仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ! 纏様が新たなライダーとして参戦するセレモニーが行われる前に、早速纏様はチラミを殴りつけました。果たしてどうなってしまうのでしょうか?」
「あー要らん事しちまった……空き時間の間にシンケンジャーの源ちゃん登場回でも見直すか」
「かーなーりーハマってますね……」
「もうズッブズブ。まさか全部見終えるなんて思わなかったよ~……」

 先日、妹の檸檬から侍戦隊シンケンジャーの視聴を促された纏。最初は抵抗があったらしいが殿様・志葉丈瑠をはじめ戦隊皆が成長していく様子を、また追加メンバーの梅森源太と丈瑠の絆を見てすっかり感動した様だ。全49話の見所それぞれが彼女の涙腺を刺激し成人を迎えたばかりでまだ感受性溢れる彼女にとって深く刻まれる作品の1つになった。

「やっぱり源ちゃんだよなぁ。寿司屋が侍だよ? 第十七幕を初めて見た時はメチャクチャ笑ったけど、次の第十八幕を見てそれまで笑っていた自分が恥ずかしくなるくらいに泣いたよ。アレはズルい。小林靖子にゃん先生、流石過ぎる!」
「あらあら……それは何よりで。ちなみにシンケンゴールドを演じられた相馬圭祐様ですが、近年のライダー作品”仮面ライダーセイバー”にも出演されていまして」
「え? マジ? 観るわ!」

 こうして纏のライダー熱は高まっていくばかりであった。


麗羅XI:そして彼女がやってくる

 それはジャマーボールが終わり、道長がニラムによってジャマーガーデンのある世界に捨てられるように戻された翌日の朝の事。

 

   ★

 

 道長はジャマト2体に肩を貸してもらってジャマーガーデンに戻ってきた。アルキメデルが出迎える。

 

「道長くん! 良かった無事で……お前たちも探してきてくれてありがとう」

「ジャ!」

「ジャジャ!」

「場長……ご心配かけました……」

「私の心配なんて別にどうって事は無い。それより気になったんだが、その手当は自分で?」

「いや、これは目が覚めたら何故か。こいつらがやってくれたんじゃないんですか?」

 

 ニラムの配下の運営ライダーたちによって負わされた無数の裂傷だが、ジャマトに保護された時には既にそこいらにあった葉などによって手当を行われていた。

 

「ジャジャ!」

「クテウオズモ、レレスダトオケツームイズレレエラサビビポラツームアでツームチャテウビビビジコジグピジキョガピピファツトキョ△ピトピ(俺らも、見つけた時には道長さんに既に誰かが手当をしている状態でしたし)」

「そうかそうか。ではお前たちでもわからないんだね」

 

 そして道長は違和感に気付く。

 

「! ……ジャマトの喋っている言葉が、わかる?」

 

 道長は自然とジャマト語がわかるようになっていた。恐らく身体のジャマト化が進行していく事によるものであろう。

 

  ★

 

 それから2週間程、場長からの指示もあり身体を休める事にした道長。ナースジャマトの所に朝晩通って包帯の交換をしてもらう。

 

「イズキョ、テテウ▲テツビライズアレレロピトファ。ロトコアケジデチャポキョアーブ(はい、これで交換は済みましたよ。また明日来てくださいね)」

「はい……ありがとうございます」

「ヴォツキョトピロピジ。ピピファツエファツトエツームモファンピデオクストカカデチャポキョ(どういたしまして。場長たちにも宜しくとお伝えください)」

 

 医務室を出て呆然とする道長。日毎確実にジャマト語がわかってきている自分自身に混乱してきていた。

 

「俺はもう人間じゃないのか……」

 

 ため息を吐いたその時、すれ違ったジャマトたちの会話が耳に入ってきた。

 

