仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~   作:唐 十三郎

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「リアリティライダーショー、デザイアグランプリー! チラミはザヤマーガーデンズの強襲にいよいよ倒れてしまいました。そして両津様は地獄大使から御自身が使うビッグィンドファンバックルの基礎となった”タイフーン”に、あの1号ライダー・本郷猛が込めた気持ちを明かされます。それぞれ果たしてどうなってしまうのでしょうか」
「という訳で、今回はダメ太郎を連れてきた」
「唐突ですね。でも前書きコーナーには初めてですよね。ようこそいらっしゃいませ」
「よろしくお願いいたします! 警視庁開発警官ロボット開発004号。丸出ダメ太郎です!」

 相変わらずのヤカンに適当な目鼻を付けた愛嬌のある顔をしたロボット警官、丸出ダメ太郎が現れる。

「そういや気になっていたんだけどよ、お前元々ロボットなんだから性別とか関係無いよな?」
「そうですね。あくまで開発局が研究した結果でこういう姿と声になっただけですから。江崎教授と神様が僕のプログラムを拡張して頂いてますので、声と性格ならもっと変化させる事は出来ますよ」
「ほほー……じゃあワシの声とかイケるか?」
「そうですね……”うわ~ん! デザグラなんてコリゴリだ――!!”こんな感じでどうでしょうか?」
「おおー! ……ってかラサールさんじゃなくて慎吾くんかよ。まぁ若々しくてカッコ良いからそれはそれでOKだがよ」

 小説だと決して伝わらないのが勿体ない。

「じゃあ檸檬の声も出せるか?」
「はい! えーと……”カンキチ、レモンの事は好きか?”こんな感じでどうでしょうか?」
「凄いな! ツラがダメ太郎のままってのが無かったらコロっと騙されるぜコレは!」
「外見を換装する事であらゆる場所に潜入する事も出来ますからね。換装用ボディの予算繰りが中々大変で本庁の悩みのタネになっていますけど」
「そりゃあ毎回ホイホイ用意するのも大変だからなぁ」
「そうなんですよ! しかもメーカーが一旦発売したら再販をなかなかしないので、一回買いそびれたら数か月、下手すると年単位で待たなければいけなくなります。ダメなら転売ヤーからの購入となりますが、彼ら足元見てるから定価の3倍以上出さないといけなくなるんですよ!!」
「美少女プラモの拡張パーツか!」
「それでなけなしの予算で組んだ換装ボディがこちらになります!」

 持って来た換装用ボディは黒髪ロングの清楚系少女の外見をしている。ご丁寧に白いワンピースを着ていた。

「そして僕のデータを移し替えてみました。どうですか、神様?」
「お、おう……中身がダメ太郎とは思えないぜ。なんだか気恥ずかしいな」

 外観に合わせて声色も別物となっている。甘ったるい少女の声で話しかけられると流石の両津も調子が出なくなるらしい。

「そんな照れないでくださいよ~。中身はいつもの僕、ダメ太郎なんですから~」
「うわ! そんなに密着するんじゃねぇ!! え? 何か妙だな……」

 過剰なスキンシップで密着するダメ太郎美少女型。だが押し付けられた胸に弾力は無く、反面腰の下にはグニャリと弾力があった。

「もしや……うわ、これは男の身体じゃねぇか!!」
「……本庁に予算が無くって、結局売れ残っている男性用ボディしか用意できないんですよ。でも顔と髪型、そして体型と声は女の子用にしてありますからかなりのものですよ! これで世の男の娘好きの犯罪者たちも一殺(イチコロ)です!」
「ロボット警官が世の変態男たちを騙していくんじゃねぇよ……」

 女性ロボ、男性ロボが開発されていくのだから、いずれ男の娘ロボも開発されていてもおかしくない。むしろ出て欲しい。


漂禁XVI:誰の為に。そして何の為に。

 ―― I tell the person who has this power. This power, Typhoon, is a powerful force that can turn those who hold it into either gods or demons. I strongly hope that you will use this power for peace, to protect someone, and to support your loved ones. TAKESHI.HONGO ――

 

 画面に表記されたのは、タイフーンのプログラムから抜き出された文字を並べる事によって現れる英文。それを読んだ地獄大使は優し気な笑みを浮かべた。

 

「ダメ太郎くん、これを翻訳して読んでくれるかね?」

「……はい。”この力を手にした者へ告げる……」

 

 ―― この力を手にした者へ告げる。この力、タイフーンは手にした者を神にも悪魔にもする強大な力だ。願わくばこの力を平和の為に、誰かを護る為に、愛する者を支える為に使う事を強く願う。本郷猛 ――

 

