仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリー!! ようやく冴様の家族を救う事が出来ました! おめでとうございます!!」
「あーあ……これで私の出番も終わりかぁ……」
「冴先輩……」
「でも! 筆者が夏の劇場版の二次創作を書いてくれたら、私が活躍できる!! 書いてよ筆者!! 書けよ筆者ぁ!! 書けってんだよコンチクショー!!」
「い、意外に強いね……冴先輩」

 しおらしくなったかと心配になった纏だが、意外にタフな冴に若干引く。

「だって読んでみたいと思わない? 夏の劇場版、英寿がかなりぶっ壊れしてるんだよ?」
「そ、そうなの? あの完全無欠の英寿がねぇ……」

 夏の劇場版「4人のエースと黒狐」のストーリーの肝である。ネタバレは避けるがかなり面白いのでまだ見れていない方は是非機会があればご覧になって頂きたい。

「でもさ……その話ってアタシが入る余地ってあるのかな?」
「大丈夫大丈夫! 今日までだってアンタや両さん、こち亀キャラが沢山メッチャクチャにしてきてもなんとなーくここまで来れたんじゃない♪」
「んな、身も蓋も無い……」

 筆者としても我ながら感心する。良くもまあここまで来れているものだと。

「じゃあ冴先輩の出番の代わりにアタシが入るとか」
「何言っているのよアンタ。そんなの許す訳無いじゃない」
「だって……今回の話だって冴先輩の見せ場をアタシの見せ場にすり替えたんだし」
「ひっどいよねー! 祢音ちゃんも英寿と景和も、本来の出番削られているんだよ?」

 実際そうしないと調整がつかなかった事が多々あるため仕方なかった。仕方無かったんだ――!!

「筆者が叫んでいるよ……」
「文才の無い三流作家の戯言よ。放っておきなさい」

 こう言われると本気で冴の出番を削ってやろうかと考える。

「やれるものならやってみな! 知っているよー……筆者が強い女性が好きだってことくらい」
「あ、なーる……それでアタシの出番が多いのか」
「纏、これ読んでみな。筆者が他所のサイトで書いてるオリジナル小説」
「あー……諸事情でエタらせた作品の代わりに書いていたヤツか。これってメインが女子中学生ばかりなんだよね」

 このサイトで他サイトの宣伝行為はNGなので機会があれば調べて欲しい。メッセや感想機能で伝えるくらいなら多分規約違反にはならない筈である。

「という訳で、脱落する私の為にオリ回を書きなさい!!」
「強要?!」

 何気に業が深い所業をしているのかもしれない……


双乱XVII~F:そして彼が還ってくる

 両津もタートルズの変身を解除してジャマーガーデンでの作業服姿に戻る。一般的にはジジシャツとか呼ばれている白地に前ボタンがついているタイプの長袖ポロシャツ、くたびれ感が強いチノパン、腹巻にゴム長靴。どう見ても畑仕事の最中と思われても仕方ない。

 

「畑仕事の帰り?」

「違ぇよ! ……まぁ違っても居ないのか」

「どっちだよ!」

「どっちでも良いだろ! それよかお前だお前! 何でライダーなんてやってるんだよ?!」

「……英寿も言ってたろ。アンタが脱落して行方がわからなくなったから補充だよ」

「! ワシのせいか……」

 

 纏との会話のやり取りで一番重要な事に気が付いた両津。そう、両津さえ無事なら纏がわざわざデザグラに参戦する事も無かったのである。

 

「とにかく……お前もとっとと脱落しろ」

「何でさ? アンタが戻ってくればそれも考えたけど、アンタまた何処かに行くつもりだろ?」

「! ああ、ワシにはまだやらなきゃならん事がある」

「勘吉……アンタ……」

 

 眉間にシワを寄せ、真剣な表情で見つめてくる両津にいつものおどけた態度は一欠片も見えない。本気の顔だ。

 

「お前だってデザグラがいかに危険で卑怯なものかはわかっただろ? だから……」

「いやだね! 戻って来ないアンタに言われる筋合いは無い!」

「なんだとぉおおお?!」

 

 バチバチと互いを睨み合う両津と纏。ライダーたちや夏春都と檸檬がその様子を見守っている。

 

「バァちゃん、また始まったぞ……」

「全く……仲が良いのもいい加減にして欲しいねぇ」

 

 檸檬と夏春都が”やれやれまたか”と言わんばかりの態度でウンザリしていたら景和がツッコミを入れた。

 

「いやいや……完全に修羅場でしょあれって?!」

「険悪って感じだよね……」

 

 祢音も同調した。だが冴は少しだけ印象が違って視えていた。

 

「へぇ~……纏があんなに感情をぶつけるってなかなか珍しいね。そっか……両さんが今の纏にとって一番なのか」

 

 その言葉はボソリと呟いたので周りの誰も聞いていない。冴は両津と冴を見つめて”やれやれ御馳走様”と言った面持ちだ。ニンマリとしている。

 

