葦原天理は巫覡である 作:氷桜
~♪
ぴろぴろぴろぴろ。
それぞれ違う音で、ほぼ同時に聞こえた携帯端末からの音。
音だけで誰からかは分かるからこそ、少しだけ額に皺が寄ってしまった。
「葦原」
「あ、はい」
「額。 余り見ていて気分が良くないが……余り相性が良くない相手か?」
そんな俺の変化を見過ごさなかったのだろう。
卓袱台の向こう側で座る若葉さんが、自分の額を指で叩きながらに指摘と確認。
「いえ、逆です。 ……
今、この部屋には俺と若葉さんの二人しかいない。
話が半ばまで終わった後、外を見れば既に真っ暗な時間帯。
これから銀を拾って帰れば、それだけで普段の夕食の時間を二時間は遅らせる事になる。
何処かで食べて帰るのが妥当かな、と思いつつ席を立とうとして。
『……もしお邪魔でなければ、お二人もどうですか?』
今日中にある程度は話も終わらせたいですから。
何方の意思が強いのかは分からなかったが、話が完全に終わったわけでは無いのもまた事実。
どうしよう、と一度せんちゃんと顔を見合わせ。
長引かせるのも色々と面倒、という形で意見が一致し。
内心謝りつつ、文面でも当然謝罪しつつ。
用件と理由を並べ、例の……監視されているというアプリを介してそれらしく偽装し、連絡。
返ってきたのは『怒り』とでも言いたそうなスタンプだったので、多分帰ったら機嫌取りになりそう。
とまぁ、そんな事を挟んでからの突発的なお呼ばれの食事。
ひなた(と言い慣れてしまった)はエプロン姿で手慣れたように台所に立ち。
せんちゃんは眠っている二人の様子を窺いに向かい。
再びに、この場所に取り残されているという状態。
「……ひょっとして、先程の連絡の相手か?」
だからなのか。
それとも、話しかける切っ掛けを求めていたのか。
もう一歩、と踏み込まれた内容ではあったが……不思議と嫌悪感は浮かばなかった。
「とはちょっと違うんですが……まあ似たようなものというか。
銀を預けている、っていうのもなんか違うんですが……あー。
先代勇者のグループに届いた連絡音、みたいなやつです」
つまり、銀かそのちゃんか美森ちゃんか。
誰からのものかが分からないが、今の状況に関係ないというのも無いだろう。
状況に関しては銀だけでなく、その部屋に張ったというのもある。
だからこそ、少し遅れたこの時間に届いた内容が少し怖く。
気が重い、というのもまた事実。
なんだかんだ、俺も自分勝手に甘えてばかりだという自覚は年々強まっていたから。
「……だったら、早めに対応したほうが良いのではないか?」
「ちょっと勇気がいるんですよ……」
そんなものだろうか、と首を傾げられている。
仮に遅くなったとしても夕食は辞退するべきだっただろうか。
今更過ぎる事が脳裏に過りつつ、彼女が言う言葉のほうが正しいのを理解しつつ。
のろのろ、と動きを鈍らせてしまうのは悪い癖か。
「変わったやつだな……天理は」
「
目線を、ひなたの背中に向ければ。
若葉さんもそれを追い掛けて、同じものを視ることになる。
「…………そうだな」
ぼそり、と漏らした言葉にどれだけの意味があるのか。
まだ短すぎる付き合い故に、細かい部分までは理解できない。
ただ……同じものを共有した、という感覚だけは確かにあった。
「その上で……一応忠告しておくが」
「はい」
「経験上、こういうのは早めに済ませた方がいい。
……何も出来なくなる、と言うのは今では考え難いだろうが」
「いえ……そうですね」
ふっ、と笑った顔は……多分、自嘲が混じっていたと思う。
けれど、確かに人間らしい感情が滲み出した表情。
下手な女子が見かければ惚れそうだなぁ、なんて場違いなことを思いつつ。
手元で弄んでいた携帯端末の画面を確認した。
届いていた内容は
うち一つはつい先程連絡した先、というのもあって開きっ放し。
園子:『後で三倍返しね?』
美森:『もちろん全員によ?』
銀:『御愁傷様~』
そんな、彼女を置き去りにしたことを揶揄する内容で。
そしてそれに合わせて自分たちの要求を積み重ねてきていて苦笑い。
現状の三倍、って何をすれば良いのだろうか。
寝る時間とかまで費やせばそりゃ行けそうだが。
(……まあ、冗談交じりだろ)
二つ目……これはそのちゃんからの個人か?
園子:『これ、お裾分け。 来てれば直接見られたのにな~』
そんな文面に加えて画像……と言うより写真だなこれ。
何枚か張り付いているそれへと画面をズラして。
「ぶっ!?」
「ど、どうした?」
「い、いえ……なんでも」
其処に見えたのは、明らかに一般的に着ることを見込んでいない格好。
顔を真っ赤に染めながら、普段はタイツなんかで隠れている生足を晒している美森ちゃん。
銀も胸元を隠しながらに同じような格好をして。
そのちゃんだけはウキウキで自分のことを撮影しているのが分かる笑顔。
……いや、なにかと思えばまた仮装大会してたのか!?
あの部屋の何処に……いや、俺が立ち入ることを嫌がってた部屋があったか。
一人暮らしだって言うのになんでこんなもん溜め込んでるんだあの子。
(いや、なんで俺に送ってきてんだ……?)
十二分に眼福だし、厳重に保存はするけど。
当人たちに見られたら血反吐吐きそう。
そして……三つ目。
気付かない間に送られていたそれの送り主は風先輩。
仮想上の釦を押し込み、内容へと目を通して――――。
「あー……若葉さん」
「ああ」
「……近々、全員の都合合わせて貰うかもしれません」
そこに書かれていた内容。
暫く待ち……そして漸くに決意したかのような、短い言葉。
けれど、どれだけ悩んだのか知らない俺ではないからこそ。
『アンタの考えに乗るわ』
「何とか、先輩を口説き落とせそうなので」
……あの、若葉さん?
そこで何故「またか」みたいな顔なんですか?
スタイル良いと色んな格好似合っていいですよね。
活躍させたいキャラ上位二名
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若葉様
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ひなた様
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ぐんちゃん
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あんずん
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タマ先輩
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たかしー