仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「前回は晴家ウィン様と吾妻道長様が英寿様と両津様を貶める為の密談をしていました。……果たしてどのライダーが脱落するのでしょうか?」
「ねぇツムちゃん、やっぱり俺らの脱落願ってない?」
「私はナビゲーターですよ? 公平な立場で語っています」
「そーお?」
「例え現在のデザ神が姉プレイ大好きナルシスト野郎でも」
「……俺の事か」
「例え今回参加者が運営のライダーなのに、急に私に求婚していると思わせて女装男子の色香にすっかり狂ってしまったカッコだけミュージシャンが心の底から気持ち悪くても」
「俺?!」
「デザグラで亡くなった友人への復讐の念を抱いているクールキャラかと思っていたら、こちらはこちらで憧れていたアスリートが美人になって現れてすっかり動揺しているなんちゃってだった事に呆れてしまった事とか」
「俺かよ!」
「カネにだらしなく、せっかく出会った美人の婚約者の家の財産に目がくらんで当の女性に呆れられてせっかく実りつつあった結婚そのものを台無しにする警官崩れのオヤジにも」
「ワシまでか……」
「皆さん公平に嫌っておりますのでご安心下さい」
「「「「やっぱり嫌ってるんじゃねーか!!」」」」

 あくまで当作品のツムリだけだと思いたいので皆さまはご安心ください。


変攻IX:愛僧渦巻く迷宮の脱出ゲーム

 一方その頃、英寿たち一行はジャマトの追撃を逃れる為こちらも急ぎ移動していたが、痛みに苦しんでいる一徹がよろけてしまい、その場に倒れこんだ。

 

「う……ううっ!」

「おじぃちゃん! 大丈夫? ねぇ?!」

 

 景和が必死で声をかける。だが一徹は痛みが酷いのか、反応が薄い。

 

「こ……腰が」

「え? 腰?」

 

 驚いた事に、持病の腰痛以外のダメージは殆ど回復していた。どうやらライダーたちがデザグラ参加事、日ごろから身に纏っているユニフォームには元々ジャマトたちからの攻撃を癒す力があるらしい。あれだけ負っていた傷も殆どが癒えている。だが何故ここまで一徹が苦しんでいるかと言うと、激しい迷宮内の逃亡とジャマト達との戦いで持病の腰痛が悪化したためだ。どうやらこういうのは回復し辛いらしい。そして経験のある方ならわかると思うが、腰痛は辛い。ひたすら辛い。一度でも経験するともうその腰はクセになるので動きも制限される。経験のある方は十分な養生と無理のない筋トレを。現在闘病中の方は医者の言う事を良く聞こう。

 

 一徹を休ませるために一行は北の館・教会にて周りの様子を見ながら休息を取る事にした。

 教会の壁にはウツボカズラの絵が飾ってあり、その下にはオマワリの絵と同じく謎の紋様タイルが貼ってある。それを見ていた英寿に祢音が声をかけた。

 

「出口の暗号、解けそうなの? 英寿……」

「脱出するためには扉を開ける合言葉が必要だ。タートルズが何か掴んでくれたら有難いがな」

 

 両津は思う所があり、暫し英寿たちと別行動に移る事にした。その場を離れようとする両津に英寿は指示をした。

 

  ☆

 

「30分だ。それ以上は待っているか保証できない。ジャマトたちに見つかったら直ぐ移動するかもしれない。いいな?」

「30分だな。わかったぜ。それまでじいさんたちを任せた」

「正直、アンタとその人に離れられると迷惑だけどな。だが仕方ない。アンタは行くなと言っても行きそうだしな」

「ヒヒヒ! わかってるじゃねぇか英寿ちゃん♪」

「両さま、急ぎましょう」

「おう! じゃあちょっくら行ってくるぜ!」

 

  ☆

 

 祢音は念のためその絵と紋様タイルを写真に撮る。

 腰痛に苦しむ一徹は英寿に懇願する

 

「英寿さん、頼む……彼らの事も守ってやってくれないか? 私はもうこの腰痛ではマトモに戦えない……だから!」

「待ってよ! それじゃ……おじいちゃんは?」

 

 景和は一徹に声をかける。彼は今一番最悪な展開を予想してしまった。それを一徹の口から聞きたくは無かったが、どうやらその予想は当たってしまったようだ。

 

「これ以上若い君たちの、足手まといにはなれない……私がここで……あいつらを引き留めるよ」

「そういうわけにはいかないよ!」

「君たちはまだ若い。幸せになれる時間が、可能性が、まだ沢山ある」

 

