評価してくださった曇らせさん、TS娘メス堕ちさん、百合すこすこ侍さん、ネムリスさん、冬幽柊さん、チケサンさん、レオン4253さん、Holderさん、ANKOBさん、ありがとございます!
そしてお気に入り登録された方々!本当は一人一人名出しで感謝の言葉を送りたいところですが…ありがたいことに一気にお気に入り登録者が増えてもう前回から何方が新たに登録されたのか遡ることが大変で…今回は全員に対して感謝の言葉を述べさせていただきます!ありがとうございます!!
前書きが長くなりましたが本編をどうぞ!
外の世界の雑誌を最後まで読み終えた私はサオリ姉達が訓練している場所へと戻りしばしの間一緒に訓練を受けていた。
ちなみにだがその場にはミサキもいた。どうやら午後の訓練には参加していたようだ。
相変わらずミサキとは特に話すこともなくお互いサオリ姉の指示に従い訓練を受けていた。
2人だけで話ができる機会があればいいんだが…。先程居間で顔を合わせた時はまさにそれだったんだがあの時は立つことすらままならなかった…。
サオリ姉達を幸せるにすると。守ると決めたというのに肝心な守る対象者と仲良くなれないとはこれ如何に。
早急に何とかしなくてはならない。
そんなことを考えながら訓練を受けているとサオリ姉から集中しろとお叱りを受けた。
サオリ姉の言うことはご最もだ。ミサキや外の世界について考えたいことは山ほどある。だけど今は訓練を受けているんだ。そちらの方に専念しないとサオリ姉に申し訳ない。
その後は気持ちを切り替え訓練に集中した。
初日からサオリ姉と何度も近接戦闘の組手を行い、格闘術、投げ技、絞め技など数多な技術をレクチャーされては実践を繰り返し体に覚えさせていく。
こうして何時間にも及ぶ訓練を受け終えた私達は汗を流すために川辺に向かう。。
「…………………………………………………………」
みんなで川辺で汗を流している中、私達とは少し離れた場所で濡らしたタオルで汗を拭くミサキの姿が目に入った。
その時、私はミサキの首元や手首に切り傷があることに気付いた。
「(みんなを守るために受けた傷なのかな…)」
かなり痛々しい傷だ。だけどそんなに首元や手首に集中して攻撃を受けるだろうか。それにアリウスの生徒は主に銃火器を使って戦闘を行っているはずなのだから傷が着くとしても弾痕のはず…。
「(まさか自傷行為…)」
それなら合点が行く。
「(……ああ、私のせいか…)」
ただでさえアツコとヒヨリを守るので手一杯なのに私まで守る対象者として加わるとなれば精神的に辛くもなり、楽になるために自傷行為に走るのは理解できる。
だけどそれは一時的な快楽に過ぎない。心にある痛みを自傷行為をすることで体の痛みへと転換することで気持ちを和らげる…。そんなことを続ければいつか体も心もボロボロになってしまう。
「(……どうしたもんか)」
本当にどうしたもんか。
生憎友達が1人もいなかった私はそこまで仲の良くない人とどうやって話をすればいいのかなどわからん。
さっきだってキョドってミサキに挨拶しただけだろ。
悩んでいる中ある言葉を思い出す。
「落ち込んだり、悩んだりした時は私を頼ってね。約束だよ?」
それはアツコが私に今朝、告げた内容だ。
今がまさにその時、悩んでいるのならアツコに頼ってみよう…と思い立つも今からは夕食の時間だ。
となれば夕食を食べ終えたところでアツコに相談するとしようか。
こうして私はサオリ姉達の後ろを歩きながら1人そう決意するのであった。
◆◆◆◆
家族全員で夕食を摂り終えたところで私はアツコに話しかけた。
「アツコ」
「?どうしたの?」
「……相談したいことがある」
「…………………………………………………………」
私はアツコから視線をずらしてそう懇願した。
頼む立場だと言うのに顔すら見ずに頼むのは失礼だとわかっている。でも、今朝の話からすぐに実際に相談するとなると気恥ずかしくなってしまう。
「?」
アツコからの返事がなかったものだから様子を確認するように横目でアツコを見る。
「ふふっ!」
するとアツコは嬉しそうに微笑みながら私を見つめていた。
「すぐに私に頼ってくれるなんて嬉しい。ありがとうね、クシナ」
「何故感謝?私はただ相談したいって言っただけなのに」
