「円堂、お前……」
ヤベえ……が、まだヤバくない。
俺が抜けた事でまさかの逆転を許したが鬼道がなんとか持ち直してくれた。ただ立向居や源田に限界が見えた。
「立っているのがやっとじゃないのか?」
「なに言ってんだ。瞳子監督、後半戦は点取り合戦になる……選手交代は早めに」
「……審判!ポジションチェンジ!円堂くんをGKに、DFは土門くんを影野くんに!MFは一之瀬くんからアフロディくんに!源田くんの代わりは……不動くん!」
風丸に立っているのがやっとなんじゃないのかという発言を聞いて俺は知らぬ存ぜぬで通す。
後半からは激しい点取り合戦が始まってしまうので、前半戦で体力を使い果たした選手を下げて他の選手に入れ替える。
「……キャプテンさんよ、テメエが選んだのなら俺はなにも言わねえ」
「……」
「だから、とっておきを使うぞ」
「とっておき?」
前半戦でジェネシスの動き等が大体分かったので不動がなにかを考えていた。
試合の流れを切り替える為の選手は入れた……3−3と点数はイーブンであり、不動は試合を変える為のなにかを考えていた。
「円堂……ありがとう」
「あ?」
「目立たない俺に目立たないけどスゴいプレイを教えてくれて……」
「……まさか」
土門の代わりに影野が入ってお礼を言ってくる。
まさかと嫌な予感が滾る中で後半戦が行われる
「っ……」
俺は痛み止めの注射を打っていない。痛み止めの注射を打ってしまえば感覚が麻痺してしまうからだ。
激痛に耐えながらも俺はゴールの前に立った……GKがやる基本的な構えが出来ていない。テーピングで腕をガチガチに固めているだけで、折れている腕は治っていない。
「さぁ、サッカーを続けるぞ!」
「……ああ!」
激痛に耐えながらも俺は叫んだ。
風丸はなにかを言いたかっただろうがなにも言わない。風丸だけじゃない……俺の体が限界を迎えているのはもうバレている。
後半戦開始のホイッスルが鳴った。雷門からのボールだ。
「影の矢!」
ボールは影野に渡された。影野は影の矢を使ってボールをパスする。
パスした先には吹雪がいる。俺がフィールドに戻ってきた事で吹雪が後方に下がっている意味が無くなり、吹雪は前に出れる。
「はぁあああ!!豪雪のサイア弐式!」
吹雪はボールを受け取れば化身を出した。
今までの化身よりもパワーアップしている化身でこれならばゴールを奪うことが出来るかもしれない。だが、吹雪はドリブルで駆け抜ける
「豪炎寺くん!1点だ!1点をなんとしてでも手に入れるんだ!」
「なにかあるのか!」
「僕達の力を、1つにするんだ!」
「力を……そうか!はぁあああ!!炎魔ガザード!!」
なんとしてでも1点が欲しい吹雪はなにかを考えた。
豪炎寺はなにをするのかがわかり、炎魔ガザードを出した。豪炎寺と吹雪は横並びになる……おい、まさか
「「今こそ1つに!」」
豪雪のサイアと炎魔ガザードが揺らめき、混ざり合う。
こいつら、化身と化身を合わせる化身合体をしやがった!……豪雪のサイアと炎魔ガザードが合わさった化身って、なにが出来るんだ!?
「「
「来るか!」
「豪炎寺くん!」
「ああ!」
聖皇アダムは豪炎寺の化身になっている。
吹雪は豪炎寺にボールをパスすれば豪炎寺は聖皇アダムを使ってシュートモーションに入った。
「オリジンショット!」
それは普通のシュートだった。
一番近いのは染岡のドラゴンクラッシュ、それに近いモーションでのシュートではあったが……尋常ではない威力を秘めている。
「時空の壁改!……ぐぁあ!?」
「ゴォオオオオオオル!豪炎寺と吹雪の合体化身によるシュートが炸裂!コレで4−3,雷門が再び息を戻した!」
「それはどうでしょうか?」
時空の壁で防ごうとするが渾身のシュートは防げない。
角馬が雷門が息を取り戻したと言うが星二郎のおっさんは見抜いている。ボールを回収してそれぞれがセットポジションに立った。ジェネシスボールからの再開であり
「すいせいシュート!」
「っ!?」
「フフフ……ただ立っているだけのGKなど、攻めてくださいと言っているも同然ですよ」
グランからウルビダに渡ればウルビダはすいせいシュートを撃ってきた。
一直線にシュートが飛んできて誰もシュートブロックに入ることは出来ずにいればそのままゴールを奪われた……俺はゴール前で立っているだけのGKだと言うのがバレた。
見抜いていると星二郎は言う
「4−4,再び巻き戻った」
「まだだ!まだまだ時間がある!」
「……影野、やるぞ」
「ああ」
点差はリセットされてまだまだ時間があると風丸は叫ぶ。
それを見た不動がそろそろ頃合いだなと影野と共に動くことを決めた。
「……やるのか」
影野には黒子のバスケの主人公、黒子のパス回しなんかを教えた。
ミスディレクション等を応用した技術であるが……それを逆に使う事を不動は考えた。
