「おっ、第5サンクトゥム『ホド』撃破確認!これで全部だよー!!」
モニターとにらめっこしっぱなしだった連邦生徒会、由良木モモカが歓声を上げる。
それにつられて、各学園への指揮で忙しかった先生もモニターを巨大なモニターに映し出された情報を覗き込んだ。
「……っていうことはリンちゃん!!」
「はい、残りの全戦力を第6サンクトゥムに集めます」
リンちゃんと呼ばれた彼女……連邦生徒会首席行政官七神リンは一斉に指示を飛ばす。
「……おそらく、これが最後の──」
その時だった。
シャーレの地下通信室に設けられたスピーカーというスピーカーから警報が鳴り響く。
連邦生徒会、岩櫃アユムが真っ先にそれに気がついた。
「……!破壊されたはずのサンクトゥムが……!」
「は?復活?……そ、そんなのアリ……?」
「……っ!」
モニターの中心に映し出された、散らばった5つのサンクトゥムは作戦開始以前の状態、或いはそれよりもエネルギーを増幅させていた。
「では、今までの攻撃は無駄だったと……?」
「『いえ、否定致します』」
「『突然失礼』」
突如、シャーレに二本の通信が入る。
ミレニアムサイエンススクール、明星ヒマリ。
トリニティ総合学園、朝日奈リエ。
「『各サンクトゥムの復活により第6サンクトゥムのエネルギー反応が急激に低下しています。つまりあれは……』」
「『バックアップシステムと考えるのが妥当かな。ほら、その証拠に……』」
モニターに新たな反応が追加される。
間違いない、第6サンクトゥムに『守護者』が出現した。
「『ここから先は簡単でしょう?』」
「……はい」
リンの合図に合わせ、モモカが手元のシステムを再び動かし始める。
「……復活した5つ、そして第6サンクトゥム……再び攻略を開始して下さい!!」
勇ましい号令がキヴォトスに響いた。
「『では、健闘を祈ります』」
「そっちこそ」
装甲車の後部座席、リエはヒマリとの電話を切ると再び助手席に戻った。
「いや、サーバーも積んでるとか聞いてないんすけど……」
「だってこれ私の特注だし。時代は電子戦だよ」
そう言って無邪気に笑う彼女の隣でイチカはハンドルを握り直した。
「……それで、行っちゃって良いんすね?」
「もちろん」
切ったハンドル、旋回した車両。
フロントガラスの延長線上には赤い空の中心が見える。
「さあ、決戦と行こうか」
「あ、アズサちゃん……あれって……!」
突如として出現したそれを見上げ、信じられないような表情でヒフミは指を指す。
「……ああ、間違いない。あれは……」
アズサが答える。
彼女の瞳もそれに囚われて、一瞬たりとも目が離せなくなっていた。
「「ペロロジラ……!!」」
崩れかけた歩道橋の上から二人は暴れるペロロジラを眺めていた。
「本当に、ペロロジラはみんなの心の中にいたんだな」
「い、いえ……そういったつもりは無かったのですが……あう……」
「確認致しました。確かに巨大怪獣がシラトリ区で大暴れしておりますわ」
給食部のオープンカーのフロントガラスに腰掛けて、軍帽を飛ばされないように抑えながら美食研究会会長、黒舘ハルナは言った。
その隣でハンドルを握るのは同じく3年生、鰐渕アカリ。
後部座席では後輩の赤司ジュンコと獅子堂イズミが騒いでいる。
「では、もう少し距離詰めて見ましょうか☆」
ペロロジラが出現したのはシラトリ区に位置するジャンクションの中心。
張られた弾幕を避けながら、彼女達はペロロジラの下へ向かった。
「アズサちゃん!私達も行きましょう!」
「ああ、あっちだ!」
ナギサの手配で正式に補習授業部の備品となったクルセイダー巡航戦車『クルセイダーちゃん』に乗り込み、高速道路を駆ける二人。
幾つかの分岐を通り過ぎた辺りで美食研究会と合流した。
「あ、あなた達が……!」
「ええ。……ですが、今は話している時間はなさそうです」
気がつけば舞台は環状線。
中央に座するペロロジラの攻撃を避けながら並走する二台の車。
そしてその道を塞ぐようにペロロジラの眷属ペロロが襲いかかってくる。
「っ〜〜!ごめんなさい、ペロロ様!!」
「大胆ですね☆」
謝罪の言葉を述べながらも道を塞ぐペロロを轢き倒すヒフミ。
「……!ヒフミ!ペロロジラの目が……!」
「どうかしたんですか?!」
アズサの言葉を聞いて、彼女が慌ててペロロジラの方を見ると、その目が光を放ちながらぐるぐる回っていた。
明らかに大技の雰囲気だった。
「ねえアカリ!あれって……!!」
「十中八九ビームでしょうね☆」
「何が「ビームでしょうね☆」よ!どうすんの?!」
何とか避けようと彼女達が思いっ切りハンドルを切った、その時だった。
「イチカ、距離は?」
「目測330……すかねぇ」
「なら当たる」
ぐるぐると回るペロロジラの眼球、その両目の瞳の部分が大きく爆ぜた。
全くの同時……いや、ほんの僅か、コンマ数秒ズレていただろうか。
けれど、ペロロジラは少し力を失ったように俯いた。
「あっはは、いくら『色彩』でも対物は結構効くでしょ?」
「マジで二発命中……相変わらず先輩キモいっすね」
給食部の車両とクルセイダーちゃんの後ろから、もう一台合流する。
ティーパーティーの刻印が刻まれた一台の装甲車。
「まさか……!」
「もしかして……?」
二人が思わず呟く中、装甲車の窓が開いた。
「おまたせ、二人共」
参加チーム
ゲヘナ学園より『美食研究会』『給食部』
トリニティ総合学園より『補習授業部』、阿慈谷ヒフミ、白洲アズサ、
『正義実現委員会』より仲正イチカ、『ティーパーティー』より朝日奈リエ
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