星野ルビーは、幸福感に満たされた気持ちのまま、ステージ上で歌って、踊っていた。
ここから見える光景が、自分の目指していたアイドルという大舞台で、可愛い服を着て、アイと同じ歌を歌って、ファンが自分のカラーのサイリウムを振っている。そんな光景。
あの狭い病室の中で絶対叶うことがないと諦めていた光景が目の前にあった。
そして、ファンの中には、せんせもいる。さりなの世界の中で大好きで、結婚まで望んだせんせが、赤いサイリウムを大きく振っているのが目に映る。特別なファンだからウインクで合図して上げるとファンたちが大きく盛り上がった。
もしかしたら、これは夢じゃないだろうか、とルビーとなった人生の中で何度も考えた。もしかしたら、明日、目覚めたらあの狭い病室の中にいて、死を待つだけのさりなに戻っているのではないか、という恐怖に何度も怯えた。
でも、もうきっと今を疑うことはない。このドキドキもワクワクも、大好きという気持ちもきっと嘘じゃないから。だから、ルビーは、ファンに向けて愛を振りまく。
「みんなぁぁぁ! 覚えててくれた! 今のはB小町の曲で『STAR☆T☆RAIN』です!」
ルビーが話すだけで、わぁぁぁ、と盛り上がるステージ。今のルビーは、もう何も怖くない無敵のアイドルだった。
―――『アイの後継者』としてデビューした星野ルビーは、ジャパンアイドルフェスで、その地位を確かなものにしたのだった。
※ ※ ※
「ルビィィィィちゃぁぁぁぁん! ルビィィィィちゃぁぁぁん!」
観客席で赤いサイリウムを両手に持ってB小町Tシャツを着た雨宮吾郎が、声をからしてステージの上に立つアイドル―――星野ルビーの名前を叫んでいた。もっとも、ほかのファンも同じようなものなので、目立ってはいなかったが。
昨日の衝撃の事実はまだ吾郎の中では消化しきれていない。だが、今はそんなことはどうでもよかった。今はただ、目の前のステージで、あれだけアイドルを夢見て、志半ば散っていったあの少女が夢をかなえて、ステージの上で歌って踊っていることが、感無量だった。
昨日の話を気にしていないというのは嘘になるだろう。だが、今この時だけはすべてを忘れて、ドルオタらしく滂沱の涙を流しながら、推しのステージを見つめるのだった。
※ ※ ※
「ジャパンアイドルフェスの成功を祝って、乾杯!」
壱護の合図とともに、乾杯! とその場にいた全員で唱和し、グラスが鳴らされる。
ジャパンアイドルフェス当日の打ち上げ。昔のB小町の時にも行われていたように、壱護、ミヤコ、アイ、ルビー、アクアの秘密を共有している当事者だけで行われる内輪の打ち上げだった。なお、この場に吾郎も呼んだのだが、生憎、明日の朝一の飛行機で宮崎に帰るため、断念していた。最後までルビーは誘っていたが、さすがに医者の仕事としてはどうにもならなかったようだ。結局、アクアのあんまりわがまま言うと嫌われるぞ、という一言でホテルにいた吾郎が来ることを断念させた。
「いや~、しかし、あのルビーが、JIFでアイドルやるとは、俺も年取ったもんだ」
まさに生まれたときからずっとルビーを見ている壱護としては感慨深いらしい。営業では嗜むように飲んでいるであろう酒だが、今日は関係なく酔うように飲んでいた。飲んでいるのは祝い用に用意していた高級品で、滅多に開けないものだが、今日ぐらいは、と開けたようだった。
「まったくね……ついこの間までベビーカーでサイリウム振って、バズってたと思ってたのに」
「いや、それ特殊過ぎる状況だからね!?」
ミヤコが赤子の頃を思い出し、ルビーが思わずツッコムが、ノリノリだったのはルビーのほうだったことをアクアも覚えている。
そりゃそうだろ、とアクアも思う。いや、そもそもベビーカーでサイリウム振るうってどう考えてもおかしいのだが、記憶に残るのは間違いない。
「はぁ~、でも、ルビーがついにアイドルか~」
感慨深げに頷き、珍しく酒を飲むアイ。飲めるような年になったとはいえ、仕事も忙しくあまりゆっくりと飲めることは少ない。晩酌するような趣味もなく、こうして祝い事の時に飲むぐらいなので、あまりお酒に強いとは言えない。逆に、壱護、ミヤコはやたら強かったりする。
