ミカとナギサの幼馴染   作:あるふぁせんとーり

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最終決戦が迫ってきてる


記録43:総力

「アリウスの地図は?!」

「解読45%!4時までには完成させます!」

「アリウス合併に関する法案完成しました!いつでも通せます!」

「みんな、身体ぶっ壊してでも急いで!!全部私の名前を使ってくれて良い!!早くしないと、ミカも、セイアも、先生も、アリウスも、全部手遅れになる!!」

 

 夜半はとっくに回り、生徒達が寝静まる中、本館と大聖堂だけは煌々と明かりが灯り、ティーパーティーやシスターフッドなどが慌ただしく動いていた。ミカは脱獄し、セイアは倒れて搬送、それにナギサも付き添っている為、この緊急事態の中、ホストの権限はリエに渡っている。

 

「皆さん急いで下さい!アリウスにも救護の手を!」

「まだ医薬品が足りません!私掻き集めてきます!」

「サクラコ様、追加の資料です!」

「ありがとうございます。ウイさん、まだ頼めますか?」

「うう……逃げられない……でも、私も……!」

 

 救護騎士団も図書委員会もシスターフッドもティーパーティーも入り混じり、山積みの書類と格闘しながら何とかアリウス制圧への糸口を探して必死に藻掻く。

そんな中、先頭に立って指揮を執るリエの下に数人の生徒が訪れた。

 

「正気の沙汰ですか、リエ様?!」

「そうです!アリウスと言えば、セイア様を襲撃した……!」

 

 サンクトゥス分派……即ち、セイアの派閥の生徒達だった。

 

「確かに、正気の沙汰じゃないのかもしれない。それでも、これは私達が果たすべき責務だから」

「どうして……リエ様だって、アリウスと銃を交えた一人でしょう?!」

「そうだけど、交えた私が救いたいって言ってるの」

「……!」

「かつての友人と数百年道を違えて、でも今ならもう一度手が届く。手を伸ばせば、彼女達も、私達も全て救えるかもしれない。その可能性を浅はかな感情一つで見捨てるほど、あなた達のオブザーバーは愚かじゃない!」

 

 そう言い放った彼女に、サンクトゥスの生徒達は少し考えた。

 

「……分かりました。それがリエ様の、セイア様が信じたオブザーバーだと言うのなら……私達も手を貸します!」

「リエ様ならお分かりでしょう?あのセイア様の下で働いていたんです、このような領域は我々の得意分野」

「はい、お任せください!」

 

 リエの思い、受け継いだ初代の祈りが届いたかのように、みな一団となって目の前の壁にぶつかっていく。啀み合っていたパテル、フィリウス、サンクトゥスさえも彼女達のリーダーが信じたオブザーバーの下で手を取って。そして、その波は大きく波及して事態を少しずつ好転へ動かしていく。

 

「もっと資料ないの?!これじゃあ……!」

「そう言われたって……」

「そこは行き止まりだ。大通りはこっちに繋がってる」

 

 分析官のモニターを覗き込み、突如現れたアズサは指を差した。

 

「……!白洲アズサさん……?!」

「アズサちゃん……!?何で……」

「ハナコから聞いた。アリウスを救えるなら、私も力になりたい。あっちにも、まだ仲間がいる」

「……分かった、頼らせて」

「……!リエ様、正義実現委員会と連絡が付きました!」

「今行く!」

 

 部屋の固定電話の受話器を手に取った。電話口の先はハスミだった。

 

「ハスミ、正義実現委員会どれだけ動かせる?」

「『問題ありません。全戦力、いつでも出撃できます。ナギサさんからの要請ですので』」

「……?!何で……」

「『先程……セイア様と共に病院に向かった直後です。「ミカさんと先生を助けるため、アリウスへ突入する。その準備をしてほしい」と……』」

 

 奇しくもミカを助けるため、同じ結論に辿り着いていたリエとナギサ。その事実を彼女が飲み込んでいる間に、ハスミからの電話は切れ、サクラコが声を掛けた。

 

「ここから先は私達が請け負います。リエさんはセイアさんのところへ向かってあげて下さい」

「……分かった。このバトン、確かに渡したから」

 


 

「……?此処は……?」

 

 空には青空、地平には山並みが萌える座敷で彼女は目を覚ました。

 

「実体は無い……蜃気楼、いや、ここは……『百鬼夜行』……?」

「ふぅむ、珍しいお客様じゃな」

「……!」

 

 彼女と……百合園セイアと同じような狐耳を携えた何か幽世の存在のような者が話しかけた。

 

「ここに妾以外が足を踏み入れるのは……記憶では初めてかのう。何故このような白昼夢を彷徨うのじゃ?」

「……?もしや、私を……認識出来るのか?」

 

 戸惑うセイアを見回して、彼女は答える。

 

「……成る程、夢遊病かと思ったが、随分悪質な観客に見惚れられたのう。神秘まで蝕むとは、欲の張った禍じゃな」

「神秘が……?」

「……しっかし中々面倒な災じゃのう……なら一つ、妾と取引はどうじゃ?」

 


 

「……全く、君はつくづく神に愛されているね」

「……っ?!セイア……?!目、覚めた?!」

 

 時刻は3時過ぎ。病室に入るなり響いた彼女の声に、リエは目を丸くした。

 

「……だが、あまり話している時間もなさそうだ。これだけ持ってアリウスへ向かうと良い」

 

 そう言って、彼女は何枚かの紙切れをリエに押し付ける。番号と迷路が記されたそれの意味を、彼女はすぐに理解した。

 

「……これ、カタコンベの……何で……?」

「勘だ。だが予知と引き換えに得たものだ、存分に信用してくれ。……もう時間切れは迫ってきてる」

「……!」

「この数百年にピリオドを打つのだろう?ミカを助けるのも、先生を守るのも、アリウスを救うのも、後は君が行くだけだ。歴史にその名を刻み、存分に暴れてくるといい!!」

「……うん、ハナからそのつもり!!」

 

 グレネードランチャーを背負い、リエは背を押すセイアに応えて部屋を飛び出した。

 

「……あれ……リエさんは……?こちらにもうすぐいらっしゃると聞いたのですが……」

「リエなら、全てを救いに行ったとも。……さながら、姫を助け出す騎士のようにね」

「……せ、セイアさん?!目覚めたのですか?!」




もしかしたら原作より良い結末を迎えられるかもしれない
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