星の子たちにハッピーエンドを   作:天凪

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東京ブレイドの開幕

 

 

 

「結局、東京ブレイドにも関わってしまった」

 

 東京ブレイドの刀鬼に扮したアクアが控室の中で鏡に映った自分に話しかけるように呟く。

 原作であれば、ここではアイの写真を見ていた星野アクアが感情表現のために自身の後悔やら、罪悪感などを思い出していたところだが、今の星野愛久愛海にはアイの写真を見ても当然そういった感情はない。その根幹となる『アイの死』自体がすでにないからだ。何なら、この身体に宿るはずだった雨宮吾郎は今も宮崎で元気に医師をやっている。

 

 ならば、本来は魂が宿らず死産だったはずの子の肉体に宿った自分は何なのだろうか? 純粋に真っ白ならば、星野愛久愛海として自覚を持てただろう。だが、中途半端に未来予知のように知ってしまった【推しの子】という物語の知識と、大人の知見がそれを邪魔する。何者か分からない知識を持ちながら、愛久愛海として生きる。その苦痛を理解できる者は誰もいないだろう。

 

 自分が誰なのかよくわからない人間。それが星野愛久愛海で、だからこそ、役割を定義できる演技が好きだった。その瞬間だけは星野愛久愛海ではなく役のキャラクターになれるから。

 

 ただ、もうアクアが知る物語もなくなるうえに、流れもだいぶ異なる。ここからは本当にアイを殺した真犯人を追い詰めるためのストーリーだからだ。ならば、【推しの子】から解放された時、本当に愛久愛海の物語が始まるのだろう、と思っている。

 

「まあ、考えても詮無いことか」

 

 アクアが難しく考えたところで意味はない。結局、区切りをつけられるかどうか、なのだから。そして、その時はもう近いと思っていた。区切りがついたとき、アクアは何を考えるか、何を考えなければならないか、それは、アクアにも分からないことだった。

 

「そろそろ、始まるか」

 

 ――――そして、東京ブレイドの開幕のベルは鳴る。

 

 

 

 ※  ※  ※

 

 

 

 鳴嶋メルトは、今、全力で演劇用の模擬刀を振るっていた。目の前の匁役の鴨志田朔夜と稽古した時とは違って。こうして、感情を載せるという意味で鴨志田の前で演技をしたことは実はない。それがメルトがかなたちから授けられた作戦だった。

 

「いい、あの鴨志田ってやつは、メルトを侮っている。なら、それを逆手に取りなさい。初日が勝負よ」

 

 演技指導ともいえない作戦。相手が侮っているからこそ、有効な作戦でもあった。メルトの突然の変わりように元々、気弱な匁の性格が困惑によって強化され、逆にメルトはその鴨志田の様子を見て強気の演技ができるという好循環が生まれていた。

 

「(ははっ! どうだよ? 鴨志田さん)」

 

 今まで見下していた人間が変わった様子を見るのは初めてだったのだろう。戸惑いが分かる。だから、強気に出られる。だが、そのメルト有利な状況はそうそう長くは続かない。何しろ、相手も演技に関してはメルトよりもはるかに格上なのだ。虚は突けたかもしれないが、それは不意打ちが成功しただけの事。態勢を立て直せば、メルトの演技など圧倒できるだろう。普通ならば、であるが。

 

 現状ではキザミのキャラクターと匁のキャラクターが歯車がかみ合ったように動いているように観客からは見える。つまり、強者の演技をするメルトと弱気ながら強い鴨志田の演技のかみ合わせが上手くはまり、演技を立て直すことができない。それはうまくいっている観客への印象を薄めてしまうからだ。鴨志田が、そこまで計算できることと彼の演者としての力量を信用しての事だった。事実、客席は盛り上がっており、鴨志田が苦々しいと思っていながらも、メルトの優勢な演技をひっくり返すことはなかった。

 

 だが、それも少しの時間だ。キザミが強者でいられるのは少しの時間だけだ。実際の脚本でもこの後は、匁の強さの前に負けるだけなのだから。もっとも、その負ける直前の最後の踏ん張りがキザミの最大の見せ場になるのだが。

 

