星の子たちにハッピーエンドを   作:天凪

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不知火フリルの宣戦布告

 

 

 

「(MEMちょです。車の雰囲気が最悪です……)」

 

 同じように俯きながら嵐が去るのを待っているような表情をしているかなを横目にメムは、早く終わってくれないかな? と思っていた。

 

「もう! ルビーったら、センセの事は、秘密だっていつも言ってるでしょ!」

「だ、大丈夫だもん! あの部屋にいた皆なら誰にも言わないもん!」

「そういう問題じゃないの! 秘密は知っている人が少ない方が守られるんだから、むやみやたらに教えちゃダメなの!」

 

 まるで聞き分けのない娘と、心配する母親のような喧嘩だなぁ、とは思うが、年齢は16歳ぐらい離れているのだから、可愛い義妹となれば、それに近い感情もあるのだろう、とメムは思った。確かに、メムとしても昨晩のルビーの爆弾発言には驚いたものだが、芸能人がルビーと吾郎の年齢差に近い結婚をすることは稀にニュースになるので、驚きはあったが、嫌悪感はなかった。

 

 ただ、今のルビーの年齢は16歳なので、それを許容する雨宮吾郎というこの中年の男性は本当にただのロリコンではないだろうか? と訝しんでいる。もっとも、ミヤコが下にも置かない態度で接しており、アクアも敬意をもって接しているため悪い人ではないことは分かる。ルビーも甘えていることは背景が分かれば十分に理解できることはある。

 

「まぁまぁ、アイもそのくらいで。ルビーちゃんも分かってるよ」

「せんせっ!」

「ぶぅ~、ダメだよ。ちゃんと言い聞かせないと。同じことを繰り返して、いつか外に漏れるかもしれないんだから」

 

 ルビーは仲裁してくれた吾郎に感動しているようだが、アイは不満そうだった。

 

 まるで、娘を庇う父親の様であると思うのは、アイの態度によるものだろうか。少なくとも隣のかなもそう思ったらしい、さらに怪訝な表情を深めていた。そんなメムとかなを他所に会話は続いている。

 

「はい、だったら、もしも、ルビーとセンセの関係が週刊誌なんかにバレたら、私とセンセが結婚します!」

「「ぶっ」」

 

 いきなりすぎるネタに思わずかなとメムは吹き出してしまう。いやいや、本当に雨宮吾郎という男性は一体どんな存在なんだ!? とメムも内心思ってしまう。あのアイが結婚するというほどの男性なのか? 今まで噂レベルであればいくらでも浮かんでは消えてきた大女優ではあるのだけど。

 

「え? いや、君との結婚は断ったはずなんだけど……」

 

 いや、もうお腹いっぱいです、とメムは言いたくなった。ほら、窓際のかななんて、自然がたくさんね、といって現実逃避している。よほど聞きたくないことだったのだろう。その一方で、当事者のルビーは、吾郎がアイとの結婚の申し出を断ったことで、キラキラしていた。

 

「それはそれ。センセと結婚するのはバレたときの条件付きで仕方なくだからね」

 

 それは、条件付きなら、結婚してもいい男性ということでは? と宇宙の存在を知った猫のような気持ちで二人のやり取りに聞き耳を立てていた。もはや、ここまでくれば、地獄まで付き合う所存である。仮にメムが暴露系ユーチューバならこの情報だけで動画を作成していただろう。

 

「もう、ルビーとの関係が報道されても、私の結婚相手なら誤魔化せるでしょう?」

 

 誤魔化せるかな? と思ったが、確かに近しい関係の間柄で会っているだけなら言い訳ぐらいは何とかなるかもしれない。あとは、続報がなければ月日が経つにつれて風化していくことは目に見えている。アイ自身はもう30代に入り、女優と言えども結婚してもおかしくない年齢なのは間違いないのだから、週刊誌の報道程度になるだろう。しかも、吾郎は一般人なのだから、各報道局にはFAX一つで誤魔化せる。そう考えれば、ルビーが疑われるよりも犠牲とは言えない程度の役回りではあった。論理的にはの話で、関係者各位の内心は別として。

 

「ダメダメ! せんせはお義姉ちゃんとは絶対結婚なんかしないんだから!」

「そうならないように、ルビーがもっと気をつけなさいって言ってるの」

 

