ミカとナギサの幼馴染   作:あるふぁせんとーり

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緩い話書くのたのしー!
リエはシリアスほどデカくはありませんが、あれを着こなせる程度には結構デカいと思います


記録57:非日常

「そして今回、解説も豪華ゲストを呼んでるからね!」

「正義実現委員会副委員長、羽川ハスミです」

「シスターフッドのリーダーを務めさせていただいてます、歌住サクラコと申します」

「はい二人共よろしく!ところで意気込みとか、なんか一言ある?」

 

 そう問いかけられた二人。

 据え置きのマイクをトントンと叩いた後に、サクラコから口を開いた。

 

「そうですね、この前もトリニティで夏らしい行事があったのですが……その時はあまり関われませんでしたので、このような形で関われることを嬉しく思います」

「同感です。……ところで、あそこの屋台は……」

「あ、勝手に食べてもらっちゃっていいよ!それで、二人は今回のチャレンジについてはどう思う?」

「そうですね……今回、どのようなチャレンジが用意されているのか分かりませんが……鍵になるのはリエさんとミカさんだと思います」

「あの二人?」

 

 屋上のゴールに設けられた特設ステージのテントの下に設置された実況席にはリアルタイムでドローンから映像が中継されている。

 ハスミがウキウキでかき氷に色鮮やかなシロップをかけている中、サクラコは自らの仕事を全うしようと話を続ける。

 

「あのお二人はトリニティでも最高峰の身体能力を誇る方です。例えどれだけの難度であろうと突破して見せると思います。……ですが、問題は残りの方々です」

「残り……先生達に問題とか?」

「いえ、先生も大丈夫だと信じているのですが……何せ「得意科目は体育だった」と伺っていますので。しかしセイアさんとナギサさんは──」

「……かなりマズイ感じ?」

 

 ランコがそう聞くと、サクラコは少し言いづらそうに首を縦に振った。

 

「まずナギサさんは……どちらかと言えばインドア派、しかもティーパーティーの業務でデスクワークが増える以上、必然的に身体を動かす機会は少なくなり、結果として体力はかなり鈍っているものと思われます。現に体力テストは下位20%だったと記憶しています」

「……じゃあセイアちゃんの方はもっとヤバいん?」

「……セイアさんは、もはや「ヤバい」という言葉では全く足りないほどです。ソフトボール投げは6m、シャトルランは7回、100m走に至っては途中で中止になりました。おそらく、トリニティで最も体力の無い生徒だと思います」

「……あー……なんでエントリーしちゃったの?」

 

 ランコが不思議そうに問いかける。

 サクラコも「さあ?」といったような表情を浮かべ、顔を見合わせた。

 ハスミは幸せそうにフルーツもりもりのかき氷を頬張っていた。

 


 

「……マジ?」

 

 目の前に迫る大波。

 膝上数十cmのプールには幾つかの壁が設置されている。

 そして大波を発生させる装置の手前に備え付けられたボタン。

 どうやら、あれを押せという話らしい。

 

「つまりこれは……」

「うん、壁を使って波を避けながらボタンのとこへ行く……って感じかな!」

「そうみたいだね。……にしても、挑戦中はインカム切れるんだ……」

 

 一同はまず冷静に、第一の波を最寄りの壁で防ぐ。

 どうやら波の周期はズレがあって10〜30秒周期で発生するみたいだった。

 

「……ねえ、これ無理矢理に波耐えてボタンのところ行っちゃ駄目なのかな?」

「……全く、君は馬鹿だね。あの波の高さが2m、厚さが50㎝、幅が5mと考えると……その総重量はおよそ5t、そんなのに耐えられるはずは──」

「あ、次来ます!」

「あ」

 

 ナギサがそう伝えると、麦わら帽子を被り、浮き輪を持ってすっかり夏の装いのシマエナガくんは「あ、ここいたら死ぬな」と言わんばかりにセイアの頭を飛び立ち、ミカのお団子に着地した。

 そしてその直後、少し安心していたのか、壁からはみ出していたセイアが無慈悲に波に飲み込まれて入り口の砂浜に打ち上げられる。

 

「セイアちゃーん!!」

「……あとは……任せたよ……」

「せ、セイアってもしかして……?」

「うん、弱いよ。ものすごく弱い」

「おそらくシマエナガさんの方が強いと思います……」

 

