仮面ライダーギーツvsこちら葛飾区亀有公園前派出所~両さん、デザグラに出るってよ~ 作:唐 十三郎
「そんなしょげた顔してんじゃねえよツムリちゃん。まぁワシが言えた義理じゃねぇけどよ……」
「今や両津様もジャマーガーデンの一員ですからね。願わくばベロバ様からドライバーを取り返していただけませんか?」
かなりの無茶振りを振るツムリ。果たして両津はどう答えるか……
「おいベロバ。さっさとドライバーを返してやれって」
「即行動?! 躊躇とかされないんですか?」
「あ? グダグダ悩んでも仕方無ぇだろ。ほら、とっとと返してやれって」
「やーよ。それよか両ちゃん、ちょっとケーキ作ってよ」
「は? ケーキ? 何で?」
「んー……ちょっとしたお土産かな~」
「まぁ良いけどよ。急ぐならそんなに凝ったモノは出来んぞ」
「やったー! じゃあさ、何かオツマミになるような料理も出来る?」
「うーん……濃い味のサンドイッチかオニギリかなぁ。つってもベロバ、お前の見た目で酒飲むのはヤバいんじゃねぇか? 読者様にも以前言われたみたくまた注意を受けかねないし」
「え? 実年齢はクリアしてるからいんじゃね?」
「あーそーいやお前、実年齢はさんびゃ……」
「トシの話は言うんじゃないよぉおおおおおおおおおお!!」
果たしてベロバはケーキと料理をどうするのか。真相はこの後直ぐ。
デザイア神殿の最深部。ジーンから逃れたベロバが此処を訪れる。ドーリア式の大きな柱が並ぶこの空間に一際大きなものが浮かんでいる。
幾重にも翼を広げた女神像。そう、これこそが……
「やっと逢えたね。女神様」
このデザグラの全てを司る力そのもの。創世の女神である。
「さぁ、アタシの願いを叶えてもらうよ」
デザイアカードを右手に持つベロバ。辺りに荘厳なカリヨン、洋鐘の音が響く。
「あら?」
だが何も起きなかった。
「変ねぇ……何か足りないのかな? ねー? 何か素材とか要る――?」
だが創世の女神は全く反応しない。
「うーん……宝石とか持ってきたら良いのかしら? それとも生贄? お酒かなぁ? いっそ両ちゃんに美味しいご飯を沢山作ってもらってお供えでもしとく?」
「勝手な事をしてもらっては困る……」
創世の女神では無く、いつの間にかやってきたニラムが言った言葉だ。
「ゲームマスターとプロデューサー、2つの権限が無ければ創世の女神の力は発動しない。お供えとかは不要だ」
2本指を立ててベロバにアピールするニラム。だが咄嗟にブザー音がブブーっと鳴る。しかも連発で。
「……お供え、もしかしたら欲しいんじゃね?」
「そんなバカな……今までお供えなんか要求した事なんて無かったのに」
「ちょっと待って聞いてみる。ねー女神様、お供え欲しいのー?」
ベロバが質問すると創世の女神はそうだと言わんばかりにピンポンピンポンと正解を指し示すサウンドを鳴らした。
「欲しいって」
「そんな……じゃあ後で酒でも持って来させるか」
ニラムがボツリと言うもののお酒はそこまで求めてないのかブブーっとブザー音が鳴る。
「酒はダメか?!」
「センス無いなぁ、これだからオッサンは……」
「オッサンとか言わないでくれるかな?」
「じゃあ女神様~お菓子は好き? ケーキとか」
ベロバの問いにはやはりそうだと言わんばかりにピンポンピンポンと鳴る。
「ケーキは有りと……これは後で両ちゃんに作ってもらおう」
ベロバはいきなり可愛らしい装丁のノートを取り出しメモを取り始めた。
「ちょっと待て、何だそのノートは?」
「え? 恨み帳。今これしか書き込める物持ってなくてさ~」
「恨み帳?!」
確かにノートには”ベロバちゃんの絶対許さない人間メモ”と書かれている。
「そんな物に書かないでくれるかな……」
「だからー! 書くのが他に無かったの。じゃあ女神様、香水と化粧品ならどっちが良いかな? 香水なら1回、化粧品なら2回鳴らして♪」
「おい、何を勝手に!」
そしてピンポーンと1回鳴る。
「よしよし、香水ね~。ブルガリとか今度持ってくるわ♪」
「言っておくがな! ヴィジョンドライバーが2本無いと創世の女神の力は発動しないんだ! 本当だぞ!!」
「うん。それさっき聞いた」
「だからお供えなんて持ってきても意味は無い!」
「あ、そ。まぁそれは後でどーにでもなるっしょ。アタシは単に女神ちゃんへお参りに来るだけだから」
「お参りにって……創世の女神を寺社みたいに扱うんじゃない!!」
あまりに自由なベロバの態度。それに怒りを顕にするニラム。まぁここまで自由にしていれば仕方の無い事かもしれないが。
「しっかしセキュリティモリモリにしてるのね。ざーんねん!」
「女神を我が物にしようとした野蛮な輩は以前にも居てね。対処させてもらった。……そのドライバーを返しなさい!」
「べー! アハハハハハ!」
「はぁ……ならば……」
ため息を吐いたニラムはプロビデンスカードを手にしてヴィジョンリーダーにスキャンさせる。
『 GAZER, LOG IN 』
