ミカとナギサの幼馴染   作:あるふぁせんとーり

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今ちょっと色々いじってるんで気にしないでください


記録73:共闘

連邦生徒会、トリニティ総合学園、ゲヘナ学園、ミレニアムサイエンススクール、百鬼夜行学園連合、アビドス高等学校、山海経高級中学校、レッドウィンター連邦学園、ヴァルキューレ警察学校、SRT特殊学園……。

先生の名の下に集った学園が死力を尽くし、シャーレを中心にして『虚妄のサンクトゥム』への抵抗を図る。

それは、今までに無い壮絶な光景だった。

 

あらゆる生徒が言葉を交わし、手を取り、共に立ち向かう。

知恵を絞る者、技術を発揮する者、戦う者。

そして……。

 

「そっち回線速度下がってる!テラ速で立て直して!」

「了解ですどうにかします瀬戸際です!」

 

それを、繋ぐ者。

 

「ゲヘナサーバー増強!このままじゃあと二分でキャパ超え不可避!」

「おっけウチやる!」

 

巨大なサーバーに囲まれた中、ヴェリタスもかくやというスピードでキーボードを叩き続ける彼女達。

 

「『ランコ、まだまだアクセス増えると思うけど……行ける?』」

「どんと任せとけチヒロちゃん!二人共分かってるよね?!『アーク』が落ちたら……」

「はい、バドエン不可避です。……でも、そんなのごめんです。自分ハピエン厨なんで」

 

画面上を飛び交うそれぞれの緊急連絡。

避難指示、救援要請、作戦指示……。

一つでも途切れたら、誰かにとって取り返しのつかないことになる。

 

「『ランコ、マナミ、ユナ……どうか頼んだよ!』」

「あっは、先生にそう言われたら余計負けられないね!……良いよ!『クロノスエンタメ部』、全身全霊で挑んだげる!!」

 

彼女達、クロノスエンタメ部の役目、それは『虚妄のサンクトゥム攻略戦』専用の緊急学園間連絡システム、『アーク』の維持及び改良。

これ一つで誰でも学園を超越した連絡が可能になるという優れものは今の協力体制を支える基盤の一つに違いなかった。

『全知』明星ヒマリが即席で組み上げたそれをエンタメ部に託したのは、セキュリティ関連で彼女達と付き合いがあった各務チヒロだった。

 

「ここ乗り越えて!この話全部突っ込んで!来世の来世のそのまた来世まで語り継がれる英雄譚!エンタメ部で仕立て上げんぞ!!」

 


 

「『そちらは?』」

「取り敢えず6本は照合終わった。間違いない」

 

キーボードの上で指を踊らせながら答えるリエ。

どうやら、二人の答えは一致しているらしい。

互いに送りあったデータがぴったり同じ値を示していた。

 

「『ふふっ。……先生、『虚妄のサンクトゥム』、その守護者達の詳細を割り出しました』」

「ほぼ間違いない結果だよ。保証する」

 

そう言って、二人は結果をシャーレに共有する。

 

 

 

「『アビドス砂漠、デカグラマトン3番目の預言者──』」

「『違いを痛感する静観の理解者(ビナー)』」

 

「『D.U.近郊の元遊園地の廃墟、『スランピア』、複製(ミメシス)──』」

「『シロ&クロ』」

 

「『ミレニアム郊外の閉鎖地域、デカグラマトン4番目の預言者──』」

「『慈悲深き苦痛を持って断罪する裁定者(ケセド)』」

 

「『トリニティ・ゲヘナ間境界『バシリカ』、『聖徒の交わり(Communio sanctorum)』──』」

「『ヒエロニムス』」

 

「『ミレニアムの新興都市、デカグラマトン8番目の預言者──』」

「『輝きに証明されし栄光(ホド)』」

 

 

 

「『……なるほど、あいつら全部倒せば良いってこと?』」

「そういうこと」

「『……先生は彼らをご存知なのですね』」

「『まあちょっぴり縁があってね!』」

 

「なら、私の出番はこの辺かな」、そう呟いて、パソコンを閉じるリエ。

電話越しのヒマリに彼女は礼を言う。

 

「……助かったよ。明星ヒマリ」

「『こちらこそ。このような形でしたが……再び話せて良かったです』」

 

そして電話を切る直前、二人は声を揃えた。

 

「「『幸運を』」」

 


 

「……ただいま」

「お疲れ様です、リエさん」

 

彼女は執務室に置いて行っていたカーディガンを羽織り直すと、部屋の中央に置かれたモニターに振り返る。

刻まれたタイムリミットは15日。

 

「……なるほど」

 

リエはスマートフォンを覗いて呟いた。

『アーク』がリエに割り振ったラベルは『防衛戦』。

 

「……上等」

 

その目に火が灯った。




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