仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ~♪ だから早く両津勘吉を連れてきて、そんなもんを終わらせてやるって言ってるでしょ!!」

 今日もベロバは勢い良く言っているものの、道長と大智はすっかり意気消沈していた。

「いや、両さんを捕まえるっては最初から無理があったんじゃねぇか?」
「そうだねぇ……こち亀本編でも先ず捕まえられないって話だし」

 実際逃亡する両津を捕まえる事は不可能と定義付けられている。エログッズに釣られたのは何かの間違いだろう。

「と、なると……天岩戸作戦しかないな」
「あ? 何だそりゃ?」
「これだから学が無い者は……天岩戸とは岩山に籠った天照大神に再び現れてもらうために様々な神々が知恵を絞った結果、宴を行い誘ったという神話さ」
「あー……それは何となく聞いたことがあるわ。と言うか学力マウント取ってんじゃねぇよ」
「それでー、インテリクソメガネは何を思いついたワケよ~?」
「インテリクソメガネ……両さんのあだ名の方がまだマシだな。つまり、こちらから捕まえに行くんじゃなくて、何か面白そうな事をやって両さんが来たがる様に仕向けるのさ」

 そして大智が考えた作戦が実施される。

「だからってお前、プラモ作りって……」
「この時代の遊びって変わってんのねぇ……へ~……この女の子のプラモ、結構可愛いじゃない」
「ジャ! テスンポスポロ、ポズースビビテロビキョルク▲オポスポラサキョファツツームケグスダジデチャポキョアーブ(ベロバ様、パーツが細かいので飛ばさないように気を付けてくださいね)」

 大智が考えた作戦。ジャマーガーデンによるプラモ大会。意外にもジャマトたちの作るモデルのクォリティが素晴らしい。ちなみに道長はシン・仮面ライダー1号のキットを。ベロバはスレッタ・マーキュリーのプラモを作っている。大智はRGジオングをチョイスした。

「こんなんで来るかぁ? うわ~……本郷猛の後ろ毛まで再現してるんだ。造詣細かっ!」
「へー、こんな可愛い女の子がガンダムのパイロットなんだ……作品も見てみよっかな?」
「おい、ここは2度切りして軽くヤスリがけした方が見栄えが良くなるぜ」
「来たし!」
「嘘でしょ?!」

 しれっと現れた両津。道長の作り方にダメ出しをしている。

「フ……僕の読みもなかなかだろ?」
「大智、いきなりRGはキッツいんじゃねぇか? 自宅でやるならともかく、こういう所で組むならまだ組みやすいHGの方が良いと思うぜ」

 プラモデルは両津の好物である。


双乱V:そして彼が還ってくる

 両津の声に応える様に、先ずはバッファが飛び出した。ジャマト化が進み力が増した重い拳が飛ぶ。

 

「たぁああああああ!!」

「おっと! あんまりマトモに喰らいたくねぇなぁ!!」

「ぐはぁっ?!」

 

 バッファの拳を払いのけた両津はがら空きの腹に重い一撃を入れる。だがナッジスパロウはそのタイミングを狙っていた。

 

『 MONSTER STRIKE! 』

「うぉい?! 何か来ると思ったらライダーが飛び道具かよ! ……いや、最近は飛び道具使うライダーも増えたか」

「気付かれた? 流石両さん……奇襲は無理か」

 

 少し後ろに引いた場所から放ったモンスターストライクも咄嗟に避ける。両津自身も自覚こそしていないが、時折予知能力が出来るからだ。特に幼児期は顕著に行えていたが、今は戦闘時にしか発露しない。だがバッファはそこで一気に何本もの触手を地面から生やす。あっという間に両津を縛り上げる。

 

「うがあああああああああ!!」

「だぁあああああ!! ……ライダーってよりまるで怪人だな」

「言わないでくれよぉおおおおおおおお!!」

 

 ボソりと呟いた両津の一言がバッファこと道長の心を傷つけた。

 

