「終わったか……」
「守くん!?」
試合終了のホイッスルが鳴り響き、俺の肩の荷が下りた。
利き腕ではない左腕が折れてるがそれでもグレイト・ザ・ハンドの負担は大きく膝をついた……ヤバい、痛みで泣きそうだ。
「円堂!」
「鬼瓦さん」
「まったく、無茶をしおってからに……腕を出せ」
裏工作をしてくれていた鬼瓦さんが救急箱を持って現れた。
いきなりのことで驚いていれば腕を出せと言い折れている左腕の青くなっている所に向かって注射を打ってきた。
「痛み止めの注射を打った……まったく、無茶をしてからに」
「すんません……でも、終わりっすよね?」
「ああ」
痛み止めのおかげで感覚が麻痺して痛みを感じ難くなった。
鬼瓦さんが無茶をしていると呆れるが俺は遂に終わったんだなと言えば鬼瓦さんは頷いた。
「吉良星二郎……警察がここに居ると言う事は分かっているだろうな?」
「……ええ……私達は負けました。円堂守が居なければ勝てると思った筈なのに……」
「確かに円堂守は円堂大介の再来と言っていい。円堂大介が抜けたイナズマイレブンは崩壊した、それと同じで円堂守が抜ければ地上最強イレブンが弱体化をするという見込みは間違いではないが……お前はあのインタビューを見ていなかったのか?」
「あのインタビュー?」
「円堂守は新しい伝説が始まったと言っただろう」
「……ああ、そうでしたね」
俺を潰せばどれだけ強くても勝てると確信をしていたが、それでも勝てなかった。
鬼瓦さんは俺が祖父ちゃんの再来と思っていて、祖父ちゃんが居なくなった嘗ての雷門OBと同じ道を辿ると思っていたが……俺は新しいイナズマ伝説が始まったことをインタビューで言った。星二郎のおっさんはそれを思い出した。
「おっさん、試合は終わったんだ……なんでサッカーを選んだのかを教えてもらうぞ」
「……全ては復讐の為です」
「復讐か……」
「ジェミニストーム、イプシロン、プロミネンス、ダイヤモンドダスト、そしてジェネシス……彼等は吉良財閥の孤児院のお日さま園の子供達で、私を父と慕ってくれます。しかし、私には血の繋がった実の子供が2人居る。1人は地上最強イレブンを率いて私に反旗を翻してきた瞳子……そしてその瞳子の弟で、今は亡き我が息子、ヒロト」
試合が終わったから約束通りサッカーを選んだ理由について聞いた。
全ては復讐の為だと自分には義理の子供でなく、本当に血が繋がっている実子が居ることをおっさんは教えてくれる。
「ヒロトはサッカーが大好きだった子で、海外にサッカー留学をしていました……しかし、謎の死を遂げた。その謎の死がいったい何だったのかを突き止めようと吉良財閥の力を使った……結果として分かったことは、息子の死に政府の重役の御子息が携わっていて、なにも出来ない事が分かった」
「……」
「ヒロトは才能があった。ゴットストライカーと呼ばれるほどの天才児であった……それなのに、ヒロトの死に携わっている者が政府の重役の愚息だと分かればなにも出来なかった……絶望に打ち拉がれていた私を助けてくれたのはエイリア学園、いや、お日さま園の皆だった」
「父さん……」
「そして私を変えたのはエイリア石だった」
途中までは感動的な話であり、グランは勝てなかったことを悔やむ。
それと同時に星二郎のおっさんは分かっている。自分を悪い方向へと変えたのはエイリア石だったのを。
「宇宙からやって来た神のアクア以上に凄まじい力を与えるエイリア石、その石の力を見て私は心が揺れ動かされた。この力があればこんなロクでもない世界を変える事が出来ると。手始めに日本を支配下に置いて、嘗てヒロトを殺したこの腐った世の中を終わらせようと……少しずつ少しずつ変わっていく私に瞳子は気付き、反旗を翻した」
「……それで今はどう思っているんだ?」
「今でもヒロトを殺した政府の愚息は憎い……ですが、君達のサッカーを見て目が覚めた。こんな事をしていたら天国に居るヒロトが喜ばない。お日さま園の皆が純粋に楽しんでサッカーをしていたのを思い出した。腕が折れて立っているのがやっとな君の為に力を発揮した地上最強イレブンを見て、私は歪んでしまったと気付いてしまった」
「……」
「すまない……君を潰せば勝てると判断してラフプレーをウルビダ達に強要した……」
「……ざけるな」
星二郎のおっさんは改めて謝ってくる。
俺を潰せば勝てると思っていたから潰したが、それでも俺は無理を押して蘇った。星二郎のおっさんは自分がやって来た事は間違いであった事を認めた。それと同時に逆鱗に触れた……ウルビダの。
「悪かった?すまない?……ふざけるな!私達は、私達は全て貴方の為に尽くしてきた!仲が良かったお日さま園の皆とギスギスした空気になって辛くても、貴方の為にと思っていた……円堂守を諦めたのも、はじめて好きになった人を潰すと覚悟を決めたのも全てはお父様の為だ!!それなのに、今までやってきた事が間違いで、円堂に謝罪だと!!」
「……ウルビダ」
「ふざけるな!!私は貴方と円堂を天秤にかけて貴方を選んだ!大好きだったと、円堂への思いを割り切ろうとして円堂を潰した……それなのに貴方が間違いを認めた。私は……私はもう後戻りが出来ないんだ!終わらない!エイリア石は残っている!ハイソルジャー計画を実行して」
