「ヤダ!!!!絶対にヤダ!!!!何が!!!!何でも!!!!絶対にヤダ!!!!」
ティーパーティーの部室に響くミカの抗議。
「何で!?何でよりによってこのタイミングなの!?私絶対やんないからね!?」
「そうは言われましても、それを決めるのはミカさんではありませんので」
しかし彼女には目もくれず、書類を捌きながらナギサはその言葉を一蹴する。
リエも「もう少しだけ待ってくれる?」と彼女にしては珍しいほどの幼馴染への塩対応。
ミカは「ヤダヤダー!!!!」とまるで幼子がそうするように駄々をこねた。
「ミカさん……自分が幾つだか分かっているのですか?そのように駄々をこねていられる歳や立場ではないことは、あなたでも十分理解できると思いますが?」
「知らない知らない!先に約束してたのは私でしょ!?なのに後から仕事が入ったからとか、ナギちゃんもリエちゃんもそんなのおかしいよ!不公平だよ!!」
「ミカ……」
「私何か間違ったこと言ってる!?すっごく頑張って準備したのに、「仕事だから〜」なんて理由で納得できるわけ無いじゃん!そんなんだからナギちゃんもリエちゃんも太るんだよ!!」
「なっ……」
「今それは関係ないでしょ……!?」
「うるさいうるさい!!」
相変わらずの様子のミカにナギサはため息を吐く。
そして彼女は妥協案として「でしたら、ミカさんだけは休みを取ってもらっても……」と提案するが、「そうじゃなくてー!!」と聞く耳持たず。
「そんなんじゃ駄目に決まってるじゃん!私はナギちゃんと、リエちゃんと一緒に行きたいの!!」
「……はあ、全く……ほら、セイアさんも見てないで。何か言ってもらえますか?」
「ほう?」
ナギサが呼びかけると、セイアはなんとも興味深そうに応じた。
「既にリエとナギサで2対1だと言うのに、よもや私まで巻き込むつもりかい?普段は大した権限も与えないのに?都合がいいからと?この私を?……ああ、もちろんこれが業務分担と言うのならありがたく受けるけれどね」
「ミカに似てきたなぁ……」
「セイアさん……!!お二人が一番よくご存知でしょう……!?毎日毎日、私達が、一体どれだけ
「あ、ナギサ、それ言っちゃったら……」
リエの言葉で我に返り「あ、言ってしまった……」という顔をするナギサ。
それとは反対に、ミカとセイアは「ようやくそれを引き出した」と言わんばかりにニヤついていた。
「ねえセイアちゃん。リエちゃんもナギちゃんもこんなにバカンス行きたいみたいだよ?」
「ああ、そうだね。これでは仕事の予定なんて入れられなくなってしまう。そうだろう?リエ、ナギサ」
「〜〜っっ……!!」
「……ああもう、ああもう……!!」
追い詰められたリエとナギサは、やけになったかのように机の上の書類を薙ぎ払う。
そして双子の姉妹のように、彼女達は声を揃えた。
「「……行けば良いんでしょ行けば!!!!!」」
「旅行の準備してきます!!」「後輩に言い訳してくる!!」と半ギレで部屋を出ていく二人。
普段見られないほどの感情の表しっぷりに、よほど仕事のストレスが溜まっていたことは察して余りある。
彼女達が出ていくのを見届けた二人は、その気配が無くなってからぱぁんっとハイタッチした。
「よし、これで難関は突破だ。正直感心したよ。君の本気の駄々こねはあの二人をも曲げてしまうんだね。見事だよ、ミカ」
「うん!そっちこそありがとね、セイアちゃん!ほら、こういう機会って最近は全然なかったからさ。……どうしても、一緒に行きたかったんだ」
「プライベートビーチ楽しみだね☆」とテンションブチ上がりのミカに対し、セイアは「それは、リエとナギサが羽根を伸ばせるからかい?」なんて尋ねる。
「そのために駄々をこねたのだろう?」と彼女が続けると、ミカは少し苦い顔をした。
「……それ、二人には絶対言わないでね?」
「もちろん。私の口は誰かさんと違って堅いからね。決して裏切り者にはならないとも」
「セイアちゃん……?」
「しかし、実際良いタイミングではあった。ここ最近は夏休みに入り、学園内での生徒達の活動が少なくて書類仕事に偏りがちだったからね。私達はその分野では少々力不足な分、二人にその割を食わせてしまっていた。そのくせ二人共、一度抱えた仕事は意地でも手放そうとしないからね。せめてこれくらいはするのが筋というものだろう。……もちろん、私達が書類仕事を出来るようになるのが一番だがね」
「……つまり?」
「二人を休ませてくれて感謝しているんだよ、ミカ」
「へぇ〜、セイアちゃん、お礼なんて言えたんだね?でも、そんなに言われるようなことはしてないよ。今はこういう時ぐらいしか贅沢できないからさ、私自身もめいいっぱい楽しむつもり!」
「ああ、分かっているよ。先程の駄々は真に迫るものがあったからね。私も「じゃじゃ馬さん」を扱って長いというわけだ」
「……どうしていつも一言多いのかな?「沈黙は金」って知ってる?」
「仕方ないじゃないか。君がそうで、彼女達がああであるように、これが私の性なのだから。それに、私だって本当に楽しみなんだ。久々に、4人で何も考えずに遊べるというのはね。……それに……」
「……?それに?」
ミカが聞き返すと、セイアは珍しく、はにかむように答えた。
「……いや、きっと今回も、ハッピーエンドだろうと思ってね」
実はリエとナギサのえっちな話を書こうと思ったり思っていなかったりしています
需要あります?