「だって昨日の今日だよ?あ、今朝の今日?」
私はアツコの冗談を真に受け今朝の今日なんて言葉は存在しないだろと正直に返答した。
「こう見えても私は一応クシナのお姉さんだからね。いいよ、なんでも相談に乗ってあげる」
アツコは爽やかに笑みを浮かべながら答えた。
「姉?私とアツコにはそういった関係はないんじゃないの?」
「全然あります。私が姉さんの四女でクシナが末っ子です」
そう答えたアツコの目元が雑に書かれた似顔絵のような目元へと変貌していた気がする。
「……ははっ、もうそれでいいよ…。それじゃあアツコ姉さん、相談の内容を語ってもいいかな?」
「!……違います。アツコお姉ちゃんです」
一瞬反応したアツコはすぐに表情を先程の雑な目元の表情へと変えて何やら発言した。
「……あーはいはい、お願いアツコお姉ちゃん」
私はアツコの言う通りアツコ姉さん、からアツコお姉ちゃんと言い直し再度懇願した。
「違います。下から私を見あげて目をうるうるさせながらか弱い声でアツコお姉ちゃん、可愛い可愛いクシナたんの相談聞いてほちいなって…」
「誰が言うかそんなこと!!!」
アツコが長く語る中、肩を震わせてながら黙って聞いていたが最後の最後で感情が爆発した。
誰が好き好んで自分のことをクシナたんと呼ぶか。死んでも絶対一生言わんぞ。
「少しからかっただけだよ。クシナも大分ここの生活に慣れたんじゃない?さっきの返答が素だったりするの?」
「!べ、別にそんな訳じゃ…と、とにかく!私の相談をだな…」
「うん、わかったよ。それじゃあ…何となく相談の内容はわかるし居間だと話しずらいよね?別の場所に行こうか」
「う、うん……そうだな……」
居間でヒヨリと一緒に読書しているミサキを横目にそう答えた。
流石アツコお姉ちゃんだ。瞬時に私がミサキのことで相談したいとわかり別の場所で話を聞くと言ってくれた。
「今日は天気がいいから屋上に行こうか。この時間帯ならサッちゃんもまだいないと思うから」
「サオリ姉が屋上にいない?どうゆう事だ?」
「今日はサッちゃんが寝ずの番なんだよ。基本寝ずの番は周囲を見渡すために屋上で待機してるの」
「……なるほど」
言われてみればミサキも昨日は屋上にいたな。
てか今日の寝ずの番ってサオリ姉だったのか。
「着いたよ」
アツコの後ろを着いて行くこと数秒すぐに屋上へと着く。
アツコはそのまま向こう側まで歩き、屋上に備え付けられている手すりに背を預け私に顔を向けて話しかけた。
「それじゃあ話を聞こうかな」
「もうわかってるんじゃないの?」
「……うん、ミサキとの関係でしょ?」
「…………………………………………………………」コク
アツコの問に首を縦に振り答えた。
「確かに今のままだと居心地悪いよね。でも私もミサキがそこまでクシナを嫌う理由が思い当たらないの…何が理由なんだろう」
「それは……」
答えはわかってる。ミサキは私まで守れる余裕がないから…自信が無いから私と他のみんなと同じように接することができないんだ。
「(だけどそのことは言えない)」
ミサキの為だ。アツコとヒヨリを守るのに手一杯で私まで守れないからと言うと今度はアツコが罪悪感に苛まれる可能性があるからだ。
「もう素直に仲良くしたいって言うのはどうかな?」
「そんなド直球に?」
「自分の気持ちを伝えることは大事だよ」
「……それはわかるけどタイミングってものが」
「タイミング?それって普通にあとで話しかけるじゃダメなの?」
「う、うぅ」
またもアツコは目元を雑にして告げた。
アツコはコミュ力が高いから簡単に言うが、姉さんとしか殆ど会話がしたことないコミ力皆無の私にはすぐに話すことなんて難度が高い。
その場限りの関係だとか、敵とかとなればそんなことは気にせず話しかけれるが新たな家族となれば話が変わってくる。
「わかった。じゃあ私がミサキとクシナが2人っきりになれる機会を設けてあげる」
「そんなことできるの?」
「うん、今日は無理だけど…明日ならできるよ。だから少しだけ待っててほしい。それと2人っきりなら周りの目も気にならないし何を言っても絶対ミサキは返事をしてくれると思うよ。ミサキも沈黙が続くのは嫌だと思うから」
さ、流石アツコお姉ちゃんだ。
私とミサキが2人っきりになれる機会を設けてくれるなんて…!