「あ~ん、もう! ルビー、可愛かったよ~」
「もう、ママ、お酒臭い~」
アイに抱き着かれ、文句を言いながらも、その顔は笑顔だった。憧れだったアイのようにアイドルとしてステージに立ち、アイに褒められたのだから無理もない。
「あ~、そういえば、ルビー、好きな人ができたんでしょう~」
きゃわわ、とルビーに引っ付いたまま、酒を飲みながら笑顔で談笑していたアイは突然、にやにやと揶揄うように笑いながら尋ねる。
大人たちが酒とちょっとした食べ物で飲み会を行う中、ジュースをちびちびと飲みながら、スマホで今日のJIFの新生B小町のエゴサをしていたアクアは突然のアイが聞く内容に対応できなかった。いや、まさか、ルビーもストレートに答えるはずが―――
「え!? ママ知ってたの?」
「ルビーのパフォーマンスを見れば、私みたいに嘘ついてるかどうかわかるよ~」
いや、それはお前だけだ、と壱護とミヤコは思いながら、アイの指摘に驚くルビーを微笑ましいものを見るような目で見ていた。アイドルとはいえ、公になっていない恋愛―――人を好きになることぐらいは許すものだ。アイの妊娠に比べれば可愛いものである。そう、普通であれば。目の前にいる少女はアイの娘であることを彼らは忘れていた。
「そうなんだ! ママ、私、婚約者ができたんだよ! アイドル卒業したら結婚するんだ!」
―――刹那、さきほどまでワイワイとはしゃいでいたリビングの空気が凍った。なお、アクアは手で顔を覆って天を仰いだ。漫画的な表現をすると時計の針の音だけが響くような空間だろうか。
「………アクア、お水」
「はい」
アイが水を求めるであろうことは分かっていたアクアは、チェイサー用に用意されていた冷えた水をコップに入れて、アイに渡す。渡された水を一気に飲み干すと、若干、青くなった顔のまま、改めてルビーに目を合わせて尋ねる。
「ルビー、ママ、ちょっと酔ってて、よく理解できなかったから、もう一回いいかな?」
アイがその言葉を口にしている間に壱護とミヤコも元々チェイサーとして用意していた水を飲み干していた。
「うん! いいよ」
実は言いふらしたかったのか、二度目となるのにルビーは笑顔でもう一度、この場を混乱の渦に陥れた言葉を口にする。
「私、婚約者ができたから、アイドル卒業したら結婚するの!」
「―――ぐっ」
少しだけ酔いが醒めた頭で聞いても同じ内容を口にするルビーにボディーに不意打ちを打ち込まれたように倒れこむアイ。喜ばれると思ったのか、あれれ? と不思議そうな表情をルビーはしていた。こいつ、能天気か、と事情を知っているアクアとしても戦慄した。
「ル、ルビー、婚約ってお前何考えてるんだ!?」
アイドルとしてデビューした当日に驚愕の事実を聞いて混乱する壱護が思わず口にするが、それは悪手だった。
「え? でも、ママは私の年齢で私たちを産んだんだよね? 婚約ぐらい大丈夫じゃない?」
「―――ぐはっ!」
壱護が一度経験した事実を口にして、ならば、この程度は問題なくない? と不思議そうに言うルビーだったが、それは流れ弾のようにアイにクリティカルヒットで直撃していた。その様子を見てあちゃ~、と思うアクアだったが、確かに内心にどんな理由があろうとも16歳で妊娠したのはアイだし、その間、休養として保護したのは壱護だ。つまり、ただ相手―――婚約としても―――がいるぐらいは問題ないと考えたのだろう。
「ルビー、やめてやれ。その事実は母さんによく効く」
「え? うん」
「うわぁぁぁぁん」
アクアとしてもこれ以上、母親をいじめるつもりはなく、ルビーに注意したが、そもそも、アクアもアイに精神的なダメージをよく与えていることを自覚していない。いつもはダメージを与えられる相手から慰められ、アイとしても泣きそう―――いや、泣いていた。
「そ、それで、相手は誰なの? 私たちが知ってる人?」
このままでは話が進まないと思ったのか、呆然としている壱護と床に倒れこんで泣いているアイをひとまず横に置いておいてミヤコが話を進める。