 両津は息を飲んだ。成り行きで手にしたレイズバックルへ込められた本郷猛の願いを受け止め、自身の今の有様と重ねていたからだ。

 

「”神にも悪魔にも”……そしてそれを”平和の為に、誰かを護る為に、愛する者を支える為”に、か……猛め、我々ショッカーが作った技術をそんな風に思ってくれていたのか……」

「本郷猛、仮面ライダー1号の願い……」

 

 力の有様は様々だ。嘗て人類の発展を願って開発研究された核技術は発電技術と大量殺戮兵器の側面をそれぞれ持っている。スタインベルトかシュラウドのどちらかに渡ったタイフーンの技術。そしてそれは数多の手から手に渡されてきた大いなる力。紆余曲折を経て、江崎コロ助教授がビッグウィンドファンレイズバックルとして開発し、今は両津に。そして円環となったものかショッカー幹部・地獄大使が受け取ったそれは本郷猛の強い信念を伴っていた。

 

「さてと、じゃあコイツに少し儂の願いも込めておくか」

「おいおい、あんまし余計な事をするなよ?」

「心配ご無用だって。ダメ太郎くん手伝ってくれるかな?」

「はい! よろしくお願いいたします、地獄大使!!」

「ダメ太郎、何か気合い入ってねぇか?」

「そりゃあ神様の力になれるんですもん。僕、頑張ります!!」

 

 ダメ太郎はその屈託の無い笑顔を両津に送る。

 

「ヘッ! どいつもこいつも。まー適当に頼まぁな」

 

 研究室のキャスター付きの椅子に座って腕を組んだ両津は目を閉じる。

 

「本郷猛の願い……か」

 

 両津は心の中でその言葉を何度も繰り返した。

 

 襲撃されていたチラミはベロバにヴィジョンドライバーを奪われて涙目になっていた。

 そしてベロバの狙いが創世の女神だと聞いて顔面蒼白となっている。手にしたヴィジョンドライバーを舐めるように見回すベロバ。

 

「そしてこのヴィジョンドライバーはぁ、創世の女神にアクセスするための鍵……でしょ?」

「そ、それはアンタが手にして良い代物じゃないのよ!」

 

 フラフラと立ち上がりベロバに凄むチラミ。既にバッファとナッジスパロウの攻撃でサングラスにヒビが入っている。ベロバからドライバーを奪い返そうと飛びかかった。

 

「返しなさい!!」

 

 だがベロバの視線がチラミを拘束する。身動きが出来なくなったチラミは藻掻こうとするも全く動けず苦悶の声を上げた。

 

「ぐ……が……ぎ……ぎゃん?!」

 

 ベロバがニヤリと笑うとチラミは急にキリモミ回転が全身に起きて吹っ飛ばされる。

 

「ぎょふぇええええええええええええええ?!!」

「ベーっだ! アッハハハハハハハ♪」

 

 傍らに居たナッジスパロウが楽しそうに笑うベロバに振り向いた。

 

「これで世界は、僕たちのものか。フフッ!」

「……それはどうかな?」

 

 バッファが後ろを振り向くと1人の男が彼らに向かって歩いて来た。ベロバもそれに気付き後ろを振り向く。

 青い革靴を履いたその足でゆっくり近づいてくる。

 アスファルト敷きの床に靴音が響く。黒いロングコートを羽織り、裾を風に靡かせていた。普段優し気な微笑みを絶やさない面立ちをしているその顔は珍しく真剣な表情をしている。黒髪を7:3分けにしているその髪には青と白のメッシュが入っていた。

 そう。彼はギーツのサポーターであるジーンだ。

 

「白ける事するなよベロバ……せっかくデザイアグランプリが面白くなってきた所なのに」

「あらー、もっと面白い事しようとしているだけよ~フフフ。ジーンも、デザイアグランプリなんてやめて、一緒にどう? フフフ……きっとゾクゾクするわ~」

 

 白い息を吐き出しながら微笑むベロバ。きっと撮影日は真冬だったのであろう。ジーンは呆れ顔で返事をする。

 

「白い息吐きながら”ゾクゾク”も無いだろう……興味無いね!」

「言わないでよ! あー寒い……。やっぱりアンタとはシュミが合わないみたい」

「合う訳無いでしょ……」

 

 物凄く嫌そうな顔をしたジーンは大き目のSDカードの様な物が刺さっている銃身パーツ「ライズカードリッジ」を手に取った。それを腰に当てると一瞬でベルト状のデバイス「レイズライザーベルト」が自動で形成される。

 

『 LASER RAISE RISER 』

 

