいた筈のプロミネンスのパフォーマンスがガタ落ちだ。

 特にミキシマックスする前の立向居のムゲン・ザ・ハンドでキャッチされてアフロディや目金のゴッドブレイクで点を取られた時のプロミネンスは帝国学園に勝負に挑みに来た時のプロミネンスと段違いに選手としてのパフォーマンスがガタ落ちしていた。

 

「ボールは、っ!!」

 

 バーンは豪炎寺の動きに意識の中に入れながらもボールの位置を確認する。

 ボールはバーンの頭上を飛んでおり、豪炎寺は表情を特に動かさずに淡々とバーンを抜き去った。

 

「おっそろし」

 

 ガゼルとミキシマックスしたバーンはとんでもなく強くなっている。それを豪炎寺は必殺技を使わずに普通のサッカー技術で突破した。俺は思わず声に出した。普通の技術で普通に突破するって事は恐ろしいまでの地道な基礎練を繰り返して会得した基礎を本番で一切のミスを犯さずに練習通りの成果を発揮することを意味しており、全てのスポーツに置いて練習通りの行動を実戦で行い完遂するのは理想像であり実現するのが恐ろしく難しい。

 

「バーン!!」

 

「っ!まだだ!!」

 

 バーンは必殺技でなく普通のサッカー技術で抜かれてしまった。

 今までの行動や原作知識的に負けた時のショックを引きずって選手としてのパフォーマンスを大きく下げるタイプかと思ったがヒートが叫んだ事でバーンは走った。

 

 プロミネンスのMF達を豪炎寺は必殺技を使うことなく突破していく。

 DF達も突破されるのもこのままの問題であるが、豪炎寺はサッカーボールをドリブルしている。その性質上、全力ダッシュが出来ない。バーンは豪炎寺に噛みつきにはいかない。ただ豪炎寺が通らなければならない道に先回りをした。

 

「テメエのシュートを俺のアトミックフレアで撃ち返す!」

 

 グレントのバーンアウトが通じない以上はシュートブロックやシュートカウンターが可能な技でシュートを防がないといけない。

 バーンは豪炎寺の必殺技をアトミックフレアで撃ち返す事でバーンアウトを突破されない様にし、尚且つ確実に点を取る算段を入れている。豪炎寺に普通に負けて頭に血が昇ってカッとなっているかと思ったが、意外と計算した事を言っている。

 

「いいだろう……はぁあああ!!炎魔ガザード!!」

 

「なっ……化身だと!?」

 

 豪炎寺が雷門を抜けてから手に入れた新たなる力、それは化身の力だ。

 爆熱スクリュー辺りを覚えて帰ってきたかと思ったが化身のコントロールに力を入れており、豪炎寺は魔帝グリフォンを除けば最強とも言える火属性シュート最強化身、炎魔ガザードを生み出した。

 

「爆熱ストーム!!」

 

「ややこしいですね……ですが、威力は本物ですね」

 

 豪炎寺は炎魔ガザードを用いての爆熱ストームを撃った。

 魔神を出してのシュートで爆熱ストームがあるのにこれも爆熱ストームなのかと金雲さんがややこしいと言ったが、その爆熱ストームは明らかに威力が違っていた。

 化身は必殺技、と言うよりはドラゴンボールで言うところの超サイヤ人の様に発動するだけで全てのスペックが底上げされる。イナズマイレブンGOシリーズの化身使いは化身を用いた強力な必殺技!を売り文句にする奴も居れば化身を用いた全ての基礎スペックの底上げ!を売り文句にしている奴もいる。

 

 ゲームでは取り外し可能だが、この世界では化身の移植が出来るかどうかが分からない。

 FWなのにGK化身を持っていたらその時点で詰んでいるところがあり、三国はパラレルイベントでそれをネタにされた。

 

「アレが魔神と化身の違いか」

 

 魔神で撃つ爆熱ストームも物凄い威力を褒めていた。だが、化身で撃つ爆熱ストームはそれを軽々と上回る。

 炎魔ガザードでの爆熱ストームは物凄い……が、二十数年後の未来で言われている様に体力のコスパ的な問題で1発、良くても2発。3発以上の化身を用いての必殺技は可能と言えば可能だが3発目以降は選手として疲弊しきっていて威力は落ちるだろう。

 

「アトミックフレアV2!!」

 

 豪炎寺は炎魔ガザードを用いての爆熱ストームを撃った。

 バーンは最初こそ豪炎寺の化身に驚いたが直ぐに割り切りアトミックフレアを進化させ蹴り返そうとする。豪炎寺はそれを見て……バーンに背中を向けた。

 