「うん! よく知っているよ!」
満面の笑みで答えるルビーだったが、壱護もミヤコも脳裏に知っているルビーと同年代の男性を思い浮かべるが、思い当たる人物はいなかった。そもそも、年齢が近く、ルビーと婚約するほどに仲がいい男性などアクアぐらいしかいないが、双子の兄妹を婚約者とは言わないだろう。
「えっと、ね。その――――せんせ」
さすがに相手を伝えるのは恥ずかしいのか、頬をやや赤らめて、もじもじとした後にルビーが頬に手を当てて、その名前を口にする。
「は? せんせ?」
壱護がルビーが口にした名前を反芻するが、『せんせ』という名前に聞き覚えがない。そして、最初に気づいたのは子供のころから面倒を見ていたミヤコだった。ルビーがそう呼んでよく懐いている男性を一人だけ知っていた。いやいや、そんなバカな、と頭を振りたかったが、念のため、その名前を口にする。
「ま、まさか雨宮先生じゃないでしょうね?」
そうじゃないでいてほしいという願望と共にミヤコが口にする。そして、雨宮吾郎の名前に反応したアイが顔を上げて、そんなバカなことないよね? と絶望した表情でルビーを見ていた。なお、一筋の希望もない模様。
「え? もちろん、そうに決まってるじゃん」
なに当然のことを言ってるの? と言わんばかりにあっけらかんと答えるルビー。その様子にミヤコは頭痛がするとばかりに頭を押さえており、アイはもう一度泣いた。だが、母親として自分より年上の男性を認めることはできないと思ったのか、涙を拭うとアイは立ち上がってルビーの肩をつかんで説得モードに入った。
「ルビー。センセは確かにカッコいいけど、センセにルビーはもったいないよ!」
「ぶぅ、せんせは世界一カッコいいから問題ないんです!」
頬を膨らませて反対するルビー。まあ、普通に考えれば、16の娘がアラフィフの男性と結婚したいと言い出すと反対するよな、と前世を含めて知っているアクアでも思う。だが、この話はいろいろと事情を知っている当人同士でないと信じてもらえない事象ではあるし、少し展開の様子を見ようとアクアは傍観することにした。
なお、壱護とミヤコは完全に話についていけてなかった。いや、考えることを諦めたかったのかもしれない。
「だ、だったら、私がセンセを誘惑してルビーと結婚できないようにする!」
もはや酔いと動揺もあって頭が正常に働いていないのだろう。目がぐるぐると渦巻いているような表現が似合うほどに混乱したアイがまた物騒なことを言い出し始めた。だが、アイの挑発するような言葉にルビーは揺るがなかった。余裕の笑みを浮かべたまま、得意げに腕を組んで口にする。
「無駄ですぅ。私とせんせの間には強い絆があるんだから!」
「なによ! センセはアイ推しだし、妊娠中の病院で一緒に過ごした間の思い出もあるし、私は、今すぐ結婚だってできるんだから」
やいやい、とルビーと言い争うアイ。やれ、東京に来たときのデートで可愛いって服を買ってもらったという話に対して、病院食がおいしくないと愚痴ると車で総菜を買ってきてくれたなどなど、もはや、会話の内容は外部には決して聞かせられない地獄絵図である。もはや収拾がつかないことは分かったのか、壱護とミヤコは少し離れたソファーで二人の事は知らん、とばかりにお互いにコップを鳴らして、宴会の続きを始めていた。
もはや、止めるのは俺しかいないか、と覚悟を決めてルビーとアイの間に割って入り、ヒートアップしそうだった二人を止めて、ルビーにはもう家に戻るように言い、アイには水を飲ませて少し落ち着くように宥めた。
少し酔いは入っていたものの、その場では、とりあえず、結婚といっているのはルビーだけで、結婚する、しないは少なくともアイドル卒業後であること、強固に反対して、反故にすることにした場合にアイドル活動に支障が出るかもしれないことなどを説明し、いったん、内密にすることを条件に現状維持を選ばせた。裏でこっそりと付き合うアイドルなどごまんといるのだし、そもそもルビーと吾郎では親子の年齢差もあり、スクープになりにくいこと、吾郎は宮崎にいて、問題にはならないだろう、ということで、その場では納得された。アイ以外は。
