仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリー!! 祢音様の狂言によって危うく英寿様は貶められる所でしたが、景和様はそれが嘘だと見抜いていました。自身の行動を悔いて涙を流す祢音様を抱きしめたのは同じく彼女がデザスターだと知っていた纏様。正に母親の様な暖かさをお持ちです」
「母親じゃねーし! もーやめてよ、ツムリちゃんまでさぁ……檸檬と一緒に歩くと今でも”大きなお嬢さんですね”とか母親扱いされるんだもの……」

 独身の纏にとって母親と言う単語はNGワードになっている。両津が家に居つく様になってから尚更だ。檸檬と一緒に歩くと良く親子と間違えられている。

「失礼しました。だとすると他の表現だと……”マジ天使!”とか”ガチの女神!”とかでしょうか?」
「何でそんなギャル寄りなのさ……まぁ言いたい事はわかるけどさ。あ、ありがと……」

 照れて頭を掻きながらも褒めてくれた事には感謝する纏。その仕草を見てツムリはニコニコと微笑んでいる。

「早く両津様にも戻ってきて欲しいですねぇ」
「え? べ、別に勘吉が戻ってきても嬉しくねーし……」
「またまた~。強がっていますけど、本当は早く戻ってきて欲しいクセに」
「! やめてよ! 怒るよ?! そ、そりゃあ何時までも戻って来ないと店も大変だし、警察の仕事だってほったらかしだからさ。アタシは知らないよ! ほんとにさ……」
「さてここに夏春都様から頂いたお写真がありまして。これは……しっかり纏様から両津様を抱きしめてますねぇ~」
「は? ちょっとバァちゃん? あの人何してるのさ!」

 纏は酒に酔うと一緒に飲んでいる両津を抱きしめる事がある。あまりに何度も見かけるので呆れた夏春都がこっそり撮影していた。

「これはあくまで酒飲んで酔っ払っちゃった時のだからさぁ。ノーカン! ノーカンだよ!」
「動画もありますよ。ほほーこれは見事に甘えてますねぇ」
「だああああああああ! そんなモンまでぇええええええ? ちょ、ツムリちゃん! この動画、他の人にも見せてないよね?」
「ええ。既にライダーの皆さまとはグループチャットで共有済みです」
「えぇええええええええええええ?!」

 赤面して倒れる纏。後に他のライダーたちから思いっきりからかいのネタとしてイジられる事となる。



漂禁XV:誰の為に。そして何の為に。

 ジャマーガーデンズたちに追い込まれたチラミ。

 運営ライダーのワンワンオーたちを急ぎ呼寄せたが状況は悪化する一方だった。

 

「「「「ぐはぁああああああああああああ!!」」」」

 

 目の前の超巨大物体に成す術も無く翻弄されていく4人。

 

「こんな大物が……何故?」

「クソ! デカいからって調子に乗りやがって……」

「……我が愛機、月光さえ使えればこんな事には」

「凄く……大きいです……」

 

 一番最後のセリフを誰が言ったかは伏せておこう。

 

「いやああああああ! ワンちゃんたちもニャンちゃんたちも大丈夫?! よくも……よくもやってくれたわね、アンタたちぃいいいいいいい!!」

 

 怒りの咆哮を上げるグレア2ことチラミ。だがジャマーガーデンズはそこに追い打ちをかける。

 

「そりゃこっちのセリフだ、オッサン」

「そろそろ大人しくしてもらおうか」

「へ?」

 

 既にポイズンチャージを完了しているバッファ。そして肩を回して殺意をアピールするナッジスパロウ。

 

「「さっきの……お返しだぁあああああああ!!」」

『 TACTICAL BREAK 』

『 MONSTER STRIKE 』

「ぎょへぇええええええええええええ?!」

 

 さっきまでの余裕はどこへやら。2人の必殺技を喰らったグレア2はアッサリと倒される。全身に赤い稲妻のような紋様が走り攻撃に耐えられる限界を超えた事がわかる。

 

「うううう……ヒドイわヒドイわ……」

 