 ヴィジョンドライバー同様にCV松岡禎丞の音声が鳴る。ジーンがバッとコートを翻すとベルト右側のホルダーにグリップパーツが懸吊されていた。それを右手で手にしたジーンはライズカートリッジと組み合わせる。

 

『 ZIIN SET 』

 

 両腕を太極拳の様に回し、陰陽を表すかの様にゆっくりと交差させるジーン。左手の指でフィンガースナップを鳴らした。

 

「変身」

『 LASER ON 』

 

 引き金に当たる「インプットリガー」を引くとレーザーレイズライザーからライズカードリッジと同じ形状の光が2発射出される。その光はジーンの周囲を数回周り、ブロック状のエネルギー「キュービックメタマテリアル」の装甲を発露させ彼の姿を変えていく。更に射出されたエネルギー体は左後方からジーンの頭、そして左肩から胸部に向けて突き刺さる様に収まり実体化していく。

 

『 ZIIN……LOADING……READY…… FIGHT 』

 

 ジーンは青・白・黒・そして黒銀の配色が施されたギンギツネをイメージさせる仮面ライダージーンへと変身した。

 

「俺が求めているのは……感動だ」

 

 ジーンは左手を胸に充て、自身がデザグラに求めているものを吐露する。それはベロバの求めている物とは真逆。決してその誘いを受けない。その手を握らないというジーンの固い決意を表す言葉であった。

 

「! 仮面ライダー?」

 

 変身したジーンの姿に反応するバッファ。そしてジーンに向かってゾンビブレイカーを唸らせて突進する。

 

「仮面ライダーぁああああああああああああああ!!」

 

 だがジーンはこれをレーザーレイズライザーから2発の光弾を射出し無力化する。

 

「ぐあぁああああああああああああああ!!」

 

 ゾンビフォームの左手に構成される武装、バーサークローがはじけ飛んだ。倒れたバッファの後からナッジスパロウも突進する。

 

「邪魔はさせないよ!」

 

 モンスターフォームの拳で殴りかかるもジーンは左肩にある重力制御デバイス「ベクトランサー」を操作してナッジスパロウの自由を奪う。右手側にあったフェンスに手も使わず叩きつける。重力感覚が狂ったナッジスパロウは困惑した。

 

「な、なんだ?」

 

 そして混乱しているナッジスパロウの背後からレーザーレイズライザーで2発の光弾を射出。大爆発が起きる。

 

「あああああああああああ?!」

 

 何度も重力の壁に叩きつけられるナッジスパロウ。苦悶の声を上げた。

 

「強い……」

「流石ジーンねぇ~」

 

 目の前で惨状が起きても余裕の笑みを絶やさないベロバ。

 

「フフ……でも、お生憎様~」

 

 ベロバはヴィジョンドライバーを腰にして装着する。

 

「寒さで限界だからさっさと暖かい所に行くわ。じゃね~♪」

「待て!!」

 

 レーザーレイズライザーから光弾を撃つも既にベロバは消え去っていた。バッファとナッジスパロウも消えている。

 

「フッ……白けさせるなよ。……冷えてきたなぁ。俺も何か暖かい物でも摂るか」

 

 それぞれが白い息を吐きながら会話をしていたので恐らくかなり冷え込んでいたのだろう。風邪など引かない事を祈りたい。

 

 こうしてデザグラ鬼ごっこは有耶無耶のままに中断された。




 筆者です。「漂禁XVI」をお送りしました。

 前書きは単に筆者の妄想を暴走させただけです。筆者、結構属性そっち持ちなんですよね。両さんは絶対この辺に関して理解を示しませんが。マリアちゃんの件もあって両さんはそっちのケに関してはアレルギー反応みたいになるでしょうねぇ。ダメ太郎のボディ問題については筆者がハマっている30msの現状そのままです。欲しいオプションパーツがあっても再販の見込み無しってのがザラにあるわけですよ。アマゾンで万単位の販売とか頻繁にあります。そこまでの額だと流石に手が出ませんね。人気の美少女プラモ、特にオプションパーツは発売日当日が勝負です。

 さて本文ですがタイフーンに関して込められたメッセージ。昨日更新分で出しました英文を日本語に翻訳したものも出しました。読者様から先だって翻訳して頂けたとご感想頂けたのは非常に嬉しかったです。果たして両さんはそれを受け止めてどう感じたか。明日以降はそこも徐々に出てきます。

 そしてジーンが変身しました。筆者なりにかなり細かく描写をしましたが如何でしたでしょうか? ベロバとジーンが寒がっているのはテレビ本編にてこの辺のシーンでメチャクチャ白い息を吐いていたのを見て思いつき、書き上げたものです。キャストと制作スタッフの皆様、寒い中でのロケお疲れ様でした。

 では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。

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