とある男たちの青春の記録   作:探究の大図書館第9柱

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今話でようやくプロローグが終わります。
ここまで長かった・・・・
世の中の作者の皆皆様すげぇ・・・・
追記:編集、追加しました


第7話 プロローグの終わりにして物語の始まり

「・・・・・ん?」

 

なんか、寝てたような気がする。

それと、なんか頭の付近が柔らかいような・・・・・

ふと頭の付近に触れるとなんかこう、人肌ぐらいの感じがした。

 

「ん?おお、目覚めたか。ずいぶん長く眠っていようじゃの?」

 

上から声が聞こえたので顔を上に向けると、狐の面を付けた女性がこちらを覗き込んでいた。

 

「・・・・・誰?」

 

「え?」

「エ?」

 

すると女性とヴェノムが疑問的な声で返答した。

 

「オマエ、モシカシテ忘れたってのか?」

 

「いや、別に覚えてるけど。からかっただけだ。」

 

「よ、よかった〜てっきり忘れられたのかと・・・・・。」

 

「いやいや、流石にずっといた相棒を忘れるか?」

 

そう、この狐面の女性は俺がキヴォトスに来る前にヴェノムと共に仕事に取り組んでいた相棒、玉藻前こと、タマモだ。

ちなみに、のじゃ口調はあくまでもキャラ付けであって素の口調は割と普通らしい。てか普通の口調がほとんど。

 

「ところで、なんで俺は膝枕されてんの?」

 

「え、あ、いやあの、ずっと気絶してたから硬い床の上じゃああれかな〜と・・・・・。」

 

「あ、うん、そう、ありがとう。それじゃあそろそろ降りたい?かな。」

 

「あ、ああ、わかった。」

 

若干ぎこちなさを感じつつも、タマモの膝から頭を上げて立ち上がる。

すると少しふらつく。

 

「オ、オイ、大丈夫カ?」

 

ヴェノムが心配するも、

 

「ああ、多分大丈夫だ。」

 

と返す。

 

「オイタマモ、コレ絶対大丈夫ジャナイカラソッチモッテ支えろ。オレは反対側を持つ。」

 

と言われ、そのままなすがままに支えられ、リンちゃんとの合流場所を目指す。ふとスマホを見ると、30分ぐらいは寝ていたらしい。

通知欄に結構来ている。

こちらを心配するメールがほとんど。

とりあえず、こちらは大丈夫な連絡を送り、リンちゃんからの連絡も確認する。

リンちゃんからは、思ったりより不良の数が多く、もう少し時間がかかるとの事だった。でもその連絡が数分前なので、もうそろそろ終わる頃合いだろう。

そして廊下を進み、エレベーターに乗り、そうしてようやく、

 

「た、辿り着いた・・・・・」

 

シャーレの地下室へと、辿り着いたのであった。

 

「あー、ようやく休めるのじゃ・・・・」

 

タマモがなんか言ってるが気にしない。

 

すると、中から声が聞こえてきた。

 

「おいおい、なんだ、シャーレのセキュリティってのは、存外ザルなのか?」

 

「イヤ、オオカタお前がナンカシナイトマトモに機能シナインダロ。」

 

「そんなことはどうでも良いから儂はとっとと休みたい・・・・。」

 

とは言え、敵だったらヤバいのでドアに近づいて盗み聴くことにする。

 

「うーん・・・・・これが一体何なのか、まったく分かりませんね。これでは壊そうにも・・・・。」

 

え。マジで?どうやら誰かが何かを壊そうとしているらしい。

流石にそれやらせる訳にもいかないので、

 

(こっそり入って止めるよ。)

と言うと、

(了解。)

とヴェノム。

(分かったのじゃ。)

とタマモ。

 

そうしてこっそり入ろうとしたのだが、

 

「あでっ!」

 

いきなり2人が離れたのでバランスを崩して転んでしまった。

 

((アホー!!))

