キングダム 回帰する者 作:李牧
「で、これからどうすんのよ?」
夜。一人で大きな桶に水を入れただけの簡易な風呂に入っていた李牧は、唐突に目の前に出現した翼の生えた少女に声にならない悲鳴を上げた。
少女の名はクロム。時の女神傘下の天使を自称するツインテールの美少女で、一風変わった変態的な服装をしている。こんな格好の少女を連れていたら騒ぎになるだろうと疑問に思うものもいるだろう。李牧もそれを危惧して普通の服装を着せようかと考えていたこともある。いくら李牧のカリスマがずば抜けているとは言え、流石に半裸の幼女を四六時中引き連れている所を見られたらカリスマも地に落ち、ド変態鬼畜野郎の蔑称は免れない。例え李牧が無理矢理させた格好ではなくても周囲の認識は押して知るべし。
しかし、幸いと言うべきか、クロムは天界でも仕事があるらしく、ずっと李牧と一緒にいるわけではない(てか、ほとんど天界にいる)。さらに、彼女の身に付けている衣服は全て特殊な効果を持ったオーパーツ。特に肩に掛かった透明の羽衣は他者に存在を認知できなくさせると言う超常の効果があるらしく、今のところ李牧以外に彼女の存在に気付いたものはいない。
もちろん、李牧が目の前に接近されるまで気付けなかった理由もこれだ。
李牧は唐突に触れるほどに近くに現れたクロムにぎょっとして、桶の中で腰を抜かすのだった。
「───!!!───!!!───!!!」
「今戻ったのよ。元気そうで良かったのよ」
「もっと普通に登場しろと言っているでしょ!心臓止まるかと思いましたよ!」
李牧、心からの叫びであった。
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「で、これからどうするのよ?」
「どうするとは?」
「もちろん、これからどこに行くのかって話なのよ」
「そうですね。まずは凱孟を仲間になるよう勧誘した後、紫伯領に行って紫伯を仲間に勧誘するつもりです」
「魏火龍七師の二人なのよ。霊凰が自陣営にもういるから後四人でコンプリートなのよ」
「あ、今回は他の魏火龍七師は勧誘するつもりはないです」
「???」
「勿論彼等にも興味はありますが、優先順位は低いですからね。私が見た限り霊凰、紫伯、凱孟、呉慶の実力は三大天クラスとほぼ遜色ない。それ以外の三人の実力は三大天の副官クラス程度でしょう。彼等も悪くはありませんが、やはり紫伯や凱孟らと比べると一段劣る。あと彼らって気付いたときには何時も紫伯に殺されていて情報があまりないんですよ」
「なるほど。勧誘の方向性を決めかねてるってことなのよ」
「その通りです」
李牧こくりと頷く。
「と言うことで今回は無視します」
「じゃあ、夜も遅いし今回はこのくらいにするのよ」