仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「イヤ、ホント。マジであれは驚いた。おい河野! 見ているか? 国民に虫食わせようとするならショッカー見習え、コンチクショウが!!」
「両津様! 流石にもうやめてください!! これ以上国家権力にケンカを売ると、この作品の継続が危うくなります!!」
相変わらず危険な所にケンカを売る両津。彼自身、過去に様々なものを食べてきているので結構シャレになっていない。絵面的にアニメにできない物も多数あった。筆者も克明に書くのもイヤになるモノもある。
「両さんもチャレンジャーだねぇ。流石にショッカーでもそこまで危険なモノまで与えないよ。引くわー」
「しれっと今回も出てきているんじゃねぇよ、地獄大使。そういえばショッカーでも捕虜を取ったりしていたよな」
「あったねー。でもちゃんと3食監視付きで捕虜の健康状態には気を使ったよ。具合が悪くなると人質にもできないからね」
「監視が余計だ。監視が。そうか、しっかりメシは食わせてやっていたんだな。ちなみにどんなモン食わせて居たんだ?」
「朝食はモーニングビュッフェで戦闘員と同じものかな? 昼は食堂のメニューを頼めるようにしていたね。夕食は元・帝国ホテルのシェフ自慢のディナーを日替わりで出していたよ」
「贅沢だな! 本当に悪の秘密結社か?!」
「フフフ……我がショッカーがタダでそんな贅沢をさせると思っているのかい?」
ロコツに悪そうな顔をする地獄大使。やはり大幹部の貫禄がにじみ出ている。
「やっぱり何かの計画があってなんだな……悪の秘密結社は侮っちゃいけねぇな」
「食べた分はしっかり運動! そして文化だ! ショッカーの研究部が考えた画期的なアスレチックルームで身体を動かした後、国会図書館並の文化棟で読書や勉強に勤しんで頂く! 勿論無理しない程度にだ!!」
「お前ら本当に悪の秘密結社か?!」
現代日本よりショッカーの方が健康で文化的な考え方をしていた。
そしてデザグラ鬼ごっこ。ジャマーガーデンズに強襲されるも、逆にバッファとナッジスパロウを翻弄するグレア2のチラミ。
「いーかげんに大人しくしなさいな、モーモーちゃんとチュンチュンちゃん。あーたたちではアタシに叶わないってまーだわかんないのかしら~?」
「ク……クソ!」
「何て奴だ。息一つ乱れていないなんて……」
何度挑んでも歯が立たないバッファとナッジスパロウは倒されその都度寝転がされた。
「さてそろそろ戻るわね。アタシは忙しいんだから」
「そうはさせないよ」
振り返るとベロバがようやく現れた。だが厚底靴で無理して走ってきたのか呼吸は荒くなっている。
「ゼー……大人しく、ゼー……行かせると、ゼー……思っていゲホンゲホン!」
「もー大丈夫? そんな靴で無理して走ってくるからー」
急ぎベロバの背中を摩るグレア2のチラミ。介抱されたベロバは3分程でようやくマトモに喋れるくらいは回復してきた。
「あ、ありがとう……だいぶ楽になってきた」
「無理しないでね。だって貴女、確かおば」
「! トシの事は言うんじゃないよ!!」
「あいたぁああああああああああ!!」
チラミが何かをいいかけた時にベロバは思いきり股間にケリを入れる。流石にグレア2の姿になってもそこだけは守り切れないらしい。
「な……なんて事するのよあーた……。使い物にならなくなったらどうしてくれるのよおおおおおおおおお?!」
「どーせロクに使う予定なんて無いでしょ?」
「言ったわねぇ? えーと、ポールでしょ? マイケルでしょ? ボブでしょ? タイソンでしょ? ジョンソンでしょ? たけしでしょ? きよしでしょ? 拓哉でしょ? 慎吾でしょ? ラサールでしょ? みつおでしょ? サブでしょ? 文太でしょ? 勇作でしょ? 邦衛でしょ? 雄三でしょ? 連太郎でしょ? 浩市でしょ?」
「待って! 待ちなさいよ! さっきから色々、しかも全て男の名前ばかり出しているけどマジなわけ?」
「あったりまえでしょ――! あのコたちの為にアタシの股間は何としても守るわ!!」
「ああ、うん……そーなんだ――……」
呆れかえるベロバの背後に、ようやく立ち上がったナッジスパロウが後ろを向いて説明をする。
「この作品はフィクションだ。実在の人物・団体・事件とは一切関係がないので深い詮索はやめたまえ。釣りバカ日誌とか美味しんぼとか若大将シリーズとかも関わりが無い!」
「何言ってるんだオマエ……」
これまたようやく立ち上がったバッファがツッコミを入れた。
「アンタたちも随分可愛がられたモンねぇ~。良いわ、アタシが仇を取ってあげる♡」
「勝手に仇打ちにしてるんじゃねぇよ」
「じゃあそんなベロバ様はどうしてくれるのかな?」
「決まってんじゃない。こうすんのよ」
ベロバはレイズライザーを構えた。
「そんな事したってムダだって……え? ちょっと……マジ?」
目の前で変身したベロバの変貌。グレア2の目線がどんどん上がっていく。
一方、鬼ごっこをしているライダーたちは運営ライダーたちの攻撃でボロボロになっていた。果たしてもうこれは鬼ごっこと言えるのだろうか? 鬼ごっことは?