 

2人からの避難する様な視線が刺さる。

すると、

 

「あら?」

 

「「「あ。」」」

 

中に居た人物とばっちり目が合ってしまった。

彼女は、黒を基色とした和服に、狐の面をした、黒髪の剣のついた銃を携えた娘だった。

そんな娘とこちらが互いに見つめ合うこと数秒、

 

「あら、あららら・・・・・」

 

「・・・・・・し、」

 

「「し?」」

 

「失礼いたしましたー!!」

 

全力ダッシュで逃げ去ってしまった。

 

「・・・・・何だったんだ?」

 

「さあ・・・・・」

 

(・・・・ヤレヤレダゼ。)

 

そうして地下室で過ごすこと数分、

 

「お待たせしました。」

 

リンちゃんと合流した。

 

「・・・・?何かありましたか?」

 

「いや、何もなかった。なあ?」

 

「ああ。」とタマモ。

 

「YES! YES! YES!」とヴェノム。

 

「ところで、そちらの方は・・・・?」

 

と、タマモの方を向いて聞いてきたので軽く説明する。

 

「・・・・・そうでしたか、では、タマモさんにも『シャーレ』の先生の業務を手伝ってもらうことになりますが、宜しいですか?」

 

と確認してきた。

そこでタマモは、

 

「ああ、こちらこそ宜しく頼む」

 

と、2人は握手した。

・・・・・ナニコレ?

(オレに聞くナ。)

 

「ところで、何か俺に渡したい物があるんじゃなかった?」

 

と確認すると、

 

「それについてですが、ここに連邦生徒会長が残したものが保管されています。」

 

と返ってきた。

そして、

 

「・・・・・・幸い、傷一つなく無事ですね。」 

「・・・・・受け取ってください。」

 

と。タブレット端末を渡して来た。

 

「「「タブレット端末・・・・・・?」」」

 

俺たち3人の声が重なる。

 

「はい。これが、連邦生徒会長が先生に残した物。

『シッテムの箱』です。」

 

・・・・ん?シッテムの箱?どっかで聞いた名だな・・・・・。

そのシッテムの箱とやらは、白い外面、通常の液晶、どこからどう見ても通常のタブレットであった。

そう思ったのを感じたのか、リンちゃんが説明を入れる。

 

「普通のタブレットに見えますが、実は正体の分からない物です。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組みのすべてが不明。」

 

え?そんなヤバいブツ渡していいの?どう考えてもオーパーツ的なアレでは?

 

「連邦生徒会長は、この『シッテムの箱』は先生の物で、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました。」

 

え?その言い方だとつい最近まで勤務していたことになるけど、そう言うことで合ってんのかな?だとしたら、何でこんなタイミングで・・・・?

 

「私たちでは起動すらできなかった物ですが、先生ならこれを起動させられるのでしょうか、それとも・・・・・。」

 

やめて?そんな含みのある言い方。

そんな心配をよそに話は進む。

 

「・・・では、私はここまでです。ここから先は、全て先生にかかっています。」

 

うわ。絶対責任俺が取らなきゃじゃん。すげぇ嫌なんだけど。

 

「邪魔にならないよう、離れています。」

 

そうしてリンちゃんは少し距離を取った。何だろう、ちょっと傷ついたな。

 

「え?どうする?これ。」

 

「そりゃあ、やるしかないのではないか?」

 

「アア、ソウダナ。サッサと起動サセチマエ!」

 

2人から言われたので、

 

「わかったよ、やるよ、やりゃあ良いんだろ!?」

 

と、半ばヤケクソ気味にタブレットを起動させようと何かそれらしき部分がないかと探し始めると、突然画面が点灯した。

 

『・・・

 Connecting To Crate of Shittim...