全ては星二郎のおっさんの為に、そう思ってウルビダは非情な決断を下した。
感情で動かされない様に死ぬ気で心を抑えていたのに、肝心の星二郎が間違っていたと認めた。それを認めてしまえば、ウルビダの今まではなんだったのかとなる。
「ここまでしておいて、私が悪かったと認めるだけなのは筋が通らない……そのサッカーボールで思う存分に私を傷つけなさい」
「っ!!」
「ウルビダ、お前がザ・エクスプロージョンを覚えたことは嬉しかった……それはヒロトの必殺技だったから……」
「………っ!」
ウルビダの前にサッカーボールが置かれた。ウルビダはシュートモーションに入ったが、やめた。
「どうした、私を」
「出来ない……私達に向けている愛情は徐々に歪んでいった。それでも……それでも貴方は家族が居ない私達のお父さんだ!」
「っ!!……私は……とんでもない愚か者ですね……」
自分が大好きだったお父さんを大好きなサッカーで傷つける事が出来ない。
それを改めて言われれば星二郎のおっさんは自分がどれほどの事をしてきたのかというのを本当の意味で理解した。
「鬼瓦さん」
「なんだ?」
「星二郎のおっさんはどう足掻いても無期懲役だ。既に色々な所に被害を受けていて許してやれなんて言えない。けど……コレを渡してもいいかな?」
「ふっ、お前らしいな」
星二郎のおっさんが犯した罪は重い。
それをベジータ面して許すなんて展開はよくないのは分かっている。だけど、出来ることは他にある。
「これは……」
「それは星二郎のおっさんが犯した罪の証だ……でも、それと同時に星二郎のおっさんの為にウルビダ達が頑張ってきた証でもある」
俺はこの最終決戦で使ったサッカーボールを星二郎のおっさんに渡す。
このサッカーボールこそ、何よりも罪を犯した証……そしてウルビダ達が頑張ってきた証でもある。
「あんたがどういう風に裁かれるかは知らねえけど、表舞台に二度と立てないのは確かだ。でも、コレを繋がりの証と戒めの証として持っておけ」
「……円堂守、すまない……君達を苦しめた私がこんな事を頼むのは間違いかもしれない……だが……ウルビダを、玲名を」
頼んだと言おうとしたその時だった。
とてつもない爆発音が鳴り響いて星の使徒研究所が壊れていく
「なっ!?どういうことだ!?」
「おい、おっさん。あえて聞かなかったけど秘書的な人は何処に行った?」
「……まさか!?」
星の使徒研究所が爆破されて崩壊していく中で今まで聞かなかった秘書的な人こと研崎が居ない。
星二郎のおっさんに聞けば、星二郎のおっさんも何処に居るのかが全くと言って分かっておらず、まさか!と驚いた顔をしている。
「まずいわ!!このままだと星の使徒研究所が崩壊するわ!」
「全員、急げ!!お前等ぁ!!早く乗れ!」
星の使徒研究所が崩壊していく音が聞こえていて焦る瞳子監督。
そんな中で現れたのはイナズマキャラバン、古株さんがイナズマキャラバンを運転してやってきた。急いで乗り込めと言い全員がギッチギチに乗り込んではなんとか星の使徒研究所を抜け出し、富士山を降りれば警察の車両と……何故かボコボコにされている研崎と粉々に砕かれているエイリア石があった。
「コレは……なるほど、彼女が動いたんだな」
ボコボコにされている研崎と粉々に砕かれているエイリア石を見て、ナカタがなにかを納得した。
……ナカタって、なにかを隠してるっぽいけどもなんだ?……いやまぁ、ダークエンペラーズルートが完全に無くなったからそれでいいんだけども。
エイリア学園の生徒達と星二郎のおっさんは連行されていく。
イナズマキャラバンは……雷門中に戻ってきたが、雷門中の直ぐ隣にある病院に俺は向かった。
「まったく、普通に折れてるのに痛み止めも打たずに試合をするなんてバカかね君は!!」
当然と言えば当然だけどレントゲンとかを撮って怒られた。
ポッキリと折れていて、痛み止めもなにも打たずに試合をしているのは文字通り選手生命を縮める事だから。
「やぁ、円堂くん」
「あ、財前総理」
「怒鳴り声が聞こえていたよ……すまないね、無茶をさせて」
幸いにもトミージョン手術的な事はしなくてもいいと診断を下された。
良かったと思っていれば財前総理が病院に現れ、医者に怒られている声が聞こえていたことを軽く言った後に謝ってきた。
「いや、いいんすよ……俺に出来るのはサッカーだけ。スポーツなんだから怪我の1つや2つ、します」
「確かにそうだが……出来れば早急に治してほしい」
「いやいや、財前総理無茶はダメですって」
「無茶を通すのが未来のテクノロジーデヨ!」
「あ、オタクロス!」
怪我についてはスポーツなんだからして当たり前で軽く流そうとすれば腕を早急に治してほしいと頼む。
折れてる腕を治すなんて魔法みたいな力は如何にこの世界が超次元でもねえよと思っていればオタクロスが現れた。
「円堂、見事な試合だったぞ」
「ありがとう……で、なんだその後ろのは?」
なんか怪しげなカプセルあんだけど?
