仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「浮世英寿様こと仮面ライダーギーツはフィーバーレイズバックルを手に入れた事でフィーバーブーストフォームとなりました。ホール内に居たジャマトたちを一掃するため獅子奮迅の勢いで駆逐するもジャマトライダーたちはなかなか倒せません。果たして、どうなってしまうのでしょうか?」
「フ! ハイライトだ」
「じゃあワシはセブンスターで」
「……タバコの銘柄じゃないぞ」
「へ? ゴールデンバットも違うのか?」
「違う」
「わかばもか?」
「タバコから離れろ。アンタ禁煙したんだろ?」
「浅草の年寄りは今だって吸ってるわい! 高齢なのにな。本当に禁煙が長寿に繋がるのかも疑わしいもんだ」
「じゃあアンタも喫煙再開したのか?」
「いや、ワシは纏と檸檬の健康に悪いし、そもそも寿司職人が煙草なんて吸ったら寿司に影響が出るだろうから今後もタバコは吸わん」
「ならタバコネタで来るんじゃない!」

 皆さまも喫煙は節度を守ってくださいね。


変攻VII:愛僧渦巻く迷宮の脱出ゲーム

 両津がその黒いフィーバーバックルを手にした頃、吹き抜けホールを縦横無尽に走り抜けていたギーツが、どうにも攻撃が決まり切らないジャマトライダーたちに手こずっていたためにブーストライカーを停めて様子を伺っていた。どうやらまだ外部からジャマトも内部へ侵入してくるようだ。ギーツはブーストライカーに跨りながらタートルズに声をかける。

 

「タートルズ!」

「あん?」

「来いよ。一緒に暴れようぜ」

「仕方ねぇなぁ。こいつの威力も試すか。マリア、下がってろ」

 

 マリアを少し下がらせると、腰のドライバーを回転させて手にした黒いフィーバーバックルを差し込むタートルズ。

 

『REVOLVE ON……SET ”SIN!SOW!QUICK!TENG!INCHI~KI!FEVER!!”』

「あ”? 新装開店? インチキー? ……ヤバいな。とてつもなくイヤな予感がしてきたぜ」

 

 差し込んだバックルから、従来のフィーバーバックルとは違う声色で更にテンションが高い音声が鳴る。その耳障りにも感じた音声にどこか聞き覚えのあるものを感じた両津は強引に頭の中からかき消そうとした。

 

「まさかアイツの声じゃねぇよなー?」

 

 バックルの名前からして胡散臭さが凄い事に冷や汗が出てきたタートルズが備わっているレバーを引くとスロットが回転する。聞こえてくるBGMもギーツが使ったフィーバーバックルと違って陽気感が更に酷い。街中で時折見かけるチンドン屋が鳴らしているものを思い出させた。スロットに『BLACK』と出た。更に音声が鳴る。

 

『 BLACK INCHI~KI!FEVER!!』

 

 タートルズの身体が回転して上下が入れ替わり、アーマーも構成が変わる。更に言うなら従来のデザグラのライダースーツと細かい部位も変っていく。それまで上半身に装着されていた緑色のプロテクターは真ん中で二分割されてモモとスネに。上半身は肩に丸みのあるショルダーアーマーが備えられた。腹部は銀色で胸部から背面にかけて身体の形状に沿ったブレストアーマーが装備される。最も特徴的なのは間接だ。肩、ヒジ、手首、モモ、スネ、足首と接合部から筋繊維を思わせる弾力性がありそうな肉色の部分が覗いている。そして頭部。ヘルメットの形状こそ従来のものと変わらないが、体色と合わせ黒色に染まり、鼻面から眉間を通り後頭部から首まである真っ直ぐなラインは従来の銀色ものに更に赤い部分が中央に追加された。複眼はピンク色に近かったものが眉間のラインと同様真っ赤に染まる。手に持った大ハリセンは柄の所に風車パーツが追加されている。

 

『BIG WIND FAN BLACK HIT INCHI~KI!FEVER!!』

 

 音声が鳴り終わった頃、そのあまりの変貌ぶりに見守っていた皆が唖然としていた。

 

『 READY……FIGHT!! 』

「うるせぇ!」

 

 散々やかましく鳴っていた音声にタートルズがツッコミを入れた。

 

「何かさ……いいの、アレ? いや、アタシは好きだけど」

「両さん、それはやり過ぎじゃ……」

「おじさん、真っ黒になっちゃった……」

「うん。……黒いね」

「黒いボディ……真っ赤な目……」

 