 

「おっしゃ、なんか点いた、点いたぞ!」

 

『システム接続パスワードをご入力ください。』

 

「パスワード?なあヴェノム、なんか覚えてない?」

 

「エ?アー、ソレなら、多分アレジャアナイカ?」

 

と言われ、パスワードを入力する。

 

・・・・・・我々は望む、七つの嘆きを。

・・・・・・我々は覚えている、ジェリコの古則を。

 

ヴェノムから言われたパスワード(多分)を入力する。

すると、

 

『・・・・・。

 

接続パスワード承認。

現在の接続者情報はフェクト・ウォーカー、確認できました。』

 

「お、なんか出来たぞ!」

 

「「おお!」」

 

『『シッテムの箱』ようこそ、フェクト・ウォーカー先生。』

 

と表示されると、

 

『生体認証及び認証書生成のため、メインオペレートシステム『A.R.O.N.A』に変換します。』

 

「「うおっ!?」」

「なんじゃ!?」

 

すると、突然タブレットの液晶画面が光り始め、思わず目を瞑ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・なんなんだ?一体・・・・ってここは、どこだ?」

 

おずおずと目を開け、周囲を見回す。

そこは、やたらと『青』で埋め尽くされた様な空間だった。壁が半ば崩壊した教室、壊れた壁の先には山積みになった机や椅子があり、その先には海?が広がっている。・・・・アクアティリスになって泳いだら気持ちよさそうだな。そんなことを考えていると、足元から水が当たる音がする。見回すと、どうやら壊れた壁から水が侵入して来ている様だった。

こんなところで授業なんかを開こうものなら、多分教科書やノートを落とすのが怖すぎておちおち集中できないだろな・・・とか考えてはいたものの、どうやら、そろそろこれに取り組まなければいけないらしかった。

 

「くぅぅぅ・・・zzz。」

「むにゃ、カステラにはぁ・・・・いちごミルクより・・・バナナミルクのほうが・・・・。」

 

水色の服を着た少女がうつ伏せで眠っていた。

しかもどうやら、何かを議論する夢も見ているらしい。

・・・・ん?カステラ、バナナミルク?

なんかどっかで聞いた様な・・・・。

 

地下の冷蔵庫内にカステラとバナナミルクを入れておいた。渡しといてくれない?

 

なんか、誰かに頼まれた様な・・・・?

おい、ヴェノム、いるか?

 

(オイ、ナンだよ、オレ今寝起キナンダケド・・・・・。)

 

なあなんか、カステラとバナナミルク持ってない?

 

(・・・?・・・!アア、アルゾ。)

 

確かそれさ、誰かに渡してくれないかと頼まれなかったっけ?

 

(アーソウイエバ、そんな事もイワレタ様な・・・・デ、ソレがお前はコノ少女ダト?)

 

まあ、そうなのかなーって・・・・。

 

(ア、ソ。ナラトットと起こしテ渡しテヤレ。)

 

そう言うとヴェノムは自身の口の中に手を突っ込み、中から紙の箱を一つ出して来た。中を確認すると、一人分のカステラとバナナミルク。

あれ?そう言えばこれって誰が用意したんだっけ?

 

(サア、シラン)

 

そう・・・誰だったかな?

とりあえず紙箱を片手に俺は未だ眠る少女に近づく。

 

「くううう・・・・Zzzz」

「えへっ・・・・まだたくさんありますよぉ・・・。」

 

誰かに振る舞ってんのか?

てかさ、俺が行って事案にならない?

代わりにさぁ、ヴェノム行ってくんない?

 

(オレが行ったホウガビビるだろ。御託はイイからサッサと行け。)

 

はい・・・わかりました・・・。

そうして少女に近づく。

椅子を動かして彼女の前に座るも起きる様子はない。

どうしようか・・・・

 

「おーい、起きろー。」

 

「いたっ!?」

 

ちょっと困ってしまったので、

コインを弾いて彼女の頭にぶつける。

 

「ちょ、ちょっと、誰なんですかー?」

 

お、ようやく起きたな。

 

「やほ。」

 

片手を上げて返事をする。

 

「ありゃ・・・・?」

「ありゃ、ありゃりゃ・・・・?」

 

お?どうした?

