ダカール演説の役者交換   作:カミアラエル

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スペースコロニー暫定政府発足へ

アムロ・レイは地球連邦評議会の一員であるジャミトフ・ハイマンと「スペースコロニー暫定政府」の立ち上げに関わる

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アムロ・レイは、ジャミトフ・ハイマンの厳かなオフィスに足を踏み入れた。部屋は荘重な装飾で満たされており、ジャミトフの権力と影響力がひしひしと感じられる。ジャミトフは、重厚な机の後ろに座り、アムロをじっと見つめた。

 

「アムロ・レイ、よく来た。私たちの計画について話がある」とジャミトフは静かに言った。

 

アムロは深く息を吸い込み、直立不動の姿勢を崩さない。「スペースコロニー暫定政府についてですか?」彼の声は冷静だったが、内心では激しい疑念と不安が渦巻いていた。

 

ジャミトフはゆっくりと頷いた。「そうだ。私たちはスペースノイドの安定と連邦の統一を保つため、暫定政府を立ち上げる必要がある。これは、地球圏の平和を維持するための重要なステップだ。既にブリーフィングを受けていると思うが、スペースコロニーの中でも影響力の高い民間商社や自治政府を地球に招聘する段取りが進んでいる。今後は彼らが窓口となり、ゆくゆくは地球と宇宙を繋ぐ商圏となるだろう。その護衛任務が君の次の仕事だ。戦争の英雄が、宇宙船を地球へ無事に届ける。実に美しい筋書きだと思わないかね?」

 

アムロの眉がひそまった。「しかし、その政府は本当にスペースノイドのためになるのですか?連邦の支配を強化するためのただの傀儡に過ぎないのでは?」

 

ジャミトフは深くため息をついた。「懸念は理解している。君の疑問はもっともだ。だが、我々は大きなビジョンを持っている。スペースノイドの自由と独立を守るためにも、連邦との架け橋が必要なのだ。」

 

「しかし、その架け橋が真の平和につながる保証は?」アムロの声には疑念が色濃く現れていた。

 

「保証はない」とジャミトフは率直に答えた。「だが、何もしなければ、現状はより悪化するだけだ。スペースコロニーの人々は、安定した政府を必要としている。私たちがそれを提供しなければ、彼らは他の場所、例えばネオ・ジオンのような勢力に惹かれるだろう。」

 

アムロは沈黙し、深く考え込んでいた。ジャミトフの言葉には一理あるが、アムロ自身の理念とは微妙に異なる部分があった。地球連邦評議会の一員としての彼の立場は、複雑で困難な選択を迫られていた。

 

「私は考えています」とアムロは静かに答えた。「スペースコロニーの人々の未来は、私たちの決断によって大きく左右される。私は、彼らの声に耳を傾け、真の平和に向けた最善の道を選びたいと思っています。」

 

ジャミトフは微かに頷き、その視線は計り知れない思考を秘めていた。「よろしい。君の判断は尊重する。だが、時間は限られている。スペースコロニーの未来、そして地球圏全体の均衡は、我々の手にかかっているのだからな。」

 

アムロは深く頷き、静かに部屋を後にした。彼の背中には責任の重みがのしかかっていた。スペースコロニーの暫定政府の立ち上げは、ただの政治的な手段ではなく、地球圏の未来を左右する重要な決断だ。アムロは、その決断を下す前に、自身の信念と理念を再び見つめ直す必要があった。

 

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アクシズの指揮室では、ハマーン・カーンがその最新の政治動向について報告を受けていた。彼女の顔には、事態の深刻さを物語る表情が浮かんでいた。

 

「地球連邦政府が新たな評議会制を提案している。公国の旧貴族やスペースコロニーの自治政府、民間商社が次々とこれに参入を表明している」と幹部が報告した。

 

ハマーンは眉をひそめた。「これは我々にとって好ましくない動きだ。連邦政府は、こうしてスペースノイドの分断を進め、自らの影響力を拡大しようとしている。」

 

「しかし、これにより地球連邦はスペースコロニー内の支持を得ることができます。我々の立場はますます困難になるかもしれません」と別の幹部が懸念を表明した。

 

