ミカとナギサの幼馴染   作:あるふぁせんとーり

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もう一本上げるのでこっちは超短編です

あと「あまねく奇跡の始発点」編完結です


記録91:帰る場所

D.U.郊外、シャーレへ向かう高速道路。

時刻は5時手前。

『アトラ・ハシースの箱舟』を脱出したハナコを迎えに行く途中、リエはサイドミラーに何かが煌めくのを見た。

「なんだろ」と少し気になって窓の外を見ると、そこにはゆっくりと落ちる一つの流れ星。

何度か流れ星というものを見たことはあったが、見たこともない程に強く、そして美しい虹色に彼女は「綺麗……」と呟いた。

日は、そろそろ昇りそうだ。

 


 

「……あれ?生きてる?」

 

朝日の昇る下、広い空き地で目を覚ました先生。

戸惑うようにパチパチと瞬きした後に、彼女は辺りを見回した。

空は朝焼け。

ああ、帰ってきたんだ。

彼女は元気よく飛び上がった。

 

「あっはは!やったやった!」

 

少し離れたところに落ちていたタブレットを拾い上げ、彼女は辺りを駆け回る。

そして少し走ったところで、向こうの方に幾つもの人の姿を見つけた。

見慣れた人影だ。

みんなだ。

 

「……あははっ!!」

 

先生は彼女達の方へ駆け出した。

いち早くそれに気がついたモモカが、パッと左手を掲げた。

ユウカも、ヒマリも、アヤネも、リンも、アユムも、モモカも、カヨコも、アコも、ハナコも、みんな無事だ。

 

「おーい!!」

 

目から込み上げるものを抑えて、彼女は走り出す。

そしてその勢いのまま、先生は思いっ切り彼女達の下へ飛び込んだ。

 

「ただいまっ!!みんな!!!」

 

その言葉と共に、彼女は真ん中にいたリンを強く、強く抱きしめる。

それを少し羨ましそうに見る生徒もいれば、それを微笑ましく眺める生徒もいる。

そしてリンは、少し照れ臭そうに言った。

 

「……風邪を引きますよ、先生」

 

彼女は、自らの白いロングコートを先生に捧げた。

勇者はひどく赤面した。

 


 

「……お疲れさま、ハナコ」

 

助手席で眠るハナコに持ってきていたブランケットを掛け、彼女は優しく言う。

開いた窓から吹き抜ける潮風が、ハンドルを握るリエの髪を揺らした。

 


 

「……本当に会えるの?」

 

トリニティ総合学園、本館を歩きながら彼女は首を傾げた。

その目には少し眩いような、でもやっぱり馴染みの薄暗さがあるような、少し不思議な感覚を覚えていた。

 

「どうだろうね。でもここまでは通してもらえたよ?」

「で、ですがやっぱり難しいんじゃ……でも、みんなはアリウスよりずっと楽しそうで……」

 

やっぱり駄目なんじゃないか、そう考えながらも、やはり心の何処かで期待してしてしまう。

そして目当ての部屋に辿り着いた彼女はフードを外し、その小さい手でコンコンとその扉を叩いた。

 

「どうぞ」

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「ほ、本当に良いんでしょうか……?」

「うん、入ろう」

 

彼女はゆっくりとその扉を開けた。

 

「ふふっ、そっちから来てくれるんだ」

 

クルッと椅子を回転させて、その目が彼女達を向く。

「今日は何で来たの?」、優しい声色で彼女は聞いた。

 

「今回のことで少し思ったんだ。「サッちゃんが帰れる場所が欲しい」って。「そこに行けば必ず会える」……そんな場所が」

 

ルビーとロードクロサイトが互いを見つめ合う。

「ふふっ」という柔らかな笑い声の後に、彼女は答えた。

 

「おかえり、『アリウス』」

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