 

「え?あれ!?せ、先生!?」

「この空間に入ってきたっていうことは、ま、ま、まさかフェクト先生・・・・・!?」

 

「ま、そう言うことなんだろうな。」

 

すると少女は慌てて、

 

「う、うわああ!?そ、そうですね!?もうこんな時間!?」

「うわ、わああ?落ち着いて、落ち着いて・・・」

 

せやな。落ち着いて行動するのは大事。古事記にもそう書いてある。

そうして落ち着いた少女は話し出した。

 

「えっと・・・その・・・・あっ、そうだ!まずは自己紹介から!」

「私はアロナ!」

「この「シッテムの箱」に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をアシストする秘書です!」

 

そっかー、秘書かー・・・・え?秘書?マジで?こんな小学生みたいな子が?

 

「マジで?」

 

「はい!マジです!先生!」

 

「『本気』と書いて『マジ』と読む?」

 

「はい!」

 

うわー、マジか・・・・大丈夫かな、児ポ案件・・・

(大丈夫デハ?)

うるせー、自分勝手に発言できるからって好き勝手言いやがって・・・

 

「先生!やっと会うことができました!私はここで先生をずっと、ずーっと待ってました!」

 

おっとー?一瞬重めに聞こえたのは気のせいか?

(気のせいダ。キットソウダ。)

ところで、

 

「寝てたわけ、ではなくて?」

 

「あ、あうう・・・・も、もちろんたまに居眠りしたりしたこともあるけど・・・。」

 

「やっぱあるんだな?まあ、これからお世話になるわけだし、よろしく頼む。」

 

流石に人?の失態を蒸し返す性格ではないので話を切り替える。

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

お、良い返事だ。

 

「まだ身体のバージョンが低い状態でして、特に声帯周りの調整が必要なのですが・・・・」

 

ああ、だから合成音声みたいなぎこちない声なんだな?

 

「これから先、頑張って色々な面で先生のことをサポートしていきますね!」

 

そうすごいにこやかに言われた。

他意は無いよ?

 

「あ、そうだ!ではまず、形式的ではありますが、生体認証を行います♪」

 

え、生体認証?

 

「うう・・・少し恥ずかしいですが、手続きだから仕方ないんです。こちらの方に来てください。」

 

あ、やっぱり恥ずかしいんだ。

そうして近づき、近くの机の上に紙箱を置く。

 

「そう言えば先生、そちらの品は一体・・・・?」

 

アロナが聞いてきたので答える。

 

「アロナへのみやげ。中身は確か、カステラとバナナミルク。」

 

と言い終わると、アロナが目を輝かせて、

 

「本当ですか!!ありがとうございます!先生!」

 

お礼を言って来た。なんかさ、ちょっと度合い違くない?

それはそれとして、近づく、

 

「あ、先生、もう少し近づいてください。」

 

どうやら少し遠かったらしい。でも結構近づいたんだけどな・・・

そしてもう少し近くに寄る。

 

「もう少しです。」

 

言われたのでまた少し距離を詰める。

すると、もう目と鼻の先と言われても過言ではないぐらいの距離になっていた。

するとアロナが人差し指を差し出して、

 

「さあ、この私の指に、先生の指を当ててください。」

 

そう言われ、自分の指をくっつける。

 

「うふふ。まるで指切りして約束するみたいでしょう?」

 

あのこれ、指切りってかE.T・・・・

そう言うと、

 

「実は、これで生体情報の指紋を確認するんです!」

 

あ、意外と重要なやつだった。

 

「画面に残った指紋を目視で確認するのですが・・・・すぐ終わります!こう見えて目は良いので。」

 

そう、てかこう見えてって、どう見えて?

それと目視って・・・意外とアナログなんだな。

 

「どれどれ・・・・(うーん・・・・よく見えないかも・・・・まあ、これでいいですかね?)はい!確認終わりました♪」

 

「おお、ありがとう。ところで、なんかだいぶ間があったような気がするけど、大丈夫?ぱっと見。手抜きみたいだったけど・・・」

 

そう指摘すると、

 

「えっと・・・・そんなことありません!」

 

ほんとかなぁ?

