もしIS学園の隣にAC学園があったら(仮題)   作:かいがら

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1話 プロローグ編

試験会場出口。

 

「数馬、おまえどうだった?」

 

「あぁ、やべぇよ…今日初めてACに乗って…なんていうかもう、すげぇ! って気持ちでいっぱいだ」

 

「やべぇってそっちの意味かよ。…まぁ俺も同じような気持ちだから分かるけどさ。

そうじゃなくて試験の内容のほうだよ。俺は6割ぐらいまで削ったんだが落とされちまってさ…」

 

「えっ、弾そんなに削ったのか? 俺ビビって逃げ回ってたらいつの間には落ちてたよ、それでも2~3割は削ったと思うんだが」

 

「そっか…、実際どのぐらいが合格ラインなんだろうな」

 

「う~ん、俺の前のやつの試験見たんだけど、そいつほとんど何も出来ずに落とされてたぞ。

意外とみんなそんなもんなんじゃないのか?」

 

「そうかなぁ」

 

「きっとそうだって、………多分」

 

「………」

 

「………」

 

「てか一夏のやつ遅くね?」

 

 

 

その10分後、世界で初めてISを動かした男性として友人の名前が出てきて2人は盛大に吹くことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月、教室、ホームルーム時

 

(どうしてこんなことに)

 

クラスメイトが全員異性という状況は想像以上につらい。

一人くらい同性がいてほしかったという思いが沸々と湧いてくる。

心なしかクラスの注目が集まっている気がするが、きっと気のせいだ。自分はそんなに自意識過剰だったのか。

大丈夫だ、きっとやっていける。副担任の先生も優しそうな人だったじゃないか。まだ来てない担任もきっと優しい(確信)。

次が自分の番だ。この自己紹介を乗り越えてればきっと楽しい学園生活が待っている。

 

「はい、では次の人お願いします」

 

ついに自分の番だ。緊張しながら立ち上がる。

頑張れ頑張れやれるやれる大丈夫気持ちの問題ry

 

 

 

 

「シャルル・デュノアです。皆さんよろしくお願いします」

 

 

 

妙に女顔のイケメンの自己紹介を聞きながら、俺 "五反田弾" はAC学園に入学したことの実感をひしひしと感じていた。

思えば一夏、数馬の3人で一緒にAC学園に行こうと言い出した日から3年。

2人はこの場には居ないが、今俺がここにいるのは2人と一緒に頑張ってきたおかげでだといえる。

あの日、なぜかISを動かした友人 "織斑一夏" は半ば強制的にIS学園行きとなり、今頃は女子に囲まれた生活を送っていることだろう。

妹の為にもさっさとそこで彼女でも作ってほしいものだ。

 

「ね、ねぇ、ここってAC学園なんだよね」

 

見るとさっき自己紹介していたイケメンが話しかけてきた。

どうやらこいつも俺と同じように入学出来たことに感じ入っているらしい。

 

「あぁそうだぜ。ここはAC学園だ」

 

未だに入学を実感出来てないこいつを安心させるように答えてやる。

するとそいつは礼を言った後体を戻して、なにやら表情を複雑に変化させていた。

 

…なんだ、何か間違えただろうか。

そう思うとなんだか落ち着いてきた。よくよく考えるとさっきまでの自分はテンションが妙に高かった気がする。

初日にしてクラスメイトに引かれてしまったのだろうか。拙いな、ちゃんとしなければ。

気持ちを切り替えて自己紹介に耳を傾ける。

 

 

え、数馬? あいつなら隣のクラスにいるよ。

 

 

 

 

IS学園、1年1組

 

(弾達は今頃AC学園で授業うけてるんだろうか…)

 

