猿展廻戦   作:NHM

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この話から首狩りシブヤ事変御突入だあっ!
まっ気にしないで 多少生存者が変わったり0とか起首雷同編が猿空間送りますけど大枠は原作通り進みましたから


BTTLE.5 トダーの威力

 2018年現在、特級の座に座る術師は6人存在する。“ 蓋世不抜の超人“宮沢鬼龍。“500億トン“九十九由基。“最強を超えた最強“五条悟。“ジュレイ・ラッシュ“夏油傑。“呪力・モンスター“乙骨憂太。そしてー

 

◆◆◆

 

ートダ丸。一応最終確認で聞くけど私たちから離反するってネタじゃないよね?」

 

 都会から遠く離れた山奥のダム地下。そこには三人の特級が集結していた。羂索、真人、そしてトダ丸。トダ丸の離反の知らせを受け集結したこの空間には殺意と嫌悪が入り混じる虹色空間だった。

 

 「ガチだ。教えてくれ。“京都高の人間には手を出さない“。この縛りを破った下衆はそれほど価値のある奴らなのか?」

 

 トダ丸はそう吐き捨てるとボロボロの体に鞭打ってその肉体を起き上がらせその目に殺意を灯した

 

 「ククク酷い言われようだね。事実だからしょうがないけど。まあそんなにやる気満々ならさっさと治して殺りあうとしよう。真人」

 「ハイハイ、クククククありがたく思いなその下衆以下の肉体に俺のゴキゲンな術式をぶち込んでやるぜ」

  

 真人が術式を使用し次の瞬間、バキッバキッと言う音と共にトダ丸の肉体が変形し包帯が解けていく。体を軽く動かし完全に健康体になったことを確認した瞬間、後ろから数体のロボットが真人へと襲いかかり、その一撃で真人の体は数メートルほど吹き飛ばされる。無論魂に響かない一撃であるのでダメージこそないがそれは真人に衝撃を与えた。

 

 「真人ヲ祓エッ!」

 

 そしてそのまま大量のロボットが多勢に無勢と言わんばかりに襲いかかり真人をリンチし始めた。真人は魂を変形させてなんとか逃れようとするも延々と殴られ続けて有効な反撃が取れずにいる。

 

 そう!これこそがトダ丸を特級へと押し上げた最大の要因、試作品(プロトタイプ)トダー!その一撃の破壊力は3トンオーバー、さらに速度も時速100キロを超える速度を持ち、さらにある程度の自己再生能力や自律思考能力まで兼ね備えたアメリカ軍製作の極秘アンドロイド。その設計図を極小の傀儡によりアメリカ軍基地より回収したトダ丸は自らの術式、傀儡操術により量産、さらに天与呪縛によりただでさえ高いスペックを呪力により強化し広範囲で無尽蔵に操ることも可能。現に真人が数体を戦闘不能に持ち込むことはなんとかできていたがそれは全体からすれば僅かな数。

 

 (今の真人へ攻撃から推定できたパワーや自己修復能力から算出するにトダー一体一体の戦力は一般的な一級術師に匹敵する。そして恐らく操れるキャパに制限はなさそうだし特級要件の国家転覆も無尽蔵のトダーを用いれば可能だね。今彼の姿が見えないことからして何かしらの隠し札もありそうだ。なるほど、現代の術師にしては、いや、だからこそか。なかなかどうして特級術師(規格外)!)

 

 と、羂索が考えた次の瞬間、床にヒビが入りそのまま建物そのものが倒壊し始める。その衝撃でトダーと距離が取れた真人と羂索は各々外へ逃げ出した。そしてダムのヘリに立った真人が目にしたのは背面から何本物メカ・アームが取り付けられている白鯨を思わせるほどの大きさの超巨大人型ロボット、即ち究極(アルティメット)トダ丸絶対形態(モード・GKドラゴン)が顕現した。そしてそれと同時に━

 

 「領域展開、『自閉円頓裹』」

 

 真人の世界に塗り潰される。同時に究極トダ丸は地べたにその身を這いつくばらせ目のライトも消える。

 

 「はい、お終い。正直あのままトダーに押され続けると負けはしないまでも結構面倒臭い。だからさっさと触らずとも殺せてトダーと隔離できる領域で終わらせた。多分花御や漏瑚だったら殺せてたかもしれないんじゃない?まあ結局のところの敗因は魂に響く攻撃がなかったこと。ダメージ無視の限界を狙ったのかもしれないけどちょっと作戦に夢と希望を詰め込みすぎじゃない?」

 

 そう言って真人は踵を返した次の瞬間、真人の中に極小の世界が突き刺さる。咄嗟に真人は体を無理やり変形させて抜け出した。その顔に先ほどまでの余裕は既にない。

 

