仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリ~!! なんと道長様にゾンビバックルを奪われた冴様! これはピンチです!! 強力なレイズバックルが無い冴様は今後のデザイアグランプリを勝ち抜くことが出来るのでしょうか?」
「ほんとマジ無いよ、あのバッファってやつ!!」

 怒り心頭の冴は腕を組んで憤慨していた。

「冴様落ち着いてください。道長様は……道長様なので!」
「……それ説明になってないよツムリ。あの態度が道長ってヤツの生態そのままって事?」
「はい!」
「え~~~~~……?」

 いつになく爽やかな笑顔で返すツムリ。その笑顔にすっかり呆れる冴。

「冴先輩、アタシもやられたからその怒りわかるよ! 今度逢ったらタダじゃすまないんだから!!」
「そういえば纏もあの道長ってヤツの触手でヤられたんだっけね」
「STOP冴先輩! その言い方は何かが違うから!!」

 言葉の使い方、物の言い方とは不思議なもので、確かに”やられた”と”ヤられた”ではその意味合いが大きく異なる。ましてや何にされたと言えば触手。色々と危険である。

「え? だからアイツが繰り出すおびただしい数の触手にナニをされたんでしょ?」
「もっとダメじゃん! 冴先輩、もう少し語彙力を正常な方に向けてよ!!」
「難しいなぁ……ホラ、アタシもトレーニングばっかりであんまり勉強してこなかった方だからね」
「いやいやいや、そーいう問題じゃないって……」

 その様子を少し離れた場所で見つめている男が居た。当の道長である。

「俺の能力ってそんな風に思われていたのか……せっかく詫びで手土産の一つでもと持って来たのに……」

 流石にあのやり方は無かったなぁと反省していた道長だったが、今の彼女たちの前に出て行ったら性犯罪者扱いされるかもしれないと疑心暗鬼になっていてなかなか言い出せずに居た。

「じゃあこのお菓子は私が頂きますね」
「いや勝手に持っていくなよ!」

 こんな時のツムリはかなりドライだ。


双乱XI:そして彼が還ってくる

 ジャマーガーデンの一角。ひび割れたIDコアが沢山埋まっているジャマトの実る大樹。そこに道長と大智は居た。その光景を見て大智は目を爛々と輝かせ呟く。

 

「驚いたな……まさか退場者のIDデータがジャマトの品種改良に利用されていたなんて……」

「どうりでジャマトが人間の姿に変わるわけだ……」

 

 隣に居た道長もそれに応える様に呟いた。大智は自分のIDコアを手に取りジャマトの大樹を見比べる。

 

「退場したら僕のコピーが量産されていたかと思うと……フッ、ゾっとするね」

「それならなんでこっち側に着いている?」

 

 道長の問いに向き直り目を細めて答える大智。

 

「君と同じさ……理想の世界が叶えられるなら手段は何だって良い」

「フッ……食えない野郎だ!」

 

 ニヤリと笑って返す道長。

 

「僕はそうやすやすと食われないよ。食うと言えば正解は……」

「「両さん!」」

「美味かったなぁ弁当!」

「ああ。また作ってくれないかなぁ……」

 

 両津の作った弁当の味を思い出す2人。そして大智は今更ながら重要な事を思い出す。

 

「そういえば、擬宝珠纏はどうしたんだい?」

「……適当にあしらっておいた。お前から連絡があったからな」

「脱落には至らなかった……知らないよ、後で両さんに知れても」

「そうなんだよなぁ……」

 

 道長はしゃがみ込んで悩み始めた。

 

「ふむ……まぁ安心したまえ。僕から告げ口するのは止めておくから。僕も両さんに嫌われたくはないからね」

「お前もすっかり惚れ込んじまったみてぇだな……」

「ああ。不思議な人だよ……」

 

 両津との時間を思い出す2人。破天荒な人柄だが決して嫌な気にはさせない。そんな両津が今、デザグラではなくこのジャマーガーデンに腰を下ろしている。それだけで2人はそれぞれの信念に疑念を持ち出していた。

 

「参ったもんだな、全く」

「ああ。お互い様にね……」

 