あ、今日のあれはノーカウントで。あれは、あれだよ。疲れてたから話せなかったんです。そう言い訳しないと明日ミサキと話すことができる気がしない。
「じゃあ私は何を話すか考えておくね」
「?一緒に考えないの?」
「ううん、そこまではいい。それにアツコと考えたらそれは本当の私の気持ちにはならないでしょ?」
「!それもそうだね…。うん、頑張ってミサキと話す内容を考えてね」
「うん!」
自分の気持ちを伝える、か。
なら言ってやる。私はミサキに守られる対象じゃないと。なんなら一緒にみんなを守ろうと言ってやる。その他にも思ってることを全部…言ってやる。
「相談は終わりかな?」
「…………うん」
本当は相談したいことがある。でもこれはアツコにするべき相談ではない。これはサオリ姉にすべき相談だ。
「(だって守られる側じゃなくて守る側になりたいなんて……アツコに言えないよ)」
アツコがサオリ姉やミサキに守られててどう思っているのかは知らない。
だけど守られている側の人に相談するべき内容ではないと思った私はここで話を止めることにした。
それと外の世界について、そしてアツコのことなど色々と話したいこと、聞きたいことがあるし合わせてサオリ姉と話した方がいい。
「それじゃあもう少しだけ別のことで話そうか。ねえクシナ、空見てみてよ」
アツコは空を指さし私にそう言った。
言われるがままに私は空へと顔ごと視線を向ける。
「!」
「ふふ、デジャブかもだけど綺麗でしょ?」
空一面に広がる満天の星空。空に星が満ち溢れ一つ一つの光が眩しく光輝く。眩しいと表現したが太陽とは違って長期間眺められる。いや見入ってしまう程に空の光景は美しかった。
今まで星空など眺めたことが一度たりともなかったがアリウス自治区だと言うのに、今朝の花の庭園といい、今の星空といい綺麗なものもあるんだな。
「でも……なんでこんなに綺麗なの?」
「それは……」
アツコが答えようとしたところで背後から声が聞こえた。
「それは光害がないからだ。アリウス自治区には夜空を照らすほどの光を放つものが設置されていないから星が見やすくなっているんだ」
「あ、サッちゃんだ、こんばんは」
「ああ、こんばんはだな、姫」
サオリ姉が解説をしながら登場した。
なるほど。つまり暗ければ暗いほど星が綺麗に見えるってことか…ならアリウス自治区で星が綺麗に見える理由に合点がいく。
「ほら、もう夜も遅い。夜は冷えるから早く部屋に戻れ」
「もう少しクシナと一緒に星を眺めたかった…」
「星なら明日でも見れるだろ。それより風邪なんて引かれたらたまったもんじゃない。悪いがここは姫であろうと譲れない」
「サッちゃんがそこまで言うなら…わかった。クシナ、部屋に戻って一緒に本でも読んでよっか」
サオリ姉とアツコのやり取りを聞いていたところで最後辺りでアツコが部屋に戻って一緒に本を読もうと提案してきた。
「……わかった。それじゃあ戻るか。サオリ姉、寝ずの番頑張ってねー」
「ああ、任された」
ここでアツコにサオリ姉と話したいことがあるから先に言っててくれ。なんて言えたもんじゃない。アツコのことだ。
「それって私が聞いてたらダメなの?」
と先程から何度も見せている雑な目元の表情で問われるに決まっている。
なんせ話そうとしているのはアツコのことも含まれているのだからアツコがいる前で話せたものじゃない。
「(みんなが寝たあとこっそりサオリ姉の元へ向かおう)」
そう決めた私はアツコと2人で居間へ戻り一緒に眠くなるまで外の世界の本を読むのであった。
◆◆◆◆
あれから3時間が経過した。
アツコがそろそろ寝室に移ろうと言い出したことで居間にいたみんなで寝室へと向かった。
今日もヒヨリ、アツコ、私の3人はくっつき川の字で寝ることになり私達は一足早く布団に入る。
「み、ミサキさんも、い、一緒にね、寝ませんか……?な、なんて言ってみたり……」
寝る前にヒヨリが一緒に寝ないかとミサキを誘っていた。
「……姫の隣ならいいよ」
「ふふ、ミサキは私のことが好きなのかな?」
「……当たり前でしょ。家族なんだから…それに前から何度も一緒に寝てるでしょ?」
「それもそうだね」
「……うん」
姫の隣り、つまりアツコの隣でならといいミサキがこちらへとやってきた。
こうして私は擬似的にだがミサキと一緒に川の字になって眠ることとなった。
「ねえミサキ、明日久しぶりに釣りに行かない?」
「釣り?なんでまた急に…」
「なんだが川魚が食べたくなって…缶詰めじゃなくて焼き魚が食べたくなっちゃった」
「……最近行ってなかったし魚も増えてるはず…うん、いいよ。明日ミサキ姉さんに外出許可貰っとく」
「……うん、ありがとう」
