猿展廻戦 作:NHM
やっぱり人外魔境決戦は最高だよねパパ
後今回猿濃度がめちゃくちゃ高いんだ 悔しいだろうが仕方ないんだ
「私はキャプテン・マッスル
このメールを見てる君は選ばれし者
3000万円を掴むチャンスを与えられた強き者
単刀直入に言おう 日本にいるある少女をぶちのめしてほしい
名は天内理子 星漿体で"天元との適合"を可能とする少女だ
もちろんめちゃくちゃ弱い
しかもこの戦いには絶対守らなければならない条件がある
天内を倒すには呪術でなければならない
銃や刃物などの猿の使う武器は使用禁止
なぜなら万が一にも"融合"をさせてはいけないからだ
何よりも"融合阻止"が大事なんだ
ぶっちゃけこのガキの命なんてどうでもいいんだ
”融合"さえ阻止できればなぁ
さぁ腕に自信のある者は今すぐ日本へ行け
天内を失神KOさせろ
急げっ 乗り遅れるな 3000万円を掴むんだ
"セイショウタイ・ラッシュ"だ 」
「なんじゃあこのクソスパム・メール!妾は格闘クソマンガで出てくるクソ主人公かあッ!なめてんじゃねえぞこらあッ!」
沖縄で囚われていた黒井を
「どうする?悟」
「俺たち最強だしこのまま沖縄いてもいいだろ」
彼らが沖縄に居続けることを決めたのは彼らが最強だから、というだけではない。四方を海に囲まれた島であるので空港等入る手段が少なく、空港の検問を後輩に押し付けさえすれば天内一行は安全に沖縄観光できるからだ。
最も、天内が安全のために高専に早く行きたい、などといった場合は話は別だが。そして天内のスパム・メールに対する怒りが落ち着いた頃、夏油は口を開いた。
「理子ちゃん、海水浴、したい?」
「したい!めちゃくちゃしたいのじゃ!」
「じゃ、決定だな。」
五条は笑みを浮かべると付近の海水浴場を調べ始めた。なお、海水浴費は経費として認められることはない。
◆◆◆
バシャバシャバシャ
15:06。海の側、夏油はビーチ・パラソルの下で五条と天内の早泳ぎ対決を見ながらご当地トロピカル・ドリンクを飲んでいる。思う存分リラックスしているようにしか見えないが彼は十分仕事をこなしている。話をすれば─
「5000万の懸賞金なのに油断してんのかよ。この出会いはマジ天啓だよね。もう殺るっきゃ無いよね」
奴の名は椎名・陣。呪術を受け入れなかった両親をメッタ刺しに殺害したおかしな奴だ。だが探知型の呪霊により夏油に補足された彼はもう長くない。呪力強化された低級呪霊によりボコボコにされ動けなくなった後屈辱KOされた写真を取られ現地の補助監督に引き渡された。
なおこのような野蛮人はもう三人目である。天内にショックを与えないようにこっそりぶちのめしているためとはいえ処理するのは面倒くさく、いい加減夏油もうんざりし始めている。
ピロピロピロ
夏油の携帯電話が鳴り響く。発信元は後輩、七海建人だった。
「どうしたんだい、七海。なにかあっ「呪詛師たちがゾンビのように沖縄に侵入してきた!すごい数の呪詛師が集まってきている!」
そして一緒に写真も送られてきた。
そこには品行方正とはまるで無縁の危険なオーラを纏いながら続々上陸、金鉱を掘り当てた”ゴールド・ラッシュ”ならぬ理子の”死体”に群がる "セイショウタイ・ラッシュ"。泣いて詫びている弱者に対し冷徹非情にぶちのめす
それを見て流石の夏油も灰原達後輩がコレ自体はスルーし空港付近の交通を遮断するだけして時間稼ぎし、最強コンビに投げてきたのも納得した。
なにせ畑から取れているのかと思うほどの数の呪詛師だ。しかも一部は一級術師にも対抗しうるのではないかと思うほどに強さが感じられるやつもいる。
流石に今の夏油ではこの数の野蛮人を天内に気取られず倒すことは難しい。だがこちらには
「…マジか。だっっる。でもまあしゃーねえか、俺空港向かってそいつらぶちのめしとくからオマエは予定前倒ししてカヌーのマングローブ見学に天内連れてっとけ。昼飯までには戻る」