翌日、リビングのソファーで、膝を抱えながら「どうして、どうしてうちの子たちは……やっぱり私が親なのがいけないのかな?」と焦点のない目で呟いていたが、仕事はきっちり仕上げるところは、さすがだ、とアクアは思った。なお、自分がアイを悩ませる原因の一つになっていることにはアクアは一切気づかないのだった。
※ ※ ※
東京都内の料亭。密会をするように二人の男性が膝を突き合わせて、料理と酒に舌鼓を打っていた。ここで話されるのは芸能界のいつも通りのやり取りだ。
「泣く子も黙る『東京ブレイド』舞台化企画!」
バン、と派手に『東京ブレイド(仮)』と書かれた台本を片手に、この舞台の総合責任者である雷田澄彰が得意げに語る。その語りを聞くのは、鏑木だった。五千万部を突破した漫画の舞台化で、収益を十分に見込めることから、予算が潤沢で、舞台会場、裏方もいいところを押さえたこと、『劇団ララライ』の協力を得られたことなどをつらつらと話しているのを鏑木は酒を飲みながら聞いていた。
「あとはキャスティングなんだけど、劇団ララライから黒川あかねはツモれそう」
「ほぅ……あの子か」
つい最近、鏑木が根回しというか、噂話をすることで事務所の移籍に手を貸した少女の顔が思い浮かんだ。となれば、同時に浮かんでくるのは、あの男の事で、そして連鎖的に思い出させる彼に関係する女性たち。少し酒がまわっていたせいか、ふと、思っていたことを口にしてしまう。
「だったら、対抗で有馬かなはどうだね?」
「あぁ、あの新生B小町のアイドル? 新旧天才子役だって? 鏑木ちゃんもえぐいね!」
「そうでもないが、面白いとは思わないか?」
「それは言えてる」
二人して悪だくみをするようにくつくつと笑う。
鏑木からしてみれば、アクアによって苺プロに所属したかと思えば、『今日あま』が終わってしばらく役者として表に出ず、まさかの新生B小町でデビューという事態に驚いたものだ。
そして、さらに話を聞くと、舞台の客層的にイケメンと美人が必須で、劇団ララライは若いキャストが少なく、外部の役者を探しているようだった。確かに、若いイケメン、美人をターゲットにして、将来性を買ってキャスティングするのは鏑木の得意とするところだ。
本来であれば、彼らを紹介するのに貸し一つ、いやいや、機会を与えるのだから雷田が貸し一つ、と静かなやり取りをして商談成立。貸し借りなしで終わるはずだった。
「ところで、本題はこっちなんだけど……鏑木ちゃん、星野アクアと仲いいんだって?」
雷田から出てきたその名前に思わず、酒を持っている手が震える。
業界内では確かに鏑木と星野アクアは仲がよいとされている。あの『今ガチ』に星野アクアが参加し、通常の恋愛リアリティーショーよりも多くの視聴者を稼げたり、評判がよかったのは鏑木とアクアの仲だからと言われている。さらに直近のJIFでは、苺プロの未発表のユニットの申し込みも、鏑木が口を出したことで大きなステージに割り振り、新生B小町という爆弾に対処できたのは、アクアから裏でリークがあったからと受け止められており、星野アクアへのキャストのオファーは鏑木を通すと確実だ、という噂が流れていた。
「そ、そうだね。彼には何度かお世話したこともあるし、まあ、悪くはないね」
むしろ、彼の交友関係を知ってしまうとこれ以上深みに関わりたくないのだが、あの星野アクアとコンタクトが容易に取れるという噂は鏑木のキャスティング力にも強く影響するだけに、強く否定ができない状況が続いていた。
「だったら、彼をツモれないかな?」
「……無理だね」
なぜ星野アクアの名前が? と思っているところに舞台のキャスティングの話が入ってきた。その時点でいろいろ考えるのをやめて、冷静にプロデューサーとしての立場で星野アクアのキャスティングについて考えてみるが、答えは否定だった。
「彼が舞台に立つ理由がない。出演料も、その時間を使ってドラマを一つ増やしたほうが金になる。劇団ララライはそこに所属するうえで拘束が生じるが、アクア君にはそれがない」