盗み聞きするつもりはないけどアツコとミサキの会話が鼓膜を揺らす。どうやらアツコとミサキは明日釣りに行くようだ。
今日川辺に行った際、魚の影を見たから川魚はちゃんと生息しているらしい。
「え、えへへ、では明日はクシナちゃんと私とで2人っきりですね…サオリ姉さんは寝ずの番で朝はお休みになると思うので…な、何をしましょうかね…」
「んーじゃあ一緒に本でも読む?」
「!分かりました。では私が絵本の読み聞かせをしましょうかね……道に捨てられたようなゴミ同然の私ですが、一応クシナちゃんのお姉さんなので一生懸命が、頑張りますよ…!」
えへへと笑いながらヒヨリは発言した。
ヒヨリはゴミ同然なんかじゃない。と言いたかったが私に対してお姉さんらしいことができることが余っ程嬉しいのか発言したあとも口が緩んでいた。
「(守りたい。この笑顔)」
冗談抜きで心の底から思ったことだった。
こうして4人で横になりながら2対2で会話を行い全員が眠るのを待つのであった。
「…………………………………………………………」ムクリ
両耳から寝息が聞こえ始めて数十分後、私はみんなが寝たことを確認するために起き上がる。
アツコとヒヨリのヘイローは消えている。だけど…歪な形をしているミサキのヘイローは輝いていた。顔まで布団を被せて私達に背を向けるような体制で横になっているようだ。
その後数分待つもミサキのヘイローは消える気配がしない。
もう待っても眠りにつくことがないと思った私はミサキのことを割り切り、サオリ姉がいる屋上へと向かうことにした。
「…………………………………………………………」
ミサキは屋上へと向かうクシナの様子を頭まで被せていた掛け布団の隙間から見つめていた。
「?」
視線に気付いたクシナはミサキの方へと顔を向ける。
しかしミサキは既にアツコの方へと顔を向けて横になっていた。
「……気の所為か」
一瞬ミサキからの視線を感じたが気の所為のようだ。
アツコの方に体を向けていたのだから、ミサキの頭の後ろに目がついてない限り私に視線を送ることなど到底不可能な所業だ。
私はできるだけ音を立てずに屋上へと続く階段を上る。
そして屋上に着くや否やドアを開けて物陰に隠れながら周囲を警戒するサオリ姉の元へと向かう。
「サオリ姉…」
「……どうしたクシナ、眠れないのか?」
周囲を警戒しつつ、背中をこちらに向けたままサオリ姉が返事をした。
「別に眠れないわけじゃない。サオリ姉と話がしたいから起きてたんだ」
「……訓練中に思い耽っていたことか。私に相談して解決できるのであれば協力しよう」
そう答えたサオリ姉は双眼鏡を取り出し遠くを確認し始めた。
「周囲と遠くには誰もいないようだ。しばらくの間なら顔を合わせて会話ができるな」
「……はは、相変わらず気を使うのが上手だな」
「妹の為だ。相談するというのに、相手がずっと背中を向けてる状態で話をするのも嫌だろ」
サオリ姉は振り返り私と顔を合わせてそう答えた。
真っ直ぐと私を見つめ、サオリ姉は話を聞き出すよりも私から語ることを待っているかのように伺えた。
そうとらえた私は口を開きサオリ姉へ聞きたいことを聞き出した。
「まず初めにアツコについて…みんなはアツコのことを姫って呼ぶけどあれはなに?」
「それはアツコがお姫様のように気品ある容姿でだな」
「……サオリ姉、嘘はいい。本当のことを話せ」
「ッ!……なんだ。バレてたか」
笑ったサオリ姉は床に置いていたコップに手を伸ばし黒い液体を飲み始めた。
サオリ姉はその黒い液体を喉に通して一呼吸置いた後、口を開き語り出した。
「アツコと出会ったのは今から2年前だ」
「2年前?」
2年前ってサオリ姉達がアリウスから追われ始めた時期と重なっているな…。
「アツコは……特殊な家柄の出身なんだ。そんなアツコは私達も詳しくは知らないが特別な血統を引いているんだ」
なるほど…。アツコは只者ではないと思ったが特殊な家柄の出身だったのか。
貴族や何処かの出身だろうか。通りで顔が言い訳だ。
「?でもそんな特殊な血を引くアツコとどうやって出会ったんだ?」
「……今から2年前の話だ。そんなアツコを讃えるかのようなパレードが2年前、当時の私達の住家付近で行われることになったんだ...」
そこからサオリ姉はそのパレードの内容を語った。
私はサオリ姉の語る内容をひとつも聞き漏らさないよう耳に全神経を注ぐのであった。
今回はアツコを可愛く書けた気がします。
本当は次回の話を今回の話で投稿する予定だったのですが、文字数が余裕に1万を越えてましてね。長いのもあれかと思ってここで一旦切りました。
次回はサオリとクシナが語り合います。お楽しみに!