「だいたいアタシのデザグラにかける願いはこれだからね!」

「……は? 纏、お前やっぱり馬鹿だろ?」

「……何だってェええええええええ?!」

 

 両津にデザイアカードを見せるも鼻で笑うかのように一蹴。纏は大いに憤慨した。彼女が書いたデザグラにかける願い、それは――

 

 ―― 両津勘吉が笑って過ごせる世界 ―― 

 

 チラミが嘲笑い、そして目の前に居る両津が呆れた願いがこれである。

 

「ワシが笑ってねぇ事なんてあったか? あ?」

「良く言うよ。今のアンタは心の底から笑えてないクセに」

「んな訳――……」

 

 大口を開けるも直ぐ無言となる両津。纏の指摘の通りだ。今の両津は心から笑えているかと問えば間違いなく笑えてはいない。

 

「ほら見ろ」

「うるせぇ! それはワシ自身が叶えるモンだろ。お前がデザグラなんて物騒なモンに出て叶えるもんじゃねぇ!!」

 

 この一言を聞いて皆が頭を抱えた。

 

「ニブい……」

「ニブ過ぎる……」

「なぁパルちゃん、両さんっていつもああか……」

「ええ。呆れるくらいに」

「纏も纏で、もっと言い方ってモンがあるじゃろうに……」

「檸檬ちゃん、仕方ないよ。纏だし……」

 

 世間で良く言われているのは”似た要素が多い者たちはなかなか恋人に成れない”と言うのがある。正にこの2人の為にある言葉ではなかろうか。

 

「だいたい、そのウネウネを出すバックルってあの道長ってヤツのだろ? 行く所ってそこ?」

「会ったのか?!」

「うん。勘吉の弁当を美味そうに食ってた」

「……だろうな。良くお前無事だったな」

 

 恐らく道長の性格から考えて、纏がライダーだと知った瞬間に凄んだのだろうと両津は予想した。

 

「油断していたとは言えコテンパンにされたよ……次こそ絶対シバく!」

「お、おう……」

 

 今後の道長の苦労が垣間見えた。纏の性格からして一度負けたらとことん勝負を挑むのが目に見える。

 

「まぁとにかくワシは行く。……ワシは止めたからな! 次にデザグラで逢ったら今度はワシが挑むかもしれんぞ。それだけは覚悟しろよ!」

「ヘン! それこそ一昨日来やがれってんだ!!」

「ケッ……じゃあな。ケガするなよ」

「そりゃお互い様だ。風邪引くなよ勘吉!」

 

 そう言うと両津は手をひらひらと振って皆に背を向けて夜の町を歩いていった。

 

「檸檬ちゃん。両さんを止めなくて良かったの?」

「うむ! 今の勘吉は何を言っても無駄じゃ。それより無事を祈っておる方が良い」

「そっか……」

 

 檸檬に訊ねた景和はそう答えた檸檬の頭を優しく撫でた。

 

「全く……両さんらしいと言うか」

「英寿さん。勘吉の事をどうか宜しくお願いします」

「出来る限りはやってみるよ。でも立ちふさがるなら容赦はしない」

「全く……あの子のバカもここまで極まるとねぇ……」

 

 英寿と夏春都は立ち去る両津の背中をずっと見守っていた。

 

 デザイア神殿に戻ったライダーたち。いつもの空中投影されたモニターのある場所では無くサロンに集う。ツムリが告げる。

 

「ミッションコンプリートです! 皆さまお疲れ様でした。それではデザスター最終投票をお願いします」

 

 皆が黙りスパイダーフォンの投票アプリを起動した。

 

「では……デザスター投票の発表です」

 

 モニターが現れ、結果が映し出された。

 投票は冴、仮面ライダーロポに集中していた。だがその結果に景和が驚いて声を上げる。

 

「え……5票?! だって……5人なのに?」

「投票の結果、我那覇冴様が脱落となります」

「うん……」

 

 そう告げられた冴は、これで終わると言うのに爽やかな顔をしていた。

 

「自分に投票したんだな……」

「うん……」

 

 少し寂し気な表情で英寿が訊ねた。冴はそれに笑って返す。冴は皆から姿を隠すように自室として構えていた仕切りの部屋に向かう。祢音はそれを追いかけた。

 

「どうしてなの、冴さん? どうして”私がデザスターだ”なんて……私を庇ったりしたの?!」

 

 冴は祢音の部屋でデザスターカードを見つけた。その時全てを察したらしい。

 ギーツとタイクーンの背後から転がってきたリンゴ爆弾。その背後に隠れていたナーゴの姿があったことを。

 

 砕石場でジャマトたちに挑む前にはこんなやり取りをしていた

 

 ―― デザスターなのに、どうして私たち家族を守ろうとしてくれたの? ――

 ―― この世界で一番大切なのは、本当の愛だと思うから……たとえ、私のじゃなくても ――

 

