葦原天理は巫覡である   作:氷桜

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・一応本日当主人公誕生日でしたね。
・中三位になったら此奴誘惑に耐えられるのかなぁ……


幕間2-6

 

全員で並んで取った夕食。

 

詳しくは聞いていなかったが、友奈の母親が父親関係で一日不在になるためとかで。

戻る明日の昼まで……学校のことを考えるのなら明日の朝まで、彼女は一人何だとか。

 

「何ていうか……昔より頻度増えたのか?」

 

「小学校の頃よりは増えた……っていうか()()()んだって」

 

故に、帰る時間を全員で遅らせ。

全員が近所で生活しているという都合もあり、居間で全員がゆっくりとしている状態。

 

唯一人、遅れて事情を聞いたせんちゃんが少しだけ不満げではあったが。

”友奈”という存在は、彼女にとっての大事な人(たかしー)に似ているというのもあってか。

何かを言うことはなく、代わりにその視線を俺が浴びていた。

 

「増やす?」

 

「お父さんが忙しくてね、あんまり家に帰ってこれないんだ。

 だから時々様子見に行ってるんだけど、その回数を増やすって話」

 

今までは私が小学生だったからできるだけ行かないようにしてたんだけど、と。

昔から多少は見知っている人だからか、その忙しさは俺自身も良く知っていると言えばそうなんだが。

 

「いつくらいまで続くんだ?

 ずっと昔に聞いた限りじゃ、もうすぐ後輩に引き継ぐって言ってた記憶なんだが」

 

「あー……その人が辞めちゃったみたいでね。

 多分……後五年くらいは続くかも……ってこないだ言ってた」

 

あー、と言葉が漏れてしまう。

と言うか、俺が近くに戻ってきたのもあるだろ……多分おばさんが頻度増やしたの。

昔と同じように面倒見てもらえれば、ってのはあるしそれを拒否もしないし。

 

それだけ信用されてる、と見れば良いのか。

男として見られてない、と思えば良いのか。

 

「……何かあれば、家に来ても大丈夫だからね?」

 

「うん、ありがと東郷さん」

 

眼の前で繰り広げられる美しい友情、と呼べる何かを見つつ。

友奈に用意して貰った目の前の湯呑……緑茶を一口啜れば。

ぽぉん、ぽぉんと小さく時間を示す音が流れた。

 

「あら……」

 

「もうこんな時間かぁ」

 

全員がふと時計を見れば、既に夜の20時。

ゆっくりしているにしては長すぎて、外は当然にもう真っ暗。

 

「流石に私は帰るわね……って言っても、隣に移るだけだけども」

 

「わっしー、私も~」

 

「はいはい、あんまりゆっくり寝てちゃ駄目よ?」

 

もう良い時間だから……と。

そんな言葉を述べながら、美森ちゃんが立ち上がればそのちゃんもそれに続く。

俺が知らない間(考え込んでる間だろうか?)にそう言う話が成立していたらしい。

 

まあ実際、暗い中で一人で帰すくらいなら俺が途中までは付き添うつもりだったので。

泊まっていく、というのなら別に俺は何も言わないし言えない。

ある程度定期的に、誰かの家に泊まるということが当たり前になっている俺達だからこそ。

 

「なら此処で解散にしとくか?」

 

「あ。 それなんだけどさ、天理」

 

「おう」

 

半ば中腰に為りかけたところ。

銀が此方を見上げながら、()()()()()()()()()()として話を振ってくる。

 

「アタシと千景さんは先帰るから」

 

「は?」

 

二人は、という所に重きを置いた話。

明らかに俺が違う、という言い方。

それってつまりどういうことだよ、と問い直せば。

 

「昼間言ってたろ、時間作るって」

 

「……言ったな」

 

ただ、それをするにしろ今度の休日とかのつもりだったのだが。

学校終わりは大体部活だし、再来週には亜耶に会いに行くつもりだったし。

 

……大赦の中の動きも少しずつ胡散臭さを感じているとか言っていた。

後、先生とかの都合も多少確認しておきたかったので。

 

「友奈一人で残すのも……ほら、()()()()()()()だろ?

 だからもう少し様子見て行くついでに話済ませておけよ」

 

「いやいやいやいや」

 

こんな時間帯に!?

相手は()()()()()だぞ!?

 

「親御さんもいねーのに流石にそれは……」

 

「……あの、天理君?」

 

「なんだ……」

 

言葉を言いかけ、表情を見。

表面に浮かび上がっていたのは、微かな焦燥と緊張。

 

朗らかな表情の仮面を被っている友奈にしては珍しい。

()()()()()()()()()()()、とでも思っていそうな顔色。

 

「……ごめん。 お願いできない?」

 

「いや、俺自身は頼まれりゃそれでいいけどさ」

 

本当に良いのか、という思いを込めて全員を見れば。

納得――――とまではいかないのだろうけれど。

それでも()()()()()()()()()()ように、否定する色合いは欠片も見えない。

 

「……まあ良い、分かった」

 

それだけ悩んでいる、と俺は判断した。

そして、それは多分――――俺に問うくらいしか無い、というのも理解した。

或いは、何かを確かめたいとでも思っているのか。

 

その辺りの細かい理由までは何も分からず。

そして、公言できるような内容でもないはずだ。

 

「ごめんね?」

 

「帰る気になれば直ぐ帰れる距離なんだ、気にすんなよ」

 

「ううん…………それでも」

 

無理を言ってるのは私だから、と謝るのを決してやめることはなかった。

ただ……その()()、という行為自体に違和感を感じたのも確か。

 

「……天理君」

 

「ん?」

 

家の前までは送ってこようか、と一度立ち上がり。

それぞれが荷物の片付けなどで動き回る中で、耳元で美森ちゃんが小さく囁いた。

 

()()()()()()()()()()()

 

「?」

 

「信じてるから」

 

何を、と。

問い直す前に、ひらりと身を翻された。

 

その場に置かれた、混乱混じりの俺の脳内。

そんな俺へ――――俺にだけ聞こえる声が小さく囁かれた。

 

『……私の因子のせいかなぁ』

 

唯、何を言っているかは分からずに。

混乱を更に加速させるだけで……玄関前まで見送りながら。

 

「帰ったらちゃんと言いに来いよー」

 

「……寝てるかも知れないけどね」

 

良く分からない言葉が、更に二つ。




・大前提として『主人公は知らない幾つかの知識』を女性陣は共有しています。
・発信元は神二柱。

・対照として成った存在。
・故に、それに近付くように精神性は変わっていく。
・それを支えなければ、人から変わってしまうと知っているから。
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