 激痛に耐えながら訴える一徹の言葉に返す言葉が見つからない景和。その時、葉山姉弟たちと景和の首輪が絞まり出した。それと同時に教会の扉が開き、ジャマトの群れが現れる。皆に向かって英寿が叫ぶ。

 

「逃げろ!!」

 

 急ぎ英寿と祢音が突進し、ジャマトたちの侵入を防ぐ。景和は一徹を抱え、葉山姉弟と教会の奥へ移動する。だが足がもつれた姉の梢に、ジャマトが斧を構えて襲い掛かろうとしていた。景和がそれに気付くも恐怖で動く事が出来ない。

 

「だぁあああああ!」

 

 弟の良樹が背負っていたランドセルをジャマトに投げつけ怯ませた。良樹は姉の前で手を広げ、ジャマトに向かって怒鳴る。

 

「こっちに来るなっ!! お姉ちゃんを傷つけるなぁ――っ!!」

 

 その姿に心打たれた景和は勇気を出してジャマトに体当たりをした。その勢いでジャマトは3メートルほど吹っ飛んだ。景和は振り返って良樹に声をかける。

 

「……ありがとう。君のお陰で、大切な事に気が付いたよ」

 

 瞳に涙を潤ませた良樹に笑顔を見せ、ジャマトたちに突進する景和。その時、両津とマリアが戻ってきた。

 

「おーい! お前ら無事かぁ?!」

「両さま、とりあえずあいつらを追い払いましょう」

「おう! マリア、無理するなよ」

「ええ!」

 

 教会の入り口前で英寿たちと協力し、何とかジャマトたちを退け扉を閉める。英寿は戻ってきた両津に尋ねた。

 

「遅かったじゃないか。それで、収穫はあったのか?」

「なんとかな。……まぁ少し複雑な気分だが」

「どうした?」

「いや、何でもない。やっぱりじいさんの言っていた通りかもしれんな」

 

 話を少しだけ遡る。それはこの教会に入る前の事になる。

 

  ☆

 

 ギーツとタートルズが協力してジャマトライダーたちを倒して移動した直ぐ後。両津は腰痛で動けない一徹を抱え、一行は周囲のジャマトたちを警戒しつつ移動していた。

 

「大丈夫かじいさん?」

「ははは……面目ない。役に立とうと思ったら返って足手まといになってしまった……」

 

 痛みだけではない。一徹は、結局両津たちに助けられてばかりの自分に落胆しているのだ。返す言葉を頭の中で探していた両津は思い出した事を質問する事にした。

 

「そういやじいさん、扉の暗号に思い当たりがあるみたいだったが、そりゃ何だ?」

「え? ああ、もしかしたらの話なんですがね。あれは寿限無では無いかと」

「あ? あの寿限無か? ”じゅげーむじゅげーむごこーのすりきれかいじゃりすいぎょ すいぎょーまーつうんぎょうまーつふうらいまーつ”の?」

「そうそうそれですよ。両さん流暢ですね。まるで良く口ずさんでいたようだ」

「はははは……まぁな」

 

 苦笑いをしながら返事をする両津。それも仕方ない。以前こち亀がTVアニメで放送していた頃にエンディング曲として流れていた事もあるからだ。ちなみにその歌を歌っていたのは「両津勘吉(ラサール石井)and大江戸台風族(おおえどたいふーん)」と言う両津のCVを担当していたコメディアンをメインボーカルに据え、落語会の名だたる面々が揃ったユニットが脇を固めた。

 

「しかし何処で気付いた?」

「136文字と聞いた時と、あの壁面の文字盤らしきタイルの最初の数文字の構成が繰り返しになっていた事ですねぇ」

「マジかよ? 流石年の功。人生経験が違わぁな」

「はははは。日頃は特に役に立ちませんけどね。でも本当にそうだという確証はまだありませんからねぇ」

「いや、そうでもないさ。この建物の中に落語の、それも寿限無に関わるものが見つかれば間違い無い筈だ」

 

  ☆

 

 それがあって、英寿たちと一時離れた両津はマリアを伴って建物内を急ぎ散策する事にした。

 

「両さま、アテはありますの?」

「いや、残念ながら無い。それに時間もな。だから英寿たちと一緒に居て良かったんだぞ?」

「もう! 水臭いですわ。マリアはいつも両さまと一緒で無ければイヤです!」

「わかったわかった……ホント、オマエも物好きだよなぁ」

 