「ラサラ▲モ、ンデポスラクラピスルクヴァオコトエインツームキョガオズピキョルル(なんでも、6番温室の外あたりに居るらしいぜ)」

「ンデポスラクラピスルクラサビロルクラサカカモテテスヴァエインゼラオズテウトヴァツチャ(6番温室の仲間の苗もごっそりやられたそうだ)」

「ヴァテウチャダピピゼララサキョ。ピピファツエファツルクピファデエインファツテモビラサエインセビビキョツームラサストスジポ(それだけじゃない。場長の食糧庫もかなり被害になったってさ」

「ポガレレトキョラサ、デロレレトキョラサゼラスビビコオズバテウトスジツバポツームラサスジガラサ……(猿みたいな、熊みたいなやつが現れたってウワサになってるな……)」

 

 ジャマーガーデンの被害の件らしい。ここ数日、謎の野生動物が敷地内を荒らしている様だ。

 

「この辺で人間は全く見かけないが、どうも野生動物は居るみたいだな……」

 

 まだジャマーガーデンの実態を把握し切れていない道長ではあるが、薄々とこの近辺に人間そのものが存在しない事を把握してきていた。だがそれでも野生動物は居るらしい。

 

 怪我の具合の報告と、謎の生物の事を質問するためにアルキメデルの元へ向かおうとする道長。だがその途中で見慣れない人間に出会う。

 

「ハァイ♪」

「……誰だお前?」

「私はベロバ。ジャマトを支援しているスポンサーよ」

「はぁ? スポンサー?」

 

 それは妖艶な美しさをした女性で、少女と成人女性の中間。いや、どちらにも見える容貌をしていた。身長は160センチ程度で細身。髪型は黒髪のロング。前髪は眉毛辺りで真横一直線に切り揃えられた所謂姫カット。そして耳の後ろから右はピンク色、そして左は白色のメッシュが入っている。服装はゴシック調と言えば的確だろうか? 白地で首回りがフワフワとした装飾が施されたシャツ。そして下腹部には黒いコルセットを巻いて、その上から至る所に目立つジッパーが縫い込まれた黒のジャケットを着込んでいた。それぞれの両袖には赤いリボンがあしらわれている。シルク生地らしい赤いプリーツスカートを履き、下には更に赤いタイツを履いている。黒いロングブーツの踵を鳴らしながら道長に近づいてきた。

 

「フフフ……面白~い! 人間がジャマトになりかけてる~♪」

 

 道長の左手を掴んで嬉しそうにしているベロバ。道長はその急に掴んできた手を払いのける。

 

「怪物と一緒にすんなよ……」

「ね~え~? アンタって仮面ライダーをぶっ潰すのが夢なんでしょ~? だったら~……アタシたちと組もうよ」

「……お前もデザイアグランプリの運営か」

 

 道長のその言葉が出た途端、それまで少女の様に楽し気でいたベロバの顔が冷めた。

 

「あんなやつらと一緒にしないでくれる?」

「なら何が目的だ?」

「アタシ~、人の不幸がだいっ…………好物なの!」

「……随分引っ張ったな。どんだけ好きなんだか」

「ウフフッ♪ 返答次第ではアンタの理想の世界、アタシたちが叶えてあげてもいーわよー?」

 

 そして怪しく微笑むベロバ。その笑みに道長も不敵に笑い始めた。

 

「ヘッ……お前が?」

「勝つためなら手段を選ばない……でしょ? アタシの事ぉ、利用しない手は無いんじゃなーい?」

「! ……」

「ウフフ……♪」

 

 ベロバのその言葉を聞いて無言になる道長。ベロバは悪戯っぽく微笑んでいた。だが何かに気付いたのか辺りをキョロキョロと見まわす。

 

「ねぇ、此処に来たライダーってアンタだけ?」

「? ああ……他のライダーは死んだ筈だ」

「……おっかしぃわねぇ~。まぁ後でアルキメデルに聞けば良いか」

「?」

 

 道長がベロバの言っている意味を知るのはもう少し先になる。それは道長にとって最も尊いものになるとは今の道長は知る由も無かった。

 

