政治の舞台に立つと決めたからには覚悟をしていたが、それにしてもこれはあんまりだと思った。
第二世代型のマラサイをベースに、外付けでガンダムタイプに偽装した機体。
フレームにゴテゴテと貼り付けたガワのせいで見た目の大きさはちょっとしたモビルアーマーに近い
大衆に広くアピールするために、記事に載る分かりやすいアイコンが必要だ。
「デザインには目を瞑るとしても、これだとテイのいい的じゃないか?」
整備員が答える。「見ての通りですが、関節の可動域も狭く、機動性も最悪です。第二世代のジェネレーターで直進安定性は確保してます。出撃体勢からヘタに動かさないでください。関節部に圧力がかかってヘタうちゃ折れます」
「最悪じゃないか」
「奇襲に対応できるようビームコーティングしてます、実弾は視界外からの命中率を考えれば考慮に入りませんが、もし当たれば一撃で終わりですね」
「いつまで重りを抱えなきゃいけない?」
「地球の周回軌道上、予定するランデブーポイントで使節団と地球を背景に英雄の帰還をアピールするんだそうです」
「長すぎるな…」
道中に遭遇するであろう不穏分子を考えれば、あまりにも杜撰な計画だと言える。
考え込むアムロに上方から声が飛んできた。吹き抜けのエレベーターシャフトに乗っているベテランパイロットたち。
「大尉殿は我々が護衛しますんで、のんびりと遊覧飛行を楽しんでくださいや」
護衛…?なぜ護衛対象が2つに増えているのだろうか。てんでおかしなことになっている。2つの政治目的を欲張って、リスクが倍に増えている。作戦の見通しに暗雲が漂い始めた。記者団を帯同させて、派手な目印まで付けて悠々と地球に運ぼうとしている…。
(このチャンスを座視するジオンじゃないぞ…)
アムロは、艦内の駐機スペースを2機分圧迫する木偶の坊を見て不安に駆られた。
「今からでも頭部だけという訳にはいかないか?」
「そいつは無理ってもんです、大尉」
護衛の任に就いているベテランパイロットたちは、ティターンズ出身である。彼らはかつての威厳を保ちつつ、新たな合併した組織の中での立場を確立しようとしている。ティターンズとエゥーゴの合併は、多くの緊張と不信を生んでおり、その中でベテランたちは古い仲間と新しい仲間との間で橋渡しを試みている。
「大尉殿、私たちがお守りしますから、どうか安心してください。これまでの戦いで得た経験を生かして、どんな危機も乗り越えられます」と、一人の隊員が力強く言う。彼らはかつてのティターンズの厳しい訓練と戦闘の経験が、この不安定な合併期においても重要な財産であると自負している。
一方で、アムロはこの新しい状況をどう受け止めていいか迷っている。かつての敵であったティターンズのパイロットたちが今、彼の安全を守るために同じ艦内にいるのだから。しかし、彼らの存在が同時に安心材料であることも事実だ。経験豊富な彼らがいれば、予期せぬ事態にも迅速に対応できる。
アムロはそんな彼らを見つめながら、自身も新しい環境に適応する方法を模索していた。護衛を任されたベテランたちと共に、これから訪れるであろう数々の挑戦に立ち向かう準備を始めるのであった。