 その頃の両津はジャマト達と共に壊した建物の修理を行っていた。

 

「トキョエファツ、ルリラオオアラサイズテテウデオズキョ▲ファキョ▲アビ?(隊長、セメントと砂はこれくらいで良いですか?)」

「ああ、ありがとさん。しかし何処からこんなに資材が用意出来るんだ?」

 

 直していくには当然資材が要る。だがジャマーガーデンにはある程度のストックがあるらしく、頼めばだいたいのものが手に入った。道長や大智、ベロバとアルキメデルの弁当を作る事が出来たのも、この何でも揃う環境があったからこそだ。

 

「次はえーっと……給水配管用の塩ビ管とガス配管用の鉄管か。良しお前ら休め! ワシが持ってくる」

「カカ? キョゼラバガキョ▲アファ。トキョエファツチャスジイズトオズケヴリピピゼララサキョ▲アビ(え? 悪いですよ。隊長だってずっと働きずめじゃないですか)」

「これくらいお安い御用だっての。じゃあしっかり休めよ!」

 

 資材倉庫がある建物に向かう両津。そこでまだ行った事が無い通路を見つけ、寄り道ついでに向かってみる。

 

「またここだけ随分造りが古めかしいな……」

 

 様々な建築現場や改築現場を見てきた両津の見識は正しく、その一角だけ建築様式の年数が異なっていた。ざっと50年程度は経っている。

 

「まるで元々この区域を取り囲む様に増設したような……あれ?」

 

 行き止まりに着いてしまった。目の前には分厚い錆びた鉄の板が大きく道を塞いでいる。引き戸の類の様にも見えるが肝心の取っ手が無い。

 

「なんだこりゃ……それにあの飾りは一体?」

 

 鉄板の上には大きく翼を広げた鷲のような鳥が楕円形の地球儀の様な物の上に乗っているオブジェがあしらわれていた。

 

「あのマーク……どっかで見た様な?」

「ここに来てはダメだよ」

「うわぁあああああああああああ?!」

「うわぁあああああああああああ!!」

 

 突然背後から聞こえた注意を促す声に驚く両津。だが声の主も両津の驚く声に驚いていたが。

 

「なんだ場長かよ……いきなり声をかけるなって。驚くじゃねぇか」

「驚いたのはこっちだよ。姿が見えないと思ったらこんな所に来ているから声をかけたのに……」

 

 腰に手を当てフンスと鼻息を荒くするアルキメデル。もしこの状態で擬音が文字として見えたら間違いなく彼の背後に”プンスカ”と言う文字が見えていただろう。

 

「まぁ良い。まだ足りないものはあるかね? 私も手伝おう」

「え? 良いって。ワシだけでも十分運べるから」

「まぁそう言わずに。手伝った方が早く済むだろう?」

「まぁそうだけどよ」

 

 こうして両津は謎の鉄板がある区域の事は忘れて、再び壊れた区域の修復作業に戻る。

 

 ―― 日没まであと1時間30分02秒 ――

 

 ベンとジョンが調べた新たな情報を入手した祢音と冴と纏は目的の倉庫街にやってきた。3人は一旦手分けして辺りを探すも見つからず。再び合流していた所だ。

 

「居た?」

「ダメだね」

「こっちもだよ……」

 

 祢音は辺りを見渡し。まだ探してない箇所を確認する。

 

「こっちだね」

「行こう祢音ちゃん!」

「うん」

 

 祢音と纏が駆け出すのを見て、その背中を見つめる冴。

 

「私……私は……どうすれば良いの?」

 

 悩む冴。それは家族の事だけじゃない。彼女は今、更に大切な事で悩んでいた。

 

「祢音ちゃん、もしかしてあれって」

「あれだよ! あれが爆弾を運んでいるジャマトのトラックだ!!」

 

 彼女たちが見つけたのは間違いなく爆弾配送に使っている幌付きの軽トラだ。

 

「イ~ズ~キョトス~、イズキョトス~♪(配送~、配送~♪)」

「「「イ~ズ~キョトス~、イズキョトス~♪」」」

 