それと、最近の機械は指紋認識ぐらいは自動で1秒もかからないことを伝えると、

 

「私にはそんな最先端の機能はないですが・・・・。そんな能力なくてもアロナは役に立ちますから!?目でも十分確認できますから!」

 

ムキになってしまった。申し訳ない。

(ゼッテェ思っテネェ・・・)

すると、

ウルッとすると、

 

「だったらその最先端のナントカさんのところに行ってしまったらどうですか!」

 

あーあ。怒っちまった。

謝罪してもなおってくれないので、

しばらくの間慰めた。おやつもあげた。

ねぇこれ俺、悪くなく無い?

(自業自得ダ。諦めろ。)

うそぉ・・・・

 

 

 

そうして、なんとか機嫌を直した俺は、早速現状について伝えた。

 

 

「なるほど・・・・先生の事情は大体わかりました。」

 

おお、話が早い。さすがスーパーAI。

 

「連邦生徒会長が行方不明になって、そのせいでキヴォトスのタワーを制御する手段がなくなった・・・・。」

 

「ところでさ、アロナ。」

 

「なんですか?先生。」

 

ちょっと気になってたんだけどさぁ、

 

「連邦生徒会長について、何か知ってることはあるか?」

 

それについて聞くと、アロナは答えた。

 

「私はキヴォトスの多くの情報を知ってはいますが・・・・連邦生徒会長についてはほとんど知りません。

彼女が何者なのか、どうしていなくなったのかも・・・・。

お役に立てず、すみません。」

 

うーん、そっかあ、まあ知らないならしょうがない。

今はできることをやるだけだな。

(・・・・?)

 

「ですが、サンクトゥムタワーの問題は私がなんとか解決できそうです。」

 

おお、そうか!

 

「それじゃあ、早速頼む。アロナ。」

 

「はい!分かりました。それでは、サンクトゥムタワーのアクセス権を修復します!少々お待ちください!」

 

おお、すげぇ簡単に言うじゃん。

 

「サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了・・・。

先生、サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収できました。

今サンクトゥムタワーは、私アロナの搭載下にあります。

今のキヴォトスは、先生の支配下にあるも同然です!」

 

おお、もう終わったか。一分もかかってないんじゃあないか?

すごいけど、ちょっと怖いな・・・・。

 

「先生が承認してくだされば、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管できます。でも・・・・大丈夫ですか?連邦生徒会に制御権を渡しても・・・」

 

「あー、多分大丈夫だろ。アイツらもそこまでボンクラではないと思うし。」

 

「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」

 

あ、ボンクラ発言にはノーコメントなのね。

そうしてシッテムの箱から退室する。

・・・ここって精神ダイブみたいな感じなのね。

 

「・・・・はい。分かりました。」

「サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。」

 

おお、リンちゃんに確認してみたら、

どうやら上手くいったらしい。

 

「これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように、行政管理を進められますね。」

「お疲れ様でした、先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたことに、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします。」

 

感謝なら言葉じゃなくて、なんか欲しいけど・・・言ったら野暮かな?

(野暮ダナ、ウン)

(野暮じゃ野暮)

酷くね?

 

「そう言えば、不良たちのことは?」

 

「そのことでしたら、これから追跡して討伐いたしますので、ご心配なく。先生のお手を煩わせる訳にはいきませんので。」

 

お、おん、そっか。

 

「それでは、『シッテムの箱』は渡しましたし、私の役目は終わったようですね。」

 

「おー、そっかそっか、お疲れs」

 

「・・・・あ、もう一つありました。先生、何か?」

 

「・・・・ナンデモナイデス。」

 

うーわ、恥っず。

(アー、ソレは確かに恥ズイナ・・・・)

(わかる・・・・)

タイミング悪いにも程がある・・・・

 

「ところで、その『もう一つ』ってのは?」

 

さっきの発言を無かったことにしようと質問する。

 