 それぞれの感想を口々に呟いた。景和が一番マズい事を言っている。そしてマリアは……

 

「凄いですわ両さま! 両方の再限度合が素晴らしいです~!」

「やめろマリア! 色々謝らなきゃならんだろ?!」

「え~? カッコいいのに~……」

 

 もしかして例の作品とその続編を全話視聴していたのではないかと思われる発言をして両津にツッコミを受けていた。当の両津は心の中で色んな人たちに謝り続けていた。特にてつおとか、次郎さんとか。

 

「ハハハハハ! やっぱりアンタは面白いな。さっさと乗れよ。駆け抜ける!」

 

 ギーツがブーストライカーの後部シートを指差して同乗を促す。

 

「ちっくしょう! こうなりゃヤケだ!!」

 

 ガニ股でギーツの元に向かったタートルズは遠慮なくブーストライカーの後部シートに跨った。ギーツは右手でスナップを利かせてお決まりの指鳴らしをパチン!と決める。

 

「さぁ、ハイライトだ!」

「ぃよっしゃ! ワシとお前で大博打と行くかぁ!!」

 

 二人を乗せたブーストライカーは侵入してきたジャマトたちを蹴散らす。ホール内に居るジャマトたちをドリフトアタックで打ち上げ、ブーストライカーからジャンプしたタートルズが強化された大ハリセンで次々叩いていく。

 

「でぇりゃあああああああ!!」

「「「「ジャジャジャジャジャジャジャジャ!!」」」」

 

 次々とジャマトを撃退し、その数を減らしていくがやはり何度攻撃してもジャマトライダーだけは致命傷を与えられない。

 

「やはりアイツらがキツいな。俺がこいつでぶん殴るから、復活し切る前にアンタが追撃してくれ」

「こいつって……まさかこのバイクで殴るのか?!」

「そうさ!」

 

 ギーツの発想に冷や汗が出たタートルズ。ギーツがブーストライカーを停めた瞬間、急ぎ飛び降りた。残っていたジャマトライダー2体と対峙したギーツはアクセルを吹かしドリフト回転を行う。遠心力が付いたブーストライカーから身体を降ろしたギーツは脚部に備わったブーストアーマーの噴出力で逆噴射を行い、更に自身の身体のバネを利用しブーストライカーをそのまま物理武器として振り下ろす。

 

「てやぁああああああ!!」

「「ジャ…ジャジャジャジャー?!」」

 

 強烈な攻撃が2体のジャマトにぶつかる。身体の大部分がひしゃげていたが、恐ろしい事にまだ回復しようとしている。だがこのチャンスに備えていたのがタートルズだ。インチキフィーバーバックルのレバーを動かす。

 

『INCHIKI FEVER VICTORY~!!』

 

 その時不思議な事が起こった。タートルズの手にしていた大ハリセンが白色の輝きを出したのである。

 まだ身体の全てが修復し切れていないジャマト2体がタートルズ目掛けて触手を飛ばしてきた。

 

「どぅ”あ”!”!”」

「ジャジャジャ?!」

 

 大ハリセンを軽く振るう事でスパっと切り落とされた触手。更にタートルズはそのまま突進した。大ハリセンの柄に備わった風車パーツは高速回転をし続け、振るう度に「シュオー!」と言う音が辺りに響く。先ずは1体目のジャマトの腹部に大ハリセンを突きさした。貫通した背中から火花が噴出される。更に引き抜いた大ハリセンは2体目のジャマトの脳天を叩き、ひるんだ隙に腹部を突き差す。先ほどと同じく背中から大量の火花が噴出された。

 

「はぁ”っ”!”!”」

「テ……テララ……サイ、ズヴ△バ……」

 

 苦し紛れにジャマトが何かを呟いた。大ハリセンを引き抜いたタートルズは翻る。大ハリセンを上段に構えなおし、スッと右手で斜め下に降ろしてポーズを決めると2体のジャマトライダーたちは膝を付いて爆散した。

 

「信じれば……運は巡ってくる」

 

 景和が呟いた。丁度その時ギーツのブーストバックルが白煙を噴き出した。

 

「ん? ……やべぇ!」

 

 ギーツが叫んだその時、ブーストバックルが炎を噴き出し暴走し、ドライバーから飛び出した。飛び出したブーストバックルはホールの中空まで飛び上がると今度は景和目掛けて突進していく。景和に直撃するその瞬間、急に角度を変えてタートルズの顔面にぶつかった。タートルズに大ダメージを与えたブーストバックルはそのままどこかに飛び去った。タートルズの悲鳴がホール中に響く。

