ミカとナギサの幼馴染   作:あるふぁせんとーり

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とある熾天の絶対中立(オブザーバー)

……というかとあるコラボでブルアカ二次創作も活性化しそうですね
私も読者さん増えるの楽しみです


記録80:一時停止

「……何が起きている?」

 

赤く染まり、再びその青さを取り戻した空の下。

全てが崩壊し、人が消えた街の中心で彼らは再会を果たしていた。

 

「おや、気が付きましたか。マエストロ」

「……どういうことだ?」

 

ボロボロの木偶人形のようなツギハギの身体を引き摺るマエストロに漆黒の身体のヒビ割れが加速した黒服が声を掛ける。

双頭の片割れが歪に繋がれたマエストロは、左右に開くように首を傾げた。

 

「……」

「いや……結構だ。器が変わった故、少し思考が纏まらぬ」

「クックックッ……急ぎ用意しましたが……気を害されましたか?」

「所詮は物質的な肉体など消耗品に大差無い。十分だ」

 

そう言って、存在していない目で辺りを見回すマエストロ。

すぐに状況を察したように、無機質に呟いた。

 

「……『色彩』か」

「……それも想定を遥かに凌ぐスピードで。まるで、我々の全てを見透かしているかのように」

「我々は、開幕の瞬間から嚮導者の掌だったようだ。『ゲマトリア』の名が廃る」

「クックックッ……ですが、既に我々は眼中に無いものかと。既に我々の全ては、文字通りに『色彩』の手に渡りました。彼らはキヴォトスを滅ぼすに値する『道具』を揃えたも同然です」

 

そう言って再び「クックックッ」と感情の籠もらぬ笑いを浮かべる黒服。

マエストロは少し考えた後に彼に問いかけた。

 

「……『方舟』もか?」

「ええ。……そして『色彩』が全てを手に入れた以上、キヴォトスは『ゲマトリア』の活動に適さなくなりました」

「……『狂気』は『芸術』の土台となるだろうが……全てを塗りつぶしてはそれは『芸術』の名を失う……か」

「ここで我々がどれだけ『価値』を求めようと、その全ては『色彩』の『道具』に成り果てるのみです」

「……では、キヴォトスはここで閉幕すると?」

「いえ、未だシャーレは……『先生』は自らの生徒と共に足掻き続けています」

「……なるほど。まあ、あの者ならそうするであろうな。その結果がどうであろうと──」

()()()()()()。全てが崩壊を迎えるばかりのこの世界でなお、それだけの事象が残っている……中々悪くない話です」

 

そして一間置いて、黒服は告げた。

 

「只今を以て、一度ゲマトリアは解散とします」

「……」

「勿論、様子を見て再び集まることもあるでしょう。それまでは、お互いに自由の身ということです」

「……ゴルコンダは?」

「本体であるデカルコマニーは不死の身ですので問題ありません。ですが、ゴルコンダはフランシスに後を任せたと」

「……あのフランシスか。全く、ゴルコンダが懐かしくなるのも遠い未来ではなさそうだ」

 

そして、マエストロは少し考えるように黙り込んだ黒服に疑問を投げかけた。

 

「……貴様は、これからどうするのだ?」

「……クックックッ──」

 


 

「……いや、冷静になると──」

「あんなのに興奮してた意味分からなくなるっすよね……」

 

ペロロジラを退け……退け?凱旋するリエとイチカ。

そして正義実現委員会の本部に戻った彼女を見送り、いざ自身もティーパーティーの執務室に戻ろうとした時、息を荒げた後輩が彼女に声を掛けた。

 

「……はぁ……はぁ……リエ様……!!

「……緊急か。どうした?」

「ミレニアムサイエンススクール……『明星ヒマリ』という方が急いでリエ様を呼んでくるようにと連絡が……!!」

「……了解、すぐ行く」

 

来ていた道を引き返し、大聖堂のサーバールームに転がり込むように駆け込んだ彼女。

急いでパソコンを開き、ヒマリへ電話を掛ける。

 

「状況は?」

「『……『虚妄のサンクトゥム』のエネルギー回復を確認しました」

「……っ、冗談キツい。キヴォトスの全てを突っ込んだ総力戦なんだけど?」

「『ですが、これが現実です。総エネルギー量も37.8%増加しています』」

 

そのネイルさえ摩耗するのではないかと思えるほどのスピードでキーボードを叩き続けるリエ。

そして再び出力されたデータに、彼女は愕然とした。

 

「……は?」

「『……どうやら、そちらも気づいたようですね』」

 

並ぶデータの指し示す座標を、リエの頭が恐る恐る、しかし壮絶なスピードで照らし合わせた。

レッドウィンターの氷海、スランピア地下、ゲヘナのヒノム火山、そしてトリニティのカタコンベ。

いずれもキヴォトス有数の禁域、未だ神秘の残った魔境と言っても良い。

攻略作戦は愚か、足を踏み入れることすら躊躇われる程の場所だ。

 

「……これ、どうするのさ」

「『本当であればこのような言葉は口にしたくないのですが、まだ……』」

 

リエは通話のマイクをミュートにし、目を覆って呟いた。

 

「……ああ、キッツいなぁ……」




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