 全身にタテヨコの赤い線が走りポリゴンのテクスチャが剥がれる様に強制変身解除となり、チラミの腰からヴィジョンドライバーが外れた。そこへ変身解除したベロバが余裕の笑みで近付いて来る。

 

「オッサンがベソかかないでくれるかしら? あーみっともない!」

「な……何故、ワタシを狙うの?!」

「アンタはどーでも良いのよ」

 

 そしてベロバは足元に転がっているヴィジョンドライバーを手に取る。

 

「アタシが欲しかったのは~……コレ」

「まさか……アンタたちの狙いは?!」

 

 ワナワナと怯えているチラミの問いにクスクスと悪戯っぽく笑いながらベロバは答えた。

 

「そ♪ アタシたちの狙いは……」

 

「”創世の女神”だぁ?!」

 

 両津の大声が室内に響いた。ここはショッカー要塞の研究棟。アンドロイド戦闘員の生産プラントに近く、両津が強引に生産プラントのサーバーに間借りする形で作ったダメ太郎の頭脳……本体部分からの補助もここなら多分に得られる。お陰で地獄大使のビッグウィンドファンレイズバックルの解析も程なく進んでいた。

 そしてこのバックルだけでなく、デザイアグランプリに関わる物が全て、今聞いたばかりの存在”創世の女神”に関わっている事を知って驚く両津。

 

「……って何だそりゃ?」

「知らないで驚いていたんですか!」

「ガハハハ!! いやぁ、何だかここは驚くべきトコロかなってさ♪」

 

 ダメ太郎のツッコミに笑顔で返す両津。そんなやり取りに地獄大使は呆れていた・。

 

「全く両さんはマイペースだねぇ。しかしそんな大層な力を使っているなら改造手術なんて要らんわなぁ。納得したよ」

「まぁ以前からこのドライバーには不思議なモンを感じていたけどな。しかし神様のチカラかぁ……つっても、だとしたら本当に科学か、コレ? 魔法とか奇跡とかのレベルじゃねぇか」

「優れた科学は魔法や奇跡と変わらんさ。しかしコイツは凄いな、未来行ってやがる」

 

 拳でドライバーをコツコツ叩く両津。それを横目に見ながら地獄大使はハリセンバックルの解析を続けていた。そして叫ぶ。

 

「しかしなっとらんなぁ! コイツを作ったヤツはタイフーンの何たるかを全然理解していない!!」

「おーおー言うねぇ。江崎のバカが聞いたら憤慨しそうだな」

 

 正しくはスタインベルトかシュラウドの研究からの盗作なのだろうが、現出する武器がハリセンである事も考えると江崎教授の趣味が大いに盛り込まれている可能性は十分にあった。

 

「せっかくのタイフーンをハリセンを構成するのと、それを操る者の強化程度にしか考えて無いな。コイツはそんなゴッコ遊びのオモチャ程度じゃないんだぞ。全く……」

「何も無い空間にモノを作るだけで既にゴッコ遊びの範疇は飛び越えているけどな。しかしアンタ、タイフーンへの思い入れが強いな」

 

 地獄大使のボヤキにツッコミを入れた両津が質問した。

 

「そりゃあそうさ。だってコレは元々我々ショッカーの技術なんだから」

「そうか……元々アンタたちが本郷猛を拉致って改造したんだっけな」

 

 この誘拐して強引に改造する(異なる姿にする)と言うライダーは50年の歴史を誇る歴代ライダーたちでも意外に少ない。しかしやはり導入が強烈に残ってしまうのは否が応でも強引に改造されたケースだろう。その中で始祖たるもの、1号ライダーは皆の心に深く残る事が多い。

 

「我々のやり方が過ちだって証でもあったんだがね。結果、脱走した本郷猛と、同じく反逆した一文字隼人によって壊滅したんだから」

「恐らく警察でも手を出せなかったお前らショッカーをぶっ潰してくれたんだからライダー様々だぜ」

「だから儂は上申したんだ! ”そんなやり方だと何れ組織が崩壊しますよー”とか”せめて彼らの後々の人生に選択の自由を与えましょうよー”とか”年俸1億円とかの好条件で勧誘する方が良いですよー”とか。大首領、全っ然聞いてくれなかったけどね!」