「っがぁ!?」

 

「バーンアウト!!……がぁ!?」

 

 バーンにアトミックフレアV2は豪炎寺の化身シュートを撃ち返せなかった。

 威力は落ちたか?と思ったがグレントのバーンアウトを軽々と打ち破り、3点目を取った。

 

「す……スゲえ。こんな奴がサッカーの世界には居るのかよ……」

 

「綱海くん、豪炎寺くんのスゴさが分かるのかい?」

 

「根っこの部分かは分からねえ。けど、分かるんだ。見ただけで段違いってのが」

 

 豪炎寺が点を取った事でサッカーにまだまだ疎い綱海は豪炎寺の凄さを感じ取った。アフロディがその事について聞いた。

 豪炎寺が炎魔ガザードと言う強力な化身から放たれる爆熱ストームと言う強力な必殺シュートと言う誰にでも分かりやすいものを見せたからスゴいと感じているのでなく、もっと別の部分に綱海は気付いた。

 

「なにか1つの芸を極めた人はその芸を披露する前の極々普通の動作の段階でレベルが違うと知らしめることが出来る。豪炎寺くんは既にそのレベルに足を踏み入れているんだ」

 

 アフロディは綱海の言っている根っこの部分かどうかは分からないが豪炎寺のスゴいを言語化した。

 

「オッホッホ……どうやらこの試合は我々の勝ちですね」

 

「金雲さん、そういう負けフラグを立てそうな事を言わないでください」

 

「円堂くん、まだまだ甘いですね。私はちゃんと確信をもって勝ちだと判断をしたのですよ」

 

 豪炎寺vsバーンの勝負は豪炎寺が勝ったが、立向居がバーンのアトミックフレアやサンシャインストームをキャッチ出来たわけじゃない。最初は勝てるなと言う空気の中でバーンはガゼルとミキシマックスをして逆転するという事をしたのでフラグが立ちそうな事を言う金雲さんを注意するのだが金雲さんは確信を得て勝利と判断をしたと言う。

 

「バーンくんをご覧ください」

 

 金雲さんがそう言うのでバーンを見た。何時の間にかガゼルとのミキシマックスが解除されている。

 その事を指摘するのかと思ったのだが違う……バーンの動きが明らかに悪くなっている。

 

「ディフェンス技ではなくシュート技のシュートブロックはカウンターシュートという相手の必殺技を自分の必殺技に乗せて跳ね返す強力な事が出来る反面、失敗した場合のリスクがとてつもなく大きいのです」

 

「……まぁ、真っ向からシュートを受けに行っているのと同じですからね」

 

 確か世界への挑戦編だったらシュートでのシュートブロックはシュートブロックが成立しないと成功しない。パワーダウンが出来ないんだったっけ?威力が高いシュートを蹴り返そうとするから足にかかる負担は大きい。

 

 カウンターシュートの性質上、シュートをシュートで撃ち返さないといけない。

 撃ち返さないといけない相手のシュートを返す事が出来なかった場合、相手のシュートの力をダイレクトに受けてしまう。

 今回バーンが撃ち返そうとしたのはただのシュートじゃない。化身を用いての化身の必殺シュートだ。ただそれだけで威力が桁違いであり、それを撃ち返そうとして失敗したバーンはおそらく利き足を負傷したんだろう。

 

 アトミックフレアが負けたからと言って試合は終わってない。

 バーンの性格的にここから点を奪い返すとかを考えたりはするだろう。色々と不利な状況なので選手としてのパフォーマンスは落ちるだろうが、バーンの動きの悪さは明らかにそれから外れている。

 メンタルの不安定さやスタミナ切れから来る能力が落ちるのでなく、何処か体調が悪いんじゃないのか?と疑ってしまうレベルだった。

 

 こういう時にエイリア学園は大変だなと感じる。

 監督としてサッカーを知っている、もしくは優れた判断能力を持っている奴が居ない。それだけでなく控えの選手が1名も居ない。

 サッカーは11人でやるものだが負傷退場とかレッドカードで10人になることは極々普通だ。

 

 バーンはプロミネンスのキャプテンを務めているがそれ以外にもプロミネンスのストライカーやエースも担っている。

 ミキシマックスする前の序盤の試合の流れや動きから見てバーンはプロミネンスの中でも頭1つ抜き出て強い。チームもバーンを中心に構成されており、そのバーンが選手として不具合を起こせばチームの質が何段階か下がってしまう。

 

