何話か挟んでからアビドス編だね
「う、ううん」
意識が覚醒する。寝ぼけながら目を開けると見知らぬ空間が目に入る。
「ここ……は……」
えーと、そうだ、確かバンシィであの赤い四足歩行のロボット破壊して。気絶したのか。
「起きたかい?」
その声と共に目の前に男の人が現れる。
一瞬驚いたがすぐに落ち着く。気絶する寸前に会った先生だった。
「……おはようございます」
「おはよう」
とりあえず挨拶すれば先生も返してくれる。いやぁ、改めて見てもイケメンだな、これだけで生徒にモテるね。
体を起こせばベットに寝かせられていたのがわかる。簡素な部屋らしく殆ど装飾の類は見られない。シャーレかな?
「ここはシャーレの一室だよ。気絶した君を運んで来てね」
僕の疑問を感じとったのか先生はここがシャーレだと教えてくれた。やっぱりシャーレだったのか。
「……」
「……」
起きたは良いがどう話そう?先生も黙り込んじゃってるし。
そう考えていると部屋の入口が開いて人が入ってくる。ユウカだ。
「先生あの子は……起きたのね」
どうやら僕の様子を見に来たようだ。
「こんにちは」
とりあえず挨拶する。
「ええ、こんにちは」
ちょっと警戒してる感じだけど挨拶は普通に返してくれたね。
「起きて早速で悪いんだけど貴方の事について聞きたいのだけど」
「……ユウカ」
ユウカは直球で来たね。先生がさっき黙ってたのは聞きずらかったのかな?優しいんだね。
「良いよ。別にやましい事は無いからね。それよりも僕が呼んで迷惑かけた様ですまない」
まさかあそこまで早くカイザーやゲマトリアの手が回って来るとは。流石キヴォトスの汚い大人代表と言った所かな。
「……なんか調子狂うわね」
ほんとにやましい事は無いからね。先生の手助け出来ればそれで良いから。ついでにキヴォトスのみんなと仲良く出来たら良いなとは思うけど。
私はベットから起き上がる。
「では自己紹介から。名前は輪舞 ベル。学園には所属していません。キヴォトスの外からやってきました。目的は先生の手助けをしてハッピーエンドを目指す事です。どうぞよろしくお願いします」
そう言って頭を下げる。
「よろしくね」
僕の自己紹介に先生が手を出してくる。僕はそれを握る。
「よろしくお願いするよ」
「ちょっと先生!?そんな簡単に!」
ユウカが僕をあっさり受け入れた先生に講義の声をあげる。まあ、そりゃそうだよね。いきなり現れたどこの馬の骨とも知らない人物を受け入れるなんて。
先生は善人すぎるんだよ。
「僕からも警戒する事をおすすめしますよ?まぁ、そこが先生の良いところではあるんですが。だから僕もあの子達もここにいるんですし」
「子供を助けるのが大人の責任で義務だからね」
……ふふ、ほんとに先生は“良い大人”だね。こんな人がいればみんなが幸せになれるんだろうね。まあ、自己犠牲がすぎて生徒を曇らせるんだろうけど。
そこは僕達の頑張り次第かな。
曇らせ好きとしては残念だがバットエンドは好きじゃないからね。
「君も受け入れてくれるなら嬉しいかな?」
「……とりあえずは何も言いません。と り あ え ず は」
先生が信じたから少しだけ警戒解いた感じかな?まあ、それでいいさ。
いつかは仲良くなれるといいけど。
「それじゃあ先生、早速で悪いんだけど君の権限で僕をシャーレの所属にしてくれないかな?僕、さっきも言った通り学校に所属してないし無一文でね。それにあの子を外に置いたままにしてたらまた目を付けられるかもしれないし」
いやぁ、来たのはいいけど体一つで来たからね。
「ちょっと待ってね。アロナ」
『はい!先生』
先生はシッテムの箱を操作し始めた。アロナの声は先生以外にも聞こえない筈なんだど一応僕もニュータイプ擬きだからかな?どちらかって言うと強化人士、いや、デザインベビーみたいなものだけど。
『とりあえず彼女の情報をシャーレ所属で登録しました。他の身分証等は詳しい情報が出てからですね』
「ありがとう。アロナ。ベル、君はこれでシャーレの所属だよ」
流石デカグラマトンのハッキングをくしゃみで吹き飛ばす―アロナはこのとき居眠りをしていた―存在だ。一瞬だね。
「ありがとう。先生、アロナ」
「……はぁ、先生はお人好しがすぎますよ」
僕をシャーレ所属にした事をユウカはそう言う。僕も同意するね。
「それじゃあこれからよろしくね先生」
さて、この透き通る世界をそのまま美しいままにしようじゃないか。目指すはみんなが笑うハッピーエンド。
評価、感想の程よろしくお願いします。
作者のモチベが上がるので