仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

137 / 161
「リアリティライダーショー、デザイアグランプリー! さて、ジャマトが全く現れませんので、チラミ企画の鬼ごっこ大会が始まりました。果たしてどうなってしまうのでしょうか?」
「鬼ごっこかぁ。ワシは直接参加していないけど、缶蹴りなんかも鬼ごっこの亜種だよな」
「そうなんですか?」
「ああ。マンガ原作でも言っていたがカンケリはかなりエグい。ギーツ本編ではもしかしたらそれを反映していたのかもな」

 35巻第1話”あそび大好き!の巻”で出てきた内容だ。ちなみにこの回はベーゴマや釘刺しなど、昭和30年代に小学生だった秋本先生の遊びの原点が描かれているので、機会があれば読んで頂きたい。何気に勘兵衛の初登場回も収録されている。

「しかしワシが参戦していればもっと楽しかったろうにな。筆者め……その為に外したのか?」
「まさか……いえ、あり得ますね……」
「チラミを捕まえるだけなら秒で済むな。ついでに海パンとウィンにはトラウマを植え付けるくらいの報復はするだろうなぁ」
「それだから外されたんじゃないですかね……」

 核心を突く両津。これだからデバフを与え続けないと本当にこの作品を終わらせかねない。


漂禁IV:誰の為に。そして何の為に。

 その頃のジャマーガーデンにて。

 アルキメデルの依頼で両津は鉄扉の先へ向かっていた。歩いている場所は仄暗く、サファリハットに据え付けたLEDライトのみでは心許無い。結局は荷物に入れていた懐中電灯も使う事となった。

 

「通路に電灯も無しであいつらどうやって来たんだ? あ、そうか。アンドロイドだからか!」

 

 ショッカーマスクをしたアンドロイドたちに何かしら機能が備わっているのだろう。サーチライトとか、レーダーとか。元々人間では無いのだ。感覚器官の補助機能くらいは何かしら備わっているに違い無い。

 少し先に進むと開けた場所に出た。円筒形の竪穴らしい。そして手すり付きの螺旋階段がある。

 

「これを下っていくのか。何か手ごろなものは……お、これでいいか」

 

 そう言うと両津は足元に転がっていた5Cm程度のボルトを竪穴にポイッと投げた。聞き耳を立てて数秒経ってもボルトが落ちた時の金属音は聞こえない。

 

「どれだけ深いんだよ、この竪穴……」

 

 諦めて両津は螺旋階段を下り始める。

 

 さて鬼ごっこに興じているライダーたち。正確にはデザグラのゲームだが。ジャマトが全く現れないためオーディエンスの興味が薄れる事を恐れたチラミが強行で実施したものだ。妨害者として運営ライダーたちも現れた。なんと汚野たけし・海パン刑事こと仮面ライダーワンワンオー。そして元々は仮面ライダーパンクジャックとして参加して、アクシデントから運営ライダーとなった晴家ウィン・仮面ライダーワンワンオーツーだ。どちらも既存のライダーたちと大きく異なる点がある。それはエントリーフォームのライダースーツがなんと競泳ビキニパンツ形状。後の部分はヘルメットとブーツ以外裸である。もう一度言うが裸である。しかも汚野たけし・海パン刑事はネクタイを隠したくないと言う理由で小バックルを積極的に使う。だが元々が本庁でも屈指の警官として名を馳せていて、あらゆる戦闘術に長けている事もあり、小バックルだって彼に持たせれば大バックル並の能力を引き出す事が出来た。

 

『 HAMMER STRIKE 』

「てやぁああああああ!!」

「マズい、皆避けて!!」

「クッ!」

「うそー?!」

 

 ワンワンオーはエネルギーを纏ったマゼンタ色のレイズハンマーをおおきく振りかぶって地面に叩きつけた。途端赤い衝撃波を生じ、それが一気に飛んでくる。ワンワンオーが殴った場所を起点として周囲に飛んだ衝撃波は地面に立つ事すら難しくなるくらいに不安定となる。

 ラヴィ・纏の叫びで注意を促されたライダーたちは咄嗟に衝撃波に備え回避する。

 

 階段を登り切った場所の物影に隠れていたグレア2・チラミは中継カメラに向かってアピールをする。

 

「”何の茶番だ?!”と思っているそこのアナタ!! このゲームが終わるまでにプレイヤーはデザスターが誰か投票する。デザスターの正体が見破れるかどうかが、このゲームの焦点よ……」

 

 運営ライダーたちの妨害は続く。中でもタイクーンのトラップの引っ掛かりっぷりは見事なもので、バナナの皮でスベる・頭から水を被る・亀の甲羅が飛んでくる・偽のアイテムボックスを開く。たった3分でこれらを一気にこなしていた。

 

「ふぇえええええ……なんでこんな……」

 

 フラフラになっているタイクーンを見てナーゴ・祢音はデザスターミッションの事が頭に浮かんだ。戸惑いつつもライダーをペテンにかける為に虚言を吐いた。

 

「! ……見つけた! あっちにゲームマスターが居る!!」

「俺が捕まえる!!」

 

 根がとことん素直なタイクーンはその言葉に従って真っすぐ走り出した。

 

「ん?」

 

 ギーツが気付くとタイクーンはいつの間にか仕掛けられていたロープに足を引っかけて転ぶ。そして上から落ちてきた檻で見事に捕えられる。何故か強制変身解除となった景和。そこに筆を持ったワンワンオーツーがやってきた。

 

「ちょ? 何? ねぇ! やめて!」

「俺、こういうの得意なんだよね~。ここでこうして……こうと! ん~ナイス!!」

 

 喫茶店に集うライダーたち4人。前半を終えて一旦休憩となる。

 

