仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリー! ジャマーガーデンズの皆様に囲まれたチラミですが、意外にも奮闘します。強襲した筈の道長様と大智様がピンチに追い込まれました。そして両津様と地獄大使の邂逅は続いていきます。地獄大使の目的とは? どちらも果たしてどうなってしまうのでしょうか?」
「いやぁまさか地獄大使が知り合いに似ているなんてなぁ」
「驚いたのは儂の方だよ。そんなに似ているのかね?」

 今回の前書きコーナーにも現れる地獄大使。そのノリはそこいらの街中で雑談している中年男性と殆ど変わらない。

「また来ているし……何度も言うがお前の存在自体が地雷になりそうなんだから、これ以上本文の話題は出せんぞ」
「酷い扱いだねぇ。せっかく手土産も持って来たのに」
「げ……まさかあそこで作ったヤツじゃねぇだろうな?」
「そのまさかだよ。若いお嬢さんにはケーキの方が良いと思ってね。ショートケーキとモンブランだ。皆さんでどうぞ」
「これはわざわざありがとうございます。うわぁ! これは見事な出来栄えですね!」

 受け取ったケーキの箱を開けてその見事な出来栄えに感心するツムリ。

「でもこれはどうやった手に入れたんですか?」
「何を隠そう、儂が作った」
「はぁああああ? おい地獄大使! お前ケーキを作る技術なんて持ってたのかよ?!」

 一層驚く両津。無理も無い。目の前のケーキは本職のパティシエが作ったものと遜色無いものだからだ。

「凝り性でねぇ。好きになったものはある程度やり込まないと気が済まないんだよ」
「だからってそこまでやるか? もうこれ店を出せるレベルだろ」
「これはライダーの皆さんで有難く頂きますね!」
「是非とも。どうか今を頑張るライダー諸君にもよろしく伝えてくれたまえ」
「ショッカー大幹部が現役ライダーたちにエールかよ」

 本作の地獄大使は原典以上にお気遣いの紳士である。


漂禁XII:誰の為に。そして何の為に。

「儂? 寝てたねぇ」

「そりゃわかってるっての! じゃあなんでこんな要塞の中で眠ってたんだよ?! いくら悪の秘密結社だからって持ち家くらいあんだろ? 何が悲しゅうて地下深く1人ぼっちで眠ってたんだよ?」

「うーん……やっぱり世界征服ぅ?」

 

 地獄大使は右手の人差し指をアゴに充てて上目遣いでどこかを見ながらとぼけるフリをした。

 

「もういい! わかった! 帰る! こんなバカにいちいち付き合ってられるか!! 行くぞダメ太郎!!」

「え? 良いんですか神様?!」

「ちょ、ちょっと待ってよ! 悪かった! 悪かったよ~。冗談だから。もう少し此処に居てよー! 人間と話すのなんて何十年ぶりなんだから。外の話とか聞かせてよぉ~」

 

 部屋を出て行こうとする両津の足にしがみついて引き留める地獄大使。その姿があまりにみっともなく感じた両津は仕方なしにもう少しだけ付き合う事にする。

 

「で? 目的は?」

「だから世界征服だって。世界の弱体化を狙っていたの」

「世界の?」

「弱体化だぁあ?」

 

 ダメ太郎と両津は驚きの声を上げる。ニコニコと話す。地獄大使は言っている事はトンデモだが、ウソを言っている様には見えなかった。

 

「少し長い話になるけど良いかい?」

「いいからさっさと話せ! 弱体化を狙っていたってどういう事だ?!」

「まぁまぁ慌てなさんな。お茶とお菓子を用意しよう。羊羹とか好きかい?」

「羊羹! 僕大好きです!!」

 

 地獄大使の提案にいの一番で乗り気になるダメ太郎。だがこの態度に両津が容赦無くツッコミを入れる。

 

「おいダメ太郎。お前ロボットの身で水とか固形物とかダメだろ」

「ふっふっふ……それが違うんですよ神様。戦闘員のボディを元にしている僕は何と、バッテリーの充電だけでは無く、有機物の口腔摂取……つまり飲食によって活動する事が出来る様になったのです!」

「な、なんだってぇえええええええ?!」

 

 恐るべしショッカーのメカニズム。まさかの飲食可能なロボットを開発していた。

 

「難点と言えば老廃物を生成するって事ですけどね」

「……そこは妙に人間臭いな」

 