「分かった。だが大丈夫か。昨日から術式を解いてないだろ」
「最近活法ある程度使える様になってきてある程度の疲労は軽減できてるからマイ・ペンライ!」
◆◆◆
16:00。五条悟、空港に現着。帳を降ろし空港内に入った。そこには─
「俺たちタチ悪いよなあ、根っからの呪詛師のくせに呪術だけは真面目にやってるからメンタルもフィジカルも鍛えまくってるし、術式もあるし…3000万もかせぐしな」
「あ…あの自分3000万欲しいんスよ。天内ぶっ殺していっスか?」
「…ったく競合相手は少なくしてくれよ」
「やらせろ。早く天内理子をやらせろ」
「3000万円がほしいですね…天内を殺してね」
「私は呪詛師。3000万をいただけることに喜びを感じる」
「星漿体なんてワシが3000万稼ぐための獲物やんけ、なにムキになっとんねん」
「クククク…天内理子は3000万、本体の弱さ、そして呪術界への影響を持ち合わせた完全標的だァ」
「どうして早く高専に行かずに沖縄にきたの?まあ狩りやすくなったから文句は言わへんけどなブヘヘヘヘ」
「みんなで星漿体を狩るから尊いんだ。絆が深まるんだ」
「ムフフフ、営業はスパム・メールを受け取るまで。それ以降は呪詛師に変身するの」
「いくらなんでも野蛮人が多すぎるだろうがよえーっ!てかコレ報告よりも増えてね?まっ俺は最強だからバランスは取れてるんだけどね。しゃあっ!五条家流・術式順転『蒼』!」
そう言うと五条は蹂躙を始め、ものの6分42秒で全員が捕縛、そのうち四割は再起不能となった。その中には準一級呪詛師にして組屋と並ぶ呪具のエキスパート、金のためなら親の敵であっても呪具を売る男”呪具商人”有働征二も混ざっていたが関係なく捕縛されたよ。呪具は高専で引き取ってある。
◆◆◆
同時刻、盤星教中核施設。
「クソッ!あの伏黒とかいうやつ本当に殺せるのだろうな!今のところすべてやられているだけではないか!」
信者が隠し撮っている天内一行の中継ビデオを見ながらキレているこの男の名は園田茂、盤星教代表役員にして天内理子の暗殺を依頼した張本人である。
彼は天元の不純化を防ぐためとはいえ暗殺の手付金として3000万、さらに甚爾から送られてきたクソみたいなビデオを宗教法人特有の闇のフィクサーとのつながりを利用しスパム・メールにして全世界に送りつけるなどの数多の支援を行い、天内理子暗殺に非常に多くのコストを費やしている。
それにも関わらず野蛮人が尽く無意味に散っているのだからいくら削りだと理解していても、非戦闘員の園田には焦りが生まれざるを得ない。少しでも落ち着こうと一般人では全く手が届かない価格のワインを開けてグラスに入れ、口に入れたその時。
「商売繁盛だな!園田」
姿を表したのは顔を横一文字に通りゆく傷跡が目立つ、全生物を探してもなお比類するもののない肉体を持つ男、即ち悪魔を超えた悪魔、鬼龍である!彼は天元がまだ若く、美人と言える姿であった頃の肖像が描かれた大きな絵画の目の前に邪気と形容すべきオーラを纏って立っていた。
「厳重な警備をかいくぐってよくここに…」
鬼龍はその言葉に答えることなく開けてあったボトルからグラスにワインを注いでゴクリと喉を潤した後、椅子にまるでこの場の主人であるかのように据わって口を開いた。
「天内理子の懸賞金を取り下げて今すぐ暗殺を中止させろ。」
「なっ…なぜそれを!」
鬼龍はそれに答えることなく睨んだだけだった。だがそれで十分な返答である。なぜなら─ダニが指図するのか?─と言う意志を伝えるには十分であるのだから。だが園田にとってその返答は不満足極まりないモノである。怒髪天に至った園田は隠し持っていたボタンをポチリ押した。