「それが連邦の狙いだ」とハマーンは断言した。「奴らはスペースノイドの統一を恐れ、分断して支配しようとしている。しかし、我々はそれを許してはならない。スペースノイドの統一と独立は、我々の最優先事項だ。」

 

「では、どのように対応すべきでしょうか?」と幹部が問うた。

 

ハマーンは深く思考に耽った後、答えた。「まず、スペースコロニー内の影響力を持つ個々の自治政府や民間商社に接触し、我々の立場を明確に伝える必要がある。また、地球連邦の評議会制に対する反対派を結集し、スペースノイドの利益を代表する真の政治勢力を形成する。私たちは、スペースノイドの声が地球連邦によって踏みにじられるのを許してはならない。」

 

「それは簡単な作業ではありますまい。多くのスペースコロニーは、既に連邦政府の提案に関心を示しています」と幹部が異論を唱え、「スペースコロニーからの援助が減少しています」とまた一人の幹部が報告した。「彼らの支持がなければ、私たちの軍事活動は持続不可能になります。」

 

ハマーンの表情は硬く、思慮深い。「もはや事態が逼迫しているというのであれば今までのように悠長に構えてはいられんな。よかろう」

 

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ハマーン・カーンはアクシズの指揮室で、幹部たちに向かって断固たる声で宣言した。「地球連邦政府とスペースコロニーの連携が進む今、我々は強硬な手段を取るしかない。奴らが条約を締結し、同盟する前に、我々が行動を起こすべきだ。」

 

幹部たちは緊張した表情でハマーンを見つめていた。彼女は続けた。「地球への船を拿捕し、連邦の計画を阻止する。これは奴らが同盟を立てて宇宙に正式な警察権を行使し、ネオ・ジオンを解体することを防ぐために必要な行動だ。」

 

「しかし、それは戦争行為に等しい。連邦との全面衝突を招く可能性があります」と一人の幹部が懸念を表明した。

 

「我々の存続がかかっている。地球連邦政府の目論見を打ち破らなければ、ネオ・ジオンは終わりを迎える。これは、スペースノイドの未来を守るための戦いだ。私たちには他に選択肢がない」とハマーンは断固として言い切った。

 

「作戦の詳細を」と別の幹部が求めた。

 

「艦隊には、地球連邦の船団を追跡し、拿捕するための作戦を立てさせる。罪をでっち上げてでも、我らの正当性を主張する。彼らの中に犯罪者がいるとでも言い張れば、臨検からの拘束も通るだろう。地球連邦との直接的な対決を避けるため、作戦は秘密裏に、かつ迅速に実行される。」

 

ハマーンの言葉に、幹部たちは重い責任を感じつつも、彼女の決断を支持した。彼らは地球連邦の船団を拿捕し、ネオ・ジオンの存続を守るために必要な行動を取る準備を始めた。

 

この作戦は、地球圏の均衡を大きく変える可能性を秘めていた。ハマーン・カーンの強硬な決断が、スペースノイドの未来をどのように変えるのか、その結果は未知数だった。

出戻り組として、発言権を持たないオブザーバーとして立ち会うシャアは、ネオ・ジオンが宇宙圏の利益よりも組織益を求め始めていたことに失望していた。ティターンズが縮小した今となっては、自警団としての役割も鳴りを潜めて、アクシズの求心力は低下の一途を辿っている。ティターンズという脅威が無ければ、ネオ・ジオンに集まる物資も無い。ハマーンへの情と平和への思いに揺れるシャアは、この状況に疑念を抱き始めていた。エゥーゴには宇宙移民弾圧への反発からスペースノイドの同志も多くいた。彼らはシャアと共にネオ・ジオンに帰還、あるいは参入したのだが、実際には周囲の見る目は冷たい。今、ネオ・ジオン中枢であるアクシズですら正規軍に勤務し、訓練されたパイロットは払底しており、宇宙圏にとっては喉から手が出るほど欲しい人材であるはずだ。必要とされる場所に舞い戻る。

シャアはハマーンに武器を捨てさせたかった。

だが立場と責任がハマーンを追い詰めている。

せめて政治家として有能でなければ……。

力あるが故に人は道を誤るのか

シャアは歯がゆさと共に拳を握った。

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