 うぐっ! とアイの口から語られる正論に怯むルビー。確かに、昨日は新しい事実に飛びついてしまったのは事実だが、ルビーを諫める方が先だったかもしれない、と年長者としてはそう思ってしまう。

 

「……みんなだったら大丈夫だと思ったんだもん」

「いつも言ってるでしょ、リークのほとんどは身内からなんだからって」

 

 ルビーが信頼してくれるのは嬉しいのだが、知りたくない情報を知らされるのは確かに困る。もっとも、ルビーの話題は確かに乙女的にはクリティカルヒットの内容で、知りたい内容だったけれども。

 

 そして、さすがにアイの正論が重なったのか、諦めたようにルビーは、「は~い」と返事していた。当事者である運転手の吾郎は、さすがに居心地が悪いのか、あるいはアイとルビーのやり取りがいつも通りだったのか、苦笑を浮かべていた。

 

「それにしても、今日のロケは外ロケなんだね」

「あ、アイさんも経験あるんですか? あの季節感を無視した撮影」

「あるよ~、大変だったな~」

 

 話が終わったころを見計らってかなが会話に入ってくる。よくよく考えれば、かなの経歴も子役という割には曲を出して、MVも作っているのだから、実は新生B小町の中で一番アイドル活動をしているのはかなではないだろうか? と疑うほどである。

 

 それはともかく、その話に乗って、アイがアイドル時代の撮影現場についてあれこれを語ってくれる。あの伝説のアイドルであるアイの経験談だ、先ほどまでの暗い話題も忘れてメムもかなもルビーも思わず話題に食いつくのだった。

 

 

 

 

 ※  ※  ※

 

 

 

 アネモネは若干緊張しながら撮影状況を監督していた。

 

 国民的美少女といわれる不知火フリルと主演しかできない女優のアイに見られながら撮影する際に緊張しないディレクターがいるなら目の前に連れて来い、と思う。

 

 彼女たちに見られながらの撮影は複雑なものがある。彼女たちが有名であるには理由があり、有名であるがゆえに目が肥えている。くだらないと思われれば、それだけで評価はダダ下がりだ。ただ、彼女たちを被写体にして映像を作ってみたい、という願望もアネモネの中のアーティストとしての本能だろう。

 

 幸いなことに彼女たちは口を挟まず撮影現場を見ているため、特に支障はなかった。もっとも、この撮影現場では部外者ともいえるので、無視するのがアネモネとしては正しい態度なのだろう。だから、無理やり意識を今の被写体へと持っていく。

 

 メムは、顔が可愛いのは分かる。伊達にユーチューバーで25歳を超えて女子高生やっているわけではない。あと、あの二人と同じグループでありながら、一番輝いているわけではないが、隣に立って見劣りしない程度には目立つ魅力をだしている。

 

 もっとも、理由としてはあの不知火フリルがファンというのもあるのだろう。あの国民的美少女のファンなら分かるのだが、その逆だ。それはつまり、芸能界の頂点の一角から認められたということで、承認欲求は満たされるだろう。

 

 あとは、男だろうか? 昨日の22時以降のメムだけのパートを撮る場面では魅力を前面に押してきたり、スイッチがどこにあるかわかりやすいアイドルだった。ターニングポイントはやはり星野アクアだろうと予想はついている。ユーチューバーとして旧友だし、映像Dとしては、良い映像が撮れるため応援はしたい気持ちはあるが、未成年はやめておけ、という気持ちもあった。

 

 有馬かなも分かりやすい。可愛い私を見てほしい、という願望で満ちあふれている。主張としては、私を見て、だろうか。それが主張できるほどに可愛さを訴えられているし、その本質も持っている。分かりやすい主張はその本人を輝かせる。カメラ越しに見た彼女もある種の「可愛い」で溢れている。これで新生B小町のセンターになれないのだから、今のアイドル業界は魔境だ。もっとも、撮影が終わった直後に恋する乙女として星野アクアに甘えるように足を温めるタオルを持たせる様はどうかと思うが。

 

 そして、最後が『アイの後継者』の名を持つルビー。あのB小町を継いだ新生B小町のセンター。顔はあの星野アクアの双子の妹なだけあって抜群。ダンスのパフォーマンスも天下一品と言えるし、歌も十分に歌えているとなれば、コンサートを行うアイドルとしては逸品だろう。そして、今まで新生B小町としてMVやPVはなかった。果たして映像では、どうだろうか?