「結局前半戦では捕まえられなかったね……」

「まさか海パン刑事が来るとは思わなかったなあ……と言うか卑怯だろ、アレは……」

 

 祢音と纏がボヤく。そして祢音はスパイダーフォンを操作して現在の支持率を見てみる。タイクーンの支持率が一気に下がっていた。

 

「景和の支持率、すっごい落ちたね……」

「そりゃこの顔じゃねぇ……」

 

 鏡を見ながら項垂れて落ち込む景和。ワンワンオーツーから散々イタズラ書きをされて遊ばれていた。目の周りは塗られ、頬にはヒゲ。口の周りもドロボウヒゲが書かれ、空いている箇所には何かしら言葉が書かれていた。

 

 ―― 王凱武装 ――

 

 ―― 邪悪の王 ――

 

 ―― 始祖光来 ――

 

 ―― スーパーフーロータイム! ――

 

 

 それらはフォントで印字されてように綺麗に書かれており、改めてワンワンオーツー・晴家ウィンの器用さを裏付けるものとなっていた。

 

「祢音ちゃんがあんな事言うからこんな目に……」

「そうだよ、あれは無いと思う」

「だからゴメンて……あそこにワナがあるなんて思わなかったんだもの……」

 

 景和と纏から責められてしょげる祢音。

 

「そうだけどさぁ……」

 

 景和が祢音の態度にボヤく。そしてそれまで無言だった英寿が口を挟んだ。

 

「フン。まるで彼氏彼女の痴話喧嘩みたいだな」

「「彼氏(彼女)じゃないから!」」

「いやいや英寿、流石にアタシでもわかる。今のは無い。とことんズレてるよ、アンタ……」

「そうか?」

 

 とことん的を外した発言をする英寿。そしてそれに思わず反応してしまった景和と祢音。そして英寿にツッコミを入れる纏であった。祢音は勢い余って化粧ポーチを床に落とし中身を撒いてしまった。慌てて拾って中身をしまう。

 

「あ、すいません……」

「お騒がせしました」

「すいません……」

 

 ライダーたちの騒ぎ方に喫茶店の店内中で注目を集めてしまった。騒ぎとなった事を謝罪していく英寿以外の3人。そして英寿はコーヒーに口をつけながら祢音にある事を質問した。

 

「ナーゴ、さっきのゲームでタイクーンがわざと罠にハマるように仕向けたんじゃないのか?」

「え?」

「あ……」

 

 その質問には景和も目を丸くして驚く。纏は思い当たるフシがあるらしく祢音を見つめた。

 

「そんな事するはず無いじゃん!」

「だよねぇ……」

「……」

 

 景和は愛想笑いをしてその場を取り繕おうとする。纏は冷静な顔をしていた。そして英寿はこれまた冷徹に感じた事を告げる。

 

「デザスターなら妨害してもおかしくない」

「そんな事言うなんて……英寿の方こそデザスターなんじゃない」

「え?」

「騙されないでね景和! 化かすの得意だからこの人」

「ちょっと祢音ちゃん、もうそのくらいで……」

「纏ちゃんも! 英寿の肩持つ訳?」

「別にアタシは英寿の肩を持つつもりとかじゃなくてさ……」

 

 事実こそ目の当たりにした纏。だがそれが本当に真実なのかは疑ってもいた。何せ仕込んだのはチラミだ。本当のデザスターは英寿や景和で、祢音は単にデザスターを演じているだけではないかとも。

 祢音は景和に居直り、今一度英寿がデザスターである可能性を説明した。

 

「思い出してよ。今まで何度騙されているの?」

「英寿がデザスター?!!」

「うるさい!! もう声が大きいから……」

 

 祢音の声に小学生男子の様な反応をする景和。再び店内で大声を上げたために祢音は景和の頭を叩いて諫めた。

 

「ま、俺が疑われるのも無理は無いけどな。今度ばかりは俺を信じた方が身のためだぞ」

 

 そう言って英寿は景和と纏に目配せする。

 

「英寿がそう言うと、逆に怪しい……」

 

 祢音は無自覚にもかなり嫌味な口調で言い放った。

 そして店内にはそんな祢音をずっと見つめている男性が居た。




 筆者です。「漂禁IV」をお送りしました。

 両さんはショッカーに関わる深淵に向かい、ライダーたちは鬼ごっこの前半を終えました。そして祢音を見つめる謎の男性。テレビ本編をご覧の皆さまはそれが誰かご存じですよね。明日の更新で明らかになります。

 さてプラモ以外の話もしましょうか。元々音楽畑の筆者ですが、特撮作品のBGMもかなり拘りがあるのですよ。
 最近ウルトラマントリガーのBGMを聞きまして、その中でも「ケンゴの決意」と言う曲が一番好きです。
 ウルトラマントリガーのBGM担当は坂部剛さんと言う方が担当されていますが、この方はキングオージャーの担当もされています。しかもギーツの佐橋俊彦先生のお弟子さんでもあります。師弟でスーパーヒーロータイムを担当するなんて凄くエモくて感動しております。
 そういえば皆さま、この二次創作ですが戦闘シーンには出来るだけ「コミカルに追いかけっこ」をイメージしてくださいね。楽しさが倍増しますw
https://www.youtube.com/watch?v=udUy5BWlBe0
 こちらも佐橋先生の作曲なのですが、世に出てきてから数十年、未だにコミカルなシーンにはこち亀ならず色々なバラエティ番組ででも使われている名曲です。どんなにカッコ良い戦闘シーンでもギャグになってしまうというこの利便性。筆者が執筆に詰まるとしょっちゅう聞いているというねw

 では今日はここまで。明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

この作品をお読みになっている貴方は

  • 男性
  • 女性
  • どちらとも言えない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。