「野球選手か!」

 

 若干私怨じみたものが滲み出てきた地獄大使。流石の地獄大使でも当時の体勢にはあまり良く思っていなかったのであろう。そしてまた両津がツッコミを入れた。

 

「猛自身が優秀な生化学者であるからね、改造された自身の身体を調べ尽くして、且つその上で何度もパワーアップして強くなって我々ショッカーに立ちふさがった。このタイフーンの原型はね、そんな猛の情念も籠っているのさ。見てご覧、両さん」

「あん? ……何だこりゃ?」

「このバックルの基礎プログラム。土台となったタイフーンのプログラムコードだ」

 

 古めかしい4:3比率のブラウン管モニターにはプログラムコードがズラっと表されていた。理路整然と並んでいる物の、プログラム知識がある両津はその配列に違和感を覚える。

 

「なぁ地獄大使、このプログラムって何かおかしくねぇか? 確かに間違ってはいないんだろうけどよ、ココとココとか……後はココもか。なんつーか、回りくどいコード配列にわざとしているっていうか……」

「おお、わかるかね。コレに気付くとは中々のものだ」

 

 地獄大使が両津の見識を褒める。興味を示したダメ太郎も改めてプログラムの確認に入った。

 

「確かに神様の言う通りですね……でもどうしてこんなプログラムを組んだのでしょうか? 地獄大使の仰る通りなら本郷猛と言う方だともっと効率良く無駄の無い物も組んでいるでしょうに……」

 

 ダメ太郎でも見通せない本郷猛の遺した謎。その答えは地獄大使が明かした。

 

「……ダメ太郎くん。このプログラムで各項目の頭の文字だけ抽出して画面に出してくれ」

「あ、はい! ……そうか、これはアクロニムだったんですね!」

 

 アクロニム(acronym)。複数の単語で構成される合成語の頭文字をつなげて作られた略語「頭字語」のうち、その頭字語を1つの単語のような読み方で発音するもの。アルファベット1文字ずつをそのまま読むのではなく、略語を単語として素直な読み方をした頭字語のことである。かなりの量のプログラムがダメ太郎によって整理され、抽出されたそれぞれの頭文字を並べていくと英文となった。

 

 ―― I tell the person who has this power. This power, Typhoon, is a powerful force that can turn those who hold it into either gods or demons. I strongly hope that you will use this power for peace, to protect someone, and to support your loved ones. TAKESHI.HONGO ――

 

 画面に表記された英文。それを読んだ地獄大使は優し気な笑みを浮かべた。




 筆者です。「漂禁XV」をお送りしました。
 
 前書きは今回両さん無しでした。両さん出すとどうしても地獄大使も出したくなるもので……。あまり地獄大使に頼るのも良くは無いのかなと。
 纏ちゃんの赤面話でした。脳内プロットでは動画の音声も考えていたのですが、それは筆者が気まずくなるので今回は控えておきます。
 

 チラミがフルボッコとなりました。こちらはこちらで大変です。そろそろこっちはジーンを出さないといけませんが、仮面ライダージーンの変身シーンをいかにカッコ良く文章に出来るかが課題ですね。

 地獄大使がハリセンバックルにダメ出しをしました。本郷猛のメッセージが英文で出てきましたが、明日の更新分にて和訳したものを出します。オヒマな方は翻訳されても良いかもしれません。自分なりに本郷猛らしい事を書いてみたつもりです。解釈違いは多分無い筈だ!(自己暗示)

 先日もお伝えした映画「仮面ライダー1号」のサントラが素晴らしくて、執筆にかなり影響出てきているんじゃないかと思います。
 今回の両さんたちのシーンは「その名 本郷猛」と「猛-登場」そして「猛の教え」を聞きながら書いています。この先の展開についてはまだ言えませんが、もしサントラをお持ちの方がいらっしゃいましたら是非聞きながら読み返して頂ければ幸いです。

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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