 脚本でその優勢、劣勢が切り替わる直前に原作では刀を投げ、再び手にする挙動があったが、それはさすがにできなかった。もしも失敗した時のリスクと毎回、成功するとも限らない演技を行うわけには行かなかったからだ。もっとも、稽古で手元で刀を回して手にする、ぐらいの軽い演技で許してもらおう。

 

 そこからは、感情演技を切り替えないといけない。以前のメルトのような調子に乗っていた時の感情ではなく、鴨志田から演技力を指摘された時のあの悔しい感情に。自分の演技の拙さが原因でアクアが、かなが貶されたあの時の悔しさに。それは、もしかしたら、この原作者から見れば彼女が描いたキザミの悔しさとは比べものになるものではないかもしれない。だが、それでも一か月、この場面だけはきっちり仕上げたつもりだ。

 

「あぁぁぁぁぁ! おぅれは、誰にも負けねぇ!」

 

 少なくとも、目の前の匁役である鴨志田にも負けない、という気迫をもって演技する。今日までにアクアにも、かなにも、あかねにも、舞台で見劣りしないと太鼓判を押された演技だ。こればかりは、鴨志田も文句は言えないだろう。もっとも、役どころとしては、ここまで頑張っても負けてしまうのだが。

 

 

 

 出番が終わり、舞台袖に移動すると、スタッフの一人がタオルで汗をぬぐっていると、同じ舞台袖から引いて、水分補給をしている鴨志田と目が合った。

 

 メルトとしては媚びるところは一つもないのだが、不意打ちに近い演技で騙したという罪悪感があり、鴨志田としても下に見ていた役者が、少なくともあの場面だけは上等な演技をしたものだから、お互いに気まずい雰囲気が流れたが、それを吹っ切るように明るい表情で鴨志田が近づいてきて、肩を叩いた。

 

「いやぁ、あんな演技できるなら、最初からやってくれよ!」

「あ~、まあ、できるようになったのは最近だったし、それに、こっちのほうが効果的だっただろ?」

 

 メルトとしてもこのまま共演の演者と仲違いしたままではまずいということは分かっており、鴨志田の水に流そう、と提案しているような言動に乗る。いや、ここまで動揺してくれたのであれば、申し訳なさもあり、見返すことにも成功していて、メルトとしてはこれ以上は必要ないという思いだ。

 

「それは違いない。次回以降もこの調子で頼むわ!」

 

 手を振りながら、次の舞台に備えようとした鴨志田だったが、不意に足を止めて気まずそうに頬をかきながら、早口で言葉を口にする。

 

「わ、悪かったな。あんときは、女に振られてむしゃくしゃしてたんだ」

 

 それだけ言われてメルトには思い当たる節があった。というか、鴨志田に言われた後にクレハに直接聞いて事情は知っていたため、気持ちは分かる。もしも、同じようなことをやられれば、心に来るものがある、と。だからこそ、この言葉は善意のものだ。

 

「だったら、しばらくは女漁りはやめておいた方がいいですよ。グラドル界隈で有名になってるらしいっすよ、鴨志田さん」

「げぇっ! マジか…‥上手くやってたと思ったのに」

 

 おそらく、女性陣の横のつながりを甘く見ていたのだろう。頭を抱える鴨志田を見て、やっと溜飲が下がったような気がするのだった。

 

 

 

 ※  ※  ※

 

 

 

 黒川あかねは久しぶりのかなとの共演に燃えていた。開幕前にかなからの宣戦布告を聞いて、あのアイの演技と比較した場合にちっちゃな争いだ、と思ったことに誤りはない。だが、それはそれとして、かなとの共演が嫌だというわけでは断じてない。なにより、最近のアイドル活動で、昔の演技のような輝きを取り戻しつつあるかなと勝負したい、という気持ちも本物だった。

 

 なにより、あかねは、かなの今の演技が嫌いだった。『今日は甘口で』で見せたように、明らかにかなよりも劣っている役者に合わせて演技をしているかなが。あかねが児童演劇団に入ろうと思ったきっかけは、あの黒歴史に近い本に書いた内容は、すべてかなのあの自分勝手で輝くような演技に惹かれたものだから。

 

