ミカとナギサの幼馴染   作:あるふぁせんとーり

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ミカ書くの難しくない?


記録42:魔女

「檻の中に入れられた……そう聞いてたんだがな」

「あっはは!よく知ってるね!でも出てきたんだよ!あなた達に会いたくてさ!」

 

 彼女を鋭く睨むサオリに対し、ミカは無邪気に微笑んで答えた。先生には、気づいていないみたいだった。

 

「ほら!まだ私達、やることが残ってるでしょ?」

「……先生は?」

「まだ後ろ……ですが、すぐ来るかと……」

「私だってあなた達とそれなりに一緒にいたの、何するか、何処に来るかくらいすぐに分かるよ!」

「……後何分だ?」

「約28分……でも、あの女とやるにはいささか時間が足りないと思うけど」

「む、無謀……ですかね……?」

「姫を連れてどれだけ逃げたと思ってるの?……もう私達の体力はとっくに底を尽いてる。先生の指揮がないとどうしようもないと思うよ」

 

 そう言って、ミサキは改めて目の前の彼女に目をやった。

 

「聖園ミカ……あくまで政治家集団のティーパーティーで朝日奈リエと彼女だけはまさしく異次元の武力を持ってる。それこそ、キヴォトスでも最上位を争うレベルの。それに、乱戦になったらスペックの暴力に対抗出来ない。この状況は遺憾なくその実力を発揮されるだろうね」

「あっはは!ねえ馬鹿な女だと思ってたでしょ?思ってたよね?でもそんな馬鹿に追い詰められるのってどんな気分なの?ねえその口で聞かせてよ、私を騙したその口でさ!!」

「……リーダー、後退して出直すのは?」

「無理だ、時間が無い」

「せ、先生が来るまで時間を稼ぐのは……?」

「ねえ無視しないでよー!一緒にクーデター起こしたお友達だよ?それってさぁ……」

「っ?!」

「仲間はずれだよね?!」

 

 痺れを切らしたミカが、先んじて仕掛けた。万全な彼女の圧倒的な性能と正面からやり合っては間違いなく負ける、そう判断したアリウススクワッドは息を揃えて三方向へ散った。

 

「……?もしかして、何か起きてる……?」

 

 そしてアリウススクワッドvsミカが幕を開けるのと、先生が先に行っていた彼女達の異変に気がついたのはほぼ同時だった。

 

「急がなきゃ……!」

 


 

「だ、ダメです……速すぎて……」

「あの女といいアンタといい……ティーパーティーはデスクワーカーって聞いてたんだけど……!」

「くっ……」

「ねえねえ、『スクワッド』ってこの程度なの?そんな訳無いよね?だって魔女狩り(リエちゃん)ともやり合ったんでしょ?それがこの程度で終わるはずないよね?そうでしょ錠前サオリ?」

 

 スクワッドを一蹴し、ミサキの首根っこを掴みながら彼女は残念そうに言う。倒れたヒヨリをかばうようにその前で銃を構えるサオリを一瞥し、ミカは彼女に問いかけた。

 

「……あ、そういえば、マスク着けてたあの子は?あの無口な。名前は……アツコだったかな?」

「……」

「ええ……教えてくれないの?いいじゃんせっかく弾切れなんだし、少しくらいおしゃべりしようよ!」

「……っ、ぐぅ……ぁあ……!」

「ほら、早くしないと倒れちゃうよ?」

「ミサキ……!」

「へえ、あなた達にとっても、仲間は大切なんだ。……うん、私も大切な人がいるからその気持ち分かるよ。あなた達が殺そうとしたセイアちゃんに、あなた達が襲撃したナギちゃんとリエちゃんに、あなた達が狙ってる先生!あっはは!本当に全部私から奪うんだね!錠前サオリ!特にセイアちゃんなんてさ、いっつも面倒なことばっかり言うし、話してもイライラするだけだったけど、それでも「死んだ」って聞いた時、本当にショックだったの。……ねえ、錠前サオリ。私はいつ「ヘイローを壊せ」なんて言った?いつ「殺してほしい」なんて言ったのかな?……だからさ!」

「ぅっ……あああっ!!」

「ミサキ?!」

「もうお互い、全部奪い合って!全部壊しちゃおうよ!私と同じ分!私と同じように!全部平等にさ!!」

「ストップ!!」

 

 その聞き慣れた声に、ミカは思わず声の方向を振り返る。解放されたミサキは、不機嫌そうにその場に倒れた。

 

「せ、せ……先生?!なんで?!私は……その……」

「良いところで邪魔してごめんね、ミカ」

「せ、先生……?なんで、スクワッドと一緒にいるのさ……?」

 

 思わぬ彼女の登場に、ミカは正気に戻りつつも戸惑っていた。

 

「なんで……?なんでよりにもよってこんなの……先生に見られちゃうのさ……?」

「いたぞ、スクワッドだ!聖園ミカもいるぞ!」

 

 現れたアリウスの増援が一斉に銃を構える。ミカの背中を、無数の弾丸が捉えていた。

 

「……誰?」

「ゲホッ……先生、時間がない……」

「ああ、走るぞ!」

「行きましょう、先生」

「ごめんね、ミカ!詳しいことはあとで話す!だからトリニティで待っててほしいな!」

 

 ミカとアリウスの増援を置き去りにし、彼女達はカタコンベに向かって全速力で走った。

 


 

「これは……せ、セーフ……ですかね……?」

「うん、完全に閉まり切るにはもう少し掛かる。追っ手が来る前に先を急ごう」

「ああ。それと先生、ここから先がアリウスだが……電波が通らない上、道も複雑になる。くれぐれも、はぐれないでほしい」

「了解!」

 

 三人の少し後を、先生はスタスタと歩いていく。その背中を見失わないように意識を割きつつも、どこかでさっきのミカが引っかかる。

 

(ミカの復讐……?トリニティで……何が起きてるの……?)

 


 

「……奴らは?!」

「カタコンベへ向かいました!追いますか?!」

「ああ!もちろ──」

 

 聖園ミカが沈黙したのを確認し、スクワッドを追撃しようとしたアリウスの生徒達。けれど、唐突に指揮官の頭を弾丸が貫いた。

 

「ああもうなんてことしてくれるのさ?!いったいんだけど!」

「聖園ミカ……?!まだ倒れていない……?!」

「あっはは!この程度で私が負けると思ってるの?ジョークのセンスは抜群だね!だけど──」

 

 引き金を引きながらミカが銃を一薙ぎすると、その射線上のアリウス生がバタバタと倒れていく。

 

「私を倒したいなら、リエちゃんでも連れてこないと!人数で言うなら、100万倍くらい足りないよ?」

 

 そしてその場のアリウスを壊滅させ、適当な情報を聞き出した後に、彼女はぐぐっと背伸びした。

 

「さーて!錠前サオリはどの辺まで行ったかな?」

 

軽い足取りで、彼女はカタコンベへ入っていった。




ミカは不安定だからこそ美しい感はある
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