【完結】ルビーがお姉ちゃん   作:座右の銘

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家族と友達

「アクアー。学校遅刻するよー。早く起きなさーい。」

 

今日は珍しくアクアが寝坊している。私がアクアに起こされることはあっても、アクアを私が起こしに行くなんて本当に珍しいことだ。

 

「入るよー。」

 

遠慮なく部屋に入る。そこには布団にくるまって寝ているアクアの姿。どうせ夜更かしでもしたんだろう。ここはお姉ちゃんがビシッと叱ってあげないとね。

 

布団をつかみ、一気に引き上げる。するとそこには、スマホを片手に眠る可愛い弟の姿。ほらやっぱり。スマホ弄ったまま寝落ちしてるな。

 

でも何だろう。ちょっとアクアの顔色が悪いような。

 

「おはようアクア。なんかあった?」

「お゛姉ち゛ゃん…」

 

目を開けて私を見るなり、急に抱き着いてきた。どうしたんだろう。涙まで浮かべて。昨日の夜まではあんなに元気だったのに。何か嫌なことでもあったのかな?そういえばアクアはスマホを持ったまま寝てた。これが原因?

 

…まさか、いじめか!?

 

「ミヤコさーん!」

 

お姉ちゃんとしての勘が強い警告を発している。これは結構やばいやつだ。こういう時アクアを一人にしてはいけない。そうだ、緊急で家族会議を開こう。私とミヤコさんでアクアを虐めから守るんだ。

 

リビングに家族三人で集まり、アクアの事情聴取が始まる。学校にはミヤコさんから休みの連絡を入れてもらった。

 

「アクア。スマホみせて。昨日スマホ見ながら寝たんでしょ?」

「うん…。」

「どれどれ…、ってなにこれ。アクアとあかねちゃんの悪口でいっぱい!」

「ルビー、貸しなさい。…あぁ、見事に炎上したわね。アクアがこうなるのも無理ないわ。」

 

アクアの異変の原因は今ガチの炎上だった。昨日の放送ではあかねちゃんがゆきぽんに怪我をさせていた。それに怒ったファンたちがあかねちゃんを攻撃し始めたのだ。その時あかねちゃんを庇うような行動をしたアクアも一緒に叩かれているとういう事らしい。

 

隣で俯きがちに会話を聞いているアクア。辛そうな表情だ。こんなに落ち込んだアクアを見るのはあの時以来、ママが死んでしまったとき以来かもしれない。とにかく、ただ事ではなかった。

 

「アクア、とりあえずスマホを見るのは禁止します。ルビーに預けておくから、何か連絡が必要な時はルビーに言いなさい。何か今ガチ関連であなたの対応が必要なら私から言うわ。」

「うん。」

「それから、学校には行きなさい。こういう時は一人で考えこんじゃだめよ。出来るだけたくさんの人と一緒に居るようにしなさい。」

「分かった。」

「五反田監督にも連絡しておくわ。大好きな映画作りの話でもして、早く元気になりなさい。」

 

ミヤコさんは粛々と今後のアクアが撮るべき行動を教えてくれた。その話し方は迷いが無くて堂々としている。うん、ミヤコさんの言う通りにしておけば安心だ。先輩もミヤコさんの事は信頼してるみたいだし、こういう芸能界の闇への対処法は良く分かってるんだろう。

 

ならば今私にできることは、これだ。

 

「アクア、ぎゅってしてあげる。こっちおいで。」

「お姉ちゃん…ありがとう…」

 

アクアを抱きしめて頭を撫でてあげる。一緒に生まれてからこれまで、数えきれないほどたくさんこうしてきた。効果は折り紙付きだ。どんなに辛いことがあっても、これをしてあげれば必ずいくらかは元気になる。

 

そろそろ落ち着いてきたかな。そう思いアクアを離してあげると、先ほどよりも表情が明るくなっている。さすが私。見事にアクアを元気にしてしまった。

 

「その様子なら問題なさそうね。ルビー、アクアを頼むわよ。」

「まっかせて!」

 

取るべき行動は分かった。アクアも徐々に元気になってきている。後は、いつも通りに過ごして時間が過ぎるのを待つだけだ。大丈夫。アクアは炎上なんかには負けない。私がそうはさせないよ。

 

・・・

 

学校には昼休みが始まる頃に登校し、いつものメンバーでお昼ご飯を食べる。今日はフリルちゃんも一緒だ。

 

「アクアさん炎上してるけど大丈夫?」

「ああ、不知火さん。とりあえずは大丈夫だ。スマホはお姉ちゃんが持ってるし、しばらくはSNSから距離を置くことにするよ。さすがに昨晩はメンタルに来たけどな…。」

「そう。くれぐれも心を病まないようにね。見る人が増えるほど、意味不明な言いがかりも増えるから気を付けて。」

 

フリルちゃんには毎日のようにたくさんの人からコメントが来ている。応援や称賛が多いのは知ってるけど、どうしたって意味不明な暴言はゼロにはならない。さすが国民的美少女。そんな彼女だからこそ、アクアにかける警告の言葉には重みがある。

 

「アクア君、無理だけはせんといてな。ウチも居るから、いつでも相談してええからね?アクア君の味方はお姉ちゃんだけやないんやから。」

「みなみちゃん。概ね賛成するけど私のアクアを誑かすのは絶対に許さないからね?」

「お姉ちゃん!」

「あはあ…さすがやわぁ。でもこれだけ元気なら大丈夫そうやな。」

 

みなみちゃんが居てくれて良かったと思う。なんというか、癒しのパワーが凄い。ついつい和んでしまう柔和な雰囲気を持っている。

 

でもみなみちゃんのおっぱいは危険だ。初めて会ったときはアクアも顔を赤くしていたし、私も目を奪われてしまった。私にもGカップのおっぱいがあれば、それでアクアを元気にしてあげることが出来るのだろうか。いやそもそも、Gじゃないといけないことも無いんじゃないか?

 

…やってみるか。

 

「あれ、お姉ちゃん。急に立ち上がってどうしたの。むぐっ」

「どう?アクア。お姉ちゃんのおっぱいで元気になった?」

「やめて!マジでやめて!皆が見てるだろ!?これはこれで精神的にキツイ!」

「いいのいいの、私は気にしないよ?」

「俺が気にするんだよ!恥ずかしい!」

 

強制的に脱出されてしまった。何が恥ずかしいものか。アクアはどこに出しても恥ずかしくない私の自慢の弟だというのに。

 

(さすがブラコンお姉ちゃん。容赦ねぇな。)

(距離感バグりすぎでしょ。)

(皆が見てなければいいのかな…。)

(目の保養になるわ。もっとやって頂戴。)

 

いつものようにひそひそ話が聞こえてくる。私の包容力に皆驚いているようだ。ていうか、最後のはフリルちゃんだよね。

 

「アクア元気でたね。良かった良かった。」

「もっとやり方があるだろ…。まあお姉ちゃんがおかしいのはいつもの事だからもう何も言わないけどさ。」

「そうね。あなた達はこのままでいいと思う。」

 

後に先輩に聞いた話によると、またしても私とアクアが高校中の噂になっていたらしい。

 

『星野アクアお姉ちゃんのおっぱいで復活』

『星野姉弟の仲は不知火フリルのお墨付き』

 

なるほど、皆アクアの可愛さに骨抜きってわけね。

 




アクア復活。
お姉ちゃんとミヤコさんがバックについてるので、炎上対策は完璧です。芸能科なので友達も炎上の苦しみを分かってくれます。

次回はあかね。
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