 そして、結論が出た。

 「取り敢えず動けるミカとリエでゴリ押しして、犠牲者は後で回収する」、それを基本方針として、改めて彼女達の挑戦が幕を開けた。

 冷静にやれば、波はどうにでもなった。

 


 

「『さあティーパーティー早くも一階を突破!やるじゃん!でも次も結構すごいかんね!』」

 

 見事大波地帯を突破し、エレベーターに乗り込んだティーパーティー御一行。

 これでようやく三十分の一か、とナギサがため息をつく。

 そして再びオンになったインカムから彼女の明るい声が響く中、エレベーターの扉が開いた。

 

「『さあ、夏の思い出はみんな色々あるでしょ?!でもこれは欠かせないよね『スイカ割り』!』」

 

 二階に足を踏み入れた彼女達の前に広がっていたのはバッターボックス。

 『エンジニア部』のロゴが刻まれた妙に大きなピッチングマシーンに目を思わず惹かれる。

 

「『てなわけで二階はこれ!『スイカピッチング』!!あ、廃用で中身スカってるようなやつだから食べ物では遊んでないよ!』」

「『……んぐっ、いえ、これは……シャクシャク』」

「『はい、間違いなくこれは……』」

 

 カキーンという威勢の良い音が響き、大玉のスイカがモニターにぶつかってその場にボトッと落ちる。

 そしてベンチに座った先生の楽しそうな応援が響いた。

 

「かっとばせー!!聖園!!」

 


 

「『大楽勝?!』」

「随分簡単だったね?リエちゃん」

「……まあ、失敗する要素は無かったかな」

 

 ノルマのホームラン20本を10本ずつ余裕で達成し、スイカの汁がベタッと付いたバットを投げ捨ててリエとミカは拳をカツンと合わせる。

 先生もセイアもナギサも、後ろのベンチで紅茶を飲んでいた。

 

「まあ、ここまで明らかに得意分野が来ると……」

「二人なら瞬殺だろうね」

「良いぞ二人共ー!ミレニアムリーグ目指せー!!」

「『あの二人マジヤバくね?!サクラコちゃんもハスミちゃんも分かってたん?!』」

「『まあ、このような膂力を求められる勝負なら……』」

「『シャクシャク……はい、あの二人ならまず突破できます。……お代わり……してしまいましょうか』」

 

 そして彼女達は意気揚々とエレベーターに乗り込んだ。

 


 

「『カブト!クワガタ!男の子なら大好きでしょ?!というわけで虫取りの時間だよ!!』」

 

 三階『カブトムシとクワガタムシを合計で五匹捕まえろ』

 

「待って待ってムリムリムリ!!なんで突然虫取りなんて?!」

「きゃぁぁっっ?!こっちに来ないでくれたまえよ先生?!」

「セイアちゃんもこっちに来ないでってあ待ってこっち来──」

「……?三人とも、何を怖がっているのですか?」

「ナギサ、こっちも取れた」

 

 桐藤ナギサ四匹、朝日奈リエ三匹により突破。

 


 

「『学生といえば夏は部活!汗でドロドロなのにサイコー!ってことで泥臭い夏送っちゃおう!』」

 

 四階『泥迷路(間違った通路には泥たっぷりの落とし穴)』

 

「……急にエンタメ感……っていうかバラエティ番組感出してきたけど」

「迷路かぁ、私苦手なんだ──」

「右右まっすぐ左左右左まっすぐ左右右まっすぐ。……さっさと終わらせるよ、先生」

 

 セイアの勘により突破。

 


 

「『連戦連勝流石『ティーパーティー』!!でも今度は自信作!腰抜かさないでよ頼むから!!』」

 

 よほど自信があるのか、彼女は楽しそうに実況を続ける。

 そして五階に止まったエレベーターが開くと、そこには酷くシンプルな光景が広がっていた。

 広がる湖のような景色に一つの長い丸太橋が懸かっている。

 

「……これ、渡れってことかな?」

「急に簡単になったような……?」

 

 そう言って、橋の前で立ち止まる彼女達。

 その前を一匹の魚が跳ねた。

 

「……マジで?」

「『退けば老いるぞ!臆せば死ぬぞ!治療費はこっちで出したげる!!『人食いピラニアブリッジ』!!』」




ところでティーパーティーメインイベはまだなんですかね?
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