 デザイア神殿で纏こと仮面ライダーラヴィのセレモニーが行われた。仰々しいアナウンスが行われオーディエンスに紹介された纏。

 

 ――急遽参戦、健気さナンバーワン! 魅惑の女闘士、仮面ライダーラヴィこと、擬宝珠纏!!――

 

『 ENTRY 』

 

 纏が現れるとオーディエンスたちが使用している目玉型浮遊カメラから歓声が聞こえてくる。初参加の彼女に文字通り好奇の目が集まる。

 オーディエンスの声が様々と耳に入ってきて少々気持ちが悪くなってきた。

 

「顔も見えない奴らからあだこだ言われているのがリアルタイムでわかるってのは、こんなに気持ちが悪いのかよ……」

 

 項垂れそうになった頃合いでツムリのアナウンスが入る。

 

「では新たなライダーを迎えてデザイアグランプリ、再開です!」

 

 そしてそれまで無言だった既存のライダーたちから声がかかる。祢音と景和だ。

 

「纏ちゃん……」

「まさか纏ちゃんまでデザグラに……」

「祢音ちゃん、景和くん……それと、浮世英寿……」

 

 纏は祢音と景和にはいつも通り温和な顔を見せるも、英寿にだけは凛とした表情で向き直る。その態度に英寿からも声がかかる。

 

「……以前みたいに”英寿様”とは呼ばないんだな」

「うん。アンタがこのゲームで最も注意しないといけない人だからね」

「好きにしろ。俺もアンタが昔馴染みの孫だからと言って甘くはしないからな”ラヴィ”」

「別に構わないよ」

 

 そしてまだ名前を呼ばれていない冴が纏に近付いて来た。

 

「纏……」

「! もしかして冴先輩?!」

「え? 2人って」

「知り合いだったの?」

 

 2人のやりとりに疑問の声を上げる祢音と景和。そして冴は急ぎ駆け寄り纏を抱きしめた。

 

「もう! アンタまでこんな危険な試合に出るなんて……ご家族が心配するでしょう!!」

「うん……ごめんね、冴先輩」

「ほ~う……これは中々の、ハイライトだ!」

 

 英寿が気ままにフィンガースナップを決める。




 筆者です。「麗羅XI」をお送りしました。
 
 ジャマーガーデンに戻った道長の身体に変化が表れました。まさジャマト語理解。テレビ本編には存在しなかった拙作オリジナルの設定ですが如何でしょうか?

 ジャマーガーデンでは何か騒動が起きています。どうやら野生生物が被害を起こしているようですね。さて、これはどうなっていくやら。そして皆さまお待たせしました。しれっとベロバが初登場です。筆者の文章表現力ではなかなかベロバの魅力をお伝え出来なくて申し訳ない。テレビ本編で初めて見た時はまさかの15歳JC3年生だなんて思いませんでした。並木さんの今後の活躍も期待しています。さて、そんなしれっと現れたベロバも何か気になる事を言ってます。断片的ですがこれらがそろそろ繋がり一つの大きな事件となりますのでご期待ください。

 そして纏ちゃんと冴ちゃんが知り合いだったというのも加えました。最初は”同じ学校の先輩後輩”と”飲食店同士の繋がりの知り合い”も考えたんですけどね。結局は本文の”他校の生徒だが知り合い”と言うのに落ち着きました。テレビ本編の乖離IV辺りから冴さんが家族思いの良いお姉さんキャラだとクローズアップされましたが、その辺に乗っかる形になりますね。祢音ちゃんに加え纏ちゃんと言う妹も増えます。

 前書きのシンケンジャー話。前回からの続きですが、結果ドハマリした纏ちゃんも書きたかったのでお披露目しました。先にズッブズブとハマっていた檸檬ちゃんから勧められたという体です。寿司屋の源ちゃんも出ているので丁度良いかなと。筆者が本当にハマっていて、放送から13年経った今でも時折見ています。15年後シンケンジャーとか企画して欲しいものです。

 では明日も間に合えば17:30更新となります。よろしくお願いいたします。

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