「ついてきてください。連邦捜査部『シャーレ』をご紹介いたします。」

 

あ、そう言えば特に何も言われてなかったな。

そうしてリンちゃんについて行くこと数分、俺たちはある空き部屋に来ていた。

扉には『空室 近々始業予定』と書かれた貼り紙がされており、

横には、十字架に円と輪っか?がついたようなロゴの下に、

『S.C.H.A.L.E』と書かれた看板?で良いのかな?がつけられていた。

 

「ここがシャーレのメインロビーです。長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎えることになりましたね。」

 

リンちゃんが軽く紹介する。

それにしても『主人』て・・・ロボじゃないんだから・・・

え?ほんとにロボじゃないよね?

 

「先生?」

 

「フェクト?」

 

考えてるとタマモとリンちゃんに呼ばれる。

見ると2人はもう部屋の中に入ろうとしていた。

 

「悪い。ちょっと考え事してた。」

 

「ホントかぁ?」

 

タマモがこちらに疑いの目を向けるが気にせず入室する。

 

 

 

 

 

「そして、ここがシャーレの部室です。」

 

リンちゃんが紹介する。

中は結構広い空間だった。

資料やら道具やらを入れるであろう棚、

ホワイトボードにデスク、なんか銃も立て掛けてあるけどあれナニ?

デスクは2つあるからちょうどタマモと2人で使えるし、もし仮に足りなくなっても結構広いから追加で持ち込めるだろうな。

奥の壁が全面ガラス張りなのも高ポイントなんだけど、上の通路っぽいの何だ?

 

「ここで先生のお仕事を始めると良いでしょう。」

 

「そう言えば、ここで何かさせれば良いみたいなことってなんかあったりする?」

 

ふと気になったので質問しておく。

 

「・・・シャーレは、権限だけはありますが目標のない組織なので、特に何かをやらせなきゃいけない・・・・と言う強制力は存在しません。」

 

おお、そっか、そっか。ありがたいな。

でもまあ、余計に何でそんな組織にこんだけ権力を持たせたのか分からなくて怖くなるんだがな・・・

 

「キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく、先生が希望する生徒たちを部員として加入させることも可能です・・・」

「それに、加入させて生徒を担当として呼び出すことも可能です。まあ、必要なさそうですが・・・」

 

ヤベェな、シャーレ。出来ること多すぎでは?

何食ってたらこんな組織を作ろうと思うんだ?

 

「面白いですよね。捜査部とは呼んでいますが、その部分に関しては、連邦生徒会長も、特に触れていませんでした。」

 

いや、「面白いですよね」じゃないよ。どう考えてもヤベェ組織だろココ。しかも「その部分」ってどの部分かな?生徒の加入かな?権限かな?

触れとけよそう言うとこは最低限。

まあ、自治区に実質顔パスで入れんのはありがたいけど・・・・・

 

「つまり、何でも先生がやりたいことをやって良い・・・・ということですね。」

 

何だろう、フラグかな?闇堕ちの。

何でもやって良いならマジで好き放題するからな?俺。

 

(安心シロ。ソウソウそんな事にはサセネーヨ。)

(ああ、儂らがちゃんとリードを握っているから安心せい。)

 

おお、タマモ、ヴェノム、ありがとう。やっぱ持つべきは仲間だよな!

でもよぉ、ヴェノム、お前はどっちかっつーとやる側だよな?

 

「・・・本人に聞いてみたくても、連邦生徒会長は相変わらず行方不明のまま。」

「私たちは彼女を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスのあちこちで起きる問題に対応できるほどの余力がありません。」

 

ん?なんか雲行きが怪しくなってきたぞ?