 両津はそれ以上言うのを止めた。マリアもかなり強情な所がある。こと両津が関わると一度言い出したら聞かないのだ。

 教会から離れて2~3分が経った。目線にして5メートルほどで人影らしき姿がモゾモゾと動いているの見かけた。ジャマトだ。1体だけ。しかも今までのジャマトたちとは様子が違っていた。マリアは息を殺しながら両津に質問する。

 

「両さま。あの怪物だけ何か様子が違いませんか?」

「ああ、服装からしてもう別物だ。ワシの探し物が見つかったのかもしれんぞ」

 

 そのジャマトは珍しく和服を着ていた。色合いは少し地味なこげ茶色。浴衣のように着物に帯だけの格好で一般的に「着流し」と呼ばれる着方をしていて上から羽織を纏っている。日曜夕方の落語芸人たちが出演しているTV番組とかで見られる様な派手さは無い。数歩先の扉に執事ジャマトが居て、軽く会釈をすると扉の中に入っていく。執事ジャマトもその後を追って中に入った。

 誰も来ない事を確認すると両津はゆっくりと扉に近づいて唖然とした。扉の上部には電飾が仕掛けられた赤と黄色の提灯が横一文字にズラッと並び、扉の横には先ほどの和服ジャマトの写真パネルがあった。例の文字らしきものが、その写真の横に縦書きで書かれていた。

 

「両さま、これは?」

「浅草演芸ホールかよ?!」

 

 両津とマリアが目にしたのはどう見ても落語好きの社交場、演芸ホールを模した外観だった。二人はこっそりと扉を開けて中を覗いてみる。

 

「沢山の怪物たちが居ますわね。でもこれは……?」

「おいおい……完全に寄席と観覧客だなこりゃ」

 

 ホールの奥にはステージ、落語で言うなら高座があり、真ん中には座布団とマイクが用意されている。先ほどの和服ジャマトがそこへ既に座っており、何やら演目が始まっているようだ。

 

「両さま、これは?」

「マジかよ。ガチの寿限無だ。しかもあのジャマト、普通に日本語で言っているぞ……」

 

『そうそう、そ、そのしちやなんでさぁ、それでもって、物知りで訳知りで腹黒い和尚さんに、高慢ちきでこぎれいな名前を付けてもらいてぇってなわけで、来たってわけなんでさぁ。さぁ、名前! 名前付けてくれぇっ!』

 

 その口上の熱の入りっぷりに唖然となる二人。特に両津は今までジャマトからマトモな言葉を聞いていなかったので感心に近い感情を抱いていた。

 

「どんだけ練習したんだ、あのジャマト……? なかなかああは出来んぞ?」

「そうなんですか?」

「ああ。落語で食っていく覚悟でも無いとああは喋れん」

 

 浅草の年寄りたちから落語のイロハを聞かされてきた両津。目の前の噺家ジャマトの本気具合も見抜く。だがその時、こっそり覗いていた2人の前に執事ジャマトがずい!っと現れた。突然現れたジャマトに驚く2人。両津は身構えるもジャマトは全く襲ってくる気配が無い。

 

「かかって……こねぇな」

「両さま、何やらお席をご用意してくださるみたいですよ」

「はぁ?! ……本当だ、誘導してやがる」




 筆者です。変攻IXをお送りしました。IXと言えば既に皆さまご存じのギーツIXですね。放送開始当初、ギーツのデザインがキツネと言う事で最終形態もしくは途中のパワーUP形態で九尾になるのではないかと思っていましたが、その姿が出た時は胸が震えたものです。妖狐キャラは昨今のメディアで沢山出ていますが、明確にセンターヒーローが九尾ってのも珍しいのではないかと思います。デザインも良い!

 では今回の小ネタです。

・寿限無:恐らく的中した方も多かったのではないかと思われます。筆者現在、頻繁にdアニメストアのこち亀を見ているのですが、数多いこち亀テーマソングでも好きな曲の一つがこの寿限無でした。その為、これが扉を開ける合言葉なら物凄くイヤだろうなと思いまして今回採用した次第です。いかがでしょうか?

・噺家ジャマト:アルキメデルの拘りお仕事ジャマト第一弾(作中オリジナルジャマト)、これがこの噺家ジャマトですw 扉の合言葉を寿限無に決めた時にセットで思い浮かびました。このジャマトについてはまだ仕掛けがあるのですが、それはまた明日の更新までお待ちください。

 では明日も17:30更新です。よろしくお願いします。

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