「舐めるな鬼龍ッ!呪詛師である貴様を殺しても術師は動かん!そして呪霊でない貴様を殺すのに呪術はいらん!」
そう言うとドアがバゴンと開かれ自動小銃やナイフで武装した完全武装の信徒兼兵士が一気になだれ込む。無論日本では違法の品物ばかりだが闇のフィクサーと付き合いがあるがゆえに揃えられたのである。
「鬼龍を撃ち殺せ!」
園田のその一言ですべての小銃が日を吹き始める!人がそれに当たればものの数秒でミンチになってしまうであろうその火力。生きていられるはずもない。
─最もそれは、相手が人間の話だが─
信者達が10秒ほど撃ち続けた頃、明らかな異変が起こる。それは銃声が一つ、また一つと消えていくことだ。土煙により視界が塞がれているが原因は分かる。鬼龍だ。
「狼狽えるな!こちらが多勢であることに変わりはない!落ち着いて行動しろ!」
園田は一周回って肝が据わったのか的確な判断を下し始める。だがそれも怪物の前では無価値に等しい。ワン・ヒット・イコール・ワン・キルを体現した鬼龍の暴力は、完全武装の信者を僅かな時間でただの肉塊に変えた。
そして土煙が鎮まった時。園田の目にある光景は倒れ伏し血を流している信者と、肉塊の山を踏みつけにして立っている傲岸不遜の嗤う龍、鬼龍だけだった。
それを目にした園田は失禁しそれを恥じるよりも早く逃げだした。だが逃亡を許す鬼龍ではない。言葉にならぬ声しかあげられなくなった園田を捕まえた。
「安心しろ、すぐに殺しはしない。ただただ苦しみ続けてもらう。塊蒐拳!」
その拳は鬼の烙印。長兄、尊鷹程の精度ではないとはいえ人を苦め殺すには十分過ぎる代物だ。その拳を受けた園田は腹を抱えて蹲り、僅かに震えた後嘔吐した。
「せ…せめてこれだけは聞かせろ。な…なぜ天内理子の暗殺中止を要求した…」
痛みに覆われた園田は言葉を放つと言うそれだけにも死力を尽くし鬼龍に聞く。鬼龍は悪魔のような笑みを浮かべると髪を引っ張り上げ鬼龍の眼前まで園田の顔を持ち上げた。
「貴様らの利益のためだけに女を殺す…その態度は俺にとって十分軽蔑しぶちのめすに値する。
それに…天内理子は
◆◆◆
都内某所、競馬場にて二人の男が座っていた。一人は伏黒甚爾、天与呪縛のフィジカル・ギフテッドにしてキャプテン・マッスルのメールの送り主だ。そしてもう一人は孔時雨、元刑事にして裏の何でも屋のような男だ。
「甚爾、順調にキャプマスで3000万の懸賞金のこと知った賞金狙いの呪詛師は五条を削ってくれてるみたいだぞ」
「おー、それは良かった。むしろあんなスパム・メールでよくそんなに呪詛師来たな。俺なら絶対行かねーよ、あんな怪し過ぎるメール」
「しょうがないだろ。こないだクローン関係でアメリカ軍と揉めた時の後始末に前金の3000万既に使っちまったんだろ?信頼のある裏の懸賞金サイトだとちゃんと懸賞金持ってないと掲示できないようになってんだよ」
そんな二人に一人の頭のバーコードに横一線の切り込みが入った男が近寄る。その男は夏場であるにもかかわらずピッチリとした黒の下着の下にコートを纏い、しかしがらそのような服装の上でも筋肉質だとわかるほどに強靭な肉体を持っている。
「甚爾、軽食を買ってきたよ」
その口から放たれたのは肉体と反比例するかのような子供のような言葉。まるで無理矢理子供が大人のフリをしているような…そんな言葉だ。そして扱いされていた軽食─タコ焼きとビールだ─を甚爾に渡すとそばの椅子に座った。
「お、甚爾。そいつが噂のアメリカと喧嘩してまで手に入れたクローン人間兵器、ガルシアか」
ガルシアと呼ばれた男は顔を不快そうに歪めた。それは彼にとっての地雷であるからだ。
「もうガルシアじゃない。悪魔王子だ」
あ…あの自分高評価と感想でめちゃくちゃモチベーション上がるんスよ
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