 軽トラを運転しているジャマトに釣られて助手席のジャマトも荷台に居るジャマトたちも妙な歌を口ずさんでいる。

 

「あいつら……鼻歌交じりで歌っているし!」

「何ともまぁ楽し気に歌っているねぇ……」

 

 呆れつつもその後を追うと随分遠くにやってきた。見渡す限りの岩・岩・岩。まるで採石場だ。いや採石場そのものに何故か物の数分で辿り着く。

 

「思えば遠くに来ちゃったねぇ……」

「うん、しかも僅か数分……」

 

 あまり深く考えてはいけない。東映特撮では良くある事だ。

 採石場には仮設テントが建てられ、そこで多くのジャマトたちが爆弾フルーツの入った箱を積み込んでいる。

 

「見つけた……」

「良し! アタシが英寿と景和くんに知らせてくる」 

「お願い!」

「……」

 

 そして冴と祢音だけになる。

 

「祢音ちゃん、大事な話があるの」

「冴さん……それって」

 

 冴の手にはデザスターカードがあった。

 

 急ぎデザスター神殿のサロンに戻った纏。移動時間なんて深く考えてはいけない。

 

「見つけたよ! 爆弾ジャマトたちが集まっている!」

「行こう、英寿!!」

「ああ、ここからがハイライトだ!」

 

 指をパチンと鳴らして英寿は立ち上がる。そこへツムリが現れる。

 

「リーダーを倒し爆弾を解除すればゲームクリアーです!」

 

 既に変身してジャマトたちに突撃するナーゴとロポ。狙うはメロンを両手に持ったビショップジャマトだ。

 ギーツとタイクーン、そしてラヴィも既に変身して合流した。だから移動時間は考えるなって!

 乱戦していく彼らの上空に配送ジャマトたちが次々と爆弾フルーツを投げ込んでいく。ロポは皆に注意を促す。

 

「! 来るよ!! 皆避けて!!」

「あいつら!!」

「直撃したら無事じゃ済まないね!」

 

 至る所で爆炎が上がる。流石採石場。いくら爆発しても近隣に迷惑は多分かからない。爆風を受けながら目標のビショップジャマトを見つめるギーツ。

 

「近づくのも一苦労だな……」

「だったら……これに賭けるしか!」

 

 タイクーンはフィーバーバックルを手に取った。纏が道長に襲われている間にギーツと共にジャマトの襲撃から町を救った時に現れたアイテムボックスから入手したものである。だがそれを見たロポはタイクーンに襲い掛かった。

 

「な、何するの冴さん?!」

「……! 負けるわけにはいかないの!」

 

 それを見たギーツたちも唖然とする。

 

「冴先輩……」

 

 ラヴィの声も今のロポ、冴には届かない。

 

「まさか……君がデザスター?!」

「「「?!」」」

 

 タイクーン、景和の言葉に皆が更に驚く。

 

「……そうよ。ここでギーツ以外の3人が脱落すれば、私がデザ神になれる!」




 筆者です。「双乱XI」をお送りしました。

 今回は前回に比べて文字数少なめ。ですけど色んな所に拘りました。さて、両さんがジャマーガーデンで見たものは果たして何だったのか……そしてそれは今後に繋がるのか……今しばらくお待ちください。

 回を増すごとに文量が増えてきているなと感じる前書きですが今回もアホな方向に進みました。その昔、漫画家・平野耕太先生の作品(18禁)で「とっとと生やせよ、淫〇学園みたいなチンコみたいな触手!!」というセリフが出ていて大爆笑した想い出があります。いや別にジャマトバックルの触手、先端がチンコになってないですけどね。
 でも両さんがジャマトバックル使うと果たしてどうかなぁ……いや、ダメだ流石に。

 前書きと言えば、前回更新分のご感想に誰も鎧武についての反論は無かったって事は……やはり皆さんも鎧武に関しては裏切り・怠惰・敗北の要素をしっかり認めているって事で良いのでしょうか? 少なくとも筆者はそうだと思っています。好きだけどね、鎧武w

 では今日はここまで。明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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