もしIS学園の隣にAC学園があったら(仮題)   作:かいがら

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9話 シャルル編

僕は始め、デュノア社から専用コアと試作パーツが来たことに驚いていた。

次に、AC学園に入学したのはやっぱり間違いじゃなかったのだと納得した。

そして最後に、入学前に受けた指令はなんだったんだろうという疑問が残る。

 

放課後、先生に言われた通りに職員室に向かう。

 

「来たかデュノア、これがお前宛のコアとパーツに関する書類だ。大事にとっておけ。

これで授業外でACを使う場合、機体の予約をしなくて済むようになったがアリーナのほうは別だ。これまでどうり、申請を忘れるな。

あとは整備室に現物があるから、確認して受領書にサインしろ。それでこれに関することは以上だ」

 

言われるがまま整備室へ。

そこにはISテストパイロット時代の懐かしい武装が、そのままスケールアップして鎮座していた。

 

「あ、シャルロットさんですか? お待ちしておりました。

こちらがデュノア社初のACパーツ、パイルバンカー「KIKU」になります」

 

ISの時は「グレースケール」なんて名前だったけど、これは間違いなく僕が使い慣れた武器だ。まさかそれでこのパーツを作ってくれたんだろうか。ちょっと嬉しい。

 

「なんでもACパーツ初のパイルバンカーということで、注目を集めようとのことらしいです。

あとは実績を出して頂ければ、幸先のよいスタートを切れますでしょう。これで会社の命運が決まると言っても過言では無いので宜しくお願いします。実は私先日妻の妊娠が発覚しまして今会社に潰れてもらうわけには―――」

 

後半はよく聞かなかったけど、会社はこれを使って試合し、宣伝して欲しいらしい。その為には勝利、ないし善戦しなければならない。折角馴染みの武装を作ってくれたのだ、期待にこたえなければ。

 

受領書にサインしてその場を後にする。

本当は指令のこととか聞きたかったけど、事情を知ってるかもわからない人に聞くにはリスクが高い。

 

部屋に戻ると弾が全裸で立っていた。

 

「あ、ちょ、シャルル閉めて…」

 

言われずとも外に出てドアを閉める。

まただよ………、しかも今度は生のお尻を見てしまった。体格に見合った引き締まった肉体が、目に焼き付いてしまいドキドキする。

後で聞けば「シャワー浴びてたんだけどバスタオル忘れちまって」のこと。

普通そういうのは男女逆なんじゃないの。いや決して僕が見せたい訳じゃないけどさ…。

 

 

 

そして、パーツを受け取ってからの初の試合。

僕はなるべくISと似た動きが出来るように、軽量タイプの逆関節型にした。逆関節型の特徴はその足から繰り出されるジャンプ力であり、他の脚部タイプに比べ縦の移動に優れているのだ。

 

開幕、ジャンプにより隣のACを飛び越え背後を取る。相手はまだ気付いていない? チャンス!

 

ズドン!

 

『アーーーーーーッ!』

 

凄い…、なんて威力なんだろう。なんか変な声出してたけど一撃で倒せた。

これならいける!

 

2機目は厳つい見た目で、ほとんど動かないけど弾幕が激しかった。その為、ショットガンで牽制しつつ正面を避け背後から

 

『アーーーーーーッ!』

 

3機目、特に問題は無い。

 

『アーーーーーーッ!』

 

やはりまだみんなACに慣れてないのか、ISに比べると動きが緩慢だ。

次に狙うのは、あの黒い重量2脚。横目で見ていたが、センスある動きをしていた。

これも後一回しか使えないし、当てられるだろうか…

 

『試合終了。現在残っている五反田、デュノアの2名を勝者とする』

 

と、ここで合図が鳴った。

あ、もう終わってたんだね。五反田ってことは、あの黒いのは弾だったのか。

 

「弾も残ったんだね。おめでとう」

 

何故か返事は無かった。

 

そのあとの夕食時に、弾からあらぬ疑いをかけられ、あの武装について聞かれる。

ちょっと説明の時に矛盾が出そうになったけど弾は気にしてはない様子。

ちなみにパーツの名前を「KIKU」だと教えると「きく? ………あぁ、なるほど…」と納得された。理由は教えてくれない。

 

 

 

そして今日、奇妙な事件が起きた。

この試合に勝ち抜いた4人が大体育祭のクラス代表選手になることができる。

大体育祭には外来からの観客に加え、テレビ放送もされるからパーツの宣伝にはうってつけだ。

そう思っていた時だ、

 

『…用意はいいな。それでは、試合始め!』

 

ビィィーーーー!