「来いっ!真人!この日のために自費で取り寄せたシン陰流の簡易領域という代物だ!しっかり引きつけて最強の銛を打ち込んでやる!これは道具なんかじゃない!お前を殺すための兵器なんだ!!」

 

 (簡易領域を打ち込まれ術式関係なくダメージを受けた!自閉円頓裹に耐えてんのもそれか。でも簡易領域が解除され次第無為転変をぶち込めるしデカブツ以外のトダ丸も隔離できてるから領域には価値がある。このまま解かないで戦った方がいいな)

 

 思考の直後、真人は喘ぎながら軽く十数体ほどの改造人間を生み出す。領域内でのバフを受けた改造人間は等級にして一級術師程度、奇しくもトダ丸と同等の戦力となる。

 

 「さ、多勢に無勢、ってやつかな」

 

 究極トダ丸に突撃したそれらは、背面の四肢の射程圏内に入った瞬間血の霧と化した。亜音速で動く触手のような背面腕に叩き潰されたのだ。その異様な破壊力は究極トダ丸の四肢はトダーと同じアメリカ軍製ロボ、GKドラゴンのギミックがそのまま転用、呪力強化されることにより実現されており、その破壊力はトダーとは比較にならない。

 

 しかし破壊力を出す手段は真人も持っている。トダ丸の攻撃の隙にカモシカのような形状に足を変化させ高速で究極トダ丸の背後まで回り抜けると拳が変形し霊長類最強生物ゴリラの形状となる。アンバランスなそれは領域内であるため本物と等しい、いやそれ以上の腕力を持つ!そしてその形状により生み出される破壊力はガードに回した腕ごと粉砕しても尚止まらず背面装甲にヒビを入れることに成功する!

 

 無論ただで腕をくれてやるほどトダ丸はお人よしではない。その衝撃に特大のカウンターパンチ、即ち簡易領域を真人に再度発射した。初回ほど正確に狙いがつけられなかったそれは偶然にもゴリラ化していた腕の付け根に突き刺さり、爆裂!そのまま腕を欠落させるに至る。吹き飛ばされた真人はクルクルと空中で回転し着地。再び体勢を立て直した瞬間、呪力の籠らない鉄の拳で吹き飛ばされた。宙を舞う真人が見たのは至って通常の、しかし領域外に隔離していたはずのトダーだった。

 

 (マジか!どっから入ってきやがった!領域に穴が開けばそれは知覚できるはず、そもそも呪力がないのに…そうか、呪力がないからか!)

 

 ━トダーは呪力を持たない。そのため呪術においては建築物と同様に扱われる。しかしながらトダーには建築物とは異なる点が二つある。一つは超高精度のセンサーにより傀儡操術の支配下になくても擬似的に呪霊などといったものを知覚できること、そして二つ目が関西弁を理解するほどに高度のAIが搭載されているため擬似的な意識を持つこと。これらが何を意味するか?そう、トダーは呪術的にかの伏黒甚爾と同じ、完全なフィジカルギフテッドと同じ扱いとなる!

 

 そしてこの瞬間真人の脳裏に敗北の2文字が浮かび上がった。トダーの増援は先ほどのような改造人間を用いた攻撃が極めて難しくなることを示しており、必然的に真人と究極トダ丸の一騎討ちになる。だが究極トダ丸は十数年の莫大な呪いが込められた逸品であり未だ万全に近い。それに対し真人は既に二度簡易領域を打ち込まれており、これ以上ダメージを受けると領域を維持しきれなくなってしまう劣勢にある。

 

 「チイッなんだってトダーなんかが領域内に入ってくるんだよ!」

 「真人よ、京都高を襲ったお前を俺は絶対に許さない。いかなる理由があろうとも一方的にお前は殺されるんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ」

 

 トダーの侵入により戦況が大きく変わり、真人が改造人間を、トダ丸がトダーを互いに大量に呼び込んだしたその瞬間、真人の世界に光明が走る。簡易領域を纏った羂索が領域内へと侵入してきたのだ。

 

 「真人大丈夫?簡易領域がモロにヒットしたみたいだけど」

 「ああ、どうということはないよ」

 「強がりはやめた方がいい。領域を保持するだけでもだいぶキツイだろう。ま、そういうことでちょっと獲物譲ってくれないかい?渋谷前に新しく手に入れた術式の試運転をしておきたい。いいかな?真人」

 「…はぁ、ま、いいか。じゃ、後は高みの見物するから後はよろしくね〜」

 