 そして、この演劇では、かなが元の演技を行う環境が整っている。さらに、アイドル活動でリハビリも十分だろう。この公演の前に大女優であるアイに火もつけられた。だから――――

 

「(だから、かなちゃん、勝負!)」

 

 その演技はまだ未完成。だが、今のあかねで最大限引き出せるアイの演技を真似た自分が目立つように、観客全体に魅せるための演技を行うのだった。

 

 

 

 ※  ※  ※

 

 

 

 かなはあかねのその異質な演技に驚いていた。あの日、アイによって見せられた演技に似ていると。そもそも、あかねも天才と呼ばれる役者の一人だ。お手本があれば、真似をすることも難しくはないだろう。その条件はかなも同じだ。むしろ、アイドルとしてレッスンを受けたかなのほうがやや有利と言える。

 

 壇上は微妙な空気になっていた。あかねの演技が醸し出す不思議な空気だ。大勢が出演する殺陣の中、たった一人―――鞘姫に注目が集まる奇妙な状況。そして、この場面で鞘姫の相手をするのはかなが扮する『つるぎ』だ。どんなに鈍感な役者でも誘っていることがわかる。

 

 なんだ、と拍子抜けした。アイの演技を見せられて、自分たちの競演など井の中の蛙だ、と言っていた割にはアンタも本気なんじゃない、と。しかも、あの時に少しだけ指導してもらったアイの魅せる演技まで取り込んだ本気も本気だ。乗せられて、演技をするのも悪くはない。むしろ、気分は高揚する。このあかねと本気でぶつかって演技をしたら、どんな舞台になるだろう、と。

 

 あかねの演技に乗って自分もあのアイドルのステージ上と同じような演技をしようとした刹那、かなの脳裏には嫌な思い出がフラッシュバックする。自分勝手な演技で、次々と周囲の人間が離れていく光景だ。それがかなを怖気づかせる。だから、結局今回も―――となりかけたところで、舞台袖で待機していたアクアの顔が目に入った。誰もがあかねに目を奪われている中、何かを期待するようにかなを見ているアクアの顔が。

 

 だから、引けなかった。ここで引いては女が廃ると思った。引こうと思った臆病な自分に活を入れて、前に踏み出す。ワクワクしている自分の心に嘘をつかない演技をするために。

 

 

 

 場面転換のために舞台袖に戻る。そこには化粧直しのスタッフやら、タオルを持ってきたスタッフやらでごっちゃになった後、化粧直しを終えて次の場面のために舞台袖に戻った。

 

「さっきの競演、よかったと思うぞ」

「それはどうも、それで、どっちがよかった?」

 

 なぜか今更台本を確認している姫川大輝に対して問いかける。少なくとも月9の主演ができる俳優で大きな賞も受賞している役者だ。姫川の評価には興味がある。

 

「そうだな……正直互角だったと思う。近距離での演技だったからいいが、離れた位置でやられると観客が忙しくなるな」

「そう」

 

 互角―――それが劇団ララライの看板役者としての評価だった。負けではないことを喜ぶべきだろうか、あるいは、勝ちではないことを嘆くべきだろうか。いや、まだまだワンシーンなのだから、次で決着をつけるべきだろう。それに、姫川がいうことももっともだ。今のは鞘姫とつるぎの鍔迫り合いだったから、観客の視線が一か所でよかったが、ばらばらの時に同じように目を惹く演技をしたら、演劇の舞台自体が壊れてしまう。そこは少し反省した。いや、舞台に慣れているあかねが誘ってきたところを見ると、それも計算済みだったか。演劇の舞台に慣れていないかなの反省点だった。

 

「さて、次は俺か」

「楽しそうね」

「まあ、あいつと演るの楽しいからな」

 

 いつものぼんやりとした表情とは異なり、どこか期待したような表情をして、そう言いながら、持っていた模擬刀を担いで舞台へと出る。次は、姫川大輝の扮するブレイドと星野アクアが扮する刀鬼の場面なのだから。今の実力者で看板俳優の姫川大輝と若手のイケメン俳優といわれる星野アクアのある種の夢の共演といえるだろう。姫川もアクアほどではないにしても顔はイケメンといわれるほどに整っている。その二人が舞台で演じるのだから、反響は当然、大きなものとなる。