「影の矢!」
「バカか!お前の売りは派手な必殺技でなく細かなパス回しだ!」
「ああ、そうだ……円堂、ありがとう。そしてさよならだ……後ろの正面!」
影の矢を使えば軽々とゾーハンにボールを奪われる。
影野の売りは細かなパスで派手な動きではない。ゾーハンにその事を指摘されればその通りだと認めて、後ろの正面を使った。影野はファールをくらった。
「まさかラフプレーでもするつもりか?」
「それこそまさかだ……これは全国中継だ。財前総理達も見ている試合だ……ふふふ……俺がサッカーを始めたのは目立ちたいから……俺は、思う存分に目立てる」
コーマがここにきてのラフプレーをするのかを聞いてくるのだが、影野は笑っている。
影野がサッカーを始めた理由、思う存分目立つ時がやってきた。なにを言っているんだと周りは思っていれば……影野以外が消えた
「なっ!?」
「貰ったぜ!」
不動はコーマからボールを奪った。
コーマは不動が何処からともなく現れたものだと驚いているが違う……不動は影野が目立っていた事で見えなくなっただけ。
「必殺タクティクス ミスディレクション・オーバーフロー!」
「っく……影野が視界に!」
ミスディレクション・オーバーフローをこの場で影野は使った。
不動からボールを奪いに行こうとするが影野が一瞬視線に入る。その一瞬があるせいで、不動との競り合いが発生しない。
「マキシマムサーカス!」
不動はボールを持ったマキシマムサーカスでシュートをする
「時空の壁改!」
だが、ネロの時空の壁に阻まれる。
不動は聞こえるレベルの舌打ちをした後に豪炎寺と吹雪を見る。2人の体力は既に限界を迎えている……そしてホイッスルが鳴った。
「豪炎寺くんを夏未さんに、吹雪くんを冬花さんに交代します!」
「なっ!?オレはまだ」
「もう限界なのは見えてるわよ!……後は私達に任せて」
豪炎寺を夏未に、吹雪を冬花に変えた。
既に体力的に限界を迎えている2人を交代させた……これで全部の選手が出た。
「風丸くん……分かってると思うけど」
「ああ……円堂は動けない。だが、それがどうしただ」
影野のミスディレクション・オーバーフローは続く。
何処まで続くのかは分からないが、この試合が終わった後に影野は影がどうなるのかが分からねえ。
冬花は風丸に声をかける。風丸は頷いた。夏未も鬼道に声をかけている…………
「円堂は動けない」
風丸がそういった
「キャプテンは動けない」
壁山がそういった
「でも、そこに居てくれる」
ナカタがそういった
「僕達を信頼して見ていてくれる!」
アフロディがそういった。
「……バカな!雷門の動きがよくなっていくと!?……チームの核である円堂守は今にでも倒れそうだと言うのに!」
チームの核たる俺は破壊されている。
立っているのがやっとだと言うのに、それなのにも関わらず雷門の動きが良くなっていく。試合開始時よりも、今までのどんな時よりも
「円堂守は今になってはお荷物だと言うのに、何故!?」
「さてな……しいて言うならば、イナズマ魂が起こした奇跡だろう」
俺自身は腕の激痛で割と厳しいところだが、チームの皆が力を出している。
自分の為じゃない。ここに来れなかった仲間の為、まともに動けない俺の為に……これは……間違いない。俺がダイヤモンドハンドを越える為に必要な第二段階の領域に地上最強イレブンは足を踏み入れている。星二郎はそれに気付いていない
「しいて言うならば……必殺タクティクス 雷神の石像!」
今の俺はまともに動くことが出来ない石像も同然だ。
だが置いてあるだけで効果を発揮するそんな石像であり、皆がパワーを出している……
「うぉおお!!」
「円堂くん!?」
「守くん!?」
「今なら出来るはずだ!あの技を!」
皆から漲るパワーを受け取った。
痛みがあるはずだがそれでも俺は動けた。走ることが出来て冬花と夏未に相槌を打てば構える。
「「「ジ・アース!」」」
祖父ちゃんが残した文字通り最強のシュート、ジ・アース。
チームの心が1つになった事で使うことが出来た……だが、ウルビダとグランが待ち構えていた
「「流星ブレードV2!!」」
ウルビダは左足、グランは右足の流星ブレードでジ・アースを防ごうとする。
仲間の思いが乗ったこのシュート、なにがなんでも防がなければならないと2人の流星ブレードは進化しているが、それでも2人を破り……ネロからゴールを奪った
「ゴォオオオオオオル!!5−4!雷門逆転!残す時間は後僅か!果たしてどうなるのか!」
「まだだ!まだ終わっていない!リミッターを解除しなさい!」
「父さん!?」
「リミッターを解除すれば、ただのシュートで円堂守からゴールを奪える!やれ!」
「でも、リミッター解除は」
「グラン!甘えるな!全てはお父様のためだ!」
リミッターを解除しろと言うので慌てるグラン。