「そこを何とか! 原作の鮫島アビ子先生のご要望なんだよ」
パンと顔の前で両手を合わせ、頭を下げる雷田。そこまでするということは相当強い要望であることは伺えたが、なぜ原作者―――漫画家が星野アクアを要望するのか鏑木には分からなかった。
「へぇ、原作者がねぇ……彼のファンなのかい?」
「いや、どうも、『今日あま』の先生繋がりらしくて……『彼なら作品を汚さないようにしてくれるから』だってさ。鏑木ちゃん、分かる?」
「……まあ、だいたいね」
『今日あま』の関係者というのであれば、鏑木はなぜ星野アクアを要望したのか分かった。あの現場を見られる形にしたのはアクアの献身あってこそ、だ。しかし、そこにはあくまでも有馬かなが主演として出演するドラマだったから、という理由付けがあったからだ。それに、聞く限りでは今回の舞台には不要のように思える。
「どうしてだい!? 星野アクアに舞台経験があるのは知っているが、なぜ、そこまで………」
「限られた予算と時間で、原作なんて踏み台にしてもいいというような脚本、今まで実写化なんて言いながらどれだけ駄作が生まれたと思う?」
「ぐっ………」
雷田の基本は舞台だ。だが、舞台とはつまり二次元を三次元化したもの。2.5次元と言われるのはそのためだ。だから、漫画を実写化した際に期待が裏切られるのは良く知っている。もっとも、外れない場合もあるが、それもごく僅かだ。
「だけど、今回は『東京ブレイド』の名前に恥じないように裏方も、役者も揃えてる。アビ子先生は何が不満なんだ?」
「それが分かるのは僕たちだからさ。その先生は、実写化の一面でしか見てない。いや、見られない。だから、希望するのさ。『今日あま』を見られる形に整えた星野アクアを」
原作者は漫画家だ。舞台の専門家ではない。ならば、今回は精鋭を集めたので安心できます、といわれても今までの実写化の経験から、その実績を信用できない。ならば、自分の舞台に他作品とはいえ、同じ漫画家から聞いた実写化への実績がある役者を送り込みたいと思うのは、我儘だろうか。
「黒川あかねは確実にツモれるんだね?」
「ああ、それはほぼ間違いない」
それを聞いて、鏑木は安心した。少なくともピースの一つは埋まったからだ。彼女が出演すると聞けば、彼は関わらないという選択は取らないだろう、と予想した。
「あとは、アクア君のバーターとして、かなちゃんを入れて、僕の名前と連名にすれば釣れるかもしれないねぇ」
「おお! 助かるよ! 鏑木ちゃん」
救いの神が現れたように鏑木に祈る雷田。ただ、それは一方的に感謝するということで、つまり―――
「今度こそ、貸し一つだぜ」
その言葉に何も言えない雷田は項垂れるだけだが、鏑木は今の提案に若干、後悔しながら窓の外を見た。そこは満月が輝く星空。
「(稽古場が修羅場にならないといいんだけどねぇ……‥)」
自分で決めたとはいえ、『黒川あかね』『有馬かな』『星野アクア』関係性から言えば、無謀ともいえるキャスティングに黄昏るのだった。
前回の不足していたと思われるルビーと吾郎のライブシーンを入れて、アニメ一期の終了まで終わりました!
ファーストライブ編、なんか、ほとんどの問題は取り除いている以上、大成功で終わって、話数的にも短くなってしまいましたね。
今後、東京ブレイド編ですが……どうしましょうかね? こちらもほぼ問題が解決してるので、単純に舞台編にしても面白くないでしょうし・・・
学校での日常とか、ライブで吾郎先生が来た話とか、ララライのお姉さまとのふれあいとか、閑話っぽいの入れていきましょうかね?
毎日投稿してきましたが、ここからはやっぱり減ると思います。土台がオリジナルのになるので。
ただ、別のIFを構想中ですので、そちらを見ていただけると嬉しいです。(【推しの子】二次です)
誤字脱字報告毎回ありがとうございます。大助かりです。
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