 

「(まったく、活き活きと演じちゃって……)」

 

 アクアと競演できる姫川に対して嫉妬心がないわけはないが、アクアの演技をじかに見るのは、あの『今日あま』のストーカー役以来である。しかも、今回はかなと同じく抑えた演技をしなくてもよい、いや、抑えるなどと不届きなことを考えた瞬間に喰われてしまうほどの演技力を持っている姫川だ。アクアとしてもあかねとかなのように強敵に立ち向かうような感覚だろう。

 

「あぁ、刀ブレ……いえ、この場合は、ブレ刀かしら? 漫画でもいいけど、まさか2.5でこれが見られるなんて」

「……化野さん?」

 

 いつの間にか隣にいた化野めいが、恍惚とした表情で姫川と刀鬼の鍔迫り合いを見ていた。

 

「う~ん、今日のスレはこの舞台を見に来た友たちで埋まるかな? いや、意外と生ものは受けないか?」

「えっと……本番で何言ってるんですか?」

 

 彼女の呟きの意味は分かる。分かるけど、分かりたくない。そんな感情がかなの中に生まれていた。

 

「あ、えっ!? 有馬さん?! い、いえ、違うの。これは、ちょっとした乙女の嗜みで……」

「そんなものが乙女の嗜みであってたまるか」

 

 思わず敬語も忘れてしまう。いや、言いたいことは分かる。両方ともイケメンで、その手の趣味を持っている人間なら垂涎物の対象だということは。だが、実際にそれを目にするのと想像するのとではまったく違った。しかも、片方はかなの――――。

 

「あっ! そろそろ有馬さんの出番ですよ!?」

「盛大に誤魔化したわね!?」

 

 そう言われようとも出番なのは間違いない。処理できない感情を胸にしながら舞台に舞い出る。次のシーンは、ブレイドVS刀鬼の戦いに鞘姫とつるぎが乱入するシーンだ。そして、ブレイドは鞘姫と刀鬼はつるぎとの戦闘シーンになるのだが、刀鬼は女のつるぎが戦うことが正気か? と今後の関係性を決定づける掛け合いを行うシーンでもある。ある意味、アクアとかなの共演といってもいいだろう。

 

 だが、しかし――――

 

「(こいつ……受けの演技しかしないわね)」

 

 確かに、この場面はどちらかがメインということもない。しかし、アクアが妙に受けの演技しかしない。中心に来るのはつねにかなの『つるぎ』だった。アクアほどの慣れている人間になるとそこに意味を見出すべきだが、と思った時に稽古の途中でアクアが口にしていた言葉を思い出した。

 

「刀鬼の見せ場は、この鞘姫が倒れた後だな」

 

 常々、誰かに言い聞かせるように。その誰かとは、あかねとかなだったのだろう。つまり、アクアはこう言いたいわけだ。俺が目立つのは、この先の展開だけで十分だ、と。興奮は慣れるものだ。主人公―――ブレイドが目立つのはいい。だが、ほかのキャラが常に目立ってしまうと観客の興味―――興奮具合は減ってしまう。目立つのは、ここぞ、という時、というのは当たり前である。そして、代わりにかなに目立てと言っているのだろう。

 

 そして、同時に思い出した。いつかのアクアの言葉を。

 

 ――――好きじゃなきゃここまでやらない。

 

 いつか、自分の演技が好きか? と聞いた時の答えだ。

 

「(あんた、私のこと好きすぎない?)」

 

 脳裏に浮かんだのは、アクアの姿。こうも自分の演技をする舞台がお膳立てされれば、嫌でも実感してしまう。演者とは求められれば、応じてしまう人種だ。だから、そこまで望んでくれるのであれば、魅せることにいささかの迷いもない。

 

「(あーくん、あんたはいつも私を変にさせる。いいじゃない、特等席で見せてやるわよ!)」

 

 眩い太陽のような巨星(スター)の演技が花開く――――。

 

 

 

 ※  ※  ※

 

 

 