 バーン抜きでもフットボールフロンティアの全国大会に出ていた学校と戦ってもプロミネンスは余裕で勝てる。

 だが、今回の相手はフットボールフロンティアに出ていた学校の話じゃない。フットボールフロンティアで優勝したチームや強豪校でもエースを張れる奴のみで構成された最強チームだ。

 

「ゴッドブレイク!」

 

「ゴォオオオオル!!雷門、追加点をもぎ取りプロミネンスを引き離した!!」

 

「っくそぅ……クソォオオオオ!!」

 

 金雲さんは勝負は見えたと小暮を西垣と、立向居を木野に交代した。

 プロミネンスの面々はシュートチャンスを何度かは手に入れるが木野のゴッドハンド・タイガーに阻まれる。よく観察をすればシュートチャンスを手に入れたかに見えるが実は小暮から経験値豊富な西垣に変わったことで木野のゴッドハンド・タイガーならば確実にキャッチするという算段でわざと撃たせているのが分かる。

 

「円堂くん」

 

「大丈夫です、勘違いはしていません」

 

「ならいいのですが」

 

 豪炎寺vsバーンの勝負で豪炎寺が完全に勝った。

 エース同士の1回の勝負で試合の流れが決まることはあるかもしれないが決着がつくわけじゃない。勿論、豪炎寺が勝ったという要素やバーンが負傷したという要素が物凄く大きいのは理解している。

 

 プロミネンスは強いチームだ。

 それでも着実に雷門が点差を広げている。アフロディがゴッドブレイクを撃ったり、綱海がツナミブーストを撃ったりし気付けば5−2となり試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

 

 試合の途中であったが雷門はチームに必要だったエースストライカーが帰ってきてくれた。

 試合の途中であったがプロミネンスはチームの支柱であるキャプテン兼ストライカー兼エースが負傷してしまった。

 

 もしバーンの負傷が無ければ、豪炎寺が帰ってこずに鬼道辺りがバーンを負傷させていたら話は色々と変わっていた。

 雷門がエイリア学園よりも滅茶苦茶強くなったわけじゃない。色々な要因が絶妙なまでに重なることで対策とかを怠らなければ7割ぐらいの確率で勝てる相手を確実に勝てる相手にへと変貌させた。

 

「と言うか金雲さん、俺これから試合だってのにこういうのを試合前に見せられると割と困るんですが?」

 

「君を伸ばす絶好の機会を見捨てるわけにはいきませんよ」

 

 プロミネンスとの試合は公式戦じゃないからと俺は観客席でなくベンチで金雲さんの隣に座りっぱなしで色々と雑談をした。

 日本の命運をかけている大事な試合であり傍観者として俯瞰したり監督視点として試合を見たら今まで得られなかった経験値を一瞬にして大量に稼いだと言う実感はある。だが、これから試合をすると言う選手に対してやることじゃねえだろうとは思う。

 

「円堂くん、君は立向居くんに嫉妬している部分はあるでしょう……実際、GKとしてならば立向居くんの方が才能は上です」

 

「試合前に言わないでくださいよそういうのは」

 

「ですが、君は決してバカじゃない。精神論のみで現実を見なかったりするライトノベルのような主人公はありません。リベロ転向もチームを思ってのことであり……この試合で豪炎寺くんが入ったか入ってないかで試合の流れが大幅に動いた様に君は次の試合で君がしなければならない事をしてください」

 

「……………」

 

「おや、どうしましたか?」

 

「いえ、ちょっと色々と考えてましてね……」

 

 腕が使えなかった間、有名な体育大学のスポーツ理論とかを見ていた。

 その中でスポーツにおけるエースとはなにか?と言う議論が載っている。スポーツによってエースは異なるので一概になんとも言えないが……GKじゃなくなった俺がしなければならないこと……あんまり考えていなかったな。

 

「エンドを守るから円堂守……じゃあ、エンドを守らず預ける側になった場合か」

 

 ダイヤモンドダストの試合で何かしらの成果を残さないと俺はGKでいいってことになる。

 円堂守だからGKを務めてるしGKは楽しいとも思っている。だが、サッカー選手としてカッコよくGKからゴールを奪ったり、神プレイと言えるようなドリブルで相手を抜いたりブロックしたりしたいってのも本音だ。

 

「……ああ、忘れてたな……この気持ちを」




なお、アルファ達が言っていた全盛期円堂守は魔神グレイトのグレイトザハンドを休まず威力低下せずに5連発出来る模様。

さぁ、コラボの話でも書くとするか。
因みにだが禁断のオリオンの刻印ルートというものを一応は考えているが、おまけ要素である

どっちにしよう

  • アフロディ(イナズマジャパン)
  • アフロディ(ファイヤードラゴン)
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