 

「今も連邦生徒会に寄せられてくるあらゆる苦情・・・

支援物資の要請、環境改善、落第性への特別授業、部の支援要請などなど・・・。」

「・・・・もしかしたら、時間が有り余っている『シャーレ』なら、この面倒な苦情の数々を解決できるかもしれませんね。その辺りに関する書類は、先生の机の上に置いておきました。気が向いたらお読みください。」

「すべては、先生たちの()()ですので。」

「それではごゆっくり。必要な時には、またご連絡いたします。」

 

そう言ってリンちゃんは退室した。

そしてみんな座ってリンちゃんがエレベーターに乗ったタイミングで、

 

「「「や、やりやがったーーー!!!」」」

 

みんなで叫んだ。

どうりでなんかウキウキしてたわけだ!

そりゃそうだよな!自分たちの仕事押し付けられんだもん!

ウッキウキだよ!そりゃあ!

しかもなんか横に山積みになってる書類、m単位はあるぞ!?

そんなもん漫画でしかみたことねーわ!

 

「あー、仕方ない、下行こう、ちょっと憂鬱だけど・・・・」

「悪りぃ、タマモ、ちょっと下行って待たせてる生徒たちに話してくる。」

 

「おー、そうかそうか、行ってらー・・・」

 

やる気のなさげなタマモの声を背に、俺はノロノロと下まで移動し

た・・・。

 

「ええ、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認したわ。」

 

下に行って、ユウカから報告を受ける。

どうやら、顔色カモフラージュは上手くいってるらしい。

全くバレてない。もしくは、そもそも向こうも同じような感じだからか。

 

「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど・・・・・すぐ捕まるでしょう。私たちはここまで。」

「あとは担当者に任せます。」

 

ハスミからも伝えられる。

やっぱあの子だよな?

 

「お疲れ様でした。先生。先生の活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」

 

ユウカがそんなことを言う。

冗談だよな?俺たち、正体不明のダークヒーロー路線が好きなんだけど・・・

(イヤ、戦車ヲ歯デ噛み砕くヤツナンテ、話題ニナラナイ方がおかしいだろ。)

 

「まあ、みんなお疲れ様。」

 

労いの言葉をかける。

 

「これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園に立ち寄ってください。先生。」

 

ハスミが言い終わると、スズミがぺこりとお辞儀する。

 

「私も、風紀委員長に今日のことを報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃった時は、ぜひ訪ねてください。」

 

「ミレニアムサイエンススクールに来てくだされば、また、お会いできるかも?先生、ではまた!」

 

「おー、みんな、またなー。」

 

みんなが立ち去って行ったあと、俺たちもオフィスの中に戻る。

・・・・・・なんか熱烈な視線を感じた気がするが、気のせいだよな?

(・・・アア、キットソウダ。)

だ、だよねー!

 

・・・気のせいだよな?

 

シャーレのオフィスに戻った俺はアロナに会って一応事態の報告をしとくことにした。

 

「あはは・・・なんだか慌ただしい感じでしたが・・・

ある程度落ち着いたみたいですね。お疲れ様でした。」

 

「いやいや、アロナも頑張ったろ?多分。お疲れ様だ。」

 

そう返す。相手を労うのは良好なコミニュケーションの基本だ。

 

「はい!でも、本当に大変なのはこれからですよ?」

 

まあ、うん。知ってた。予想の範囲内ってやつ。

 

「これから先生、いや、先生たちと一緒に、キヴォトスの生徒たちが直面している問題を解決していくのです・・・!」

「単純に見えても決して簡単ではない・・・・とっても重要なことです。」

 

うんうん、わかる、確かにわかるぞ。

簡単に見える方が難しいのはあるあるだよな。

 

「それではキヴォトスを、シャーレをよろしくお願いします、先生。」

 

「あいよ。よろしくねお願いされた。こちらこそよろしく頼む。アロナ。」

 

その日の夜、

 

「いやー、疲れたな。」

 

シャーレ内、居住区にてソファに肩を預け、話し始める。

 

「ああ、まさかこんなことになるとは思いませんかった。」

 

タマモもそう話す。

 

「ダケド、マダヤル事ガ、アルンダロ?」

 

ヴェノムがそう続け、

 

「ああ、来たばっか、いや、()()()()()だからこそ、やる事がある。」

 