 そう言うと真人は改造人間を即座に回収、領域を解き両手を鳥へと変え飛んでった。後に残るは数多のトダーとダムの上に立つ羂索、そして背後の触腕こそ失ってはいるが依然としてその巨体を保っている黒鉄の巨人。ここからが第二ラウンドの始まりだ。

 

 「さて、ここからは私が相手させてもらうよ」

 (よし!大量のトダーと万全の呪力チャージ、そして簡易領域一本を残したまま羂索と戦える!そして今の領域を使用し消耗した真人ならば逃げて五条悟と連絡できる。ここさえなんとかできたら俺の勝ちだ。気合いを入れ直せ)

 

 「行くぞトダー!多勢に無勢だいっけえ!」

 その号令を皮切りに大量のトダーが敵を打倒せんと襲いかかる。だがその程度で羂索の表情は依然変わらず足から大量の血を吹き出させて宙に浮かぶと機械兵の軍団に向けて無造作に手を振るい、せいぜい音速の二分の一程度の速度の血弾をを射出した。全ての標的に寸分違わず当たったそれは、異様なまでの継戦能力を誇るトダーを一撃で機能停止させた。

 

 「トダーには致命的な弱点がある。それは君もわかっているはずだろう?」

 (やはり知ってたか。トダーはロボットの機構をそのまま流用しているため内部に水分が入られたら一撃で機能停止すると。だが今のであちらの手札も割れた。加茂相伝術式赤血操術だ。そしてそれは全て、見てきた!)

 

 究極トダ丸の腕に異様なまでの呪力が集中する。羂索の手に百斂により大量の血が集中する。それはどちらも溜めの時間。そしてその静謐はすぐに破られた。

 

 「呪力三年チャージ砲発射」

 「ま、赤血操術ならやっぱこれだよね。穿血」

 

 時間と血液、どちらも欠かせないもの同士がぶつかり合う。その結果は相殺。だが羂索の百斂は一つだけではない。すぐさま二発目の穿血を手から吹き出しそしてそのままトダ丸の本体を納める部分の…そばの虚空を穿つ。本来なら最速の域になければ見抜けないそれは、先の一撃を未だ残るトダーが録画していたこと、そして何より学友との経験がその回避を可能とした。

 

 (本来ならば相当に負担がかかる技だ。二連射もしたらいくら羂索でも隙ができる。このチャンス、逃しはしない!)

 再び腕に発光、そしてロマンをそそるSFチックな音と共に呪力が集中し始めた。此度のチャージは約十年。文字通り半生をかけた一撃が今放たれんとする!

 

 「これは運河だよ。圧縮した血液を君の近くに運ぶためにね」

 その言葉をトダ丸が理解するよりも早く血が弾け、その巨躯が地面へと伏せる。

 

 「この術式のことを知ってる君に何も対策せず戦うと思ったかい?これは超新星、百斂をビーム状にして放つ穿血とは違い破裂させる技さ。そして今その血が究極トダ丸の中に入り込んでショートさせてもうまともに動けないだろう?ま、今そっち行くから待っててくれ」

 

 羂索は空中を吹き出させた血を足場に悠々と歩きながらそういった。そして幸吉が座する場所まで辿り着くと懐から一つの注射器を取り出し動脈に注射した。すると羂索の腕が見る見ると肥大化していき丸太もかくや、と言う太さになった。そしてその腕を乱雑に振い、究極トダ丸ごと与幸吉をスクラップにした。

 

 幸吉の最後の瞼の裏、そこに残るのはどこまでも愛しく守りたい、水色の髪の少女だった。

 

◆◆◆

 

 「…はははっ!やっべー!なんだよあのパワー」

 空中を飛んでいた真人がトダ丸を終わらせた一撃を見た、壮絶なコメントである。まあだからといってどうしたわけもない。真人は地面に降り立ち羂索と合流した。

 

 「いやーさすがは特級、思ってたよりはやるね。一歩間違えてたら君祓われてたんじゃない?」

 「そうかもね、ま、本格的に特級相手したのはこれが初めてだけど本番前にいい経験できたんじゃない?ハロウィンに五条以外特級いるんでしょ?」

 「ああ、呪いの女王、折本里香と乙骨は遠く九州で特級呪霊の封印を剥がしておいたからそっちに回らざるを得ないよう細工をしておいた。けど夏油傑の方は色んな兼ね合いの都合上どうしようもなかったからね。ハロウィンにもおそらく参戦するだろう。

 まあ気にしないで、どっちみち五条を封印するプランにはなんの支障もないから。じゃあ早速行こっか」

 「行くって…どこに?」

 「ん〜色々かな。いゃ〜にしても、クククっ、役に立たないと思ってだ息子でも役に立つことってあるんだねぇ」

 「羂索息子いるの?キッショ」

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