 

 ―――値踏みしたつもりだった。星野ルビーを見せてもらおうと、ある意味この業界にいたディレクターとして見極めようとした。だから、それが油断だったのだろう。

 

 笑顔で振り返って、そのまま川に座り込むだけのシーン。それだけですべて持っていかれた。彼女の浮かべる笑顔に。星野ルビーという少女の可愛さと魅せる演技に、全身から表現される「愛している」に溺れそうになるほどの衝撃を受けてしまった。

 

 なるほど、ライブのファンは、これをパフォーマンスとして受けるのだ。かつてのアイが地下アイドルともいえる場所からドーム公演まで行い、伝説といわれるアイドルだったかよくわかった。当時のファンはこれを受けていたのだろう。そして、アネモネの中のアーティストとしての本能が今のルビーを見て脳内で彼女を中心とした動画のコンテを描いていた。

 

 そして、アネモネに衝撃を与えたものの、その後も撮影は順調に進み、お昼を少し過ぎた頃には全工程が終わっていた。

 

「MVはいつ頃上がるの?」

「1本目はなるはやで上げるけど……」

 

 そう言いながら、脳裏で編集工程を思い出す。今回の依頼はMVとPVの二本。一本目は新曲発表直後には出さなければならないスケジュールを考えるとあまり余裕はないだろう。だが、二本目のPVはあくまでも販促のための動画だ。あの動画をカメラに収めた後からずっとああでもない、こうでもないと試行錯誤しているアーティストの本能を考えれば、少し余裕が欲しかった。

 

「二本目は少し時間貰えるかな? すっごいやつ考えてるから」

 

 アネモネがメムにそういうと、少しメムが驚いたような表情をして、にんまりと口角を上げた。アネモネが滅多にこういうことを言うのが少ないことを知っているのだろう。あくまでも商業の動画クリエイターではなく、野良の編集者をやっていた頃のアネモネとして動画を作ると言っているのだから。

 

「ふぅん、アネモネちゃんが、考えるすっごいやつね。これは期待できるね」

 

 自分でハードルを上げているのは分かる。だが、そのプレッシャーすら楽しいと思えなければ動画のクリエイターなどやれない。なにより、素材は抜群なのだ。今まで考えていた構図と合わせれば、大言壮語にならない動画が出来上がるはずだった。

 

「期待していいよ」

「なら、その言葉を信じるよ」

 

 長年の友人のように笑うメムに応えるように、アネモネは小さくウインクするのだった。

 

 

 

 ※  ※  ※

 

 

 

「「「はぁ~」」」

 

 なぜ温泉が気持ちいいと疲れを吐き出す様な声が出るのだろう? とルビーは不思議に思っていた。来る前は温泉なんて、と思っていたが、思いのほかいいものだった。肌はすべすべになるし、疲れは取れる。よくよく考えれば、前世を考慮したとしても温泉など来たことがなかった。ただのイメージだったのだ。

 

 しかも、部屋によっては家族風呂があるらしい。そこでは男女関係なく入れるらしい。アイ(ママ)がルビーとアクアを誘って入ろうと言っていたが、さすがにアクアが断固拒否し、今はミヤコとアイがお酒付きで一緒に入っていることだろう。

 

 そう考えると吾郎との新婚旅行でこういった温泉宿もいいかもしれない、と数年後の未来に思いを馳せていた。

 

「聞いたわよ。今度、映画の主演やるんでしょ?」

 

 ルビー、あかね、かなで並んで温泉につかっていたところで、会話の口火を切ったのはかなだった。ルビーが知らない新情報だった。そもそも、ルビーはアイドル部門所属で、俳優部門についてはあまり知らない。兄のアクアが所属しており、アイドル部門と俳優部門を兼任しているかながグループメンバーにいるぐらいだ。

 

「うん、上映館数多くない映画だけどね。かなちゃんだって、ネットドラマに出るんでしょ?」

「まあね、ただ幼馴染の負けヒロインだけどね」

 

 はて? とルビーは思う。上映館数の少ない映画の主演とネットドラマの負けヒロインはどちらが上なのだろうか? と。

 

「『今日あま』みたいにはならない現場なんでしょ?」

「そうね。予算は中規模みたいね? ただ、季節柄ビターな恋愛ものになるから、そこは役を作らないといけないわね」

 

