ミカとナギサの幼馴染   作:あるふぁせんとーり

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謎技術で仮想空間で遊んでるの超楽しそう


記録61:競走

「『さあ来たね早いねナギサちゃん!!第一チェックポイント突破ァ!!』」

 

インカムの切り忘れか、はたまたわざとか、慣れた手捌きでハンドルを切るナギサの耳に朗々とした実況が響く。

 

「第一チェックポイント、走行距離およそ2キロで1分50秒……おかしいですね……」

「おかしい?何がおかしいの、ナギサ?」

「……なるほど、「制限時間が長すぎる」……そう言いたいのかい?」

 

狭い車内でセイアが問いかけると、ナギサは黙って頷いた。

それと同時にけたたましいアラートが鳴り響く。

モニターには、敵対勢力を示す赤いマークが大量に出現していた。

 

「『……やっぱ走ってるだけじゃ味気無いって感じじゃん?ここらでどーんとブチ上げてこ!!てなわけでお邪魔虫カモン!!』」

「やはりそういうことでしたか……!」

「高速道路で銃撃戦とか、なんたらが如くで見覚えある……っていうかこの前補習授業部でやったんだけど?!」

「行くよ、ミカ」

「オッケー☆待っててね、先生!」

 

先生に手を振ると、リエは戦車の後部に降りて射撃体勢に入り、ミカはハッチから身体を乗り出した。

外に出てそうそう、聞こえてきたのはヘリのローター音、見えたのは無数のバイクに乗ったメカニックな傭兵達。

仮に仮想空間としても随分過激だな、と苦笑いして、彼女は手元のグレネードランチャーをリロードする。

 

「意外と多いね、どうするリエちゃん?」

「雑魚は散らすよ、ヘリ落として」

「まっかせて!」

 

レースとは名ばかりの、或る意味でキヴォトスらしいカーチェイスが幕を開けた。

 


 

「『いよいよ第4チェックポイント突破!!残り2キロ気張ってけー?!』」

「ナギちゃん運転荒いって!リエちゃん落ちるよ?!」

「リエさんなら落ちたってどうにか帰ってくるでしょう?!ミカさんが雑にヘリ落とすから足止め食らってもう時間がないんです!」

 

焦りながらも360°スピンを軽く決め、蛇行する高速道路上でさらに速度を上げるナギサ。

ミカは先生に粗相を見せまいと必死に腹からこみ上げるものを抑え、リエは暗い目で口を抑えながらも次々に傭兵を焼いていく。

 

「急ぎたまえナギサ、もう一分を切った」

「っ、問題ありません!どうにかします!」

 

そう言って、彼女は再び鋭くハンドルを切る。

唯一外にいたリエが、そのドリフトに耐えようと戦車後部の手すりに手を伸ばした瞬間だった。

 

「やっば」

 

倒れた道路標識が彼女の頭を直撃する。

意識外からの一撃に、流石に手の力が緩んだリエの身体が道路に投げ出され、さらにミカが落としたヘリコプターが同時に爆発を起こした。

そして彼女が高速道路の崩れたアスファルトごと落下する中、カウントダウンが始まった。

 

「『5!!』」

「ねえリエちゃん落ちたよ?!思ったよりもガッツリ落ちたよ?!」

「『4!!』」

「どうせ生きてます!どうせ生きてますから!」

「『3!!』」

「あとちょっとだけ頑張ってナギサ!」

「『2!!』」

「ああ頼む!」

「『1!!』」

「……これで!!」

「『0!!』」

 

その声が響いたのは、戦車がゴールテープを模したバリケードに突っ込んだほんの少し、コンマ数秒後だった。

 

「『ティーパーティー、『ハイウェイ・タンクレース』突破!!ほんとサイコーだよ!!』」

「……ああ……疲れた……疲れました……」

「お疲れ様、ナギサ」

 

水着で顕になった素肌に汗を滴らせ、紅茶を飲み干したナギサ。

その肩を先生が叩く後ろで、高さ20m程の高速道路の塀に彼女は手を掛けた。

 

「……あー、いったぁ……」




こんな夏を送りたかったなぁ
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