 人と近い身体構成をする都合上、それは避けられない仕様なのだろう。

 

「じゃあ早速用意しよう。少し待っていなさい」

「うわぁ、嬉しいなぁ♪」

「喜ぶのは早いぞ、ダメ太郎。相手は日暮のIFだ……マトモなモンが出てくる気がしねぇ」

 

 日暮が登場した初期の頃、室内のあらゆる物が4年経ていくとどうなるか? と言うネタがあった。

 4年間介護ケアとかも無く、警察寮の自室でひたすら眠り続けるのである。パンはカビの繁殖苗となり、牛乳は発酵しきってチーズになっていたりした。それを目の当たりにしてきた両津であるからあまりマトモな物が出てくるとは期待していなかった。

 

「お待たせ~。浅草の老舗の名店”とらや”の羊羹だよ。データがあって良かった~」

「うわぁ、美味しそうだぁ! いただきまーす!!」

「バカ! だから止せっての!!」

 

 朱塗りのお盆に熱い茶が入った湯呑と黒い立派な羊羹を用意した地獄大使。ダメ太郎は直ぐに羊羹を食べ始めた。

 

「美味しい! アプリデータじゃなくってちゃんと食べるとこんなに美味しいんですね!!」

「そうだろう。いやぁ喜んでもらえて何よりだ」

「はぁああ? おい、大丈夫かダメ太郎?!」

「とっても美味しいですよ、神様も食べてみてください!」

「マジかよ……」

 

 ダメ太郎の食べっぷりに嘘は無さそうだった。仕方なし両津は恐る恐る羊羹を口にした。

すると……口に甘味が広がり、歯でしっかり感じる程好い柔らかさ。それは正しく室町時代後期の京都で創業した和菓子屋とらやが守っている伝統の味だった。

 

「美味い……」

「でしょう?」

「美味いな! 本当に”とらや”の味だ!! まさかこんな所で味わえるなんて思わなかったぜ!!」

「お口に合って何よりだよ。お替わりも要るかい?」

「頂きます!」

「おう、ワシにもくれ!」

 

 遠慮なく羊羹を食べ続ける両津とダメ太郎。都合それぞれ1本分の羊羹を平らげ、熱い茶をすする。

 

「いやぁすっかり御馳走になったな、あんがとさん。昨日はロクなメシにありつけなかったから嬉しかったぜ!」

「そりゃあ難儀な……良かったら後で食事も摂るかい?」

「良いのか! そりゃあ是非お呼ばれされるぜ♪ しかし良くこんな地下深くでこんな美味いモンが食えるな?」

「まぁ材料はそこいらにあるからね」

「は? ……おい、今なんつった?」

 

 地獄大使が何気なく言った一言に両津は反応した。

 

「え? ”材料はそこいらにあるからね” あれ? どしたの?」

 

 頭を捻る両津。急ぎダメ太郎に質問する。

 

「おい、この要塞に農業施設なんてあるのか?」

「いいえ。……アクセス権が無い部屋とかもそこまでの規模の広さはありません」

 

 答えたダメ太郎は青ざめている。両津は怒りの形相で地獄大使が着込んでいるジャージの襟首を掴んだ。

 

「おい! ワシらにいったい何を食わせた?! 返答次第ではさっき食ったもんを吐いてテメェに飲ませるぞ!!」

「ちゃ、ちゃんと羊羹だよ! 小豆と砂糖の味もしっかりしたでしょ? そりゃあ材料はそこいらの土や石だけど」

「は? おい今何て言った?」

「だからそこいらの土や石だよ。この要塞の設備で加工したんだよ」

「はぁああああああああああ?!」

 

 衝撃の事実を告げられ両津は声を上げて驚く。そしてダメ太郎に確認した。

 

「ダメ太郎! お前ならさっき食ったモンを分析できるだろ? どうだ?!」

「神様……驚いた事にちゃんと主となる成分は小豆と砂糖です。本当に土と石なんですか?」

「ダメ太郎くんが居て助かるよ。このままだと両さんに殺されかねなかったからねぇ」

「さりげにしれっと親し気に呼んでいるんじゃねぇよ。つっても驚いたなぁ。そりゃあ材料なんてそこいらにあるなんて言うワケだ」

 

 もっと驚くショッカーのメカニズム。いやフードテク。

 