『 MOON HEART STRIKE 』
『 VENUS LOVE AND BEAUTY HAMMER 』
『 MONSTER STRIKE 』
ムーニャンとビーニャン、そしてワンワンオーツーの攻撃でライダーたちは吹っ飛ばされる。
「「「「ぐはぁああああああああああああ!!」」」」
吹き飛ばされたライダーたちを見て、後ろで腕を組んで様子を見守っていたワンワンオーは呆れてため息を吐く。
「ハァ……こんなものか。これではまだ彼らに任せるのは無理だな」
「……海パンの旦那」
「まぁ良い。一旦これでトドメだ。良かったな、これがジャマトの襲撃じゃなくて」
そう言うとワンワンオーはアームドアローの弓を構えた。だが倒れたライダーの中でラヴィだけいち早く立ち上がる。
「勘吉の方が……」
「ほう? 両津が何だね、擬宝珠巡査?」
「勘吉の方がアンタたちよかよっぽど凄いね」
「言ってくれるじゃないか」
ラヴィは鉄扇を構え、バックルのレバー操作を行う。
『 HURRICANE CHARGE 』
そして更にレバーを動かす。するとレイズバックルの挙動に変化が表れる。
『 HURRICANE CHARGE GEAR2 』
アイアンファンバックルの大部分を占める赤い風車。通常のハリケーンチャージよりも更に回転数が上がり耳を切り裂くようなノイズが周囲に響く。するとラヴィが持っている鉄扇に灯る光がどんどん形を変えていく。それは一振りの刀の様に見えた。
「ならば擬宝珠巡査、君の覚悟に応えよう」
ワンワンオーはアームドアローの狙いをラヴィに定めた。
互いの間に緊張が走る。そして放たれた。
『 ARROW STRIKE 』
『 HURRICANE STRIKE GEAR2 』
ワンワンオーとラヴィは同時に必殺技を放つ。ラヴィは立っている場所で剣状の鉄扇を上段から振り下ろすとハリケーンチャージで蓄えられたエネルギーの斬撃を飛ばした。そして2つのエネルギーが激突するその瞬間、割り込む者が居た。
ナーゴである。
「きゃあああああああああああ!!」
「祢音ちゃん!」
「祢音ちゃん?! なんで?」
「ナーゴ?!」
ライダーたちは皆一様に驚く。そしてそれは運営側ライダーも同じであった。
「どういう事だ?」
「わからん! 無事か?!」
「どうしたんだよ祢音ちゃん!」
「あのレディ、一体何故?」
強制変身解除となって倒れる祢音。急ぎ駆け寄るラヴィとタイクーン。
ラヴィは抱きかかえ祢音の無事を確認しようとした。
「祢音ちゃん! 大丈夫?! しっかりして!!」
「……英寿が」
「え? 英寿が?!」
「英寿に突き出されたの……」
「英寿が?!」
ラヴィとタイクーンは振り返りギーツを見る。
「……」
ギーツはバツが悪そうな態度を取っている。
「何だか様子がおかしいな」
「あのギーツが……」
「そんな……そんなバカな!」
ムーニャンとビーニャン、そしてワンワンオーツーも動揺した。
そしてワンワンオーのスパイダーフォンに着信が入る。
「はい、こちらワンワンオー。え? わかりました」
ワンワンオーは振り返り運営ライダーの残り3人に命令する。
「一時中断だ! 急ぎチラミの元に向かう!」
「何だと?!」
「いったい何が?!」
「どうしちゃったってんだよ?」
「わからん。敵の強襲を受けているらしい。急ぐぞ!」
そして運営ライダーたちは駆け足で消えていった。
そしてショッカー要塞の地獄大使の部屋で。この世界の現状を知った地獄大使は倒れて寝込んでいた。両津はダメ太郎に伺う。
「おう、どうだ。コイツの様子は?」
「だいぶ落ち着いたみたいですね。でも驚きましたよ。よっぽどショックだったんでしょうね」
「やっぱり告げるべきじゃなかったのかもな……」
ジャマーガーデンがある世界。その世界の現状を知っている限り伝えた両津。ダメ太郎によって要塞にある備品の1つであるステルスドローンを使って外の有様を見せる事によって、只でさえ顔色が悪い地獄大使は益々青ざめて膝から崩れ落ちた。そして両津に質問した。
★
「もう人間は居ないのか?」
「ああ。あのジャマーガーデンに居る僅かな人間以外は誰もな」
「そんな……。! そうだ仮面ライダーは?! 本郷猛はどうした?」
「わからん。恐らくこの世界には居ない筈だ。どこにもな」
「う、嘘だ! 本郷が倒されるなんてある筈がない!! 仮面ライダーは……本郷猛は不死身なんだ!! アイツが……アイツが!」