 そういえば、とルビーは思い出す。ドラマにも季節柄があり、夏はからっとした恋愛ものが流行り、冬はビターな恋愛ものが多いのだと。確かに、外で雪が降りながら熱い恋愛ものを見ても、気分が乗らないというのは分かる気がする。逆もまた然り、真夏の熱い中、死に別れのようなビターなドラマを見ても、気分は乗らない。そして、そんな中、有馬かなはネットドラマのサブヒロイン役に抜擢されたらしい。

 

「でも、かなちゃんにはよかったんじゃない?」

「なんでよ? 私なら主演もやれたわよ」

 

 ふむふむ、と半ば蚊帳の外になっていることを感じながら、かなの主張に頷いていた。確かに、『今日あま』は周囲のレベルが低すぎたが、最終話のストーカーのシーンは兄の協力もあり、ヒロインとしてかなの演技が見られたシーンでもあり、好評だったのは間違いない。

 

 だが、あかねが言いたかったことは別の意味だったようだ。

 

「だって、かなちゃんのネットドラマの原作は早い段階で主人公とヒロインのキスシーンあるよ」

「なっ!?」

 

 まだ、オファーが来たばかりで原作まで読んでいなかったのだろう。かなが驚いたような表情をしていた。

 

「だからじゃないかな? かなちゃんに主演のオファーが来なかったのは」

「―――アイドルだから、ってわけね」

 

 なるほど、とルビーは内心で頷いていた。内心はどうであれ、かなの肩書はアイドルだ。だから、キスシーンがある役はできない。それはある種のタブーだからだ。その点はおそらくイメージ戦略もあり、社長の壱護が断っていたのだろう。

 

 アイドルだから主演ができなかった。そのことを不満に思っているであろうかなに対して、くすっ、と苦笑してあかねは揶揄うようにいう。

 

「かなちゃんとしては安心したんじゃない? しばらくキスシーンのない役しかこなくて」

「なっ!? あ、あんた――――っ!」

 

 あっ、これは私にも分かる、とルビーは思った。

 

 つまり、あかねの言葉の裏に隠されているのは、ルビーの兄であるアクアが関係している。もしかしたら全員ではないかもしれない。だが、かなはどう見てもファーストキスに夢を見るタイプだ。だからこそ、まだ結果の出ていないアクアとの関係に夢を見る。

 

 ルビーが妹目線で見たところ、かなに可能性がないか? と言われれば、ないとはいえない、という感じだ。少なくともアクアがかなを大切にしているのは分かる。ただ、それがなぜか恋愛感情に結びついていないが、何かのきっかけで化けそうではある。

 

 なお、ルビーはすでにファーストキスは経験済みで、ドヤ顔できる。

 

「面白そうな話をしてるね」

 

 あかねとかなのじゃれ合いが始まりそうなタイミングで満を持して現れたのは国民的美少女である不知火フリルである。今まで別の露天風呂に入っていた寿みなみとメムをお供にしてという感じだったが。

 

 驚くあかねとかなを後目にその芸能界の頂点の一角を示す様に滑らかな肌とスタイルを晒しながら三人が入っている露天風呂に足をつける。それにはみなみもメムも従うように露天風呂に入っていた。なお、風呂に入る直前にタオルを取ったタイミングで全員の視線がみなみに集まったのは気のせいではないと思いたい。なんなら、入った後に浮かぶ二つの果実に注目が集まらない訳がなかった。

 

「こほん!」

 

 仕切り直す様にフリルがわざとらしく咳をする。

 

「口を挟むようで悪いけど……そうだね、最初に前提条件を提示しておこうか」

 

 そう言って、円のようになって温泉に入っている面々を見渡した。

 

「ここにいる皆はルビーを除いてアクアを狙っているということでいいかな?」

 

 ごくり、と誰かが唾をのむ音が聞こえた。あまりに直球過ぎる確認に誰も反応できない感じだった。除外されたルビーでさえ口を挟むことが憚れる。数秒か、数分か待ったが、あるのは沈黙のみで誰も否定しなかった。それがルビーには意外だった、といえば嘘になるだろう。この場にいる全員がアクアと縁があり、誰が彼女だと紹介されても不思議ではないとルビーは思っていた。

 

「ふむ、ならば、ここにいる全員で同盟というのはどうかな?」

「同盟?」

「そう、アクアが、私たち以外からアプローチされていたら、それとなく除外する。ただし、私たちの中だったら、邪魔をしない。裏でこっそりアクアを誘っても問題なし。抜け駆け上等。そんな同盟だよ」