「さて、頼むから大人しくしていてくれよ」

「暴れたりしなければこっちだって乱暴な事はしないから」

「……ヘッ。そうかい……ぬっ、ぐっ、ふっ……!」

 

 バッファとナッジスパロウの言葉に従わず、両津は拘束しているバッファの生成した触手を千切ろうと全身に力を入れた。

 

「やめたまえ両さん。いくらアンタが強いからってライダースーツも着ていないのに……」

「俺が言うのも何だが、このジャマトの蔓は強い。建設現場のワイヤーよりずっとな」

「ふんぬ! ぐっ……ぬぉおお!! うるせぇよガキ共ぉおおおお!」

 

 道長が言う建設現場のワイヤーとは大型クレーンで使用するかなり太いもので、何トンもの重さのものを吊り下げるためにかなりの強度を持っている。建築の仕事に就いていた道長は専門分野では無かったものの、高層階への資材運搬で使用するのを何度も見てきたのでこの例えが出来るのである。だが両津はその蔓を千切ろうと抵抗している。腕の肉が蔓に食い込んできたので所々から出血してきていた。

 

「……やめろって! 腕の方がイカれるぞ?!」

「両さん! 何もそこまで意地にならなくても……」

「ワシの力と勝負だ! ぬぅああああああああああああああああああっ!! てててて……あークソ、痛ぇなぁ~」

「? ……嘘だろ?」

「あの蔓を……引きちぎった?」

 

 バッファとナッジスパロウ。いや、道長と大智は目を丸くして驚いていた。千切れる訳がないと思っていたジャマトバックルで生成された蔓を見事に両津は引きちぎったのである。

 

「さてと、流石に素手じゃキツいか。用意しておいて良かったぜ」

「! まさか……」

「ヌンチャク……か?」

 

 細い鉄パイプとチェーンで組み上げた簡素的なものだが、それは間違いなくヌンチャクであった。古きアクションスターが世界中に広めた沖縄発祥の武器である。

 両津は引きちぎった触手を右足でズダンと踏みしめ、軽やかにヌンチャクを振り回す。その鮮やかなヌンチャク捌きにバッファもナッジスパロウも思わず拍手をする。

 

「いやー見ておいて良かったぜ、”萌えよドラゴン”!」

「タイトル出すなよ!」

「それと漢字が違う!」

 

 思わずバッファとナッジスパロウ、いや道長と大智はツッコミを入れる。正しくは”燃えよドラゴン”である。

 

「さてとぉ、行くぜえ!」

「クッ! 厄介だなぁ!!」

「おっと! ガードするだけで精一杯か……」

 

 次々と繰り出してくるヌンチャク攻撃にガードするだけで精一杯になるバッファとナッジスパロウ。更に両津はとんでもない技を繰り出してきた。

 

「行くぜ、植木流翻堕羅拳奥義……小五男子の舞!!」

「何だと? ! ――――~~~!! あ”~~~~~!!」

「だ、大丈夫か? ガハッ………――――~~!!」

 

 植木流翻堕羅拳奥義小五男子の舞。名前こそ仰々しいが要はヌンチャクによる金的攻撃である。バッファとナッジスパロウは素早い金的攻撃を喰らってしまい倒れて悶絶する事になってしまった。あまりの激痛に強制変身解除となり、2人とも股間を押さえうずくまる。

 

「ふう……どれだけライダーになって強くなっても流石にキンタマばかりは無理だよな~! ホンダラ親父の技ってのが気に入らねぇが、手数は沢山持っておかなきゃな」

「ひ……酷ぇよ両さん」

「あ、危うく男で無くなる所だった……」

 

 まだ股間の痛みが引かない道長と大智は両手で股間を押さえながら内股でヨロヨロと立ち上がる。それも仕方ない。言うならば両津の振るったハンマーの一撃が股間に直撃したのである。読者の大半がこの苦しみに共感すると思うし、仮に女性読者が居たとしたら股間の激痛と同等と言われている生理痛の痛みを想像して頂きたい。

 

「さてと……そろそろかな?」

 

 そう呟くと3Fの柵から身を乗り出して、ジャマトたちが声をかけてきた。

 

「トキョエファツ! ルルラキョラルクエインテレレロピト!