「これがあったら食糧問題なんて一気に解決だろ」

「流石両さん、目の付け所が違うね。そう! 我がショッカーが世界を支配した暁には、この技術で世界の食糧事情を変えるのだ!!」

「う~ん……これだけ美味い羊羹を作れるのなら”パンも米も無いなら虫を食べれば良いじゃない”って言っている大臣よかずっとマシだな。おう河野、見ているか? テメェの事だぞ!」

「ダメ太郎くん。両さんは誰に言っているのかね?」

「あまり気にしないでください……この作品が終わるかもしれないので」

「ふむ。そうなのかね?」

 

 2020年頃の話である。つくづく世も末だ。

 

「と、見栄を切ったは良いが、まだまだ研究段階だ。コストパフォーマンスが酷くてね」

「まぁ無機物を有機物に作り変えるんならなぁ。アレか? 燃料が凄くかかるとか」

「いや、燃料はそうでもない。この羊羹くらいならアルコールランプひと炙りくらいで済む」

「それはそれで凄いな! めっちゃくちゃローコストじゃねぇか!! でもだとしたら……あ!」

「ほう。気が付いたかい?」

 

 燃料では無い別のコスト要因。両津は何の事か直ぐに理解できた。

 

「もしかして場所か?」

「そう! 良く分かったね。厄介な事にこのフード生成マッシーンはかなりの大きさになっているんだよねぇ」

「マッシーンって……ちなみに大きさはどれくらいだ?」

「この機動要塞の三分の一がそれなんだよ」

「敷地取り過ぎだろ!! おいダメ太郎! この要塞の大きさはどれくらいだ?」

「全長270mで幅は40mですね……」

「戦艦大和かよ?! サンシャイン60に迫る大きさじゃねぇか!!」

 

 地獄大使はお茶をすすってため息を吐く。

 

「しかも一日で生産出来る量にも限界があってね。1日に大人10人分くらいしか作れないのだよ」

「だとしたらまだまだ実用化には程遠いなぁ。畑を耕した方がよっぽど効率が良いぜ」

「まぁ儂が飢えないでいられるだけまだマシってもんさ」

「ところで地獄大使、弱体化を狙っていたってどういう事ですか?」

 

 ダメ太郎が話を本題に戻してくれた。

 

「我々ショッカーが世界を支配出来るくらいの弱体化に決まっているだろうが。もうそろそろだと見ていたんだが世間はどうだね?」

「え……どうって。そりゃあお前、アレだよ……」

「神様、ハッキリ言って上げた方が良いんじゃないですか?」

「そうだな……おう、残念だったな。この世界、とっくに滅んでいるぞ」

「え……?」

 

 両津の発言で湯呑の茶を股間に零す地獄大使であった。




 筆者です。「漂禁XII」をお送りしました。

 とうとうちゃぶ台を囲むだけで1話分書いてしまいました。次回はちゃんとギーツ側も書きますのでご勘弁ください。

 ギーツvsこち亀なのにショッカーの要素が増えたのは単に筆者の思いつきと、実はある仕掛けを用意したからです。それが何なのかはまだ言えませんが、近々本文に現れますのでお待ちください。けれどもご安心を、もう両さんは行方不明になりませんからw

 両さんが機動要塞に感じている違和感も重要なキモです。それが結実した時に地獄大使が関わるエピソードも終わりとなります。本当は地獄大使の出番は早々に終わる予定でしたが、日暮さんのIF要素を足したら愛着が湧きましてマシマシになった次第と言うのが真相です。お陰で草案には無かった要素が増える増える。大変申しわけありませんが、もう少し筆者の趣味にお付き合いください。

 さて現在Youtubeで見れます「特撮俳優変身旅in下北沢」の3の話題を。
https://www.youtube.com/watch?v=9MFz0WTmPlo

 こちらにて簡秀吉くん・杢代和人くん・柊太朗くんの3人が出演されているのですが、彼らが好きな特撮作品を語るパートがあります。なんと杢代くんはシンケンジャー、簡くんは電王だそうです! (柊太朗くんはハリケンジャー)まさかギーツ出演者2人が筆者の推しヒーローと同じだとは驚きました。もしかしたらそこにもこの作品の親和性があるのかもと考えたら嬉しさが込み上げますねぇ。
 非常に楽しい動画となっていますので、お時間ある方は是非1からご覧頂ければと思います。相変わらず簡くんがボケて杢代くんがツッコミを入れてますw

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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