 

あれが降ってきたのは。

 

『……何だ…あれ?』

 

人型…あのサイズは……IS?

所々損傷してるけど取り敢えず無事には見える。

 

『お、おい。お前ちょっと見てこいよ…』

 

『はぁ? なんで俺が。お前か行ってくればいいだろ』

 

他の人達がなんかケンカしはじめてる。僕はどうしたら……はっ、そうだ先生に指示を…、あれ? 通信が繋がらない?

 

『いや、ここは俺が行く』

 

『お、お前ぇ…』

 

『大丈夫…なのか…?』

 

『なぁに、心配すんな。きっと隣のIS学園から事故かなんかでこっちに来ちまっただけさ。

そんなドジっ子相手になんの心配もない。すぐに証明してやるよ』

 

彼はそう言ってISに近づき、レーザーの攻撃を受けた。あぁぁ

 

『これ噂の、「だまして悪いが」というやつか…ガクッ』

 

あ、けっこう余裕そうだ。もう動けそうに無いが、改めてACの頑丈さを思い知る。

………ん? 改めて?

 

『これはもう決まりだな』

 

『あぁ、間違いないだろう』

 

一瞬嫌な記憶を思い出しそうになってる間に、あの二人はなにかを確信したらしい。ふと周りを見ると、他の皆も同調している。あれ、もしかして分かってないの僕だけ?

 

『カチコミだ』

 

『IS学園め、大運動祭を前に仕掛けてくるとは』

 

『なんで全身装甲なんだよ。ISスーツが見えねえじゃねえか!』

 

『こりゃあ、ちょっと許せんよなぁ』

 

そう言いながら、みんな次々とISに向かっていった。

カチコミ? ACとISが仲悪いとは聞いてたけど、まさかここまでだったとは。

後半の見当違いな怒りは聞かなかったことにして、取り敢えず僕も向かおう…

 

 

その黒いISは、7対1という状況にも関わらず驚異的な立ち回りを見せていた。

 

『くっ、この機体を削り切るとは…化け物が…』

 

『おい! 助けろ! 奴がこっちに─うわぁぁ!』

 

IS特有の小回りの良さに加え、一撃の威力が高いレーザー兵器で各個撃破されいく。

 

『どうする。このままじゃ削りきる前にこっちが持たない』

 

『あいつはISにしては機動力がそれほどでもないが、全身装甲のせいか防御が固い。威力が高い武器じゃないとあまり効果がないな』

 

『こっちの武装で威力が高いっていったらシャルルのゲイホルグくらいだぞ』

 

「ゲイホルグってなに!? 僕の武器そんな名前で呼ばれてるの!?」

 

『で、どうだシャルル。行けそうか?』

 

「え、あ~確かに当たれば仕留められると思うけど、正直僕一人じゃ厳しいかな。機動力がそれほどでもないっていっても速いほうには違いないし、何よりACに比べてISは的が小さいから」

 

『なるほど、当てる為には奴の機動力を削ぐ必要があるってことか』

 

『よし、じゃあ作戦は決まりだな。シャルル以外の全員で敵の動きを妨害、もしくは止める。その隙を狙ってシャルルがケツをズドン! シンプルで分かりやすいな』

 

「ねぇ、なんでお尻って決めつけてるの?」

 

『さあ、行くぞみんな! あいつの尻の装甲剥がしてゆっくり拝んでやろうじゃないか!』

 