「いや~、鴨志田くんを紹介してくれたのは助かったと思いましたけど……まさか、鳴嶋くんまでこうも化けるとはね。最初は意外だったんだけど」

「まあ、彼も『アクアくんの弟子』の一人だからね」

 

 舞台が切り替わる合間、後方の観客席で見ていた雷田と鏑木は小さな声で会話していた。

 

 アクアの弟子―――それは『今日は甘口で』のドラマに出演したモデル俳優の6人の事を指していた。今のところ、役者として出番があるのはメルトだけだが、それでも、脇役としてなら十分な力量は持っていると認識されていた。それが、メルトに至ってはメイン級の役割も張れるほどの人材になっていた。

 

「アクアくんの弟子っていうのは知ってましたけど、何か才能を感じるところでもあるんですか?」

「いや、ただの私情。顔もいいし、声もいい。アクア君の一番弟子として話題性もある。演技力は、これからと思っていたけど、さすがアクア君とかなちゃん、あかねちゃんで揉まれただけのことはあるみたいだね」

 

 ははは、と乾いた笑いを小さく上げる鏑木。アクア、かな、あかねの関係性は彼にとっては震えと胃痛をもたらすものだから仕方ないだろう。

 

「あ、ああ、そうか。彼にはその関係もあったのか。だったら、あの鴨志田くんと立ち回れる演技も納得だ。スパルタだったんだろうね」

 

 総責任者としては嬉しい限りだが、演者の負担を考えると涙が出てくる。

 

「あかねちゃんとかなちゃんも異質な演技をしていた。おそらく、苺プロのアイくんの影響だろうね」

「……アイさんか」

 

 雷田は映像系の大御所の女優の名前を呟くように口にする。

 

「それに、かなちゃんも異質な演技ながら、別の側面も見せていた。あの商業的に分かりやすい泣きの演技ではなく、もともと有馬かなが一世を風靡したあの巨星(スター)の演技力。枯れたと思っていたけど、隠し持っていただけ? いや、思い出した? なぜ? アイドル? それとも――――」

「鏑木ちゃん?」

 

 急に黙って、震えだした鏑木に心配そうに雷田が声をかける。

 

「……女が劇的に変わるとすれば、やはり男という側面が多い。そして、今の二人に寄り添うのは―――アクアくんか」

「え? なに、急に怖いこと言ってるんですか?」

 

 雷田としても鏑木から事前にアクア、かな、あかねの関係性については聞いている。そして、今の鏑木の言葉からするに観客からも反応の良かった二人の演技がたった一人の男に左右されるかもしれない、という恐怖の予想を聞いてしまった。

 

「―――もしも、この舞台の間に痴話喧嘩でも起きたら……」

「鏑木さん!? そんな不吉なこと口にしないでください!?」

 

 主役級の三人が痴話喧嘩でその魅力を出せなくなってしまう。そんな恐ろしい想像を容易に口にする鏑木を叱咤する雷田。もはや、そこに上下関係はない。舞台の成功を祈るしかない雷田としては不安要素は極力除外したいのに。

 

「まあ、そのあたりは大丈夫だろう」

「何を根拠に言ってますか?」

「いや、彼が関係を持っているの彼女たちだけじゃない(・・・・・・・・・・)し、彼らの付き合いも長い。今更、爆発することはないだろうよ」

 

 ははは、と小さく笑う鏑木に対して、不穏なことを聞いた雷田は青ざめる。

 

「ま、まさか、前回途中で耳をふさいだことを根に持ってますか?」

「さぁ、続きが始まる。静かに観賞しようじゃないか」

 

 鏑木は雷田の疑問にはい、ともいいえ、とも答えずに舞台の続きを知らせるベルで話を中断するのだった。

 

 

 




東京ブレイド編ですね。ここら編はあまり変化がないので、難産でした。
メルトさんが鴨志田さんに一矢報いました。
かなちゃんが最初から乗り気なところが違うところですか。

あと、アクアくんにあかねと重曹ちゃんの演技がかかっていると知って顔面蒼白なPたち・・・
勘違いとはいつになったら気づくのでしょうか?

あと、BL需要が強いと、たぶん姫アクは鉄板な気がします・・・


誤字脱字報告毎回ありがとうございます。大助かりです。

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