 

「いってぇええええええええええ!! なんなんだよこんちくしょ――――――!!」

「あれ……? 前にもこんな事あったよな?」

 

 景和が呟いた。そして顔面を押さえながら激痛に悶えるタートルズ。

 

「両さま――! ご無事ですか――!」

「あーいててて……おう、何とかな――。てめ、ギーツ!! てめぇのバックルくらいどうにかしろぃ!!」

「それが出来たら苦労しないさ……ん? おい、アンタのバックルも何かおかしいぞ」

「あ?」

 

 タートルズのインチキフィーバーバックルのドラムが勝手に回転を始めた。そして謎のタイムカウントを始めていた。

 

『3』

「な、なんだ? 何が起きているんだ?」

『2』

「まずい。皆、離れろ!」

『1』

「両さま!」

「マリア! お前も離れるんだ!!」

 

 そう叫んだタートルズは傍に居たマリアを突き飛ばしてギーツに任せた。

 

『0 SELF BLOW UP!』

 

 言うが早いか、インチキフィーバーバックルはボカンと言う爆発音を立てて自爆した。

 爆発の衝撃で強制変身解除となった両津。髪はチリヂリとなり、顔はススで真っ黒になっている。我を取り戻した直後に大声で叫んだ。

 

「なんだこのバックルは――――――?!」

 

 丁度同じ頃、サロンのモニターでデザグラを監視していたゲームマスターも全く同タイミングで同じ事を叫んでいた。

 




 筆者です。「変攻VII」をお送りしました。
 ギーツ本編11話「謀略II」を土台としたこのお話も一旦ここまで。次からは12話「謀略III」を土台としたお話が始まります。タイトルはそのまま継続で「変攻VIII」となるんですが、話数カウントの表記が少し多くなりますね。申し訳ございません。
 
 では今回の小ネタ解説と併せ、全力の謝罪ですw
インチキフィーバーレイズバックル・・・現時点両さん専用の最高戦闘力を付与し、最大級のネタを与えるアイテムです。爆発オチまで付けましたw それぞれに意味合いと仕掛けがありますが、実は現時点でも言えない部分もあるんですね。それはまた追々と。現時点で明かせる部分を言っておきます。
・発想としてレイズバックルのパチモンが欲しかった
・ギャンブル好きの両さんならフィーバーバックルだ
・いかにもパチモンなので真っ黒にしよう
・黒と言えば仮面ライダーBLACKだ。
・でも大ハリセンを持っているからRX部分も取り入れよう
・これを他のライダーに使わせると面倒だから使用は1度きりにしよう
・どうせ1度切りなら自爆装置をつけて爆発させよう
ここまで考え付きました。後は作中での活躍の通りですね。非常に楽しいものでした。
 バックル音声のやたらとテンションが高い事と、両さんの思い当たってる部分はこち亀読者及びアニメ視聴者の皆さんならだいたい答えに行きついてるとは思いますが、感想にはあえて書かずに居て頂けたら幸いです。ちゃんとその辺は書くつもりですし。
 音声が「SIN!SOW!QUICK!TENG!」と言っているのも実は小ネタでして、
・SIN・・・罪
・SOW・・・撒く
・QUICK・・・早く
・TENG・・・騰虵と言う中国の伝説上の蛇または龍の一種
と、なっています。罪はそのままですね。このバックルそのものがもうね…w 撒くはバラマキです。餅撒きのようにばらまいてますw QUICKの早くは強引な語呂合わせの部分であったんですが結構気に入ってます。TENGの騰虵はBLACKネタ採用した後に調べたらある意味一致してて驚きました。仮面ライダーBLACKのシンボルマークって蛇がリンゴを食べる象徴になっているんですよ。飛行能力の部分は今回採用しませんでしたが、機会があれば取り入れたいです。
 改めて、メッチャクチャに遊んで申し訳ありませんでした!!

 さて、まだ先は続きます。扉の傍にあった文字の秘密とは? ウィンと道長の謀略とは? そして扉は開くのか? ギーツ本編ならこのくらいかなと思いますが、ここにこち亀要素と作者のトンデモ設定が加味されていきますのでヘッポコ具合は避けられませんw 扉の傍の文字なんて本編3文字に対して136文字に増やしちゃったからなぁ。それが一体何なのかどうかお楽しみに。

 無事に書き上がっていましたら明日の17:30更新です。 ダメなら前もってこちらでお知らせしますのでどうか宜しくお願いします。

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