 

 誰もがポカンとしていた。つまり、この場にいる女性陣でアクアを囲い込んで、この中の誰かが仕留める。そんな同盟がフリルから提案されたからだ。

 

「そ、そんな同盟上手くいくんでしょうか?」

 

 なんとなく敬語で疑問に思ったことを口にしたのはあかねだった。そんな彼女の提言をうんうん、と頷いて咀嚼した後、フリルは口を開いた。

 

「アクアはこれから16歳を迎えて、本格的に男性俳優としていろいろ花咲く時期だよ。そんな時期を百戦錬磨の女性芸能人……範囲としては女子アナまで広げてもいいかもしれないけど、放っておくと思うかい?」

 

 その場にいた全員の答えは一致していた。つまり、首を横に振るノーという仕草だ。

 

「バラエティー番組にも出やすくなって、成長期が終わった今はドラマや映画にも出演することになるだろう。そこは、オオカミの群れに羊を解き放つようなものだよ」

 

 ああ、言わんとしていることがよくわかる。アクアは案外、自分の事に関しては無頓着だ。仮に、少し共演して「悩みがあるの」と女性から誘われれば、自ら蜘蛛の巣にかかりに行くぐらいの不用心さがあるとルビーは思っている。

 

「だからこその同盟だよ。この場の全員でアクアを守るんだ」

 

 それぞれに電流が走ったように今更気づいたというような感じで表情が変わっていた。今までは、近くにいたから気づいていなかったが、これからアクアの活動の幅はより大人よりになるだろう。18歳を超えれば、なおのことだ。むしろ、これまで無事だったことが奇跡的ということさえある。だからこそ、守るという言葉にも説得力がある。

 

「でも、抜け駆け上等って、私たちの中だけで戦国時代でもする気?」

 

 フリルの言葉に疑問を持ったかなが疑問を呈する。確かにかなの例えは面白い。つまり、今の全員が日本とすれば、それ以外はちょっかいをかけてきた外国とすれば、内部で争う様は戦国時代と言えるだろう。そして、その言葉にフリルは口角を上げてにやりと笑った。それがまるでフリルの意図する質問だったと感心するように。

 

「戦国時代。言い得て妙だね。そうだね。これは不知火フリルから全員への宣戦布告だよ」

 

 ざばっ、と今まで浸かっていた温泉から立ち上がり、不知火フリルが宣言する。その様は、さすが国民的美少女といわれる芸能界の最強の一人である。誰もが注目せざるを得ない態度と声色で宣言する。

 

「星野アクアのD(童貞)は、この不知火フリルが奪う」

 

 あまりに明け透けすぎる宣言。誰もが絶句し、顔を赤くする中、沸点が低い有馬かなだけがフリルに反論するが、それを受け流すフリル。男女の最終地点はそこだから、狙って何が悪い、とある意味男らしいフリルに、何も言えないかなだった。初心だが、最終地点はそこだ、と言われれば反論はできない。そして、その場の誰もが、最終地点を想像しているのだろう。温泉でのぼせているとは言い訳ができないほどに顔が赤かった。

 

 そんな反応を外から見ながらルビーは思った。

 

「(あはは~、お兄ちゃん。恋に落ちるなんて悠長なこと言ってられなそうだよ)」

 

 不意にルビーの脳裏に諦観に近い言葉が浮かんだ

 

 ――――さっさとどこかに落ちてしまえば楽になるのに、と。

 

 同盟が成るかどうか、はルビーには分からない。ただ、この混乱(カオス)を知ったら頭を抱えるであろう兄を思うと少しだけ同情してやろうと思うルビーであった。

 

 

 

 






フリル「アクアシェアリングも検討したけど、やっぱり若さは闘争を求めると思うんだよね」


前半は、ルビーとアイの吾郎の関係性を見て驚くメムですね。かなは現実逃避です。
アネモネさんは、ルビーちゃんの光堕ちに脳を焼かれた感じですね。もちろん、バズりました。

はい、というわけで、ヒロインズの同盟まで作りました。プライベート編は、アクアの吾郎医師の社参拝とか色々ありますね。
中堅編は多分、ダイジェストでお送りします!

誤字脱字報告毎回ありがとうございます。大助かりです。

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