仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「うーん……帰りたいかも」
「今更ですか?! まさか急に怖気づいたとか」
「あー違う違う。アタシが変身する姿がねぇ……その、ちょっと恥ずかしいんだな~これが」
「あー……言わんとしている事はわかります。けど纏様のこのバックルでの変身、かなり可愛らしいかと」
「やめてよー! そう言われるのも結構ツラいんだってば!」
纏が用意しているレイズバックル……電極プラスが開発したものとなっているが、本来は纏の妹・擬宝珠檸檬の為にデザインしたものだ。
「つまり……大人が装着する事は考えていなかったみたいでね……」
「あー……女児服を大人が着込むと何ともアレな感じですか?」
「なのかなぁ? まぁ若干向きが違うけどね」
「とは言え……一部のオーディエンスからは絶大な人気を誇る事になるかと」
「それはそれで何だかイヤだなー……」
纏の変身の詳細はこの後すぐ!!
「バッファのIDコアをコイツに渡して頂戴」
「……構いませんが、しかし」
「何? アタシに口答えしようっての?」
「仕方ありませんねぇ。ほら道長くん、受け取りたまえ」
アルキメデルはポケットに入れていたバッファのIDコアを包んでいた布を取り払って道長に手渡した。
「ありがとうございます……その、コイツは一体なんなんですか?」
「! 口の利き方に気を付けたまえ!! この方はベロバ様。此処、ジャマーガーデン……我々ジャマトのスポンサーだ」
「本当なんですね……」
「だから言ってるじゃ~ん♪」
ベロバはもう一つゼリービーンズを取り出して道長の口元に押し付けた。その仕草を鬱陶しく感じた道長だったが、恐らくそれを食べろと言うジェスチャーだと感じて大人しく舌を伸ばして受け取り食べる。
「それと、最近敷地内で野生動物が被害を出していると噂になっていますが」
「ああ、今調べてもらっているよ。しかし妙な話だ。ここ最近はそう言った事も少なかったんだが」
「ねぇ……それっていつから?」
ベロバも会話に口を出してきた。
「そうですねぇ。道長くんが戻ってきたくらいからだから2週間くらい前からですかねぇ……」
「2週間……あっちゃあ~……やっぱりそうかぁ」
「? どうかされましたか?」
「! べ、別にぃ~。と言うか、ジャマーガーデンの運営に支障が出たら問題でしょ? さっさとどうにかしなさいよ!」
「わかりました。なるべく早く解決するようにします」
「……?」
道長はベロバとアルキメデルのやり取りに違和感を感じた。野生動物の出現にベロバが何故焦るのかと。とは言え、アルキメデルから指示をされていない今は自分のしたい事を最優先で行う事にした。
「すいません場長。俺、また少し出てきます。……ベロバからも言われたんで」
「! だから口の利き方を……何だって? ベロバ様?!」
「別に呼ばれ方なんてどうでも良いわよ~。そうよアタシが言ったの。気の向くままにライダーを潰してきなさいって」
「……仕方ありませんねぇ。道長くん、くれぐれも気を付けるんだよ。今の君はジャマトに生まれ変わろうとしている大事な時期だ。急激な身体の変化に心も追いつかなくなっているだろ?」
「! ……俺は大丈夫です。それじゃ行ってきます」
そうして道長は温室から出て行った。その背中を心配そうに見守るアルキメデル。それを見てベロバが呟いた。
「ああ……道長くん。どうか無事で……」
「ほーんとアンタってジャマトへの愛情がッパ無いわねぇ……」
「そりゃあもう! 私はジャマトに生涯を注いできた身ですので!!」
「それでミッチーにわざとジャマトバックルを使わせるように仕向けたんだ」
「コホン! ……何の事ですかな?」
アルキメデルは咳払いをして持っていた手ぬぐいで額の汗を拭い始める。ベロバの言った事はどうやら図星みたいだ。
「つくづくアンタもエグい事考えるわよね~。まぁお陰でアタシも楽しませてもらっているけど。これからもっともーっと楽しくなりそうだし~♪ ……とは言っても、あっちの方をどうにかしてくれないとねぇ」
「……ベロバ様、もしかして私に何か隠していませんか?」
「えーと……実はね」
そしてベロバが一通り説明し終えると、アルキメデルは膝から崩れ落ちた。
「何て事をしてくれたんですか!!」
「仕方なかったのよ!」
「こんな事なら道長君を行かせるべきじゃなかったなぁ……道長君、なるべく早く戻ってきておくれ~――!!」
温室内にアルキメデルの絶叫が響いた。
唐突にライダーインタヴューが始まった。今回は仮面ライダーナーゴこと鞍馬祢音(18)だ。
―― デザスターは五十鈴大智さんでも両津勘吉さんでもありませんでした ――
「2人とも、デザスターじゃなかったなんて……」
―― そして補充ライダーとして擬宝珠纏さんが加わりました ――
「まさか纏ちゃんが冴さんの後輩だなんて驚きです! すっごく仲良くなれそう♪」
―― でもこの5人の中に裏切り者のデザスターがいます ――