(隊長! 全員乗り込みました!)」

「コオイズトキョエファツチャダ▲ア!(後は隊長だけです!)」

「わかったぁ! お前らも乗り込めぇええええ!」

「「コキョコキョポー!!(アイアイサー!!)」」

 

 両津はまだ痛みに悶えている道長と大智に向き直り声をかける。

 

「さーてお前ら、泳ぎは得意か?」

「え……何て?」

「泳ぎ……?」

「ヘヘヘ……せいぜい溺れ死ぬなよー!」

 

 そう言うと両津はハイジャンプ、いやワイヤーアクションの大跳躍で一気に3Fまで登って姿を消した。

 呆然としている2人にどこからかゴゴゴと物凄い爆音が聞こえてくる。

 

「おい……これってまさか?」

「水だ! それも物凄い量の!!」

 

 吹き抜けの空間に一気に濁流が押し寄せ、あっと言う間に吹き抜けホールはダムの様に大量の水で満たされた。道長と大智は押し寄せた濁流に翻弄されながらも何とか3Fの柵に掴まり水から上がってきた。

 

「ぷはっ! 死ぬかと思った……おい、生きているか?」

「! カハッ……――~~っ。鼻に入ってしまった。しかし何だってこんなに大量の水を……まさか?!」

 

 屋外に設置された砲台じみた物。急に居なくなったジャマトたち。両津が言った”乗り込め”と言った言葉。そして大量の水。全てが頭の中で繋がった大智はその場から走り出した。道長も後を追いかける。

 

「どうしたいきなり?!」

「外にあるあのデカい砲台だ。両さんはこの大量の水でアレから何かを撃ち出すつもりだ!!」

「何だと?!」

 

 2人は屋外に出た。そして砲台じみた物に向かう。砲台じみた物の直ぐ傍にはエンジンの駆動音が響くポンプと何かの装置が設置されていた。

 

「おっと、もうやってきたか。とは言えコイツはもう定員オーバーだ。お前らの席は無ぇよ。よーし、行くぞお前らぁ!!」

「うん! 行こう両さん!!」

「「「コキョコキョポー!!(アイアイサー!!)」」」

 

 両津の号令により、その装置の爆音は益々大きくなる。吹き抜けホールに溜められた水はポンプによって汲まれていき、圧縮装置によって一気に噴出される。

 

「ジャマーガーデンにカチコミだぁ!!」

 

 巨大な砲台から大き目のカプセルが高圧縮された水の勢いで射出された。それを見た大智は唖然としていた。

 

「そんな……こんな事が」

「ボーっとしているヒマは無いぜ。追いついてやる……」

「え?」

『 SET 』

「変身!」

『 JYAMATO 』

「バッファ……まさか君は?」

「そのまさかさ……うぉおおおおおおお!!」

 

 急ぎ変身した道長はジャマトバックルから生成する触手を飛ばして両津たちの乗った大型カプセルを掴む。

 だがカプセルの勢いは止まらずバッファもそのまま宙に飛び出した。その機転に咄嗟に気付いた大智は生身のままでバッファに掴まった。2人ともカプセルに引っ張られ、ジャマーガーデンのある世界の上空に躍り出てしまう。

 

「「うわぁああああああああああああああああ?!」」




 筆者です。「双乱V」をお送りしました。

 文字通り宙に飛び出した両津とジャマトたち。そしてそれにくっついていく道長と大智。波乱のジャマーガーデン編がどうなっていくのか明日の更新分をお待ちください。

 前書きがプラモ話になりましたが、こりゃ単に筆者の趣味です。それもそのはず、この更新当日がバンダイさんの新製品の発売日で、恐らく筆者も買ってきた筈なのです。作っているかはわかりませんけどね。最近時間無いし……。とは言えプラモ作りは脳に良いと言う科学的研究もされていますので、皆さまも是非一度作ってみませんかと提案だけはしておきます。

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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