『『『オオォォォォォ!』』』

 

なにこの一体感…

 

 

皆、ISから距離をとり弾幕で動きを制限してくれている。

 

『シャルル、次に俺のスナイパーキャノンが当たった瞬間を狙ってくれ。さっき当てた時、思った以上に衝撃を受けていた。一時的に制御不能に出来ると思う』

 

「うん、わかった。任せて」

 

敵に気付かれないように期を伺う。

 

『くっ、もうダメだ、持たない。うわぁぁぁ!』

 

また1機やられてしまった。

まだか…

 

黒いISは被弾しつつも集中力砲火を受けないように動いている。

ショットガンが命中、。だけど距離の関係で大したダメージになってない。

バトルライフルがギリギリで避けられる。弾速が遅いと効果が薄いようだ。

今度は反撃の為か両手を前につきだしている。狙っているのは…僕!?

その瞬間、ISが大きくぶれる!

 

『今だシャルル!』

 

グライドブーストで急接近する。

敵はなんとか回避しようともがいているが上手くいってない。

間に合うかっ、

 

「当たれぇぇぇーーー!」

 

『Aaーーーーーー!』

 

命中し、吹き飛ぶ。

墜落し地面を滑ったあと、ISは動かなくなった。

 

『や、やったか?』

 

『ばか! そういうゆうこと言うな!』

 

『…いや、大丈夫だ。ちゃんと機能停止してる。しっかりケツの装甲も剥げて………あれ?』

 

よく見れば、残っているのはいつも集まってる4人。弾の確認で倒したことはわかったが、その本人は疑問の声をあげていた。

 

「弾、どうした『そこまでだ!』」

 

見れば、先生がACに乗ってアリーナに入ってきている。

 

『全員アリーナから退去しろ。怪我をしているなら保健室へ、それ以外は教室で待機だ。急げ!』

 

 

 

幸い怪我人は無く、全員で教室に戻ってきた僕らはさっきの出来事を話し合った。

 

「で、弾。あのISの中の娘は可愛かったかね?」

 

「そうだ! お前だけ堪能しやがってずりぃぞ」

 

割とどうでもいい話を。

 

「いや、それがよく見えなかったんだ。もしかしたらあのIS、見た目と中身の位置が違ったのかもしれない」

 

「そういえばあのIS、妙にごつかったな。小柄なやつならあるいは…」

 

「ロリッ娘か……」

 

いけない! これ以上この話題を続けるとついていけなくなる。

 

「そ、それよりさ。戦闘中先生たちに連絡できなかったけど、なんでだったんだろうね」

 

「え? あぁ、なんでだろうな。あいつ倒してから外部と通信出来るようになったし、あのISがなんかしてたんじゃね」

 

「ジャミング的なものが出てたってことか。あれ? でも俺らは普通にやり取りできてたよな。なんで?」

 

「いや……、それは俺もわかんねぇけど…」

 

「───それはAC同士の通信だったからだ」

 

「あ、先生…」

 

先生が教室に入ってくる。

 

「ACコアには元々コア同士で通信できるように作られている。それ以外との通信は、言わば後付けだ。あいつはそっちを妨害してたんだろう」

 

そうだったんだ。なんかISのコアネットワークに似てるな…

 

「あの襲撃に関しては公式に発表されるまで他人にしゃべるな。無駄な混乱が起きる可能性がある。

試合については最後に丁度4人残ってたようだし、そいつらがうちのクラス代表でいいな。

後は、……特にないか。帰っていいぞ」

 

来てすぐに出て行ってしまった。さっきの件で忙しいんだろう、…多分。

 

「俺らが代表だってさ。やったな」

 

「本番じゃテレビとかに映るんだよな。ちょっと緊張してきた。髪とか切っとこうかな」

 

「どうせACだから顔みえねぇって」

 

そうだ、これで僕も選手に選ばれたんだ。次があのパーツのお披露目になる。頑張らないと。

 

「ま、どちらにせよやってやろうぜ。

IS学園との戦争をな」

 

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