「せっかく楽しくなりそうなのに……でも今度こそ、デザスターを突き止めないとですね」
配送ジャマトが別の場所に”お届け”をしようとしている所を突き留めたライダーたち。ツムリのアナウンスが聞こえる。
「第3回戦、時限爆弾ゲーム。仕掛けられた時限爆弾を見つけて解除してください。爆弾を配達しているジャマトもいます。仕掛ける前に止めてください」
ライダーたちそれぞれがレイズバックルを構えた。いよいよ纏もデザグラでの初変身を行う。その手に持っている物は両津勘吉が使っていたビッグウィンドファンバックルに良く似ていた。あちらが1号ライダーの体色を彷彿とさせる濃い緑色に対し、こちらはピンク色となっている。風車を連想させる円形部分が良く目立つ。
「いよいよかぁ……」
「纏、アンタは初めてなんだから後ろで見ていて!」
「ありがとう冴先輩。でもアタシだってもう仮面ライダーなんだ! 後ろで指くわえて見ているなんてまっぴらさ!!」
纏の威勢の良さにはにかむ祢音と景和、そして英寿であった。
「強いね、纏ちゃん……」
「俺たちも負けちゃいられない!」
「ああ、行くぞお前たち!」
『『『『『 SET (CREATION)』』』』』
ライダーたちはレイズバックルをデザイアドライバーの右スロットに勢い良く差し込んだ。
「へーん……」
「「「「「変身(っしん)!」」」」」
『 DEPLOYED POWERED SYSTEM 』
『 BEAT 』
『 NINJA 』
『 ZOMBIE~ 』
『 IRON FAN 』
『『『『『 READY……FIGHT!! 』』』』』
それぞれのデザイアドライバーの中央部、バンドルラインに仕込まれた反応炉”トーラスリアクター”から差し込まれたバックルの文字表示とアーマーを構成するエネルギー波が放出される。纏こと仮面ライダーラヴィが使用するアイアンファンバックルのエネルギー波はピンク色。アーマーもそれに準じた色構成となっている。そしてラヴィのエントリーフォームに合わせて胸部の双丘が強調されたアーマーは、ラヴィのヘルメットの頂部に構成される兎耳と併せると何かを連想させた。
「……バニーガール?」
「言わないで祢音ちゃん!!」
ラヴィこと纏が少し恥ずかしそうにしていた。そしてラヴィの右手には小ぶりの武器が握られている。
「扇子……?」
「いや、タイクーン……あれは鉄扇だ」
長さ30センチ程の小ぶりながらも頑強そうな造りとなっている扇。その骨は太い鉄で出来ていて、ちょっとした鈍器ともなる。有名どころだと史実では新選組の芹沢鴨が愛用していたらしい。柄の根本にはラヴィのライダークレストをあしらった飾りまで付いている。
「チャッチャと行くよ!!」
「「「「おう!」」」」
ライダーたちはラヴィの掛け声と共に配送ジャマトたちへ突進していく。それぞれ手元にダンボール箱を抱えたジャマトたち。恐らく時限爆弾だろう。
「ふん!」
「ジャッ?!」
「おりゃ!」
「ジャジャ!!」
「うらぁ!」
「ジャパァ!」
「うららぁ!!」
「ジャパァ~!!」
致命傷とまで言わないがラヴィの素早い攻撃は無数のジャマトたちを怯ませた。負けじとジャマトたちも応戦するが、その拳も蹴りもラヴィが持ち前の素早さと手にしている鉄扇で次々と軽快に払いのける。
「凄い……」
「アタシの攻撃よりも素早い……纏、成長しているね」
祢音はただただ感心し、纏は愛すべき後輩の成長っぷりに息を吞む。
筆者です。「麗羅XIII」をお送りしました。
ベロバがアルキメデルに吐露しちゃいました。彼女のやらかした失敗の詳細はもう少しお待ちください。
皆さまお察しが宜しいもので、これからジャマーガーデンに迫る一波乱に関してご感想を頂き嬉しい限りです。そろそろ復活させたいんですけどねぇ、意外に引っ張っちゃってるなぁと。
仮面ライダーラヴィのアイアンファンフォーム、初お披露目回となりました。作中にて新選組の芹沢鴨が使っていたのは書きましたが、創作だともっと凄い事になっていて筆者も驚いています。リバイスの仮面ライダージャンヌの武器もそうでしたね。他にも沢山います。詳しくはピクシブ百科事典のリンクを貼っておきますのでご確認頂ければと思います。
https://dic.pixiv.net/a/%E9%89%84%E6%89%87
ハロウィンには掠りもしないままでしたね。ジャマーガーデンズの連中とか似合いそうでしたがまだ全員揃ってねぇし。機会があれば来年何か書きたいです。来年までこの作品が続いているかはわかりませんけどw
これを執筆しているのが10/30なのですが、ゴーカイシルバー役の池田純矢さんが逮捕されたと聞いてショックでした。今年は好きな声優さんや歌手の悲報とかも続いていて悲しい限りです。それでも、どんなに自身の心が傷付いても創作の情熱だけは絶やさずに進みたいものだとも思いました。
では明日も間に合えば17:30更新ですのでどうかよろしくお願いします。
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どちらとも言えない