そう話すと、

 

「アロナ、今からちょっとキヴォトス全土のスピーカー、もしくはそれに連なる機器をハッキングできるか?」

 

そう俺はアロナに頼み、マイクとコードを付けたスピーカーを持って屋上に向かう。

 

『え!?ほんとうですか!?流石にキヴォトス全土は今の状態からは無茶ですよ・・・』

 

少し無理そうだけど、こう言う時はおだてればだいたいなんとかなるって誰かが言ってた。

 

「まあ、頼むよ、超高性能スーパーAIのアロナ様〜」

 

『・・・ま、まあそこまで先生が言うのなら?流石にキヴォトス全土は無理ですが、D.Uシラトリ地区ぐらいでしたら?できますけどね?』

 

うっわ、ちょっろ。

 

「ありがとう!感謝する!そのまま続行してくれ!」

 

(ナア、屋上に上ガッテスルコトッタラ、アレか?)

 

ヴェノムが聞くが、それに対して

 

「イエス」

 

それだけ答えると、シャーレオフィスのあるビルの屋上に辿り着く。

 

『先生、シラトリ地区内の全スピーカー系統機器のハッキング完了しました!』

 

アロナから報告を受ける。

 

「感謝する」

 

『ところで、いったい何をするつもりですか?マイクにスピーカーまで持ってきて?』

 

「まあ、ちょっとやっときたい事があるからな」

 

『?』

 

アロナはイマイチわかってなさそうだが、まあわからなくても問題はない。

スピーカーとマイクをコードで繋ぎ、天を向き、口を開け、大きく息を吸い込むと、

 

 

 

 

 

一瞬の静寂

 

 

 

 

 

そして、

 

  

 

 

 

 

 

 

 

「PAGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAOOOOOOONNNNNNN!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

天を割らんばかりの咆哮を上げた。

 

「とりあえず、これで大丈夫だろ。アルファコールもマシマシのやつだしな。」

 

(ワザワザスル必要アッタノカ?)

 

「なんか“臭かった”んだよね。ここ。」

「それに、明日からパトロールもするぞ。」

 

『あ、あうう・・・み耳が、先生、今のはいったい・・・?』

 

「ん?ああ、これはな、ちょっとした宣言みたいなものだ。」

 

『宣言?』

 

「ああ、『俺たちに手を出そうものなら容赦はしない』って言うな?」

 

『そう言うものなんですか?』

 

「まあアロナからしたらただの咆哮だからわかんなくて当然か。」

 

すると、

 

「マアソウ言うモノダカラナ。」

 

いきなりヴェノムが飛び出してきた

すると、

 

『え!?誰ですかこのネバネバは!』

 

あ、アロナさん、やっちまったな。

 

「ウッセ!チビ!」

 

『なにをー!』

 

口々に喧嘩し始めてしまった。

あー、どうなるかな、これ?

こうして、

俺、

いや、

“俺たち”の、

学園都市での生活が始まった。

 




テストと文化祭と修学旅行(in 沖縄)のせいで小説が書けなかった作者です。次は幕間を挟んでからアビドス高校編にいきます。
今後書きたい展開(一部抜粋)
・ペロロジラとカイテンジャーロボをフルボッコにするウルティマ形態のフェクトとメカゴジラ(2021)
・Vol.2でフェクトの戦闘アシストを担当する【星の夢】
・巨大ボスVS巨大クトゥルフ
・エンジニア部とのタイタンカメラマンら3人の共同開発。
・ギドラ2019&G-maトイレ&洗脳タイタンスピーカーマン&トライタイタン&ギャオスVSフェクトらキヴォトス全勢力。
【急募】ゴジラウルティマ、メカゴジラ、KOMラドン、KOMモスラ、s.pアンギラス、ベヒーモス、ガメラ、クトゥルフ、タイタン3人、ジンオウガ、リオレウス、マガイマガド、タイタンを除くFF16の召喚獣全て相手にトントンな敵
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