「実力行使に出るしかない……」
『INSTALL INNOVATION & CONTROL, GAZER』
ゲイザーに変身し即でドミニオンレイを射出、ベロバを包囲する。だがベロバは急ぎ脱出をした。最後にベロバの声だけが響く。
「また来るねー女神ちゃん♪ 今度はついでにそいつのドライバーを手に入れてから竹下で何かお土産買ってくるから~♪」
創世の女神は喜んで見送る様にキンコンカンコンキンコンカンコンとのど自慢で満点となった時の鐘を鳴らしていた。
「……由々しき事態だ」
ニラムはゲーミングPCの様に七色に輝く女神像を思いきり睨みつけていた。
サロンにてライダーたちが集っている。
「デザグラが続行不可能?!」
祢音が驚いた声を上げた。そしてツムリが答える。
「ゲームマスターが権限を奪われたため、あらゆるシステムが機能停止した状態です。ですので、今回のゲーム並びにデザスター投票は中止致します」
空間投影されたモニターには思いきり大きく”投票中止”と書かれている。
「良かったな、デザスター……勝負は有耶無耶みたいだぞ」
英寿が祢音を睨みつけて怒りを混ぜている事がわかるくらいに冷ややかに言葉を浴びせた。
だがその直後、英寿の頭を纏がハリセンでスパーンと叩いた。皆が目を丸くして驚く。叩かれた当人の英寿もこれには驚き叩いてきた纏に叫ぶ。
「な、何をする?!」
「女の子に凄むな! このデリカシー無し!」
「なんだと?」
「デザグラが中止になったのはグラサンオネェのポカのせいで、別に祢音ちゃんのせいじゃ無いだろ? 八つ当たりしてんじゃないよみっともない!」
「纏ちゃん……」
纏は暗い顔をした祢音の頭を撫でながら抱きしめる。
「別に俺は……」
「違うの? 違うって言うなら祢音ちゃんに謝りな!」
纏は英寿を睨みつけて凄む。流石にバツが悪くなったのか英寿は渋々と謝る。
「……済まなかった、ナーゴ」
「全っ然心が篭っていない! あと祢音ちゃんな! ライダーネームで呼ぶな!! ちゃんと本名で呼びなさい!!」
「……! 嫌味な事を言って大変失礼しました鞍馬祢音さん。許してください!」
英寿はしっかりと頭を下げて謝罪した。
「い、いいよ英寿! そこまでしなくてももう気にしないから!!」
「なんだよ。やれば出来るんじゃん」
「凄い……英寿にちゃんと謝らせた」
景和もこれには驚き感心する。
「流石両さんの奥さん……」
「あん? 違うからね景和くん、違うからね!!」
「ご、ごめん! まだだよね!」
「”まだ”ってのも違う~!」
首をブンブンと回し顔を真っ赤にして否定する纏。流石にここまで壊れると先ほどまでの張り詰めた空気も幾分か和らいだ。
「けれども、こうなると俺たちの誰も願いを叶えられないって事ですか?」
「それは困るな。チラミ、奴らの狙いは何だ?」
景和が質問し、そこに英寿も乗っかってきた。英寿の質問にソファに座って気を落としていたチラミが答える。
「……創世の女神よ」
「? そうせいの……めがみ?」
景和が聞き直しをした所、ニラムの秘書・サマスがチラミを思いきりひっぱたいた。
「あだぁあああああああああああ!!」
「うーわ……あんなに腰を入れたビンタなんて殆ど格闘技の掌底じゃん……痛そう~……」
自身が初対面の時にチラミを叩いた時の事を棚に上げてサマスのビンタを評した。サマスはチラミに冷酷に命令する。
「余計な事を言うな」
「は……はい。あ! プロデューサー!!」
チラミはやってきたニラムに近付いた。
「わ、私は何も悪くないのよ? ジャマトの奴らが私のドライバーを奪って……」
「ゲームマスターの権限を外部に奪われるとは言語道断だ……」
「ですよね~……」
みっともなく言い訳をするチラミを睨みつけて一蹴するニラム。そこに景和が質問をする。
「あの! ”そうせいのめがみ”って、何なんですか?」
筆者です。「漂禁XVII」をお送りしました。
前回前々回の更新分で本郷猛のメッセージに関して好意的なご感想を頂けて嬉しい限りです。そしてそれをちゃんと活かせる様に今後もストーリーを考えていく次第です。どうかよろしくお願いいたします。
ベロバの創世の女神詣でした。荘厳たる女神像を見て何かギャグに出来ないかと考えたらピンポンと言う音とゲーミング化でしたね。ベロバのキャラも合わさって非常に妙な物が出来たと思います。
サロンにて英寿への謝罪要求。テレビ本編を見ていて嫌味を言う英寿がイヤだなあと考えたら自然にこうなりました。デザスターの祢音ちゃんに対して良い印象を持てないのはわかるけど、流石にアレは無いなぁと。こういう時に纏ちゃんが居ると助かりますね。多分唯一英寿に説教できる人です。筆者設定で夏春都の若い頃にも似ているから尚更ですねw
では明日も間に合えば17:30更新ですのでよろしくお願いします。
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