「理想の世界が叶わなくても……本当の愛さえあれば家族を助けられるってこれからもずっと守っていけるって……祢音ちゃんに教わったから」

 

 冴はそう言うと祢音に一歩近づく。

 

「だから祢音ちゃんも、絶対幸せになって」

「冴さん……」

 

 その時、カーテンを捲って纏が現れた。突然現れた彼女に冴は驚き、祢音は顔が青ざめた。

 

「! 纏……ちゃん?」

「冴先輩……」

「纏……」

「あ、アタシは……アタシは……」

「気にしないの! もうアンタってば昔から泣き虫なんだから」

「冴先輩に言われたくない!!」

 

 既に纏は目から大量の涙を流している。冴の目にもうっすらと涙が浮かんでいた。

 

「纏も頑張りなさい。両さんはかなり大変だろうけどさ」

「べ……別に勘吉の事は――」

 

 涙だけでなく顔が真っ赤に染まる纏。

 

「……祢音ちゃんも纏も、理想の世界をきっと――」

『 RETIRED 』

 

 最後の言葉は聞き取れずに冴は電子分解されるように消えていった。

 

「冴さん……」

「冴先輩! 冴先輩――!」

 

 冴が居た場所に残されたデザイアドライバーに触れる2人。彼女たちのすすり泣く声が室内に響いた。

 

 チラミの私室にて。空中投影されたモニターには各ライダーの支持率が円グラフで表されている。

 円グラフの内訳は、ギーツが26%。タイクーンとナーゴ、そしてラヴィがタイで20%ずつ。そしてここに来てバッファとタートルズが追加されてそれぞれ7%となっていた。

 

「バッファ支持率、タートルズ支持率、共に7%……あの短足亀ぇええええ! ちゃっかり復活してんじゃないわよぉおお!!」

 

 手に持っていたワイングラスを思いきり床に叩きつけるチラミ。

 

「あ、やっちゃった……後でウサちゃんたちに掃除してもらわなくちゃ」

 

 ウサちゃんたちと言うのは恐らく今や運営のコンパニオンとなっている月光刑事と美茄子刑事の事であろう。恐らく今日もバニーガールのコスプレでデザグラのスポンサーやオーディエンスたちに給仕をしているに違いない。

 そこへ祢音がドアを勢いよく開けて現れる。

 

「デザスターの指令書、バレるようにアタシの部屋に仕込んだの……チラミさんですよね!」

「ちょっとしたイタズラ心よぉ~~♪」

 

 クネクネと身体を身悶えさせて誤魔化すチラミ。振り返ってニタニタと笑う。

 

「でも流石、甘え上手の子猫ちゃん。正体がバレたのに、生き残るニャんてやるじゃニャ~い♪」

「……冴さんのお陰だよ」

「ふ~~~~ん……あと2人落とせばアナタの勝ちよ。デザスターさん。ウフフフフ……♪」

 

 そう言うとチラミは部屋を出て行った。

 1人になった祢音は眉間にシワを寄せて決意する。

 

「もうここまで来たら、遠慮はしない! けど……その為にはもう1人。なんでこんな時に来たの? アレ、絶対バレたよね……」

 

 祢音の脳裏には更なる障害が頭に浮かんだ。自分がデザスターだと知られた可能性のある人物。それは……

 

「ゴメンね、纏ちゃん。次は貴女。そして残った英寿か景和を倒して、私がデザ神よ!」

 

 俯いた顔を上げ真剣な表情をする祢音。そしてドアの外には、出て行ったチラミにも気付かれない様に身を潜めていた纏が胸を押さえて今知った事実を納得出来ずに居た。

 

「祢音ちゃんが……祢音ちゃんがデザ神だなんて、そんな……そんな!」

 

DGPルール「どのライダーを支持するかは、オーディエンスの自由である」




 筆者です。「双乱XVII~F」をお送りしました。
 
 とうとう双乱編も終わりました。さて、改めて今回のサブタイ「双乱」の読み方について説明を。これは「そうらん」と読みます。漢字の当て字についてはデザグラサイドとジャマーガーデンサイドに関してそれぞれでひと悶着あった事にちなみます。騒乱からの連想でもありましたね。後はソーラン節。
 「麗羅編」にて両さんを全然出さなかった分、両さんの復活劇は一丁派手にしようと思ってジャマーガーデン襲撃を考えた次第です。以前にも言いましたが、草案で両さんはジャマトを喰って飢えを凌いでいたんですよねぇ。流石に書けんなと思い留まり内容変更して本当に良かった……今やすっかり仲良しになってますがw 
 
 さて、明日の更新分からまた変な方向に行きます。気付いてくれた方も結構居て楽しみになってまいりました。あの鷲のマークのエムブレムについてですね。ただなんとなーくあった訳じゃないんですよ。これから書いていくのが楽しみです。

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
 

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