リミッターを解除すれば更にパワーアップするがその分の反動が凄まじい。それを分かっているのでグランはリミッターを解除することを反対しようとするのだが、ウルビダがグランに甘えるなと喝を入れた後にジェネシスのユニフォームのボタンを押した
「っぐ……」
「ウルビダ……」
「そんな、顔を、するな!!私は選んだんだ!お前でなく、お父様を!」
リミッターを解除した事で苦しんでいるウルビダ。
俺でなく星二郎を選んだのだから自分の選択には後悔は無いのだと言い切ろうとしている……………………そうだな、そうだよな。
「サッカーは不平等だ……でも、楽しいもんだ……そんな苦しそうな顔をしてするんじゃない」
今のウルビダは、いや、ジェネシスの面々は苦しそうにしている。それは単純にリミッターを解除した負荷がかかったからじゃない。
ジェネシスの面々はサッカーが好きな奴で構成されている筈だ。それなのに無理を押している。全ては自分達を愛してくれる吉良星二郎の為に……なら、俺がなにをすればいいのか
「終わらせるんだ」
俺は星二郎のおっさん達が間違っていたと反省とか改心してほしいとかそういうのはあんまり考えていない。でも、サッカーをこんな風に使うわけにはいかない。サッカーは本当は楽しい筈なのに、ウルビダ達は悲鳴を上げている。
そんなウルビダ達を救うには、終わらせる……試合に勝つことで。
そんな事を考えていると、体からスゴいパワーが湧いてきた。
この感覚は知っている。響木監督に雷門中の監督を引き受けてほしいと頼んだ。その時に受けたPK勝負、その際に今のイナズマイレブンを見せろと言われた。嘗ての自分達の再来でもなければ祖父ちゃんこと円堂大介の復活でもない、新しいイナズマイレブンをと。
その時に今でも使うことが出来ないオメガ・ザ・ハンドを使うことが出来た。
自分の為に出した力じゃない。仲間の為に出した力でもない……その時の相手、響木監督の為に出した力だ。
「っぐ……」
この力を俺はずっとずっと求めている……求めていて、今手に入りそうになっている。
だが、今の俺は負傷している。ダイヤモンドハンドを使うことが出来ない……ダイヤモンドハンドを使えればダイヤモンドを越えるダイヤモンドでキャッチすることが出来るが…………なにがある……!
「火事場のクソ力!!」
俺はそう言い体に力を込める。
きっとウルビダ達は最強の一撃を放ってくる。それを俺がキッチリと受け止めることで試合を終わらせる……ダイヤモンドハンド以上の技は無いのかと探していれば、まだ使うことが出来ないが、きっと今ならば開花する事が出来る力があると確信して叫んだ。
「魔神グレイト!!」
「なっ、なななな!?なんとぉ!!円堂が化身を出した!」
何度か試してみたが発動が出来なかった俺の化身、魔神グレイト。
この火事場のクソ力のおかげで化身を開花させる事が出来た。
「気をつけろ!!円堂守はこういう時にこそ限界を越えてくる!お前達ならば、きっと!」
「グラン!」
「……ああ!」
1人のサッカー好きとして、星二郎は円堂守はこういう時にこそ強くなる選手だと知っていた。
だからこそ頑張れとウルビダとグランに声援を送ればウルビダはグランに声をかける。銀河一閃?……いや、違う
「「コズミックブラスター!!」」
ザ・エクスプロージョンと流星ブレードのオーバーライド、コズミックブラスター。
俺がウルビダ達の為に力を出したのならば、ウルビダ達は愛する星二郎の為に力を出した
「グレイト・ザ・ハンド!!」
ウルビダとグランのコズミックブラスターに対して俺は真っ向からグレイト・ザ・ハンドで受ける。
痛み?そんな物は感じない。今あるのは、この試合を終わらせないといけないという思い。俺なりの慈悲の心……
「キャッチした……円堂が、グランとウルビダのオーバーライド、コズミックブラスターを見事にキャッチした!そしてそしてぇ!!」
「この試合、俺達の勝ち……だ!」
「ここで試合終了のホイッスル!!地上最強イレブンvsエイリア学園の史上最大の決戦!今ここに終わりを告げる!5−4で雷門中の勝利!日本の皆様、エイリア学園との長きに渡る激闘が遂に終止符が!雷門中、いや、地上最強イレブンが日本を守り抜いた!!」
グレイト・ザ・ハンドで俺はグランとウルビダのコズミックブラスターをキャッチした。
試合終了のホイッスルが鳴り響き終わった……天馬達が来るというとんでもない事があって試合に出れなく悔しくてもどかしい思いがあった。だが……遂に終わった。
どっちにしよう
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アフロディ(イナズマジャパン)
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アフロディ(ファイヤードラゴン)