「……」
無言となった両津。地獄大使が終生ライバルとして認めた男、仮面ライダー1号・本郷猛。その男が既に亡き者である事を告げられた地獄大使は大粒の涙を零して泣きわめいた。
「猛! どうしてお前が! 仮面ライダーは不死身じゃなかったのか?! お前が居ないこの世界で、儂は誰と戦えと言うんだ?! 猛……猛ぃいいいいいいいいいいいい!! うわぁああああああああああ!!」
★
―― どうして? ねぇどうして?! なんで俺は? どうして……を助けられないの?! ――
―― 気にするな。運が巡ればまた逢えるから お前が無事で良かった、勘吉。じゃあな…… ――
―― いやだよ……いやだよ!! ねぇ! 目を開けてくれよ! こんなのって……こんなのって無いよ!! なぁ、……! 死んじゃいやだぁああああああああああああ!! ――
一瞬だけ脳裏をよぎる記憶。だが両津はそれが何時の事かも覚えていない。そして直ぐに忘れてしまった。
そして両津はふと考えた。
「ワシが死んでも、泣いてくれるヤツって居るのかな?」
「神様……。僕はきっと泣きますよ。ロボットですけど、きっと泣きます」
「ダメ太郎……」
ダメ太郎の瞳は何故か潤んでいた。ここで地獄大使が目を覚ます。
「う~ん……。! ここは?」
「おう、気が付いたか」
「まだ無理しないでください!」
「そうか……儂は。2人とも済まなかったね」
心配する両津とダメ太郎に支えられてゆっくりと身体を起こす地獄大使。随分スッキリとした穏やかな顔をしている。
「! そういえば両さん、君も仮面ライダーと名乗っていたね。さっき腰に付けていたベルトは一体……?」
「ああ、デザイアドライバーか。そういえば元々は変身ベルトって言っていたんだよなぁ。今はドライバーって言うライダーの方が多くなってきたけどよ」
「そうなのか。少し見せてくれないか?」
「ああ。ほらよ」
両津はドライバーを腰から外して地獄大使に渡した。
「改造手術を行わずに人間の能力を引き出すのか。今はこんな事が出来るんだな」
「まあ本当に現代の技術かって考えたら結構マユツバもんだけどよ」
ドライバーとレイズバックルをしげしげ眺める地獄大使。そしてビッグウィンドファンレイズバックル、通称ハリセンバックルを手に取った時に一層険しい表情になる。
「これはもしかして、”タイフーン”か……?」
筆者です。「漂禁XIII」をお送りしました。
本文のショッカーはあくまで筆者が「僕の考えた悪の秘密結社」を想像して書いているだけなので気にしないでください。
さてチラミの鬼ごっことこち亀ライダーズとデザグラライダーズたちとの戦いも終わりが見えてきました。
そして両さんはまだショッカー要塞に居ます。これからどうなっていくかはまた明日の更新分でお楽しみください。
これで先日読者様からご指摘受けた「ショッカー分、大杉ぃいい!」と言うのも少しは薄れたんじゃないでしょうか? 別にショッカーじゃなくても良かったんですけどね。ただ、両さんのモチーフが原点にして最古のライダーである1号ライダーをモチーフにしていますので(ただし偽物感はマシマシですが)、何かしら1号ライダーに縁が深い存在を書きたかったんですよね。かと言って立花のおやっさんや滝さんを出すのも問題だろうし、何より1号ライダーをそう易々と書くのはいけない気がしましてね。そしてかつて地獄大使として出演された故・大杉漣さんの存在が大きかったんですよ。「仮面ライダー1号」を劇場で観れたのは幸いでした。今でも何度も見返しています。
今回の地獄大使の号泣はその時の地獄大使のオマージュを取り入れています。日暮さんIFともしていますが、その辺は大杉漣さんのイメージで想像して頂ければ幸いです。
しかし今回は予定していたよりも書き足しが増えましたね。特にチラミの彼氏遍歴。なかなかのビッチボーイです。書き連ねた名前の数々、かなりデタラメに書いているようですが実は法則性があります。とか言って結構雑多ですw その中でも、「慎吾・ラサール・みつお」この辺は楽し気に書きました。更に「賢二・渉」も書くべきだったかもしれませんねw
では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
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