「酸素カプセルとセグウェイを融合させた物デヨ……吉良財閥から最新の酸素カプセルとセグウェイがお前さん宛に送られてきて改造をしたんデヨ。これに入って生活して高濃度の酸素で自然治癒力を高めるデヨ!」
……いや、この展開アイシールド21の白秋ダイナソーズ戦後のヒル魔じゃねえか。
オタクロスが魔改造したセグウェイと酸素カプセルを融合させた物を見せてきたが……相変わらず超次元な科学力だ。
「自然治癒力を高めるって……」
「エイリア学園の事件で今年の秋のフットボールフロンティアは中止になった……だが、それ以上の戦いが、君を待っている」
「FFIですね」
「なんじゃ知っておったのか」
「そりゃまぁ……1日でも早く腕を治すのにはコレが一番……夏未に相談してオンライン授業を受けれるようにしてもらおう」
次の戦い、FFIまでには完全に復活してほしいと財前総理とオタクロスは根回しをしている。
オタクロスがFFIを教えて驚かせようと思っていたが、俺はFFIについては知っているのでつまらなさそうな顔をしている。
「君は中学最強のGKだからね……是非とも世界を見て世界一を掴み取ってほしい」
「ええ……ところで財前総理、1つ頼みがあるんですけど?」
「なんだい?」
「腕が治ったらウルビダ達と面会をしたい……星二郎のおっさんの為って頑張ってたけど、悪い奴等じゃないから」
「……そうだね……腕が治ったら面会については色々と出来るようにしよう」
「と言うか円堂、ウルビダたんの愛の告白が全国どころか世界中継になっておったからの」
うっそ、マジで!?
ウルビダとの面会について権利を勝ち取ることに成功したのだが、オタクロスがサラッととんでもない事を言い出した。ウルビダの告白、世界中に晒されたの?いや、なんか……うん……スッゲえ恥ずい。
とりあえず、オタクロスが改造した酸素カプセルとセグウェイを融合させた物に入った。
夏未に連絡をして週1回ノートを提出するのとサッカー部の部長としての仕事をするのを条件に俺はオンライン授業の許可を貰った。
「まったくもう、最後の最後で危なかったですよ」
「そう思うから君が来てくれたんだろう?」
「まぁ、そうですね。それが私の仕事ですから……貴方はこれからどうするつもりです?」
「イタリア代表に戻るよ……日本は少し休息の時だが、フィディオ達は首を長くして待っているからね……俺はもう動かなくても大丈夫かい?」
「ええ、もう大丈夫ですよ……残りは私が引き受けますので」
「そうか……色々と言いたいことはあるが円堂守に会わせてくれた事は感謝するよ。あいつは何れは世界に飛び出してくる」
「そんな事を言って、ホントは推薦するつもりでしょう?」
「っと、気付かれていたか……俺はやらなきゃいけない事があるからな。どうしても不在になるんだ。だったらその穴を彼が埋めてくれれば彼にとっても俺にとってもいいことになる……また君とサッカーをしたいよ、円堂」
「……ふぅ、エイリア学園の事件はなんとか解決しましたが、まだまだ不安定ですね……まぁ、それもこれも私達が好き勝手にした結果なんですけど」
今後の展開
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日常ギャグ回やらせて
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ホントに大事な日常回だけをやれ
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さっさと世界への挑戦編をやれ