本当にありがとうございます!
今回は自信がありません!
……ちなみにリエの設定集とか需要あります?
「どきなさいっ!今の状況を理解してないの?!」
「ひ、人をいじめていい状況なんてある訳ないでしょ!!それに私は……!」
「いいからどけっ!」
「嫌!絶対に嫌!」
ミカを庇って立ち塞がったコハルに、パテル分派の生徒達は強く迫る。それでも一歩も引かない彼女に対し彼女達が銃口を向けた、その時だった。
「……それ、私も違うと思うなぁ」
「っ?!……何故ここに……」
「シャーレの……」
「まずその武器仕舞ってくれない?コハルさ、
その先生の、微笑みながらも怒りの籠もったような瞳にたじろいで、彼女達は何も言わずにその場を去っていった。その背中が見えなくなるのを見届けてから、先生は少し涙目になったコハルの頭をワシャワシャと撫でた。
「あっはは!カッコいいじゃんコハル!エリートの面目躍如だね!」
「と、当然でしょ!私は正義実現委員会のエリートなんだもん!」
「……久しぶり、だね?……先生?」
「うん、ミカも元気そうで何より!……でも、なんであの提案に乗らなかったのさ?」
「……分かんないや。もちろん、今命令したら私の思い通りって分かってるんだけど……ほんと、なんでかなぁ……」
そう言っているうちに、ミカはどんどん俯いていき、その目からポタポタと涙を溢し始めた。
「……わかんない……わかんないよ……私、私バカだから……こんなことも、自分のこともわかんない……なんでゲヘナが嫌いだったのかも、なんでこんなことしたのかもわかんない……でも先生……会いたい……私会いたいよ……セイアちゃんにも、ナギちゃんにも、リエちゃんにも……それで、それで、みんなにもう一回……「ごめん」って、謝りたい……こんなバカでごめん……ごめんね……」
「……」
「こんな私じゃ……もうダメなのかもしれないけど……でもまだ……私……」
「良いんじゃない?謝れるって良いことだしね」
そう言って、先生はぎゅっとミカを抱き締めた。「本当に……?」と彼女は涙目で尋ねる。
「うん。でも、全部終わったら、ね!」
「先生……?」
「私は先生なんだよ?仲直りの機会なんていくらでも作るから!……だから、少しだけ待ってて。ミカ」
そしてもう一度ミカの頭を擦って、先生は痛む傷を忘れて走り出した。
「みんなお待たせ!!待っててくれてありがとうね!!」
「……先生……?!」
「重傷なんじゃ……?!」
大聖堂の扉を勢いよく開けるなり、先生は思いっきり叫んだ。一瞬だけ誰もがその手を止めて、彼女の方を見る。そしてその中からハナコとマリーがいち早く、そして先生の後を追っていたコハルも合流する。
「銃に撃たれたって……もう大丈夫なんですか……?」
「は、はい。無理をしてしまっては……」
「大丈夫。ここから先は全部私に任せちゃって!!」
先生はその薄い胸をドンと力強く叩いた。
救護騎士団の病院……先生が寝かされていた場所とは別だったが、彼女は歩みを止めることなくスタスタと廊下を歩いて行って、その内の一つに足を踏み入れた。
「ハスミ、いる?」
「……先、生……?」
彼女が声を掛けると、ハスミはおもむろに上半身を起こした。傷だらけではあるが、それでも命に別状はなさそうだ。先生は「良かった」と胸を撫で下ろした。
「……ツルギ達……他のみんなは……」
「けひゃああぁぁっ?!……せ、先生?!どうしてこちらに……?」
彼女の顔を見るなり勢いよくベッドから飛び降りて、ツルギは赤面した。ハスミより重傷と聞いていたが、その傷は明らかにハスミより浅い。丁度やってきたハナエも「もう動けるんですか?!」と驚愕の目線を向けていた。
正義実現委員会の復活を確認して、その足で彼女は風紀委員会の下へ向かった。そこには風紀委員会と共に、彼女の命を救った救急医学部のセナの姿もあった。
「ご無事で何よりです、先生。……いえ、問題ないと言いたかったのですが、幾分大人の治療というものは初めてだったもので」
「……先生、無事だったのですね」
「チナツ、まだ動いてはいけません。先輩命令です」
「……私はもう風紀委員会なので……」
二人も無事で良かった、そう言おうとした先生の後ろで、一際大きな声が響く。
「先生……?!」
「無事だったんだな?!」
「お二人共、動かないで下さい。傷口が開きます」
「とりあえず、アコもイオリも無事なんだね。良かった!」
「はい。ですが委員長は……連絡も取れず何処かへ……」
「まっかせて!私が行ってくるから!」
アコが最後まで言い終える前に、先生は病室から走り出す。間もなく日も変わろうとする中で、彼女はトリニティを飛び出した。
明け方3時前、トリニティに戻った先生を降りしきる雨の中で出迎えたのはヒフミ達だった。
「……先生、アズサちゃんが……」
「……」
「まだ、アズサちゃんが一人で戦ってます……一人でずっと……居場所が違うって、私みたいな普通の生徒には……」
「……ヒフミは、ヒフミ達はどうしたい?」
少し涙目になって言うヒフミに、先生は静かに問いかけた。
「……助けたいです。アズサちゃんを、一人にしたくないです」
「うん!アズサが一人でいるのを放っておきたくない!」
「はい、そういうのは……一人というのは寂しいですから」
彼女達の答えを聞いて、先生は満足気に微笑んだ。
「その答えで十分だね!ヒフミはずっと頑張ってきて、ちゃんと欲しい物を手に入れて、欲しい結果を掴んだ。なら、今回もそうしよう!」
「はい!私はもう諦めません、悩みません、ただ、出来ることを全力で……!」
「……そ、そうよ!アズサもいつも言ってたじゃない!」
「はい、「例え全てが虚しいとしても、それは今日最善を尽くさない理由にはならない」……なら、私達も最善を尽くしましょう!」
「……よし、アズサを助けに行くよ!」
「よくも、よくも姫を……!無事で帰れると思うなよアズサ……!」
「ああ、元よりそのつもりだ。……刺し違えても、サオリだけは絶対に止めてみせる」
酷い雨の中、古聖堂の瓦礫の上、唯一人相対する。アツコに傷を負わせたアズサへの復讐に燃えるサオリ、彼女の率いるアリウススクワッド、ユスティナ聖徒会に。もう、アズサの身体の傷は痛まない。
「そんなことがお前に出来るか!!この怒り!恨み!憎しみ!お前に耐えられるとでも言うのか!!」
「ああ。私は『人殺し』になる」
「アズサァッ!!」
「……もう、二度と会えないとしても」
アズサへ距離を詰めるサオリへ向けて、彼女は引き金を引く。一瞬動きが鈍くなったが、それでも復讐の念に駆られたサオリは止まらずに至近距離でアズサに銃撃を浴びせた。その痛みに彼女は歯を食いしばりながら、至近距離で弾丸を浴びせ返す。
「何故だ!何故足掻く!何故無駄な足掻きを!全ては──」
「虚しくとも、足掻き続けると決めたんだ……!」
「それに何の意味がある!」
再び引き金を引くサオリ。限界が近づいているアズサの身体は、その場に崩れ落ちる……はずだった。
「……?!」
「……」
「ヒフ……ミ……?」
倒れかけた彼女の手を、ヒフミは精一杯の力を込めて掴んでいた。
次回はお待ちかねのアレ