試験会場でなぜかIS学園の会場へと迷い込み、ISに触ったら何故か起動して…、今このIS学園に通うことになるまで色々あった。

本来行くはずだったAC学園はその時のごたごたで試験そのものが受けられず、いつの間にかIS学園に通うことが決まっていた。

自分の夢と知り合いの関係上、ISでも特に問題はなかったが、一緒に頑張った友人2人を裏切るような形になってしまったのは若干心苦しくはある。

まぁ数馬からは同情と嫉妬をもって慰めてくれたし、弾は何かあったら相談に乗ってやると励ましてくれた(あと妙に彼女を作ることを勧めてきた)。

だからだろう。そんな友人達のことを悪く言われた気がして、ついつい反論してしまうのも仕方ないことだと思う。

 

切っ掛けはクラス代表を決める際、俺が推薦されたことに対する反論だった。

 

「クラス代表が男だなんて認められません!しかもその男は元々AC乗り志望者。

ACかぶれがクラス代表などという屈辱をこのセシリア・オルコットに1年間も味わえとおっしゃるのですか!」

 

「おい、ACの何が悪いんだよ!」

 

そこからは、散々ACをこき下ろしてくるオルコットと受験勉強で培ったACの知識で対抗する俺。

互いにヒートアップし、遂には関係ない国同士の言い争いになった。

そして「決闘? 構わん、受けてやんよ」ってとこで、ようやく担任(姉)が仲裁に入る。

 

「そこまでだ。それではクラス代表は候補者2名によるIS勝負にて決定するものとする。

日時は一週間後の月曜、放課後。場所は第三アリーナで行う。そこで己の言い分の決着をつけろ」

 

「これに勝ったらACへのいちゃもんを撤回してもらうからな!」

 

「代表候補生であるわたくしに勝つ気でいるとは。愉快ですわ」

 

こうして入学初日からやらかしてしまったわけだ。

冷静になればここはIS学園。ACをよく思ってないやつも多いだろう。

これからのクラス内ポディションが不安である。

 

ところで代表候補生ってなんだろうな。

あとで箒に聞いてみよう。

 

 

 

 

世間一般的に、世界が大きく変わったのは10年前だ。

10年前、単機により2341発ものミサイルを迎撃し既存の兵器との圧倒的な差を見せつけることによりIS<インフィニット・ストラトス>は世界に名を知らしめることになる。

その性能から、このISというパワードスーツを世界中が求めることになったが、製作者の篠ノ之束博士は雲隠れ。

残ったのは世界各国に散らばった467個のISコアとISは女性しか動かすことが出来ないという事実だけだった。

これにより世界はISを中心に動いてゆく。

国防の要がISになり、それに伴って女性の地位が上昇。世間は女尊男卑に染まりつつあった…

 

が、そこに待ったがかかる事件が起きた。

この事件の詳細は未だに解っていない。

大まかに説明すると、ある研究施設がISに襲撃され、そしてそれをISでない兵器が撃退したというものだった。

それはその研究施設で開発されたAC<アーマード・コア>と呼ばれるパワードアーマーであった。

この襲撃により研究施設は破壊され、研究データも消失。その場にいたはずの開発主任も行方不明。

残ったのは一機のACと世界各企業に散らばった466個のACコアだけだった。

 

そしてこのAC、少なくともISに対抗出来る兵力があるということを認められ、更に男女関係なく使えるということで、ISによって窮屈な思いをしてきた者達(主に男性)にこぞって持て囃されることになる。

 

ACの登場により、世間は徐々に元の男女平等社会に戻っていったが、そうは収まらない者達もいた。

ISにより優遇されてきた女性達とそのしわ寄せにあっていた男性達である。

その一部の者達の対立は収まることもなく、そのほとんどがISとACの関係者になったことにより、いつしかISとACどちらが優れているかを競うようになっていった。

 

そして現在、お互いに見せつけるように立てられたIS学園とAC学園。

同じ人工島に建てられた、端から見ると仲が良いのか悪いのか…

そんな場所でこの物語は始まった。

 

 




この3人が主人公(のつもり)です
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